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日本獣医生命科学大学の付属博物館—武蔵境駅のすぐ近くで見る学びの場|武蔵野個別指導塾

南口から歩いて2分、守衛所で名前を書いて番号札を首に下げれば、明治の区役所だった木造の校舎でツキノワグマの剥製と向き合えます。予約なしで入れる大学の博物館の回り方です。
| 名前 | 町名 | 行き方 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 自然系展示室(企画展の会場を含む) | 境南町1丁目(大学の一号棟2階) | 武蔵境駅南口から徒歩2分(公式の表記)、正門から入る | 動物の体をケース越しでなく間近に見たいとき |
| 歴史系展示室 | 境南町1丁目(一号棟2階) | 同じ建物の2階 | 獣医という仕事がどう生まれたかを知りたいとき |
| 一号棟展示室(ミニ展示) | 境南町1丁目(一号棟1階) | 同じ建物の1階 | 病理学など大学の研究の今をのぞきたいとき |
| 一号棟(国の登録有形文化財の建物) | 境南町1丁目(大学の敷地内) | 正門の守衛所で受付をしてから向かう | 古い建物の造りそのものを見たいとき |
確かめた月: 2026年11月
よくあるのは、夕食の席で小学5年生のお子さまが「獣医になりたい」と言い出し、親のほうが何から手を付ければいいのか迷う、という場面です。動物病院の見学はすぐには頼めないし、図鑑を買い足すだけでは話が続かない。そんな週の土曜に、武蔵境駅の南口から2分歩いた先に、獣医の学校が140年かけてためてきた標本と記録を、予約なしで見られる部屋があります。夢を口にした次の一歩として、これほど近くて具体的な行き先はそう多くありません。
一号棟の三つの部屋と建物を見る
日本獣医生命科学大学付属博物館は、2015年4月に「ワイルドライフ・ミュージアム」の名で博物館実習の施設として始まり、2023年4月に今の名前になりました。2025年3月31日付で、改正された博物館法にもとづく「登録博物館」になっています。大学の公式の案内では、武蔵野市内の博物館として初めての登録です。展示室はすべて大学の一号棟の中にあり、1階に1部屋、2階に2部屋の三つです。図1のように、2階に自然系と歴史系、1階に一号棟展示室が並びます。

入館は無料です。2025年7月に事前予約の制度をやめ、今は開館の日時であれば誰でも自由に見られる、と公式の案内にあります。観覧の時間は、公式のよくある質問で「30分ほど」を想定しているそうです。小学生と一緒なら、三つの部屋と建物をゆっくり回って45分から1時間を見ておくと、気になった標本の前で立ち止まる余裕が残ります。
自然系展示室(企画展の会場を含む)
2階の自然系展示室は、大学が持つ野生動物の剥製や骨格標本を並べた部屋です。公式の案内によると、哺乳類ではツキノワグマ、ニホンジカ、イノシシなど、鳥類では大学の近くで見られるカラスやキジバト、スズメ、水鳥のカワウやカルガモ、猛禽類のハイタカなどの剥製が並びます。多くの剥製はケースに入れない「露出展示」で置かれていて、公式は野生動物の姿を間近に感じられると説明しています。
獣医になりたいお子さまにとって、この部屋の値打ちは「大きさ」と「毛並み」が本物だということです。図鑑の写真ではクマもシカも同じ大きさの四角に収まりますが、剥製の前に立つと、自分の背と比べて体の厚みがわかります。脚の太さ、爪の形、鳥のくちばしの先の曲がり方。獣医が診るのは、この体そのものです。見た動物を一つ選んで、家に帰ってから図鑑でその動物の食べ物と暮らす場所を調べると、見学が一回で終わらずに続きます。
この部屋では2026年3月14日から11月28日まで、第2回企画展「日獣大驚異の部屋」が開かれています。大学の公式の案内では、博物館が10年の活動で集めた資料のうち、大学の歴史と教育に関わるもので、これまで展示してこなかったものをまとめて並べる展示です。案内に載っている資料には、陸軍の獣医官がウマの治療に使った道具の一式、解剖の模型や掛図、1941年に在校生が描いたスケッチ、9種の霊長類の頭骨があります。昔の学生がどんな道具と図で体の仕組みを覚えたのかを見られる展示です。企画展は入れ替わるので、行く月にかかっている展示を公式で確かめてから出かけてください。
撮影は、自然系展示室の常設のエリアなら個人の利用に限ってできる、と公式のよくある質問にあります。企画展やミニ展示は展示ごとに決まりが違うので、展示の横の表示を見てからカメラを出してください。12月1日はこの部屋が全面閉鎖、12月2日から25日までは一部閉鎖で、常設の部分だけを見られる予定です。
歴史系展示室
同じ2階の歴史系展示室は、大学が「私立獣医学校」として生まれてから今に至るまでを、所蔵の資料や写真で追う部屋です。公式の案内では、私立獣医学校、私立東京獣医学校、私立日本獣医学校、日本高等獣医学校、日本獣医畜産専門学校、日本獣医畜産大学、日本獣医生命科学大学と続きます。展示は、学校の名前が変わった時代ごとに区切られています。
学校が七つの名前を名乗ってきたこと自体が、子どもにとっては一つの発見です。「獣医」と「畜産」が同じ名前の中に並んでいた時代がある。つまり獣医の仕事は、ペットの病気を診るだけではなく、牛や豚やウマを健康に育てて人の食べ物を支える仕事とも深くつながっていた、ということが学校の名前の移り変わりから読めます。公式は、この部屋で獣医畜産学の発展や、人と動物の関係の移り変わりを知ることができる、と書いています。
この部屋は撮影ができません。写真に頼れないぶん、メモ帳と鉛筆を一本持っていくと見学の質が上がります。年表をまるごと写す必要はありません。「いちばん古い時代の名前」と「今の名前」、それから「気になった道具を一つ」書き留めるだけで、家での話が具体的になります。2026年4月からは、私立獣医学校の時代に作られた手書きの講義録のデジタルデータも公開されています。中学生や高校生なら、明治の学生がどんな字で何を書き取っていたのかを見比べるのも面白い使い方です。
一号棟展示室(ミニ展示)
1階の一号棟展示室では、入れ替わるミニ展示が開かれます。2026年9月7日から2027年5月29日までの予定で開かれているのが、ミニ展示「日獣大病理の部屋」です。公式の案内では、病理学とは何かを入り口で説明し、大学の中で病理学に関わる三つの研究室の研究を伝えています。そのうえで、獣医病理学研究室から移された54点の標本のうち10点の液浸標本を特別に並べています。今の日本では見られない病気や、家畜伝染病予防法で重く扱われる病気の標本が含まれる、と公式は説明しています。
獣医の仕事のうち、病気の正体を体の組織から突き止める分野があることを知るには、ちょうどよい部屋です。ただ、病気の臓器を液に浸した標本は、小さなお子さまには刺激が強く感じられることがあります。入る前に「病気になった体の一部を、研究のために保存したもの」と一言伝えておくと、驚きが怖さに変わりにくくなります。見たくないと言ったら、無理をさせずに次の部屋へ移れば十分です。
この部屋は2026年の夏、8月9日までミナミコアリクイの全身骨格を見せる「日獣大のありくい展」の会場にもなりました。展示の入れ替わりが速い部屋なので、何がかかっているかは、行く週に博物館のニュースの欄で見てから出かけるのが確実です。
一号棟(国の登録有形文化財の建物)
展示室を収めている一号棟そのものが、この博物館のもう一つの展示です。公式の案内によると、建物はもともと1909年に麻布市兵衛町で建てられた麻布区役所の庁舎で、大学の前身の学校が武蔵野町に移るときに買い取って移築しました。2020年4月に「旧東京市麻布区役所庁舎(日本獣医生命科学大学一号棟)」の名で国の登録有形文化財(建造物)になっています。文化庁の文化遺産オンラインでは、木造2階建てで、屋根はマンサード屋根、外壁はモルタル塗りで腰を石張りにし、上げ下げの窓を並べた造りと説明されています。
中学の歴史で明治の洋風建築を習ったばかりのお子さまなら、教科書の写真で見た建物の仲間が駅から2分の場所に建っていることに驚くはずです。屋根の折れ曲がった形、縦に長い窓の並び、廊下と階段の木の手すり。一号棟の廊下や階段は、個人の利用であれば撮影ができると公式のよくある質問にあります。展示室の中を撮れない歴史系の部屋の代わりに、建物の細部を写真に残しておくと、夏休みの自由研究の材料になります。
博物館の事務室では、一号棟の歴史や見どころをまとめた小冊子や、建ったころの写真を使った絵葉書を扱っていると公式の案内にあります。大学が誇るキリン「長次郎」の絵葉書もあります。長次郎は上野動物園で飼われていたキリンで、大学にあった全身骨格の主だと後の調査でわかった、と公式は説明しています。全身骨格は2026年6月に一日だけ特別に展示されましたが、ふだんは並んでいません。
歩き方・回り方
公式の表記では、博物館は武蔵境駅の南口から徒歩2分です。博物館は大学の敷地の中にあるので、正門をくぐったあとの手順が街の美術館や科学館と違います。図2のように、受付は守衛所から始まります。

公式の来館案内によると、手順はこうです。開館の時間に合わせて正門から入り、正門の横の守衛所で博物館を見たいと伝え、記録表に名前を書きます。家族など複数で行くときは代表者の名前で足ります。人数分の番号札を受け取り、見学のあいだは札を身に着け、帰りに守衛所へ返します。小学生が自分で名前を書く役を引き受けると、大学という場所に「入れてもらう」感覚がはっきりして、見学の背すじが少し伸びます。
一号棟に入ったら、回る順は2階から1階がおすすめです。2階の自然系展示室で動物の体を見て、隣の歴史系展示室で獣医の学校の歩みを追い、最後に1階の一号棟展示室で今の研究に触れる。体、歴史、研究の順に並べると、「動物の体を知る人が、時代とともに学校で育てられ、今は病気の正体を調べている」という一本の線がつながります。時間の配分は、自然系に20分、歴史系に15分、一号棟展示室に10分、建物の外回りと廊下に10分ほどが目安です。
博物館の見学者が入れるのは、一号棟と展示室、それに一号棟の横のトイレまでです。公式のよくある質問は、それ以外の校内の施設への立ち入りを断っています。キャンパスを歩き回って研究棟をのぞく、という使い方はできないので、お子さまにも先に伝えておくと迷いません。オープンキャンパスなど進学の相談は、博物館ではなく大学の入試の窓口が受け持っています。
一号棟の中にトイレはありません。公式は、一号棟の東側の入り口の横のトイレを使うよう案内しています。館内に給水器や自動販売機もないので、飲み物は家から持っていきます。廊下での水分補給はできますが、展示室の中での飲食はできません。
雨の日は、この博物館が街の中でいちばん頼れる行き先の一つになります。駅からの距離が短く、見学はすべて屋根の下で済みます。傘は建物に入る前に水気を切り、ぬれた傘で展示の前を歩かないよう、たたんで持つ袋を一枚用意しておくと安心です。逆に、雨で予定を変えて来る家族が重なると考え、土曜の昼過ぎより開館直後の早い時間を選ぶほうが、標本の前をゆっくり使えます。
季節と時間帯で変わること
開館は2026年11月に公式で確かめたかぎり、火曜日から土曜日の10時30分から17時までで、最終入館は16時30分です。休館日は日曜日、月曜日、祝日、年末年始と大学の定める休日で、ほかに臨時の休館があります。週末に家族で行くなら、行ける曜日は土曜日だけです。平日は学校が終わってから駆け込んでも間に合いにくいので、土曜を一日決めて計画を立てるのが現実的です。
秋は特別な開館が重なる季節です。2026年は10月30日から11月1日まで、大学祭の「第9回医獣祭」に合わせて日曜日も含めて特別に開館しました。10月31日と11月1日には、文部科学省の「教育・文化週間」に合わせ、学芸員が一号棟の見どころを案内する15分ほどのツアーもありました。大学祭の時期は、ふだん閉まっている日曜日にも入れる数少ない機会です。来年も同じ形になるとは限らないので、10月に入ったら博物館のニュースの欄を見ておくと見逃しません。
11月から12月にかけては、臨時休館と開館時間の変更が細かく入ります。2026年11月6日時点の公式の知らせでは、11月18日、21日、12月5日が臨時休館、11月17日は午前だけの開館、11月28日は昼からの開館です。冬期休館は2026年12月26日から2027年1月5日までで、そのあいだは問い合わせへの返事も止まります。冬休みに行こうと思っていた家族は、12月25日までに行くか、1月6日以降に回すことになります。
一号棟は木造の古い建物です。夏の暑い日や冬の寒い日は、建物の中の温度が街の新しい施設と同じとは考えないほうが無難です。夏は汗をふくタオルと飲み物、冬は脱ぎ着しやすい上着を一枚。古い建物の空気をそのまま感じるのも、ここに来る理由の一つです。
行く前に確かめること
この博物館は、開館日が月ごとに細かく動きます。行く週の前に、図3の項目を上から順に確かめておくと、正門の前で閉まっていた、ということになりません。

確かめる場所と中身は次のとおりです。
- 開館の日: 大学の公式サイトの博物館のページにある「来館案内」の開館スケジュールのカレンダーと、ニュースの欄の「休館・開館・物販情報」。臨時休館と開館時間の変更はここにまとまって出ます。
- 展示室の閉鎖: 同じ「休館・開館・物販情報」の知らせ。展示替えの期間は、一つの部屋だけが閉まることがあります。
- 今かかっている展示: 「展示紹介」のページと、ニュースの欄の「お知らせ」。企画展やミニ展示の会期の終わりの日を見ておきます。
- 撮影の決まり: 「よくあるご質問」の撮影の項目。歴史系展示室は撮影できず、ミニ展示は展示ごとに違います。
- 段差と持ち物: 「来館案内」の館内の説明。一号棟にはエレベーターも車椅子の昇降機もなく、入り口はすべて階段です。ベビーカーで行く家族は、たたんで抱えて上がる前提で、大人の手を一人分あけておきます。
ほかにも、知っておくと当日あわてないことがあります。博物館には車やオートバイでは来られません。自転車の置き場も台数が限られている、と公式は書いています。駅から2分なので、歩いて行くのがいちばん確実です。動物を連れての入館はできません。10人以上で見学したいときは団体見学の扱いになり、希望日の3週間前までに博物館へ問い合わせるよう公式は求めています。子ども会や友だち数家族でまとまって行く計画なら、早めの相談が要ります。
教室の窓から
教室は駅の北側、境2丁目にあり、博物館は線路をはさんだ南側です。改札を抜ければ数分の距離に、明治の区役所が建ち、クマの剥製が置かれている。この近さは、勉強の題材を教科書の外に持ち出すときの大きな味方です。理科で動物の分類を習った週、歴史で明治の近代化を習った週に、同じ建物が両方の答えを持っています。
「獣医になりたい」という言葉は、小学生のうちは憧れのかたちをしています。それを本物の夢に育てるのは、動物の体の重さと、学校の歴史の長さと、研究の地道さに一度でも触れた経験です。見学のあとに書いたメモを持ってきてくれたら、その一行から調べ方を一緒に組み立てられます。
まとめ
駅から2分の木造の校舎には、獣医という仕事の過去と今が、予約なしで見られる形で並んでいます。夢を口にした子どもに最初に見せるべきなのは、職業の説明ではなく、その仕事が140年かけて向き合ってきた動物の本物の体です。
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