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共通テスト英語に発音問題は出るか—アクセントと文法の単独問題、センター試験からの変わり目|武蔵野個別指導塾

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令和6〜8年度の本試験のリーディングに、発音やアクセント、文法だけを問う設問は無く、方針はその知識を読む・聞く設問の中で測ります。高2は答案とスクリプトに印を付け、音と文法の失点を探すところから始められます。

ここ3年の共通テストの英語に、発音問題は出ていません。令和6〜8年度の本試験のリーディングの問題冊子を塾が一問ずつ読んだかぎり、発音やアクセント、文法だけを切り出して問う設問は一つも無く、どの設問も英文の中身を読んで答える形でした。大学入試センターの問題作成方針も、音や語彙や文法の知識は、読む力と聞く力を問う設問を通して評価すると書いていて、いまの高2が受ける令和10年度の方針にも同じ文が入っています。発音と文法は試験から消えたのではなく、点になる場所が、独立した小問からリスニングと長文の選択肢の中へ移りました。

この答えの元になった文書を、年度ごとに並べておきます。

確かめたこと 中身 年度と文書
共通テストの始まり 令和3年度(2021年1月)が1回目。その前年の令和2年度(2020年1月)がセンター試験の最後 センター「過去の試験情報」
センター試験の英語 筆記200点(80分)とリスニング50点(60分のうち解答30分) 令和2年度センター試験 出題教科・科目の出題方法等
共通テストの英語 100点ずつ(リーディング80分、リスニング60分のうち解答30分) 令和9年度・令和10年度 出題教科・科目の出題方法等
音・語彙・文法の知識の測り方 理解する力を問う設問を通して評価する 令和9年度・令和10年度 問題作成方針(外国語)
発音・アクセント・文法だけの設問 令和6〜8年度の本試験のリーディングには無い(塾が問題冊子で確かめた) センター「過去3年分の試験問題」

よくあるのは、夕食の席でお父さまが「発音の問題はもう覚えたか」と聞き、高2のお子さまが箸を止めて首をかしげる、という場面です。お父さまの頭にあるのは、ご自身が受けた試験の英語の記憶でしょう。お子さまの方は、学校で配られた共通テストの過去問をめくっても、発音記号の並んだ設問を見た覚えがありません。話がかみ合わないのは、二人が思い浮かべている試験が違うからです。思い出どうしを比べるより、いまの問題冊子を一冊開くほうが、答えは早く出ます。

共通テスト英語の、センターとの違いは名前と配点と方針の三つ

共通テストは令和3年度の試験(2021年1月)から始まりました。その前の令和2年度(2020年1月)までが、大学入試センター試験です。英語で変わった所を公式の文書で並べると、三つに分かれます。

一つ目は名前です。令和2年度のセンター試験の出題方法の表で、英語は「筆記」と「リスニング」に分かれていました。令和9年度と令和10年度の共通テストの表では「リーディング」と「リスニング」です。しかもドイツ語やフランス語など英語以外の外国語は、いまの表でも「筆記」のままです。英語だけが「読む」という名前に替わったのは、何を測る試験なのかを、名前の段階で示したものと読めます。

二つ目は配点です。図1のように、センター試験の英語は筆記200点とリスニング50点で、合計250点のうち5分の4を筆記が占めていました。共通テストはリーディング100点とリスニング100点で、聞く力に英語の点の半分が置かれています。試験時間のほうは、読む側が80分、聞く側が60分(そのうち解答は30分)で、センター試験の時代と変わっていません。

図1 センター試験と共通テストの英語の配点を、点数に比例した帯で比べた図

三つ目が、この問いの芯になる方針です。令和9年度の問題作成方針の外国語の節は、まず、目的や場面に合わせて英文の要点や詳細、書き手や話し手の意図をつかむ力と、つかんだ情報を整理して判断する力を重く見ると述べます。そのうえで、音声・語彙・表現・文法といったコミュニケーションの土台の知識については、「上記の力を問うことを通して」評価するとしています。英語以外の外国語の節にも土台の知識を評価する一文はありますが、そちらにはこの「問うことを通して」が付いていません。英語の方針は、音や文法の知識を、読む・聞く設問の外で単独で測る書き方をしていないのです。令和10年度の方針も、年度の字のほかは同じ文面です。

方針の言葉が問題冊子でどう形になっているかも、確かめてあります。塾はセンターのサイトにある令和6〜8年度の本試験のリーディングの問題冊子を文字にして、設問を一つずつ読みました。発音、アクセント、文法、語法を掲げた設問は無く、いわゆるアクセント問題も見当たりません。たとえば令和8年度の第4問は、生徒が書いた記事の下書きを、先生のコメントに沿って直す問題です。下線部に足したり差し替えたりする語句の選択肢は、どれも英文としては成り立っていて、決め手は文章の流れとコメントの中身でした。令和8年度のリスニングも、6つの大問のどれもが、英語の発話や対話、講義を聞いて、その中身に合う選択肢を選ぶ形です。令和6年度と令和7年度のリスニングの冊子も読みましたが、大問の指示文はどれも聞いた中身に合う物を選ばせる書き方で、音だけを切り出した設問はありませんでした。センター試験の問題がどうだったかは、思い出ではなく当時の冊子でしか確かめられないので、ここでは比べません。比べるべきなのは、お子さまがこれから受ける試験の冊子の方です。

発音と文法で落とした点は、答案のどこに隠れているか

独立した小問が無いということは、音や文法で落とした点に、名札が付いていないということです。リスニングの第3問で一つ外しても、答案には×が付くだけで、原因が聞き取りの音なのか、文の組み立ての読み違いなのかは書かれていません。自分の場合を知るには、材料を三つそろえて、失点を自分で仕分けるしかありません。

一つ目の材料は、センターの「過去3年分の試験問題」の頁にある問題冊子と正解です。令和6〜8年度の本試験と、追・再試験の分が載っています。いまの高2の本番は、令和10年度の試験として2028年1月15日(土)と16日(日)に行われ、その問題はもちろんまだありません。方針が同じ文面である以上、いちばん近い手本はこの3年分です。令和6年度は高校の学習指導要領が切り替わる前の最後の年の問題なので、設問の形を見る用に回し、点の記録は令和7・8年度で付けるとよいでしょう。

二つ目の材料は、リスニングの音声とスクリプトです。令和6〜8年度の本試験の問題の頁には、音声問題とスクリプトも載っていて、令和8年度の音声はセンターの「英語リスニングについて」の頁からも聞けます。外した設問のスクリプトを読んで、文字で読めばわかるのに音では取れなかったのなら、その失点は音の側にあります。

三つ目の材料は、自分の答案そのものです。外した設問ごとに、次の三つの問いを順に当てます。スクリプトや本文を目で読んで、意味が取れるか。取れるなら、選択肢と本文の食い違いを見つけられるか。見つけられないなら、どの語でつまずいたか。目で読んでも取れない文の原因が、主語と動詞の取り違えや否定の範囲の読み違いなら文法、知っているはずの語の組み合わせが別の意味になっていたのならイディオム、と仕分けます。仕分けの結果は、年度・大問・設問の番号・原因の四つの欄を持つ一枚の表にためていきます。3年分を解き終えるころには、どの欄に印が集まるかで、お子さまの弱い所が音なのか文法なのかが、数で見えてきます。

志望校の側にも、見ておく所があります。大学が独自に行う試験に、英語の文法や発音を問う問題があるかどうかは、大学ごとに違います。共通テストの決まりからはわからないので、志望校が公表している過去の問題と募集要項で確かめます。共通テストの英語の点をどう使うかも、募集要項の英語の欄に書かれています。

音・文法・イディオムを点に戻す五つの手順

ここからは、高2のいまから始められる順番です。図2のように、解いて印を付け、三つに分けて直し、1週間後に解き直す流れで回します。

図2 過去問の失点を音・文法・イディオムに分けて直し、1週間後に解き直す流れ

手順1は、過去問の1年分を時間を計って解くことです。リーディングは80分、リスニングは音声を止めずに最後まで流します。途中で音声を止めたり戻したりすると、どこで聞き落としたのかがわからなくなります。

手順2は、外した設問の番号の横に、原因の印を一字で付けることです。音の「音」、文法の「文」、イディオムの「イ」の三つに、語彙の「語」と時間切れの「時」を足した五つで足ります。たとえばリスニングで8問落とし、そのうち5問に「音」が付いたなら、まず手当てするのは音の側です。

手順3は、「音」の印の手当てです。スクリプトでその一文を探し、音声に合わせて声に出して読みます。弱く短く読まれた語、前の語とつながって一つに聞こえた音、強く読まれた語に、それぞれ別の印を付けます。たとえば I can come. と I can’t come. は、肯定の can が弱く短く読まれ、否定の can’t がはっきり強く読まれやすい組み合わせです。語の中の強く読む位置も手がかりになり、名詞の record は前を、動詞の record は後ろを強く読みます。アクセントの知識が点に結びつくのは、こうした聞き分けの場面です。発音記号は、印を付けた語を辞書で引いたときに確かめれば十分で、一覧表を作って覚える時間は、音声を聞き直す時間に回すほうが点に近づきます。

手順4は、「文」の印の手当てです。目で読んでも意味を取り違えた文に、主語と動詞の線を引き、否定の語がどこまでかかるかを確かめます。Not every member agreed with the plan. は「全員が賛成したわけではない」で、賛成した人もいます。No member agreed with the plan. は「一人も賛成しなかった」です。選択肢がこの違いで分かれていれば、英文法の知識がそのまま一問の点になります。時の表し方も同じで、She has lived here for ten years. なら今も住んでいて、She lived here for ten years. なら住んでいたのは過去の話です。文法書は、印を付けた文に関わる項を引いて読み、その形で自分の例文を一つ作るところまでで止めます。

手順5は、「イ」の印の手当てと、解き直しです。意味を取り違えた語の組み合わせは、句だけでなく、出てきた一文ごとカードに写します。たとえば We ran out of time. の run out of を「走り出る」と読むと、時間が足りなくなったという話が崩れます。He turned down the offer. の turn down も、「申し出を断った」と文の中で覚えておけば、別の文に出てきても意味がぶれません。そして1週間後、印を付けた大問だけをもう一度解き、印の数を数えます。減った種類の印は手当てが効いていて、減らない種類の印は、やり方を変える合図です。

保護者の方は、夕食の席の問いを「どの大問で、音と文法のどちらで落とした?」に替えてみてください。その問いに答えが返ってくるなら、お子さまの勉強は、覚える段階から失点を仕分ける段階に入っています。

「発音問題が無いなら発音はやらなくていい」は本当か

単独の設問が無いと聞くと、勉強の範囲が一気に狭まったように感じます。よく耳にする思い込みを三つ、公式の文書と問題冊子に照らします。図3は、三つの知識について、単独の設問として出たかと、どこで点に効くかをまとめた表です。図3の×は、令和6〜8年度の本試験のリーディングの冊子に、その知識だけを問う設問が無かったという意味です。

図3 発音・文法・イディオムの単独の設問の有無と、点に効く場所の表

一つ目は「発音問題が無いから、音の勉強はいらない」です。方針は、音声の知識も、理解する力を問う設問を通して評価するとしています。そしてリスニングは、いまの高2が受ける令和10年度も100点で、英語の点の半分です。音を知らないまま聞けば、知っている語でも別の語に聞こえます。音の勉強は消えたのではなく、リスニングの100点の中に溶け込んでいます。

二つ目は「文法問題が無いから、文法はもう終わり」です。令和8年度のリスニングの第1問のAを開くと、英文で書かれた四つの選択肢が、否定の語の有無や誰がそうしたのか、いまの話か前の話かという違いで分かれています。これを選び分けるのは文法の知識です。リーディングでも、長い英文の中で主語と動詞を取り違えれば、内容に合う選択肢は選べません。文法は、単独の小問として測られなくなった分、長文と選択肢のあちこちに薄く広く効いています。

三つ目は「イディオムを一覧で丸ごと覚えれば点になる」です。イディオムだけを問う設問も、令和6〜8年度の本試験のリーディングには出ていません。句の意味を一つずつ答えられても、長文や会話の中でその句に気づかなければ点にはつながりません。覚える量を増やす前に、過去問の中で取り違えた句を文ごと拾うほうが、試験の形に合っています。

確かめる先と聞き方

発音や文法がどう問われるかは、人づての話より、紙の上の一行で決まります。開く物と、そこで探す行は次のとおりです。

令和10年度の受験案内は、出願の期間とあわせてまだ公表されていません。出たら英語の節を読み、令和9年度と違う所が無いかを見ます。

個別指導で確かめること

塾では、解き終えた過去問の答案と、スクリプトに付けた印を並べて、落とした設問の原因が音か文法かイディオムかを一緒に仕分けます。印の数を週ごとに表にして、減らない種類の印があれば、その手当てのやり方を変えます。音読を録音して、強く読む位置がずれていないかを聞き比べることもあります。解き直した日付と印の数を同じ表に並べておけば、どの手当てが効いたのかを、後から一行ずつたどれます。

まとめ

発音も文法も、名前の付いた小問を手放した代わりに、読む設問と聞く設問の中へ散らばりました。お父さまへの返事は、「発音の問題は出ていない。でも、発音を知らないと選べない選択肢が、リスニングの100点の中に並んでいる」の一言で足ります。今夜はまず令和8年度の問題音声を一つ流し、聞き取れなかった一文に、スクリプトで印を付けてください。

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