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都立推薦の集団討論—実施する学校の見分け方と、令和6年度に戻ってきた検査の中身|武蔵野個別指導塾

別表で個人面接と集団討論の欄に満点が一つまたがっていれば討論あり、「-」ならなし。令和3〜5年度の中止と令和6年度の再開の経緯を押さえ、練習の題は志望校の過去3年の形に合わせてください。
都立の推薦で集団討論をするのは、全校ではありません。令和9年度入試(2027年4月入学)で志望校に討論があるかどうかは、東京都教育委員会(都教委)の「入試実施方法一覧(別表)」の一行を見れば決着がつきます。
| 知りたいこと | 令和9年度の答え |
|---|---|
| どの学校でもするのか | しない。都教委の実施要綱は、必要と判断した学校だけが行えると書く |
| 実施する学校の印 | 別表の「個人面接」と「集団討論」の二つの欄にまたがって、満点が一つだけ書かれている |
| 実施しない学校の印 | 「集団討論」の欄が「-」 |
| 別表の例 | 日比谷は面接と討論で200点、竹早は250点で欄がまたがる(鷺宮も同じ形)。三田は面接200点で討論の欄が「-」(戸山も「-」) |
| 「中止」と言われた時期 | 令和3〜5年度の推薦はコロナ禍で討論をせず、令和6年度から学校の判断で再開 |
| 中身の例 | 令和8年度の都教委の一覧に載る6校は、どこも1グループ5〜6人、討論は25〜30分 |
よくあるのは、学校説明会で「本校の推薦には集団討論があります」と聞いて帰った中3が、その晩から高校生の兄をつかまえて言い合いの練習を始める場面です。夕食のあとの居間で「部活は全員入るべきか」と題を決め、兄がわざと反対に回り、声が大きくなったところで母親が止めに入る。本気なのは伝わります。ただ、練習の前に確かめることが二つあります。志望校は令和9年度も本当に討論をするのか。そして都立の討論は、相手を言い負かす競技なのか。どちらも、都教委の資料を2つ開けば答えが出ます。
要綱の一文と、討論に点がつく場所
都教委の令和9年度の実施要綱は、一般推薦の検査を三つの層で書いています。一つ目は志願者全員が受ける個人面接です。二つ目が集団討論で、ここだけ書き方が違い、「必要と判断した都立高校において実施することができる」とあります。三つ目は小論文か作文、実技検査、学校が決める検査のうち、各校が選んだ1つ以上です。つまり討論は、すべての学校に置かれた検査ではありません。学校が足すかどうかを決める検査です。
点のつけ方も要綱に書かれています。選考は、調査書と個人面接と小論文や作文などを合わせた総合成績の順で行います。その個人面接には、集団討論をする学校では討論も含める、という括弧書きが付いています。討論は面接とは別の科目として上に積まれるのではなく、面接の点の中に入る組み立てです。面接と討論をそれぞれどう点にするかの基準は、各校が決めます。
日付も押さえておきます。令和9年度の推薦の検査は2027年1月26日(火)と27日(水)の2日間に置かれています。ただし、討論がどちらの日の何時からかは学校ごとです。要綱は検査の時間と会場を受検票で指定するとしていて、受検票は1月22日(金)頃から出願サイトで出せるようになります。説明会で「討論は2日目です」と聞いても、最後に頼るのは受検票の一行です。
もう一つ、点の上での置き場所を押さえておきます。自己PRカードは点数にせず、個人面接の資料として読まれる紙です。点になるのは調査書と、討論を含めた面接と、小論文などの検査。冒頭の居間の場面でいえば、兄との言い合いで鍛えているつもりの「討論」も、点の上では面接の枠の中の話になります。この位置づけを知っておくと、練習に使う時間の配り方を間違えにくくなります。
別表で実施校を見分ける—欄がまたがるか、「-」か
別表は、都教委の「令和9年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱・同細目について」の頁に、要綱と並んで載っています。全日制の別表は、普通科、コースやエンカレッジスクールや単位制、専門学科と総合学科の三つの表になっていて、どれにも推薦の満点の欄があります。並びは調査書、個人面接、集団討論、小論文または作文、実技検査、学校設定検査。見るのは真ん中の二つ、個人面接と集団討論です。
図1のように、日比谷の行は個人面接と集団討論の境の罫線が途切れ、200という数字が一つだけ、二つの欄の真ん中に置かれています。竹早も同じ形で250点、鷺宮も二つの欄にまたがる一つの満点です。三田の行は違います。個人面接の欄に200、集団討論の欄には「-」。戸山も討論の欄が「-」です。

なぜ欄がまたがるのか。前の節で見た要綱の組み立てが、そのまま表に出ていると読めば筋が通ります。討論の点は面接の点に含めると要綱が決めているので、別表も二つを分けずに一つの満点で書く。裏を返すと、討論のある学校でも、討論だけの点数は別表のどこにも書かれていません。
数字も並べてみます。日比谷は調査書450点、面接と討論で200点、小論文250点で、総合成績の満点は900点です。竹早は調査書500点、面接と討論で250点、小論文250点で1000点。三田は調査書500点、面接200点、小論文300点で1000点です。三校とも調査書点がちょうど半分を占め、残りの半分を面接と書く検査で分けています。日比谷と三田を比べると、面接の満点はどちらも200点で、日比谷はその200点の中に討論まで入っています。討論がある学校で面接の重さが倍になるわけではありません。
読むときの落とし穴は二つあります。一つ目は紙の形です。別表はPDFの細かい表で、文字を写し取る機能で貼り付けると、またがった数字がどちらの欄の数なのか崩れることがあります。画面で拡大して、罫線が通っているかを目で見てください。二つ目は年度です。説明会で聞いた話が前の年の入試のことだった、ということは起こりえます。令和9年度の決まりとして正しいのは別表で、説明会の資料と食い違えば志望校に問い合わせて確かめます。学校ごとの配点を並べて見比べたいときは塾のサイトの「都立高校の一覧」も使えますが、討論の有無だけは、別表の罫線を自分の目で見るのが確実です。
3年止まって戻った経緯—令和3〜5年度の中止と令和6年度の再開
都教委は毎年、推薦で出した集団討論・小論文・作文・実技検査のテーマを一覧にまとめて公表します。平成25年度から令和2年度までの一覧は、題名に集団討論が入っています。ところが令和3年度・4年度・5年度の題名は「小論文・作文、実技検査のテーマ等一覧」で、討論の文字が消えています。令和6年度の一覧から、題名の最後に集団討論が戻ってきました。「都立の推薦の集団討論は中止になった」という話は、この3年間のことです。
止まった理由と戻し方は、令和5年9月の「令和6年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書」に書かれています。令和5年度の推薦は感染症の対策として討論を行わず、検査を1日で済ませました。報告書は「集団討論はコロナ禍により中止せざるを得なかった」と振り返り、そのうえで、個人面接や小論文・作文の中身を工夫すれば適切に選べたと評価しています。そこから出た方針は、各学校が討論の効果と必要性を検討し、必要と判断した学校で行う、というものです。検査を2日間に分けて行えるようにする方針も、同じ報告書に書かれています。

図2のように、ここで大事なのは戻り方です。報告書の方針は全校一律の再開ではなく、学校が選ぶ検査として戻すことでした。だから同じ学校でも、討論がある年とない年がありえます。都教委の集団討論の一覧に載る学校の数も年で違い、令和6年度の一覧には13校、令和8年度の一覧には6校が載っています。前の年に載った学校が次の年も討論をするとは限らないので、別表は毎年見直す紙です。
報告書には、審議の中で出た意見も残っています。討論を止めていた間に、人物を見る材料を増やすため個人面接に自己PRの時間を新しく設けた、という高校の声。討論をするかどうかは学校ごとに違ってよい、という外部の委員の声。令和9年度の別表を見ても、備考の欄に、個人面接の中で短い自己PRをする、といった注の付いた学校があります。討論のない学校の面接は、討論のある学校の面接の簡単な版ではない。そう読んでおくと、討論が「-」の学校を受けるお子さまも、面接の準備を軽く見積もらずに済みます。
一覧に載る題の形と、兄との言い合いを練習に変える型
討論がある学校だとわかったら、次に開くのは都教委の「テーマ等一覧」です。令和8年度の集団討論の一覧は、学校ごとに題と、1グループの人数と、討論の時間を並べています。人数はどの学校も5〜6人、時間は25〜30分で、5人のグループと6人のグループで時間を変える学校もあります。令和6年度の一覧には、6〜7人で30〜35分という学校もありました。
題の形は、大きく三つに分けられます。一つ目は、学校の中の場面を設定して、グループとして一つの案を決める題です。校内のスマートフォンの使い方を三つの決まりにまとめる、留学生に日本の文化を体験してもらう企画を立てる、といった形がこれにあたります。二つ目は、配られた資料や図表を読んでから話す題です。調査の図表を読み取って意見を出し合う形で、資料を読み取って意見をまとめる時間として5分を設けている学校もあります。三つ目は、一つの問いを掘り下げる題で、理想のリーダー像やチームを動かす力とは何か、といった問いです。令和6年度と8年度の一覧を全部読んでも、賛成側と反対側に立って勝ち負けを決める形の題は見当たりません。
ここで居間の言い合いに戻ります。兄が反対に回って言い負かそうとする練習は、一覧に並ぶ題のどれとも形が違います。塾の練習では、30分を図3のように区切ります。最初の5分で資料や題を読み、自分の意見を1行にする。資料の無い題でも、題の言葉が何を指すかを確かめる時間にします。残り25分が討論で、最初の7分で全員が一巡して意見と理由を言う。次の11分で、前の人の意見のどこに賛成でどこが違うかを言ってから、自分の案を足していく。最後の7分で、決める題なら案を一つに絞り、問いの題なら共通点と残った違いを言葉にします。この配分は塾の練習に使う例であり、学校が決めた時間割ではありません。

家でやるなら、兄一人が相手では二人の言い合いに戻ってしまいます。親や祖父母に加わってもらい、3人以上の輪にしてください。兄に頼む役は反対役ではなく、別の案を出す役です。題は志望校の過去の題をそのまま使わず、同じ形の別の題を作ります。決める題の形なら「文化祭の休憩室の使い方を三つの決まりにまとめる」、資料の形なら新聞の小さなグラフを1枚切り抜いて配る、という具合です。終わったら、自分が人の言葉を引いてから話した回数を数えます。
よくある質問
「都立推薦の集団討論は中止」と書かれたページを見ました。今もないのですか
それは令和3〜5年度の推薦の話です。令和6年度から、必要と判断した学校で討論が再開されました。令和9年度の実施要綱にも集団討論の定めがあります。志望校がするかどうかは、令和9年度の別表で個人面接と集団討論の欄がまたがっているかを見て確かめてください。
討論の点は、面接と別に何点あるのですか
別表には、面接と討論を合わせた満点しか書かれていません。要綱が討論を個人面接の点に含めるとしているためです。二つの中でどう点を割るかの基準は各校が決めるので、たとえば「200点のうち討論は何点か」と別表から割り出すことはできません。
集団面接と集団討論は同じものですか
別の決まりです。文化・スポーツ等特別推薦では、個人面接か集団面接と、実技検査を行うと要綱にあります。特別推薦の検査の中身は、特別推薦の選抜方法の一覧で学校ごとに確かめます。同じ学校の一般推薦にも出すなら、一般推薦の個人面接や小論文などの検査も受けることになります。討論まで受けるかは、志望校の案内で確かめてください。
討論は1月26日と27日のどちらにありますか
学校ごとです。要綱は検査の時間と会場を受検票で指定するとしています。同じ学校でも、個人面接と討論と小論文がどの日のどの時間に入るかは受検票を見るまでわかりません。2日とも集合するつもりで予定を空けておき、受検票が出た日に家族で読み合わせてください。
確かめる順番
今週、家で次の順に紙を開いてください。お子さまが画面を操作し、保護者の方が書き写す役に回ると早く進みます。
- 都教委の「令和9年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱・同細目について」の頁から、志望校の学科の別表を開く(普通科、コースなどの学科、専門学科・総合学科の三つのどれか)。
- 志望校の行を拡大し、個人面接と集団討論の欄に満点が一つまたがっているか、討論の欄が「-」かを見る。
- 同じ行の調査書、小論文または作文、実技検査の満点と、備考の注をノートに書き写す。
- 都教委の「テーマ等一覧」の頁で、令和6年度から8年度の集団討論の一覧を開き、志望校の題と人数と時間を書き写す。名前の無い年があれば、その年は一覧に討論の題が無かった年として印を付ける。
- 説明会の資料や学校のサイトの推薦の案内と照らし合わせ、食い違いがあれば中学校の進路の先生を通して志望校に問い合わせる。推薦は出願したあとに志望校を変えられないので、ここまでを2026年12月18日(金)の出願サイトの入力開始より前に済ませる。
- 2027年1月22日(金)頃に受検票が出たら、討論のある日と集合時刻を家族の予定表に書き込む。
個別指導で確かめること
授業では、志望校の別表の行を生徒と一緒に開き、討論の欄がまたがっているかを本人の目で確かめるところから始めます。討論があれば、過去3年分の一覧の題を三つの形に分け、いちばん多い形から練習します。同じ行で書く検査が作文か小論文かも確かめ、討論の練習と書く練習の割合をその場で決めます。討論が「-」なら、その時間を個人面接と小論文や作文の練習に戻します。家で兄と言い合いを続けてきた生徒なら、相手の言葉を引いてから自分の案を足す、その一言目から直していきます。
まとめ
「討論があります」という説明会の一言は、令和9年度の別表で罫線を確かめて初めて、お子さまの練習の予定表へ書ける事実になります。欄がまたがっていれば練習の相手は5人の輪で、兄に頼むのは別の案を出す役。「-」なら居間の言い合いは今夜で切り上げ、面接と書く検査に時間を戻す。1月26日までの夜の使い方は、別表の一つの枠で決まります。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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