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【化学】脂肪族炭化水素を図解で総まとめ—アルカン アルケン アルキン・付加 置換・エチレンとアセチレン|武蔵野個別指導塾

単結合・二重結合・三重結合の図から、付加と置換の違いを整理します。プロペンへの付加、アセチレンの製法、燃焼による分子式決定の例題を通して、構造式を根拠に反応を判断する力を育てましょう。
よくあるのは、体育館の隅のタイム表を見ながら競技の順番を待ち、手元の化学のノートで「エタンには置換、エチレンには付加」と確認しても、構造式を隠した途端にどちらだったか迷うという場面です。エタン、エチレン、アセチレンは名前が似ていますが、反応を分ける手がかりは語感ではありません。炭素どうしの結合を何本の線で表すかに注目すると、覚えた反応が構造と結びつきます。
炭化水素は、炭素と水素だけでできた化合物です。同じ2個の炭素をもつ分子でも、水素の数と結合の種類によって性質が変わります。この単元では、その違いを構造式から読み、反応後の物質と必要な物質量を考えます。名前、一般式、反応式を別々の暗記項目にせず、「炭素の結合の手が反応前後でどう使われるか」という1つの見方でつないでいきましょう。
この単元で身につけること
- アルカン・アルケン・アルキンを、炭素間の結合から区別します。一般式は便利ですが、使える構造の条件も合わせて確認します。
- 置換反応と付加反応を、反応前後の原子のつながりで説明します。物質の名前だけで判断せず、どの結合が変わったかを示します。
- エチレンとアセチレンの代表的な性質・製法を反応式で整理します。反応条件と物質量の比を混同しないようにします。
- プロペンへの付加で、主にできる生成物を構造式から考えます。マルコフニコフの法則の使い方と、その適用範囲の入口を押さえます。
- 燃焼や水素の付加の量的関係を使って、分子式と構造の候補を絞ります。付加重合では、単量体のどの部分がつながるかも読み取ります。
前に学んだ共有結合、物質量、化学反応式の係数比が土台になります。特に炭素は通常4本、水素は1本の結合をつくるという約束を、二重結合を2本、三重結合を3本として数えながら使います。構造式を書くたびにこの約束を確認すると、水素を1個多く書くような間違いを自分で見つけられます。
基本の考え方
結合の種類から3つの仲間を見分ける
炭化水素のうち、ベンゼン環のような芳香族の構造をもたないものを脂肪族炭化水素として扱います。炭素の骨組みには、鎖のようにつながる鎖式と、輪をつくる環式があります。ここで中心に学ぶのは鎖式のアルカン・アルケン・アルキンです。輪がある場合は水素の数が変わるため、鎖式の一般式をそのまま当てはめないことが大切です。
アルカンは、鎖式で炭素間がすべて単結合の炭化水素です。一般式は CₙH₂ₙ₊₂ で、n は炭素原子の数を表す1以上の整数です。メタン CH₄、エタン C₂H₆、プロパン C₃H₈ がこの順に並びます。これらは、炭素間に二重結合や三重結合をもたない飽和炭化水素に分類されます。「飽和」は、単に反応しないという意味ではありません。
アルケンは、鎖式で炭素間に二重結合を1個もつ炭化水素です。この条件で一般式は CₙH₂ₙ となり、n は2以上です。エチレン CH₂=CH₂ はエテンとも呼ばれ、プロペンは CH₂=CH-CH₃ と表せます。アルキンは、鎖式で三重結合を1個もつ炭化水素で、この条件での一般式は CₙH₂ₙ₋₂ です。最も簡単なアセチレン CH≡CH はエチンとも呼ばれます。二重結合や三重結合をもつものは不飽和炭化水素です。

図1のように、炭素が2個の場合は単結合、二重結合、三重結合の順に、水素が6個、4個、2個となります。炭素間の結合に使う手が増えると、水素に使える手が減るためです。図は結合の本数を比べる模式図で、エタン分子全体が一直線という意味ではありません。エタンの各炭素の周囲は立体的で、エチレンは分子全体が同じ平面上にあり、アセチレンは4個の原子が直線状に並びます。
一般式から種類を決めるときには注意が必要です。たとえば C₃H₆ はプロペンの分子式ですが、単結合だけで輪をつくるシクロプロパンも同じ分子式です。輪を1つもつ飽和炭化水素であるシクロアルカンの一般式も CₙH₂ₙ だからです。したがって「分子式が CₙH₂ₙ だから必ず二重結合がある」とは言えません。鎖式という条件や反応の情報と合わせて判断します。
置換・付加・燃焼で何が変わるか
置換反応は、分子中の原子や原子団がほかの原子や原子団に置き換わる反応です。メタンと塩素の反応では、光の照射によってメタンの水素1個が塩素1個に置き換わります。最初の置換を表す式は CH₄ + Cl₂ → CH₃Cl + HCl です。置き換わった水素は消えたのではなく、塩化水素に含まれています。さらに置換が進む場合もあるため、この式は生成物が常にクロロメタンだけになるという意味ではありません。
付加反応は、二重結合や三重結合の部分に原子や原子団が加わる反応です。たとえばエチレンは適切な金属触媒の存在下で水素を付加し、CH₂=CH₂ + H₂ → CH₃-CH₃ と変化します。炭素間の二重結合が単結合になり、各炭素に水素が1個ずつ加わります。炭素どうしが完全に切り離されるわけではありません。
エチレンに臭素が付加すると、CH₂=CH₂ + Br₂ → CH₂Br-CH₂Br となります。臭素の色が消えることは、不飽和結合を調べる手がかりです。ただし色の変化だけで、未知物質がエチレンであると特定できるわけではありません。また、アルカンとハロゲンの置換には光などの条件が関わるので、付加との比較は反応条件も含めて行います。構造を調べる観察と、物質を一意に決める証拠は区別しましょう。
燃焼は、アルカンにもアルケンにもアルキンにも見られます。完全燃焼では炭素が二酸化炭素に、水素が水になります。炭化水素 CₓHᵧ の完全燃焼は CₓHᵧ + (x + y/4)O₂ → xCO₂ + (y/2)H₂O と表せ、必要なら全体を同じ数倍して整数係数にします。酸素が不足する場合の不完全燃焼とは分けて考えます。身近な燃料を連想すると理解しやすいものの、燃えることだけでは炭化水素の種類を区別できません。
エチレンとアセチレンの製法・反応をつなぐ
エチレンは、エタノールの分子内脱水で得られます。教科書では濃硫酸の作用のもとで約170 ℃に加熱する反応として、CH₃-CH₂-OH → CH₂=CH₂ + H₂O と整理します。脱水とは水に相当する部分が分子から取れることです。温度などの条件が変わると別の反応が起こりうるため、「エタノールに濃硫酸を加えれば必ずエチレン」と条件を省略しないようにします。これは製法を理解するための反応の整理であり、家庭での実験としては扱いません。
工業的には、石油の成分である炭化水素を熱分解してエチレンなどを得ます。炭素の鎖を切ることで、小さい分子や不飽和結合をもつ分子が生じます。エチレンは水の付加によってエタノールへ変換することもでき、適切な触媒・条件下の反応を CH₂=CH₂ + H₂O → CH₃-CH₂-OH と表します。脱水と水の付加は、物質のつながりを逆向きにたどれますが、実際の反応条件まで同じではありません。
アセチレンは、炭化カルシウム CaC₂ と水の反応で発生します。反応式は CaC₂ + 2H₂O → C₂H₂ + Ca(OH)₂ です。ここでは、アセチレンだけでなく水酸化カルシウムもできることと、CaC₂ と C₂H₂ の物質量の比が1:1であることを押さえます。発生装置を組む手順ではなく、反応物と生成物の対応として覚えます。
アセチレンの三重結合に水素が1分子分付加するとエチレンに相当し、さらに1分子分付加するとエタンになります。全体は CH≡CH + 2H₂ → CH₃-CH₃ です。途中の段階で止められるかどうかは触媒や条件に依存するので、単に水素を混ぜればエチレンだけが取り出せるとは考えません。臭素も十分に付加させれば1 molのアセチレンに対して2 mol反応でき、CH≡CH + 2Br₂ → CHBr₂-CHBr₂ と表せます。
アセチレンに塩化水素が1分子分付加すると、塩化ビニル CH₂=CHCl ができます。これは炭素と水素だけの物質ではありませんが、炭化水素から別の有機化合物へ進む大事な例です。また、適切な触媒の存在下でアセチレンに水を付加させると、最終的にアセトアルデヒド CH₃-CHO が得られます。エチレンへの水の付加と同じ生成物にはならない点を、炭素間の結合の違いと一緒に覚えます。
炭化水素は一般に水に溶けにくく、有機溶媒には溶けやすい性質があります。アルカンの系列では、炭素数が多くなるほど沸点が高くなる傾向がありますが、同じ分子式でも枝分かれの仕方によって沸点は変わります。名前の順序だけで性質を決めず、分子の大きさと形の両方が関係することを覚えておきましょう。
例題で解き方を確かめる
例題1 水素の数から構造を確認する
鎖式炭化水素 CH₃-CH₂-CH₃、CH₂=CH-CH₃、CH≡C-CH₃ の名称、分子式、分類を答えます。さらに、それぞれ1 molを炭素数が同じアルカンにするのに必要な水素の物質量を求めます。水素の付加は完全に進むものとし、炭素の骨組みは変化しないとします。
- まず炭素を数えます。どれも3個なので、炭素数の違いではなく結合の違いを比べる問題だとわかります。この段階で骨組みを固定すると、水素の数に集中できます。
- 各炭素についた水素を足します。順に3 + 2 + 3 = 8、2 + 1 + 3 = 6、1 + 0 + 3 = 4です。中央の C に水素が書かれていない場合、勝手に補わず、結合の本数が4になっているか確かめます。
- 単結合だけならプロパン C₃H₈、二重結合が1個ならプロペン C₃H₆、三重結合が1個ならプロピン C₃H₄ です。分類は順にアルカン、アルケン、アルキンとなります。
- プロパンにそろえるための水素原子の不足分を求め、2で割ります。水素は H₂ として加わるため、プロペンでは2個不足して1 mol、プロピンでは4個不足して2 mol必要です。プロパンには付加させる不飽和結合がありません。
答え:プロパン C₃H₈・アルカン・0 mol、プロペン C₃H₆・アルケン・1 mol、プロピン C₃H₄・アルキン・2 molです。
例題2 プロペンに臭化水素が付加する向きを考える
プロペン CH₂=CH-CH₃ に臭化水素 HBr を付加させます。通常のマルコフニコフの法則に従う条件で、主に得られる生成物の構造式と名称を答えます。特殊な添加物による別の付加の進み方は考えません。
- 二重結合の両端の炭素について、もともと結合している水素を数えます。左の CH₂ には2個、中央の CH には1個あります。末端の CH₃ は二重結合の炭素ではないため、この比較に入れません。
- 水素の多い側に H が付くと考えます。非対称なアルケンへのハロゲン化水素の付加では、通常、H は二重結合の両端のうち水素原子の多い炭素に結合します。これがマルコフニコフの法則です。
- 残る Br を中央の炭素に結合させ、二重結合を単結合に直します。左側は CH₂ から CH₃、中央は CH から CHBr となり、生成物は CH₃-CHBr-CH₃ です。
- 原子数と結合の数を確認します。反応前は C₃H₆ と HBr、反応後は C₃H₇Br です。中央の炭素には、左右の炭素、水素、臭素への合計4本の結合があります。

図2のように、H と Br が二重結合の両端へ分かれて結合します。左右の書き方を逆にしても、もともとの水素の多さを比べる規則は変わりません。この法則は主生成物を判断する経験則として使い、「例外なく生成物が1種類だけになる」とは読みません。H₂ や Br₂ のように両端に同じ原子が付く場合、付加の向きをこの法則で選ぶ必要はありません。
答え:主生成物は CH₃-CHBr-CH₃、2-ブロモプロパンです。
例題3 アセチレンの発生量と水素の消費量を求める
純粋な炭化カルシウム6.4 gを十分な水と反応させます。生じたアセチレンの標準状態での体積と、全量をエタンにするのに必要な水素の物質量を求めます。反応は完全に進み、気体の損失はないものとします。原子量は H=1.0、C=12、Ca=40 とします。気体は理想気体として扱い、標準状態は0 ℃、1.013×10⁵ Pa、気体1 molの体積は教科書で用いる22.4 Lとします。
- CaC₂ のモル質量を求めます。40 + 12×2 = 64 g/molなので、物質量は6.4 g ÷ 64 g/mol = 0.10 molです。質量をそのまま係数比に使うことはできないため、最初に mol へ直します。
- CaC₂ + 2H₂O → C₂H₂ + Ca(OH)₂ の係数を読みます。CaC₂ と C₂H₂ は1:1なので、アセチレンは0.10 molです。水の係数が2でも、発生するアセチレンが2倍になるわけではありません。
- アセチレンの物質量を体積に直します。0.10 mol × 22.4 L/mol = 2.24 Lとなり、与えられた質量に合わせて有効数字2桁で2.2 Lとします。
- 水素の付加の反応式 C₂H₂ + 2H₂ → C₂H₆ を使います。アセチレン1 molに水素2 molが必要なので、0.10 mol × 2 = 0.20 molです。製法と付加の反応式を分けると、2つの係数比を取り違えません。
答え:アセチレンの体積は2.2 L、水素の物質量は0.20 molです。
例題4 燃焼のデータから分子式を決める
炭素と水素だけからなる鎖式化合物0.560 gを完全燃焼させたところ、CO₂ が1.76 g、H₂O が0.720 g得られました。この物質のモル質量は56.0 g/molです。分子式を求め、アルケンと判断できる理由を述べます。原子量は H=1.0、C=12、O=16 とします。
- CO₂ と H₂O の物質量を求めます。CO₂ は1.76 ÷ 44 = 0.0400 mol、H₂O は0.720 ÷ 18 = 0.0400 molです。燃焼生成物に移った炭素と水素を数えるための準備です。
- 元の物質に含まれた原子の物質量に直します。C は CO₂ 1分子に1個なので0.0400 mol、H は H₂O 1分子に2個なので0.0800 molです。比は1:2となり、最も簡単な整数比を表す組成式は CH₂ です。
- 組成式に対応する式量14と、分子のモル質量56.0 g/molを比較します。56.0 ÷ 14 = 4なので、分子式は C₄H₈ です。組成式の CH₂ をそのまま分子式としないようにします。
- 鎖式という条件を使います。炭素数4のアルカンなら C₄H₁₀ なので、水素が2個少ない C₄H₈ は二重結合を1個もつアルケンに当たります。環式の可能性が問題文で除かれていることが、この判断を支えています。
念のため元素の質量も戻して確かめます。炭素は0.0400×12 = 0.480 g、水素は0.0800×1.0 = 0.0800 gで、合計は0.560 gです。ただし、このデータだけでは二重結合の位置や枝分かれまでは決まりません。1-ブテン、2-ブテン、2-メチルプロペンなどの候補を区別するには、追加の情報が必要です。
答え:分子式は C₄H₈ で、鎖式という条件から二重結合を1個もつアルケンと判断できます。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 付加を原子の交換として書く
誤った書き方は「CH₂=CH₂ + Br₂ → CH₂=CHBr + HBr」です。これは水素が臭素に置き換わる形になっており、エチレンへの臭素の付加を表していません。さらに生成物の二重結合が残っているため、「どこに付加したのか」が式に示されていません。
正しい書き方は CH₂=CH₂ + Br₂ → CH₂Br-CH₂Br です。二重結合を単結合に直してから、両端に Br を1個ずつ加えます。反応式の原子数が合うだけでは、反応の種類が正しいとは限りません。置換では何が出ていくか、付加では何が加わるかを構造式で追う必要があります。
誤り2 二重結合があれば必ずシス・トランス異性体があるとする
誤った考え方は「プロペンにも二重結合があるのでシス形とトランス形がある」です。二重結合の周りでは自由な回転ができませんが、それだけでは条件が足りません。二重結合の各炭素に、それぞれ異なる2種類の原子や原子団が結合している必要があります。プロペンの CH₂ 側には同じ H が2個あるため、配置を入れ替えても別の形として区別できません。
正しくは、2-ブテン CH₃-CH=CH-CH₃ ではシス・トランス異性体が存在します。どちらの二重結合炭素にも H と CH₃ が結合しており、2つの CH₃ が同じ側ならシス形、反対側ならトランス形です。原子のつながりは同じで、空間的な配置が違う異性体なので、立体異性体に分類されます。

図3のように、二重結合を横向きに描くと、CH₃ が上側どうしにあるか、上側と下側に分かれるかで区別できます。紙全体を回転させても、同じ側か反対側かの関係は変わりません。単結合の周りの回転で生じる見かけの向きの違いと、二重結合を挟んだ配置の違いを分けて考えましょう。
誤り3 付加重合で水が取れると考える
誤った書き方は「多数のエチレンがつながると、ポリエチレンと水ができる」です。エチレンは炭素と水素しか含まないため、酸素を含む水は生じません。二重結合の部分が変わって分子どうしが結合する反応を、別の重合の種類と混同しています。
正しくは、n CH₂=CH₂ → [-CH₂-CH₂-]ₙ と表します。小さい出発分子を単量体、多数の単量体がつながってできる大きな分子を重合体といい、このつながり方を付加重合といいます。括弧の中は繰り返し単位で、炭素間の二重結合は単結合となり、単位の両端は隣の単位につながります。ここでの n は重合する単量体の個数を表し、炭化水素の一般式の炭素数とは役割が違います。
プロペンなら繰り返し単位は [-CH₂-CH(CH₃)-] です。二重結合に含まれる2個の炭素が主鎖となり、CH₃ は枝として残ります。ポリエチレンを単に「水素が付加したエタンが集まったもの」と考えると、単位どうしをつなぐ結合を書けなくなります。付加する相手が H₂ なのか別の単量体なのかに注目しましょう。
練習問題
練習1
鎖式炭化水素 A は C₅H₁₂、B は二重結合を1個もつ C₅H₁₀、C は三重結合を1個もつ C₅H₈ です。それぞれの分類と、各0.10 molを同じ炭素骨格のアルカンにするときに必要な H₂ の物質量を答えます。付加は完全に進むものとします。
練習2
1-ブテン CH₂=CH-CH₂-CH₃ に HBr を付加させます。通常のマルコフニコフの法則に従う条件で、主生成物の構造式と名称を答えます。また、もとの1-ブテンにシス・トランス異性体があるか、理由を添えて答えます。
練習3
純粋な CaC₂ 3.2 gを十分な水と反応させます。生じるアセチレンの物質量と、全量を完全燃焼させるために必要な O₂ の標準状態での体積を求めます。原子量は C=12、Ca=40、気体1 molの体積は標準状態で22.4 Lとし、反応は完全に進み、損失はないものとします。
練習4
エチレン2.8 gがすべて付加重合してポリエチレンになりました。得られる重合体の質量と、その中に取り込まれた繰り返し単位の物質量を求めます。原子量は H=1.0、C=12 とし、末端部分の質量と添加物の影響は無視します。反応に使ったエチレンの mol を、そのまま重合体分子の mol と呼べるかも答えます。
答えと解説
練習1:A はアルカンで H₂ は0 mol、B はアルケンで0.10 mol、C はアルキンで0.20 molです。二重結合1個は H₂ 1分子分、三重結合1個は H₂ 2分子分を受け入れて単結合になります。炭素数が5に増えても、不飽和結合1個当たりの比は変わりません。
練習2:主生成物は CH₃-CHBr-CH₂-CH₃、2-ブロモブタンです。二重結合の末端の CH₂ に H、もう一方の CH に Br が付加します。1-ブテンにはシス・トランス異性体はありません。二重結合の一方の炭素に同じ H が2個結合しているためです。付加の向きの判断と立体異性体の有無は、別々の条件を調べます。
練習3:CaC₂ の物質量は3.2 ÷ 64 = 0.050 molなので、アセチレンも0.050 molです。完全燃焼は 2C₂H₂ + 5O₂ → 4CO₂ + 2H₂O で、酸素はアセチレンの5/2倍必要です。酸素の物質量の計算値は0.125 mol、体積は0.125×22.4 = 2.80 Lとなります。有効数字2桁で、答えはアセチレン0.050 mol、酸素2.8 Lです。
練習4:重合体の質量は2.8 g、取り込まれた繰り返し単位は2.8 ÷ 28 = 0.10 molです。付加重合では小分子が外れないので、この条件では単量体の質量が保たれます。ただし、多数のエチレン分子がつながって1個の重合体分子になるため、重合体分子が0.10 molできたとは言えません。重合体分子の mol を求めるには、1分子にいくつの単位がつながったかという追加の情報が必要です。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
炭化水素の反応を学ぶと、炭素骨格を保ちながら O やハロゲンを含む化合物へ変える道筋が見えてきます。エチレンへの水の付加でできるエタノールはアルコールの学習へ、アセチレンから得られるアセトアルデヒドは酸素を含む有機化合物の学習へつながります。付加重合の繰り返し単位は、合成高分子の構造を読む土台になります。
家庭での確認の1つ目は、5分でエタン・エチレン・アセチレンの構造式を並べ、それぞれの炭素の結合を4本まで数えることです。その下に完全に水素を付加させる式を書くと、分子式と係数比の両方を確認できます。2つ目は、別の5分で「メタンと塩素」「エチレンと臭素」「エチレンの重合」を紙に書き、変化する結合と原子に印を付けて説明することです。薬品を使わず、構造式だけで取り組めます。
個別指導では、生成物を間違えた段階だけでなく、炭素の結合の数を数えられるか、係数を mol の比として読めるかまで戻って確かめます。説明が途中で止まった位置が見つかれば、反応名の暗記を増やす前に、必要な土台を練習できます。
まとめ
反応式を書いて迷ったときは、炭素の骨組みを残して、変化する結合に印を付けてみましょう。水素が置き換わるのか、二重結合へ原子が加わるのか、隣の単量体とつながるのかが見えれば、生成物の構造と物質量の比を同じ式から説明できます。分子式だけで候補が決まらないときも、鎖式という条件や付加の情報が何を絞るのかを言葉にできます。
反応名を言えるだけでは、水素1個の書き違いは見抜けません。炭化水素の理解を確かめる基準は、反応の前後で炭素の4本の結合を自分の手で数え直せることです。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。




