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高校受験の面接で普通科を選んだ理由を聞かれたら—やりたいことが決まっていない生徒の答え方|武蔵野個別指導塾

やりたいことが一つに決まっていない中3ほど、学科の理由を聞かれて言葉に詰まります。答えの材料の集め方と、専門学科・総合学科と比べられたときの言い方を整理します。
普通科を選んだ理由を聞かれて言葉に詰まるとき、足りないのは理由ではなく、理由の置き場所です。普通科は、入学する前に進路を一本に決めておく学科ではありません。幅広く学びながら関心を確かめ、その先の道を決めていくための学科です。だから答えは、決めた専門分野の説明ではなく、これから何を確かめたいかで作ります。
都立の全日制には普通科・専門学科・総合学科があり、普通科はそのうちの一つです。面接の答え方に都の決まりはありません。受検票と志望校の指示が最優先で、質問の数も時間も学校ごとに違います。ここから先は、塾の面接練習で使っている組み立てです。
よくあるのは、志望校の面接練習で「なぜ普通科なのですか」と聞かれ、喉まで出かかった「なんとなく」を飲み込んだまま、数秒黙ってしまう場面です。志望校はもう決まっている。行きたい気持ちもある。それなのに、学科を選んだ理由だけが言葉にならない。手元の願書には「普通科」と書いてあるのに、その一語を自分のものとして説明する材料を、まだ一度も並べていないのです。
普通科・専門学科・総合学科は何が違うのか
都立の全日制の学科は、大きく三つに分かれます。普通科は、国語・数学・英語・社会・理科などの教科を土台にして幅広く学ぶ学科で、コースを置く学校や単位制の学校もここに入ります。専門学科は、農業・工業・商業・家庭・芸術などに関する学科で、その分野の科目を中心に学びます。総合学科は、自分の興味や進路に合わせて科目を選び、学びの組み立てをつくる学科です。どれが上でどれが下という関係はありません。学ぶ順番と中心が違うだけです。
出願は1校1コース(1科)に限ります。同じ学校に複数の学科がある場合、普通科とコースのように学科が分かれていれば、それぞれ別の学科として扱われ、片方を第1志望にしたときにもう片方を第2志望にはできません。同じ学科の中に2つ以上の科や分野がある学校では、第2志望を一つ指定できる場合があります。この決まりは、面接の答えの組み立てにも効いてきます。「普通科を選んだ」というのは、「まだ何も決めていない」ではなく、「この学校のこの学科を選んだ」という比較の結果なのです。
図1は、三つの学科を学び方の違いで並べたものです。面接で問われるのは、この分類を暗記しているかどうかではありません。三つを比べたうえで、自分がなぜほかの二つではなく普通科なのかを、自分の言葉で説明できるかどうかです。分類を知っていることは、その説明の土台になります。

図1のように、三つは並列の学科で、優劣はありません。だから「普通科だから」と答えるだけでは、理由にならないのです。
「なんとなく」を答えに変える三つの材料
答えを作る前に、材料を三つ集めます。一つ目は、今の関心です。授業でおもしろかった単元、説明会で見た授業、家で話題になった出来事。分野の名前まで固まっていなくてよく、「気になっている」で十分です。二つ目は、その学校で確かめたいことです。学校案内の学科の頁、見学で見た教室や設備、選べる科目の一覧。ここが空欄のままだと、「普通科ならどこでもよい」という答えに聞こえてしまいます。三つ目は、卒業後の候補です。決めなくてよいのですが、方向が一つあると、答えの最後が締まります。三つは、そろわなくても答えられます。二つそろえば十分で、一つでも関心の話だけで形になります。
集めた材料は、四つの順に並べます。結論、理由、学校で確かめたいこと、卒業後の候補です。最初に「普通科を選びました」と結論を置くと、聞いている側は次の話の置き場所を作れます。次に理由を一つ。まだ絞れていないことでも、複数の関心が同じくらい大きいことでもかまいません。三つ目に、その学校で何を確かめたいか。ここが答えの中心です。最後に、卒業後の候補を「今はこう考えています」と柔らかく置きます。
図2のように、四つをこの順に並べるだけで、答えは1分弱の長さになります。逆に、理由から話し始めて学校の話に届かないと、聞き手は「なぜこの学校なのか」をもう一度聞くことになります。順番は、内容を変えずに答えを強くする道具です。

ここで一つ注意があります。四つのうち、三つ目が空のままになっている生徒が少なくありません。理由は言える、卒業後の話もできる、でも学校で確かめたいことが出てこない。この場合、答えは「普通科一般」の話になり、志望校を選んだ理由には届きません。学校案内を一枚めくるところから始めます。
「決まっていない」を弱点にしない言い方
「決まっていない」は、隠すと弱くなり、そのまま置くと強くなります。隠そうとして「決まっています」と言うと、次の質問で具体的な中身を聞かれて崩れます。塾の練習では、決まっていないことを最初に認めたうえで、決まっていないからこそ普通科を選んだ、という順に直します。
たとえば、「やりたいことが決まっていないので普通科です」は、「まだ一つに絞れていないから、幅広く学べる普通科で、関心のある分野を確かめたいと思いました」と言い換えます。理由が「決まっていない」から「確かめたい」に変わるだけで、答えの向きが前を向きます。
たとえば、「専門分野が決まっていないので」と言いかけたときは、「今は二つの分野に同じくらい関心があって、どちらが自分に合うか比べたい」と、数を出して言います。二つという数は、絞れていない証拠ではなく、比べている証拠になります。
例文は、そのまま覚えても使えません。空欄の部分を、自分の授業の単元、見学で見た教室、家族と話した内容に置き換えます。置き換えた言葉で声に出し、録音して聞き返すと、自分の言葉になっていない箇所が見つかります。覚えた文は、次の質問が来たときに続かないからです。自分の出来事が入った文だけが、2つ目の質問に育ちます。
言い換えで気をつけるのは、背伸びをしないことです。興味のある分野を、実際よりはっきりした言葉にすると、次の質問で細かい中身を聞かれて詰まります。「気になっている」は「気になっている」のまま置いて、そのあとに「どこで気になったか」を足すほうが、答えは長持ちします。同じ言葉を続けて使わないことも大切です。「確かめたい」を三回重ねると、答えが薄くなります。2回目からは「見てみたい」「比べたい」と言い換えます。
専門学科や総合学科と比べられたときの説明
面接では、「なぜ専門学科ではないのですか」「総合学科ではいけないのですか」と、比べる質問が続くことがあります。このとき気をつけるのは、ほかの学科を下げないことです。「専門学科は大変そうだから」「総合学科はよくわからないから」という言い方は、選んだ理由ではなく、避けた理由になります。避けた理由は、次の質問で掘り返されやすいものです。
専門学科と比べられたときは、分野を一つに決めていないことをそのまま言い、代わりに何を確かめたいかを足します。工業や商業といった分野の名前を出す必要はありません。「今は分野を一つに決めきれないので、5教科を土台に幅広く学びながら、関心のある分野を確かめたい」という形です。
総合学科と比べられたときは、総合学科も幅広く学べる学科だと認めたうえで、自分にはまだ選ぶ基準が足りない、と説明します。科目を自分で選ぶ学科では、選ぶ力が先に要ります。普通科で土台を作ってから選びたい、という順番の説明になります。どちらの場合も、相手の学科をけなさず、自分の順番を言う形です。
たとえば、「総合学科のほうが自由そうですよね」と返されたら、「自由に選ぶには、何が好きかがはっきりしていないといけないと思いました。今はそこを普通科で確かめたいです」と返します。相手の言葉を一度受け取ってから、自分の順番を言います。受け取らずに否定すると、答えが議論になります。
比べる質問への答えは、志望校の学科の説明と食い違わないようにします。学校案内に書いてある普通科の特色を一つ読み、自分の言葉に直しておくと、追加の質問でも同じ軸で答えられます。説明会で聞いた話を一つ混ぜると、その学校を見てきたことが伝わります。
追加の質問に備える
普通科の答えは、たいてい2つ目の質問で試されます。「普通科に入って、何を頑張るのですか」「卒業後の進路は決まっているのですか」「普通科だと、資格は取れないですよね」。どれも、最初の答えの続きを聞いているだけです。最初の答えに学校で確かめたいことが入っていれば、2つ目は自然に答えられます。入っていなければ、そこで止まります。
備え方は、答えを書くことではなく、質問を想定して声に出すことです。ノートの左に自分の答えを書き、右に家族や講師が返しそうな質問を三つ書きます。その三つに、最初の答えと同じ順番で返します。結論を短く、理由を一つ、学校の具体を一つ。この練習を三回もすると、答えの骨が残ります。
質問を出してもらうときは、答えの正しさを見てもらうのではなく、答えのあとに黙ってもらうのがこつです。沈黙が来ると、言葉を足したくなります。足した言葉のなかに、次の質問の材料が入っています。
「資格は取れないのですか」のように、事実を確かめる質問が来ることもあります。資格や検定の取得が学校ごとに決まる以上、その場で数字や名称を作ってはいけません。自分の知っている範囲を言い、分からない部分は「学校の案内で確かめたい」と締めます。知らないことを知らないと言える答えは、次の質問でも崩れません。
答えが長くなりすぎたときは、最後の候補の話を削ります。結論、理由、学校の具体の三つが残っていれば、普通科を選んだ理由としては十分です。削る順番を決めておくと、時間が短い面接でも慌てません。
よくある質問
親が作った志望理由をそのまま話してもよいですか
面接は口頭のやり取りなので、暗記した文は追加の質問で崩れます。親の言葉を参考にするのは構いませんが、最後は自分の出来事に置き換えます。自己PRカードの「志望理由について」の欄と食い違うと、面接の資料と口頭がずれます。欄に書いた一文を、短く口で言い直しておくと安心です。
学科の名前を言い間違えたら、どうすればよいですか
言い直してかまいません。「普通科」と「総合学科」は響きが似ていて、緊張すると入れ替わります。間違えたまま続けると、答えの中身までずれます。一度止まって「普通科です」と言い直し、そのまま理由に進みます。言い直したあとに言い訳を足す必要はありません。
やりたいことが面接の直前に決まったら、正直に言ってよいですか
言ってかまいません。ただし、決まった分野の話だけに切り替えると、出願した学科とのつながりが薄くなります。決まったことを一言伝え、そのうえで「だから今の学科で確かめたい」と、最初の答えの軸に戻します。
説明会に行っていない場合は、どう答えればよいですか
行っていないことを隠す必要はありません。学校案内や学校のサイトには、普通科の学びの説明が載っています。そこから一つ選び、自分の関心と結びつけます。「説明会で聞きました」と、実際にないことを言うと、次の質問で中身を聞かれて詰まります。見学の機会がまだあるかどうかは、学校の案内と中学校の先生で確かめます。
確かめる順番
面接の前に確かめることは、五つあります。順番に意味があります。
まず、学校案内の学科の頁を開き、普通科の学びの説明に線を引きます。次に、説明会や見学で見た授業を一つ思い出し、メモに書きます。その次に、今の関心を二つ書きます。分野の名前でなく、単元や出来事のままでかまいません。そして、集めた材料を四つの順に並べ、30秒で声に出して録音します。最後に、家族に答えを聞いてもらい、追加の質問を一つ出してもらいます(図3)。
録音を聞き返すときは、内容より、言葉が止まった場所を探します。止まった場所には、まだ自分の言葉になっていない材料があります。そこだけを書き直し、次の練習では同じ質問から始めます。全部を書き直すと、最初の答えの良さまで消えてしまいます。
準備の最後に、受検票と志望校の案内を確かめます。面接の日時や、どの日にどの検査があるかは学校ごとに決まります。学科の説明の準備と、当日の指示の確認は別の作業です。準備ができた日ではなく、指示を確かめた日を面接の一週間前に置いておきます。

図3の五つは、上から順に進めます。二つ目と三つ目を飛ばすと、四つ目の録音で話すことがなくなります。
個別指導で確かめること
講師が面接官役になり、「なぜ普通科にしたの」と聞いて、返ってきた答えをそのまま返します。返された言葉を聞くと、自分の答えのどこが曖昧かが見えます。学科の説明まで戻る必要があるときは、三つの学科の違いから並べ直します。答えを作り直すのではなく、本人がすでに持っている材料の順番を変える作業です。録音を一緒に聞き返し、止まった一言を本人の言葉で置き換えるところまでを一回で終えます。
まとめ
答えを支えるのは、決めた分野の名前ではなく、これから確かめたいことの具体です。
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