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高校生の不登校と勉強の遅れ—単位と出席は学校と話し、家では何を続けるか|武蔵野個別指導塾

欠課の数が並んだ学校の手紙は、科目ごとの表に写して担任へ。授業に代わる通信教育で数えられる単位は74単位のうち原則36単位までで、使うかは在籍校が決めます。家で毎日続けるのは英語と数学の基礎に絞ります。
高校生のお子さまが学校を休み続けているなら、単位と出席のことは親が担任と話し、家ではお子さまと英語と数学の基礎だけを続ける、と役割を二つに分けてください。欠課の数が単位にどう響くかを決める基準は、お子さまが在籍している高校の手の中にあります。家でいくら問題を解いても、その基準の答えは家の中からは出てきません。今夜は手紙の数字を科目ごとに紙へ写し、明日は担任に「どの科目で、これから何が必要ですか」と一つだけ聞く。最初の一手はそれで足ります。
よくあるのは、高2の6月、学校から届いた手紙を親子で読んだ夕方という場面です。封を切ると、科目の名前の横に欠課の数が並んだ表が入っていました。お子さまは数学の欄で目を留め、何も言わずに自分の部屋へ戻ります。居間に残った親は表を何度も読み返し、「このままだと進級できないのでは」と考えて、スマートフォンで検索を始めます。けれども、どれだけ画面を送っても、お子さまの高校の基準は出てきません。その夕方にできることは、もっと手前にあります。
高校で長く休むと何が起きるか—単位、国の仕組み、学校が決めること
中学校までと大きく違うのは、高校では科目ごとに単位を修得し、それを積み重ねて卒業に必要な数へ届かせる点です。学校からの手紙に欠課の数が科目別に並んでいるのは、その単位の認定に関わるからです。何回の欠課で何が起きるのか、遅刻や早退をどう数えるのかは、高校ごとに決めている基準によります。手紙の数字は、学校がその基準に照らして早めに知らせてきたものと受け止めてください。数字をにらむより、「この数字は基準のどのあたりか」を学校に聞くほうが、ずっと早く正確な答えにたどり着けます。
二つ目の違いは、国の仕組みの当てはまり方です。小学校と中学校には、不登校の子供が家などで続けた学習の成果を、学校の判断で成績に考慮できるとした令和6年の国の通知がありますが、高校の生徒はその対象から外れています。中学のときに担任から聞いた話や、知り合いの家の話をそのまま高校に持ち込むと話がかみ合わなくなるのは、このためです。
そのかわり、高校には別の道が国の規則に書かれています。学校教育法施行規則の第88条の4が対象にしているのは、学校生活になじめずに長いあいだ欠席し、この先も欠席が続くと見込まれる生徒などです。そうした生徒について、高校が教育のうえで役に立つと認めたときは、授業のかわりに通信教育を行えるとしています。お子さまは自宅などで通信教育を受け、その科目の単位を修得する形になります。学校を移る話ではなく、いまの高校に籍を置いたまま使う仕組みだという点を押さえておいてください。
ただし、この道で数えられる単位には上限があります。同じ規則の第96条によると、卒業までに修得する74単位のうち、通信教育などの方法で得た単位を数えられるのは、原則として合わせて36単位までです。図1のように、74単位の帯のうち半分に少し届かない所までが上限で、残りは授業に出て修得する単位などで埋めることになります。

いちばん大事なのは、規則が、高校は通信教育を「行うことができる」と書いているだけで、どの高校でも必ず使えると約束してはいない点です。この仕組みを使うかどうか、使うならどの科目に当てるかを決めるのは、お子さまが在籍している高校です。親にできるのは、「この学校で、この仕組みを考えられる科目はありますか」と尋ねるところまでです。単位も出席も、家の中で決まるものは一つもありません。だからこそ、家では家で決められることに力を集めます。
家でできる手順
手順は六つあります。前の三つは学校と話すための手順で、親が受け持ちます。後ろの三つは家で勉強を続けるための手順で、お子さまの調子を見ながら進めます。順番は入れ替えないでください。学校から授業の進み方を聞かないうちに家の勉強を始めると、教科書のどこを開けばよいかが決まらないからです。
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手紙を読んだその夜に、科目ごとの表を1枚作ります。A4の紙を横にして、左から「科目」「手紙にある欠課の数」「出していない課題」「先生に聞きたいこと」の4列を引き、手紙の数字をそのまま写します。ここでは計算をしません。「あと何回で」と親が数え始めると、基準を知らないまま結論だけが先に立つからです。お子さまには「先生に聞くための表を作っておくね。見たくなったら見て」とだけ伝え、一緒に書くよう求めないでください。
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翌日か次の平日に、担任へ連絡して三つだけ聞きます。連絡の手段は、学校がふだん使っている電話や連絡の仕組みに合わせます。最初に「手紙を読みました。家で何をすればよいかを知りたくて連絡しました」と目的を言うと、話が責める方向へ流れません。聞くのは、表の科目のうち特に急ぐのはどれか、その科目で今から出せる課題や補う方法があるか、科目ごとの授業の進み方(いまの単元と教科書の頁)をどうやって教えてもらえるか、の三つです。答えは表の右端の列に書き込みます。
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担任の次に学年の先生、その次にスクールカウンセラーと話します。図2のように、担任には科目ごとの欠課と課題を、学年の先生(学年主任など)には学年としての見通しを、スクールカウンセラーには本人と親の気持ちを、それぞれ持っていきます。この順にすると同じ説明を何度もせずに済み、先生ごとに違う話を聞いて迷うことも減ります。次の人へは担任につないでもらうのが近道で、「学年の先生にもお話を聞きたいので、つないでいただけますか」と頼めば足ります。授業に代わる通信教育の仕組みについて聞くのも、学年の先生と話す段階が向いています。

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学校から聞いた授業の進み方をもとに、家で続ける範囲を英語と数学の基礎に絞ります。英語は、授業でいま扱っている課の本文を一段落だけ開き、学校から音声が配られていれば聞いてから声に出して読み、意味の取れない語に印を付けます。数学は、いまの単元の教科書の例題を一つ読み、解答を隠して自分で解いてみます。解けなければ、その例題で使っている前の単元(高1の内容や中学の内容)へ一つずつ戻ります。英語と数学を選ぶのは、前の単元の文の形や式の扱いが次の単元の土台になっていて、抜けたまま進むと次の授業がまるごと読めなくなるからです。ほかの教科は、学校から出た課題のプリントだけに当てます。
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1日に1枠、20分から始めて、やったことを記録します。枠を置く時刻は、起きてから昼までのあいだと夕方のうち、本人が選んだほうにします。1枠で扱うのは英語か数学のどちらか一つです。終わったら、手順1の表とは別の紙かノートに、日付・教科・教科書の頁・かかった時間の4つだけを書きます。お子さまに頼む言葉は「今日は英語の本文を一段落だけ。終わったら頁の数字を書いておいて」くらいの短さで十分です。朝起きられない、頭やおなかの痛みが続くといった体の様子があるときは、枠を置くより先に医療機関へ相談してください。
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週に一度、記録と授業の進み方を並べて見直します。金曜の夕方など曜日を決めておき、記録の紙と、担任から聞いた授業の進み方を机に並べます。見るのは、どの単元まで戻れたか、次の週は枠を同じにするか一つ増やすか、次に先生へ聞くことは何か、の三つです。決まったことは2週に1回ほど、担任へ短く伝えます。記録を学校の評価にどう使うかは学校が決めることですが、何をどこまでやったかが紙で見えると、先生との話は具体的になります。
言葉と場面の例
単位の話が出た家では、親の口から出る言葉が、ふだんより鋭くなりがちです。言いがちな言葉と、その言い換えを五つ並べます。
「このままだと留年だよ」は、「手紙のこと、先生に聞いてくるね。わかったことは夜に話す」に言い換えます。進級の基準は学校が持っていて、手紙を読んだ夜の家ではまだ誰にもわかりません。わからないことを脅しに使うと、お子さまは手紙ごと話題を避けるようになります。親が聞きに行くと伝えれば、お子さまは判断を背負わずに済みます。
「家にいるんだから、せめて勉強くらいしなさい」は、「数学の教科書、いまの単元の例題を一つだけ見ておく?」に変えます。「せめて」「くらい」は、家にいることそのものを責める響きを持ちます。教科と量を具体的に言えば、お子さまは引き受けるか断るかを自分で選べます。断られた日は、それ以上言葉を重ねません。
「みんなはもう先に進んでるよ」のかわりに、「授業がいまどこをやっているか、先生に聞いておいた。この紙に書いてある」と言います。比べる言葉は、遅れの大きさだけを見せます。授業の位置を紙で渡すと、遅れは「この単元からこの単元まで」という範囲に変わり、手をつける場所が見えてきます。
「昨日はやったのに、今日はやらないの」と言いそうになったら、記録の紙を見て「昨日の分、ちゃんと書いてあるね」とだけ言って終えます。やれなかった日を問いただすと、やれた日の記録まで重く感じられるようになります。できた日に触れて会話を閉じれば、次に机へ向かう入口が残ります。
「通信教育の方法があるらしいから、自分で先生に頼んでみたら」は、「学校の仕組みのことは、私が先生と話してくる」に言い換えます。単位や仕組みの相談を高校生本人に任せると、学校へ連絡すること自体が大きな壁になります。学校との窓口は親が持ち、お子さまの手元には教科書の小さな1枠だけを残してください。
やりがちな三つのずれ
一つ目は、手紙の数字を見た親が、自分で「もう間に合わない」「まだ平気」と決めてしまうことです。欠課の数が何を意味するかは学校の基準しだいなので、家での見立ては当たっても外れても根拠がありません。悲観に傾けばお子さまを追い詰め、楽観に傾けば学校への連絡が遅れます。直し方は、数字は表に写すだけにとどめ、意味は担任から聞くと先に決めておくことです。
二つ目は、全教科の遅れを一度に取り戻そうとすることです。1日に5教科を並べた計画は紙の上では頼もしく見えますが、休んでいるあいだに体力も生活の時刻も変わっているので、最初の数日で崩れやすくなります。崩れたあとに残るのは「できなかった」という記録だけです。直し方は図3のとおりです。学校から授業の進み方を聞き、毎日続けるのは英語と数学の基礎、ほかの教科は学校から出た課題だけ、と線を引きます。

三つ目は、授業に代わる通信教育の仕組みを知った途端に、「使えるはずだ」と学校に求めてしまうことです。使うかどうか、どの科目に当てるかは在籍校が決めることなので、求める口調で始めると、話し合いが「できる・できない」の押し問答で終わります。直し方は、「この学校で考えられるかどうか、考えるとしたら何が要るか」を聞く形にすることです。返事を待つあいだも、家の1枠は止めずに続けます。
よくある質問
不登校で勉強しない高校生に、家で勉強をさせたほうがいいですか
勉強より先に見るのは、眠る時刻と起きる時刻、食事がとれているかです。そこが大きく崩れているなら勉強の枠は置かず、学校のスクールカウンセラーと、必要なら医療機関に相談してください。本人が教科書を開ける日が出てきたら、20分の枠を一つだけ机に置きます。勉強しない時期にも、親が続けられることはあります。担任との連絡を切らさず、授業の進み方を聞き続けることです。そうしておけば、お子さまが動き出した日に、開く頁がすでに決まっています。
高校の勉強の遅れに追いつくには、どのくらいかかりますか
期間では答えられません。かかる時間は、どこまで戻る必要があるかと、学校の授業がどの速さで進むかの二つで決まるからです。まず「追いつく」の意味を、授業でいま扱っている単元の例題が解ける状態、と決めてください。数学なら、その例題が解けるまで単元を一つずつ戻り、戻った単元の数を数えます。英語なら、いまの課の本文で読めない文の形を書き出します。戻る範囲が見えれば、1日1枠で何週かかるかは家で見積もれます。
家で勉強した分は、高校の成績に入りますか
小学校と中学校向けにできた令和6年の仕組みは、高校の生徒には使えません。家で解いた課題を提出できるか、それをどう評価に入れるかは、科目の先生と高校が決めます。聞くなら「家で取り組んだ課題を出せる科目はありますか」と、科目ごとに尋ねてください。教室の授業に出ないまま単位を修得する道は、通信教育の仕組みなどを学校が認めたときに開かれるもので、どれを使えるかも在籍校が決めます。
学校と相談先で確かめること
学校には、次の質問をそのまま持っていけます。
- 手紙にある欠課の数は、科目ごとに見て、学校の基準のどのあたりにありますか
- 今から出せる課題や、補う方法がある科目はどれですか
- 科目ごとの授業の進み方(単元と教科書の頁)を、どのくらいの間隔で教えてもらえますか
- 授業に代えて通信教育を行う仕組みを、この学校で考えられる科目はありますか
- 家で取り組んだ課題を出せる科目はありますか
- スクールカウンセラーと話せる日はいつで、親だけで相談することもできますか
学校の外にも、高校生の親が話せる場所はあります。東京都教育相談センターは、都内の高校に在籍する生徒や都内に住む高校生の年齢の子について、保護者からも不登校や学校生活の相談を受けています。武蔵野市にお住まいなら、幼児から思春期までの子の相談を受けている武蔵野市教育支援センターにも話せます。三鷹や小金井など市の外から高校へ通っている家庭は、お住まいの市が教育相談をどこで受けているかを、市の頁で先に調べておいてください。体の不調が続くときは、学校の相談とは別に医療機関にかかります。
個別指導で確かめること
1対1の授業で最初に見るのは、学校から聞いた授業の進み方と、お子さまの手が止まる位置との距離です。数学なら、いまの単元の例題を一つ解いてもらい、止まった式から高1、中学へと単元を一つずつさかのぼって、どこから先が自力で解けるかを確かめます。英語は教科書の本文を一段落読んでもらい、読めない語と取れない文の形を書き出します。
学校の課題で何を求められているかも、出された紙を一緒に見て確かめます。単位や出席の扱いは塾が決められるものではなく、約束もしません。
まとめ
単位と出席の答えは、お子さまが在籍する高校の基準の中にしかありません。だから親は手紙を科目ごとの表にして担任へ持っていき、家では英語と数学の教科書を1日1枠だけ開きます。学校で決まることと家で続けることを分けて持てば、手紙の夕方には大きさのわからなかった勉強の遅れが、「どこからどこまで」と教科書の上で指で示せる長さに変わります。
「落ち着いている」は、「学んでいる」ではない。
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