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中学生の家庭学習の教材はどう選ぶか—学校のワークを使い切ってから、問題集を足す三つの基準|武蔵野個別指導塾

書店で問題集を3冊手に取って迷う前に、学校のワークで間違いが残るページを数えます。解説の詳しさ・教科書の順・1回分の量の三つで1冊に絞り、最初に解くページと曜日を決めてから買ってください。
中学生の家庭学習の教材は、学校のワークと授業のプリントを使い切るところから始め、足りない理由が一つに決まったときに、問題集を1冊だけ足します。足す合図は三つで、ワークを2回解き終えたとき、単元の問題が足りないとき、解説が薄くて止まるときです。書店で比べるのは、解説の詳しさ、学校の教科書の順と合うか、1回分の量、の三つだけです。今夜の最初の一手は、問題集の棚を調べることではありません。お子さまのワークを開いて、間違いが残っているページを数えることです。
よくあるのは、書店の学習参考書の棚の前で、同じ単元の問題集を3冊手に取っては戻す親子の場面です。表紙の色が違い、厚さが違い、帯の言葉が違う。親が「どれがいいの」と聞くと、子供は「どれでもいい」と答えます。30分たって、いちばん薄い1冊を買うか、何も買わずに店を出る。迷いの元は棚の側にはありません。家の机に置いてきたワークの中に、どこで止まっているかの答えが、もう書いてあります。
問題集を足す前に、学校の教材で起きていること
家庭学習の教材を選ぶ前に、いま手元にある学校の教材が、どこまで使われているかを見ます。問題集を足すかどうかは、ここでほとんど決まります。
学校の教材は、授業と同じ順に並んでいる
学校のワークと授業のプリントは、お子さまが毎日受けている授業の順に並んでいます。問題の聞き方も、先生が黒板の前で使う言い方に近い。書店の問題集がどれほどていねいに作られていても、この二つでは学校の教材にかないません。定期テストの範囲の知らせに、ワークのページが書かれる学校もあります。範囲とワークの関係は、学校の知らせで確かめてください。平日の夜に使える時間が限られている中学生にとって、授業にいちばん近い教材を途中で置いて、遠い教材へ移る理由はありません。
「終わった」と「使い切った」は違う
中学生の「ワークは終わった」は、全部のページが埋まった、という意味であることがあります。使い切ったとは、間違えた問題を、答えを見ずにもう一度解いて合う状態のことです。赤で答えを書き写しただけの問題が残っているワークは、まだ使い切っていません。そのまま新しい問題集へ移ると、同じ型の問題で同じ所につまずき、買った本の最初の数ページで手が止まります。新しい本が悪いのではなく、直していない一問が、本を替えてもついてくるのです。
足す合図は三つある
図1のように、問題集を足すのは、学校の教材を使い切ったうえで、次の三つの合図のどれかが出たときです。
一つ目は、ワークを2回解き終えたとき。1回目で間違えた問題も2回目には合うようになり、それでも同じ単元をもっと練習したい。足りないのは量です。二つ目は、単元の問題が足りないとき。たとえば中1の理科の密度の計算や、英語の並べ替えの問題が、ワークには数問しか載っていない場合です。授業ではそこに時間をかけたのに、家で練習する問題が見当たらない。三つ目は、解説が薄くて止まるとき。ワークの解答に答えの数字だけが並び、途中の式や「なぜそうなるか」が書いていない。答えを見ても自分のどこが違ったのかがわからず、直しが進みません。

合図が無いのに足すと、教材が二つに割れる
合図が出ていないうちに問題集を足すと、家庭学習の時間が二つに割れます。ワークは途中、問題集も途中。どちらも最初の単元だけが厚く解いてあり、後ろは白いまま、という形です。教材を増やした分だけ、子供が毎晩「今日はどっちをやるか」を決める手間も増えます。合図を待つのは、手を抜くためではありません。1冊を最後まで使える状態を先に作るためです。
家でできる手順
ここからは、ワークの確かめから書店で1冊に絞るまでを、順に書きます。1から4は家で、5は書店で、6は書店へ行かずに無料の問題で足すときの手順です。
- 日曜の夜に15分、学校の教材を机に並べる
教科ごとに、教科書、ワーク、授業のプリント、返ってきた小テストを重ねて並べます。親は横に座り、口を出さずに見ているだけでかまいません。プリントがかばんの底で折れていたら、この日にのばしてクリアファイルに入れます。並べてみて初めて、プリントの束のほうがワークより厚い教科が見つかることがあります。そういう教科は、授業の中心がプリントにあるので、家で足す前に、まずプリントの解き直しから始めます。
- ワークを三つの山に分けて数える
教科ごとに、ワークのページを「解いて合っている」「解いたが間違いが残っている」「まだ解いていない」の三つに分けて数えます。数えるのは子供、紙に書き取るのは親です。「まだ解いていない」ページが多い教科は、問題集を足す候補から外します。足りないのは教材ではなく、ワークを開く時間だからです。「間違いが残っている」ページが多い教科も、先にその直しをします。問題集を足す候補は、残った教科の中から出てきます。
- 足す理由を一つの文にする
候補の教科が決まったら、足す理由を一文で紙に書きます。形は「学年・教科・単元・合図」の四つです。たとえば「中2の数学、一次関数の文章題が、ワークでは数問しかないので足す」と書きます。理由が二つ以上出てきたら、いま授業で進んでいる単元に近いほうを一つだけ残します。この一文が書けないうちは、書店へ行きません。理由の無い1冊は、棚の前で表紙の言葉を見て決まってしまうからです。
- 書店へ持っていく物を三つそろえる
持っていくのは、学校の教科書、止まった問題のページに付箋を貼ったワーク、3で書いた紙の三つです。教科書は、表紙か背に書いてある出版社の名前と、目次の単元の順を見るために使います。重ければ、表紙と目次を写真に撮っておけば足ります。行くのは、お子さまと一緒に、時間に余裕のある週末の昼にします。平日の部活の帰りに寄ると、比べる前に疲れてしまい、いちばん薄い本に手が伸びます。
- 棚の前では三つの基準で比べる
図2のように、棚の前で比べるのは三つだけです。

一つ目は解説の詳しさです。付箋の問題と同じ型の問題を問題集の中から探し、その解説をお子さまに読んでもらいます。読み終えたら、解説の途中の一行を指して、次の一行がなぜそうなるかを口で言ってもらいます。次の一行を説明できる本は、家で間違いを自分で直せる本です。説明に詰まるなら、その本の解説はお子さまにとって飛ばしが多すぎます。
二つ目は、教科書の順と合うかです。問題集の目次を、教科書の目次と並べて比べます。教科書の出版社ごとに作られた問題集もあり、表紙か背を見れば、どの出版社の教科書に合わせた本かがわかるものもあります。順が大きく違う本は、まだ習っていない単元が先に出てきたり、いま習っている単元が後ろのほうにあったりして、平日の夜に開くページを探すだけで時間がかかります。
三つ目は1回分の量です。1回分を「見開き1つ」か「小見出し1つ」と決め、その中の問題の数を数えます。平日の夜20分で終わる量かどうかが、最初に置く目安です。1回分が多すぎる本は、途中で止める日が続き、止めたページから先へ進めなくなります。少なすぎる本は、2週間で終わってしまい、また書店に戻ることになります。
手に取った3冊は、三つの基準のどれか一つでも合わなかった本から棚に戻します。最後に2冊残ったら、解説の詳しいほうを選びます。量は曜日で調整できますが、解説の足りなさは家では埋められないからです。
- 無料のプリントや問題で足すときは、三つを先に確かめる
書店で買わずに、無料で印刷できるプリントや問題で足す家もあります。そのときは、使う前に三つを確かめます。まず、解答が付いているか。答えの数字だけでなく、途中の式や考え方まで載っているかを見ます。次に、学校の範囲と合うか。学年と単元の名前が合っているだけでなく、問題の聞き方が授業のプリントに近いかを見ます。最後に、印刷して紙で解くこと。画面に映したまま頭の中で解くと、途中の式が手元に残らず、どこで間違えたかを後から追えません。印刷するのは、いまの単元の分を2枚までにします。まとめて刷った紙の束は、机の端で手つかずのまま積み上がっていきます。
言葉と場面の例
問題集を選ぶ場面で、親がつい口にする言葉があります。言葉を一つ替えるだけで、棚の前で見るものが変わります。
「とりあえず、評判のいいのを1冊買っておこう」と言いたくなったら、「ワークのどこで止まったか、先に一つだけ見せて」に替えます。足す理由が決まらないまま書店へ行くと、本は表紙の言葉と評判で選ばれます。止まった一問を先に見ておけば、棚の前で探すものが「その一問の解説が読める本」に変わります。
「ワークはもう終わったんでしょ」は、「ワークの中で、もう一回やったら間違えそうな問題はどれ」に替えます。終わったかどうかを聞くと、子供はページが埋まっているかで答えます。間違えそうな問題を聞くと、自分で直しの残りを探し始めます。返ってきた答えが、そのまま問題集を足すかどうかの材料になります。
「難しいほうが力がつくよ」は、「解説を読んで、自分で直せそうなのはどっち」に替えます。家で問題集を解くとき、隣に先生はいません。頼れるのは解説だけです。難しい本を選んで解説が読めなければ、間違えた問題がそのまま残り、ワークで止まっていたときと何も変わりません。
「せっかく買ったんだから、最後までやりなさい」は、「3回分解いてみて、解説で直せなかったら一緒に考えよう」に替えます。合わない本を最後まで解かせると、家庭学習の時間がその本に取られ、ワークの直しが後回しになります。3回分という区切りを先に決めておくと、合わなかったときに替える判断が、責める話にならずに済みます。
「これ買ってきたから、やっておいて」は、「この2冊で迷ってる。解説が読みやすいのはどっちか、見てくれる」に替えます。解説を読むのは子供です。親が一人で選んだ本は、子供にとって家で増えた宿題になります。選ぶ途中に子供の目を入れておくと、その本は「自分で決めた1冊」として机に置かれます。
やりがちな三つのずれ
選び方の手順を決めていても、買う前後でずれが出ることがあります。よく起きる三つと、その直し方です。
一つ目は、学年の総まとめの1冊を先に買うことです。1冊に1年分が入っていれば無駄がない、と考えて手に取ります。ところが総まとめの本は、1単元あたりのページが薄く、合図になった単元の問題が数問しか載っていないことがあります。まだ習っていない単元も同じ本に並ぶので、どこから開くかでも迷います。直し方は、合図の単元のページを開いて、問題の数を数えることです。足りなければ、単元ごとに区切られた本か、その単元のページが厚い本にします。学年全体を見直す本が要るかどうかは、学年の終わりに決めても間に合います。
二つ目は、5教科をまとめてそろえることです。新しい学期の初めや、通知表が返ってきた週に、全部の教科を一度に買いたくなります。けれども家庭学習の時間は、本の数に合わせて増えてはくれません。5冊とも最初の数ページで止まり、どの教科も途中、という形になります。直し方は、1冊足して2週間、決めた曜日に解けたことを確かめてから、次の教科を考えることです。
三つ目は、買ったところで終わることです。買った日に気持ちが落ち着き、本がかばんか本棚に入ったままになります。解くページも曜日も決まっていないので、平日の夜にその本を開く理由がありません。直し方は、図3のように、レジの前で三つを決めて、表紙の裏に書くことです。最初に解くページ、解く曜日を二つ(たとえば火曜と土曜)、そして2週間後に見直す日です。見直す日に、予定の回数の半分も解けていなければ、1回分の量か曜日のどちらかを変えます。

よくある質問
おすすめの問題集を一冊だけ教えてもらえませんか
商品の名前では答えません。同じ本でも、学校の教科書の順と合うかどうか、お子さまがどの型の問題で止まっているかで、合う家と合わない家があるからです。名前を探す前に、教科の担当の先生に、家で問題を足したい単元を伝えて相談してみてください。授業の進み方を知っている人から、どこを厚くすればよいかの答えが返ってきます。そのうえで書店で図2の三つの基準に当てれば、名前を知らなくても1冊に絞れます。
無料の問題集やプリントだけで足りますか
どの合図で足すかによります。「単元の問題が足りない」が合図なら、足りないのは問題の数なので、無料のプリントで埋められることがあります。「解説が薄くて止まる」が合図なら、無料の問題には答えだけのものもあり、止まり方が変わらないことがあります。この場合は、解説の詳しい1冊を書店で選ぶほうが、直しが早く進みます。「ワークを2回解き終えた」が合図なら、どちらでもかまいません。お子さまが続けやすいほうを選んでください。
前の学年に戻る問題集は要りますか
止まった原因が、前の学年の単元にあるときだけ要ります。たとえば中2の連立方程式で止まる原因が、中1で習った方程式の移項にある、という場合です。このときは、前の学年の総まとめを買う前に、家に前の学年のワークが残っていないかを探します。残っていれば、その単元のページだけを解き直せば足ります。学年が上がったときに、前の学年のワークと授業のプリントを捨てずに1か所にまとめておくと、こういう場面ですぐに使えます。
学校と相談先で確かめること
学校の教材について、面談や連絡帳でそのまま聞ける質問です。一度に全部ではなく、気になるものから一つずつ聞いてください。
- 授業で使っている教科書の出版社と、この学期に進む単元の順を教えてください。
- ワークの解答は生徒に配られていますか。配られていない場合、家で答え合わせをする方法はありますか。
- 授業のプリントをなくしたとき、予備や解答はもらえますか。
- 定期テストの範囲に、ワークとプリントのどの部分が入るかは、いつごろ知らされますか。
- 家で問題を足すとしたら、いまの学期はどの単元を厚くしておくとよいですか。
教材と勉強の進め方は、まず教科の担当の先生と担任に聞きます。勉強の遅れの不安が、学校へ行きづらい気持ちにつながっているように見えるときは、学校にいるスクールカウンセラーのほか、市の教育支援センター(武蔵野市)や東京都教育相談センターにも話せます。武蔵野市の外に住んでいる場合は、住んでいる市の教育委員会の教育相談の窓口が入口になります。
個別指導で確かめること
1対1の授業では、お子さまのワークを机に開き、間違いが残っている問題を講師の前でもう一度解いてもらいます。途中の式のどこで手が止まるかを見て、いまの単元の練習が足りないのか、前の学年の単元まで戻る必要があるのかを分けます。そのうえで、家で足す1冊が要るかどうか、要るならその本の解説のどこを読めば家で直せるかを、お子さまと一緒に確かめます。本の名前を決めるのは最後で、先に見るのは、お子さまが解説のどの行で読むのをやめてしまうかです。
まとめ
問題集を足すかどうかは、書店の棚ではなく、お子さまのワークの、間違いが残るページの数と、止まった一問で決まります。理由を一文で書き、三つの基準で1冊に絞り、レジの前で最初のページと曜日を決める。この順で選んだ1冊なら、本棚の奥ではなく、毎晩開くワークの隣が置き場所になります。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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