
武蔵野個別指導塾の特徴
イオン式の一覧—陽イオンと陰イオンの覚え方|武蔵野個別指導塾

SO₄²⁻ の右下の 4 と右上の 2、どちらが何の数か言えますか。陽イオン 24 種と陰イオン 27 種を表にし、価数の見方から電離の式、塩の組み合わせまで一度に持ち帰れます。
陽イオンは 24 種類です。番号は通し番号で、価数の小さい順に並べました。
| 番号 | イオン式 | 名前 | 価数 | 形 | 出る範囲 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | H⁺ | 水素イオン | 1 | 単原子 | 中学 |
| 2 | Li⁺ | リチウムイオン | 1 | 単原子 | 高校 |
| 3 | Na⁺ | ナトリウムイオン | 1 | 単原子 | 中学 |
| 4 | K⁺ | カリウムイオン | 1 | 単原子 | 中学 |
| 5 | Ag⁺ | 銀イオン | 1 | 単原子 | 中学 |
| 6 | Cu⁺ | 銅(Ⅰ)イオン | 1 | 単原子 | 高校 |
| 7 | NH₄⁺ | アンモニウムイオン | 1 | 多原子 | 中学 |
| 8 | H₃O⁺ | オキソニウムイオン | 1 | 多原子 | 高校 |
| 9 | Mg²⁺ | マグネシウムイオン | 2 | 単原子 | 中学 |
| 10 | Ca²⁺ | カルシウムイオン | 2 | 単原子 | 中学 |
| 11 | Sr²⁺ | ストロンチウムイオン | 2 | 単原子 | 高校 |
| 12 | Ba²⁺ | バリウムイオン | 2 | 単原子 | 中学 |
| 13 | Zn²⁺ | 亜鉛イオン | 2 | 単原子 | 中学 |
| 14 | Cu²⁺ | 銅(Ⅱ)イオン(中学では銅イオン) | 2 | 単原子 | 中学 |
| 15 | Fe²⁺ | 鉄(Ⅱ)イオン(中学では鉄イオン) | 2 | 単原子 | 中学 |
| 16 | Pb²⁺ | 鉛(Ⅱ)イオン | 2 | 単原子 | 高校 |
| 17 | Mn²⁺ | マンガン(Ⅱ)イオン | 2 | 単原子 | 高校 |
| 18 | Sn²⁺ | スズ(Ⅱ)イオン | 2 | 単原子 | 高校 |
| 19 | Ni²⁺ | ニッケル(Ⅱ)イオン | 2 | 単原子 | 高校 |
| 20 | Hg²⁺ | 水銀(Ⅱ)イオン | 2 | 単原子 | 高校 |
| 21 | Al³⁺ | アルミニウムイオン | 3 | 単原子 | 中学 |
| 22 | Fe³⁺ | 鉄(Ⅲ)イオン | 3 | 単原子 | 高校 |
| 23 | Cr³⁺ | クロム(Ⅲ)イオン | 3 | 単原子 | 高校 |
| 24 | Sn⁴⁺ | スズ(Ⅳ)イオン | 4 | 単原子 | 高校 |
陰イオンは 27 種類です。番号は 25 から続き、合わせて 51 種類になります。
| 番号 | イオン式 | 名前 | 価数 | 形 | 出る範囲 |
|---|---|---|---|---|---|
| 25 | F⁻ | フッ化物イオン | 1 | 単原子 | 高校 |
| 26 | Cl⁻ | 塩化物イオン | 1 | 単原子 | 中学 |
| 27 | Br⁻ | 臭化物イオン | 1 | 単原子 | 高校 |
| 28 | I⁻ | ヨウ化物イオン | 1 | 単原子 | 高校 |
| 29 | OH⁻ | 水酸化物イオン | 1 | 多原子 | 中学 |
| 30 | NO₃⁻ | 硝酸イオン | 1 | 多原子 | 中学 |
| 31 | NO₂⁻ | 亜硝酸イオン | 1 | 多原子 | 高校 |
| 32 | HCO₃⁻ | 炭酸水素イオン | 1 | 多原子 | 高校 |
| 33 | HSO₄⁻ | 硫酸水素イオン | 1 | 多原子 | 高校 |
| 34 | HS⁻ | 硫化水素イオン | 1 | 多原子 | 高校 |
| 35 | CH₃COO⁻ | 酢酸イオン | 1 | 多原子 | 高校 |
| 36 | MnO₄⁻ | 過マンガン酸イオン | 1 | 多原子 | 高校 |
| 37 | ClO⁻ | 次亜塩素酸イオン | 1 | 多原子 | 高校 |
| 38 | CN⁻ | シアン化物イオン | 1 | 多原子 | 高校 |
| 39 | SCN⁻ | チオシアン酸イオン | 1 | 多原子 | 高校 |
| 40 | H₂PO₄⁻ | リン酸二水素イオン | 1 | 多原子 | 高校 |
| 41 | O²⁻ | 酸化物イオン | 2 | 単原子 | 中学 |
| 42 | S²⁻ | 硫化物イオン | 2 | 単原子 | 中学 |
| 43 | SO₄²⁻ | 硫酸イオン | 2 | 多原子 | 中学 |
| 44 | CO₃²⁻ | 炭酸イオン | 2 | 多原子 | 中学 |
| 45 | SO₃²⁻ | 亜硫酸イオン | 2 | 多原子 | 高校 |
| 46 | CrO₄²⁻ | クロム酸イオン | 2 | 多原子 | 高校 |
| 47 | Cr₂O₇²⁻ | 二クロム酸イオン | 2 | 多原子 | 高校 |
| 48 | C₂O₄²⁻ | シュウ酸イオン | 2 | 多原子 | 高校 |
| 49 | S₂O₃²⁻ | チオ硫酸イオン | 2 | 多原子 | 高校 |
| 50 | HPO₄²⁻ | リン酸水素イオン | 2 | 多原子 | 高校 |
| 51 | PO₄³⁻ | リン酸イオン | 3 | 多原子 | 高校 |
よくあるのは、中3の理科の授業が終わった直後の黒板の前という場面です。日直が黒板消しを持って待っているのに、Na⁺、Cl⁻、SO₄²⁻ と並んだチョークの字をまだ写し終えていない。SO₄²⁻ の右下の 4 と右上の 2 のどちらが何の数だったのか、写す手が急に止まります。ノートの同じ行には、さっき自分で書いた Mg⁺² が残っていて、これも合っているのかどうかわからない。黒板はあと 1 分で消えます。上の 2 枚の表は消えません。
一覧の読み方
イオン式は、元素記号の右上に電気の情報を足した式です。右上の符号が電気の向きで、+ なら陽イオン、⁻ なら陰イオン。符号の前の数字が価数で、1 のときは書きません。Na⁺ は 1 価の陽イオン、Mg²⁺ は 2 価の陽イオン、Cl⁻ は 1 価の陰イオンと読みます。
価数の正体は、原子が出し入れした電子の個数です。図1のように、ナトリウム原子は陽子が 11 個、電子が 11 個あって、プラスとマイナスがつり合っています。ここから電子を 1 個失うと、陽子 11 に対して電子 10 になり、プラスが 1 つ余る。これが Na⁺ です。塩素原子は陽子 17、電子 17 で、電子を 1 個受け取ると電子 18 になり、マイナスが 1 つ余る。これが Cl⁻ です。電子はマイナスの電気を持つので、失うとプラス、もらうとマイナス。言葉の感じとは逆に聞こえますが、この一点を押さえれば符号で迷わなくなります。

形の列の単原子は、原子 1 個がイオンになったものです。多原子は、いくつかの原子がひとかたまりになって電気を帯びたものです。SO₄²⁻ なら硫黄 1 個と酸素 4 個のかたまり全体で 2 価の陰イオン。右下の 4 は原子の個数で、右上の 2 は電気の数です。場所が違えば意味が違います。多原子イオンは化学式の中でも崩れないので、ひとつの部品として扱います。
名前にも決まりがあります。単原子の陽イオンは元素名にイオンを付けるだけです。単原子の陰イオンは語尾が変わって「〜化物イオン」になり、塩素は塩化物イオン、硫黄は硫化物イオンと呼びます。多原子の陰イオンは、もとの酸の名前にイオンを付けた形が多く、硫酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオンと続きます。銅(Ⅱ)のかっこの中は価数で、同じ元素が 2 通り以上の価数を取るときに区別するために付けます。
出る範囲の列は、中学が 19 種類、高校が 32 種類です。中学の欄は中3の教科書やワークでよく見るものを基準にしたもので、教科書によって差があります。学校の表に載っていれば、そちらを優先してください。元素は 118 種類と決まっていますが、イオンには全部で何種類という決まった数がありません。ここに並べた 51 種類は、中学と高校の化学で式を書く機会があるものに絞った一覧で、高校の化学で別に学ぶ錯イオンは入れていません。
覚え方
51 種類を上から順に覚えるのは、やめてください。まず中学の 19 種類だけを 3 つの束に分けます。周期表の位置で価数が決まる 10 種類、位置では決まらない金属の 4 種類、多原子イオンの 5 種類です。丸暗記が要るのは、このうち真ん中の 4 種類くらいしかありません。
1 つ目の束は図2を見てください。周期表の縦の列を族といい、同じ族の元素は同じ価数のイオンになりやすい性質があります。1 族は 1 価の陽イオン、2 族は 2 価の陽イオン、13 族のアルミニウムは 3 価の陽イオン。右へ進むと電子をもらう側に回り、16 族は 2 価の陰イオン、17 族は 1 価の陰イオンです。18 族はイオンをほとんど作りません。

理由は電子の数にあります。ナトリウム(電子 11)は 1 個失うと、マグネシウム(電子 12)は 2 個失うと、酸素(電子 8)は 2 個もらうと、どれも電子 10 個になり、18 族のネオンと同じ数にそろいます。一番近い 18 族の数に寄っていくと考えれば、価数は覚えなくても導けます。水素は周期表の 1 族にあるので、H⁺ もここに入れます。中学の 19 種類のうち、この束に入るのは H⁺、Na⁺、K⁺、Mg²⁺、Ca²⁺、Ba²⁺、Al³⁺、Cl⁻、O²⁻、S²⁻ の 10 種類です。
2 つ目の束は Ag⁺、Zn²⁺、Cu²⁺、Fe²⁺ の 4 種類です。周期表の真ん中あたりの金属で、族から価数を出すのは中学の知識では難しい。ここは語呂に頼ってよいところです。下の 2 つは学校で習う決まった語呂ではなく、ここで作ったものなので、言いにくければ自分で作り直してかまいません。1 つ目の束の金属も一緒に入れて、陽イオンを価数ごとにまとめてあります。2 価の陽イオンは「土手にカバ、まあ」で、ど(銅)、て(鉄)、カ(カルシウム)、バ(バリウム)、ま(マグネシウム)、あ(亜鉛)の 6 種類。1 価の陽イオンは「砂のカギ」で、す(水素)、な(ナトリウム)、か(カリウム)、ぎ(銀)の 4 種類です。3 価はアルミニウムだけなので語呂は要りません。
3 つ目の束の多原子イオンは、酸の式から作れます。酸は水に溶けると水素イオンを出すので、酸の式から H を外した残りが陰イオンで、外した H の数がそのまま価数です。HNO₃ から 1 個外せば NO₃⁻、H₂SO₄ から 2 個外せば SO₄²⁻、H₂CO₃ から 2 個外せば CO₃²⁻。残る 2 つも水素イオンの出入りで作れます。アンモニア NH₃ に H⁺ が 1 個付くと NH₄⁺、水 H₂O から H⁺ が 1 個離れると OH⁻ です。
高校で足す 32 種類も、同じ 3 つの束に入ります。族で決まるのが Li⁺、Sr²⁺、F⁻、Br⁻、I⁻ の 5 種類。族で決まらない金属が Cu⁺、Pb²⁺、Mn²⁺、Sn²⁺、Ni²⁺、Hg²⁺、Fe³⁺、Cr³⁺、Sn⁴⁺ の 9 種類。残りの 18 種類が多原子イオンです。多原子は H を 1 個ずつ外すと途中の形がそのまま出てきます。H₂CO₃ から HCO₃⁻ を経て CO₃²⁻ へ。H₃PO₄ から H₂PO₄⁻、HPO₄²⁻ を経て PO₄³⁻ へ。硫酸と亜硫酸、硝酸と亜硝酸を比べると、「亜」の付くほうは酸素が 1 個少ない形です。SO₄²⁻ と SO₃²⁻、NO₃⁻ と NO₂⁻ を並べて書けば、別々に覚える理由がなくなります。
覚える順番は、式から名前、次に名前から式です。式を見て名前を言うほうが楽で、名前を見て式を書くほうが難しい。テストで問われるのはおもに後者なので、最後は必ず手で書きます。やり方は単純です。表の式の列を紙で隠し、名前だけを見て中学の 19 種類を白紙に書き出す。間違えた分に印を付け、翌日はその分から始めて、3 日後にもう一度全部を書く。書き出す順番は表の順ではなく、3 つの束の順にします。束で思い出せば、1 つ抜けたときに自分で気づけるからです。お子さまの勉強に付き合うときは、名前を読み上げて式を書いてもらうだけで足ります。正誤は表と照らせば済むので、化学の知識は要りません。
テストでの出方
定期テストでも入試でも、イオン式そのものを書かせる問題は入口にすぎません。その先に、電離の式を書かせる問題と、できる塩を答えさせる問題が待っています。例題の前に、この 2 つの表を置きます。
電離の式
電離は、物質が水に溶けて陽イオンと陰イオンに分かれることです。式の左右で、原子の数と電気の合計がそろいます。イオンが 2 個以上できるときは、イオン式の前に係数を付けます。
| 分類 | 物質 | 電離の式 |
|---|---|---|
| 酸 | 塩酸(塩化水素) | HCl → H⁺ + Cl⁻ |
| 酸 | 硝酸 | HNO₃ → H⁺ + NO₃⁻ |
| 酸 | 硫酸 | H₂SO₄ → 2H⁺ + SO₄²⁻ |
| アルカリ | 水酸化ナトリウム | NaOH → Na⁺ + OH⁻ |
| アルカリ | 水酸化カリウム | KOH → K⁺ + OH⁻ |
| アルカリ | 水酸化カルシウム | Ca(OH)₂ → Ca²⁺ + 2OH⁻ |
| アルカリ | 水酸化バリウム | Ba(OH)₂ → Ba²⁺ + 2OH⁻ |
| 塩 | 塩化ナトリウム | NaCl → Na⁺ + Cl⁻ |
| 塩 | 塩化銅 | CuCl₂ → Cu²⁺ + 2Cl⁻ |
| 塩 | 硫酸銅 | CuSO₄ → Cu²⁺ + SO₄²⁻ |
| 塩 | 硫酸亜鉛 | ZnSO₄ → Zn²⁺ + SO₄²⁻ |
| 塩 | 硝酸銀 | AgNO₃ → Ag⁺ + NO₃⁻ |
| 塩 | 硫酸ナトリウム | Na₂SO₄ → 2Na⁺ + SO₄²⁻ |
| 塩 | 塩化マグネシウム | MgCl₂ → Mg²⁺ + 2Cl⁻ |
| 塩 | 硫酸アルミニウム | Al₂(SO₄)₃ → 2Al³⁺ + 3SO₄²⁻ |
高校では、酢酸のように一部しか電離しない物質を CH₃COOH ⇄ CH₃COO⁻ + H⁺ と両向きの矢印で書きます。アルカリという呼び名も、高校では塩基という言葉に広がります。
塩の組み合わせ
塩(えん)は、酸の陰イオンとアルカリの陽イオンが結びついた物質です。食塩だけが塩ではありません。式を作るときは陽イオンを先に書き、電気の合計が 0 になる個数にします。名前は逆に陰イオンから読みます。Ca²⁺ と Cl⁻ なら、式は CaCl₂、名前は塩化カルシウムです。
| 陽イオン\陰イオン | Cl⁻ | SO₄²⁻ | PO₄³⁻ |
|---|---|---|---|
| Na⁺ | NaCl | Na₂SO₄ | Na₃PO₄ |
| NH₄⁺ | NH₄Cl | (NH₄)₂SO₄ | (NH₄)₃PO₄ |
| Ca²⁺ | CaCl₂ | CaSO₄ | Ca₃(PO₄)₂ |
| Al³⁺ | AlCl₃ | Al₂(SO₄)₃ | AlPO₄ |
例題
例題 1 次のイオンのイオン式を書き、陽イオンか陰イオンかを答えなさい。(1) 硫酸イオン (2) アンモニウムイオン (3) 硫化物イオン
答え (1) SO₄²⁻、陰イオン (2) NH₄⁺、陽イオン (3) S²⁻、陰イオン。(2) がこの問題の狙いです。多原子イオンはほとんどが陰イオンなので、つい符号を逆にしたくなります。(3) で SO₄²⁻ と書く人も出ます。硫化物には酸素が入りません。
例題 2 塩化銅 CuCl₂ の水溶液に電流を流した。(1) 塩化銅の電離の式を書きなさい。(2) 銅イオンが引き寄せられるのは、陽極と陰極のどちらか。
答え (1) CuCl₂ → Cu²⁺ + 2Cl⁻ (2) 陰極。Cu²⁺ はプラスの電気を持つので、マイナスの電極である陰極へ向かい、そこで電子を 2 個受け取って銅の原子になります。電極に赤い銅が付くという実験の結果を、イオン式の符号で説明させる問題です。
例題 3 硫酸に水酸化バリウム水溶液を加えると、白い沈殿ができた。(1) 沈殿の化学式と名前を答えなさい。(2) 水溶液中の H⁺ と OH⁻ が結びついてできる物質の化学式を答えなさい。
答え (1) BaSO₄、硫酸バリウム (2) H₂O。全体の式は H₂SO₄ + Ba(OH)₂ → BaSO₄ + 2H₂O です。硫酸から出る SO₄²⁻ と水酸化バリウムから出る Ba²⁺ は、1 個ずつで電気の合計が 0 になります。酸のイオンとアルカリのイオンを分けて書き出せば、中和と塩が同じ手順で解けます。
入試では、イオンを丸で描いたモデル図を見せて個数の比を問う形もよく使われます。CuCl₂ の水溶液で Cu²⁺ が 3 個なら Cl⁻ は 6 個です。図の丸を 1 つずつ数えなくても、電気の合計が 0 になる比で答えは決まります。
まちがえやすいところ
1 つ目は、小さい数字の場所の取り違えです。SO₄²⁻ を SO₂⁴⁻ と書く誤りは定番です。右下は原子の個数、右上は電気の数で、この 2 つは入れ替えられません。右上は数字が先で符号が後なので、Mg⁺² と書くと順番が逆です。1 は書かないので、Na¹⁺ も書きません。黒板から急いで写すときに起きるのは、たいていこの誤りです。
2 つ目は名前の取り違えです。Cl⁻ を塩素イオンと書くのが代表で、正しくは塩化物イオンです。S²⁻ の硫化物イオンと SO₄²⁻ の硫酸イオン、O²⁻ の酸化物イオンと OH⁻ の水酸化物イオンも、字が似ているぶん混ざります。見分けは字面ではなく式の中身で決めてください。硫化物は硫黄だけで、硫酸は酸素が 4 個付く。酸化物は酸素だけで、水酸化物は水素も入る。もう 1 つ、「〜化物イオン」は基本的に単原子に付く名前ですが、OH⁻ と CN⁻ は多原子なのに〜化物イオンと呼びます。この表の中の例外は、この 2 つです。
3 つ目は個数の書き方です。2 個の塩化物イオンは 2Cl⁻ で、Cl₂⁻ ではありません。Cl₂ は塩素分子の形で、別のものになってしまいます。多原子イオンが 2 個以上入るときはかっこでくくります。水酸化カルシウムは Ca(OH)₂ で、CaOH₂ と書くと OH が 2 組ある形が消えます。
図3は、硫酸アルミニウムの組み合わせを電気の数で描いたものです。Al³⁺ 1 個はプラス 3、SO₄²⁻ 1 個はマイナス 2 で、どちらも 6 でそろいます。だから Al³⁺ を 2 個、SO₄²⁻ を 3 個にして Al₂(SO₄)₃ と書きます。かっこを落として Al₂SO₄₃ と書くと、酸素が 43 個あるという読み方になり、もう式として成り立ちません。Ca²⁺ と SO₄²⁻ のように価数が同じときは、1 個ずつで足ります。Ca₂(SO₄)₂ とは書きません。

確かめの問題
上の表を隠して答えてください。
- Ag⁺ の名前と、何価の陽イオンかを答えなさい。
- 硝酸イオンのイオン式を書きなさい。
- 次のうち陰イオンをすべて選びなさい。K⁺、OH⁻、NH₄⁺、CO₃²⁻、Zn²⁺
- 水酸化カルシウム Ca(OH)₂ の電離の式を書きなさい。
- Al³⁺ と Cl⁻ からできる塩の化学式と名前を答えなさい。
答え
- 銀イオン、1 価の陽イオンです。銀は周期表の位置から価数を出しにくい金属なので、語呂の「砂のカギ」の「ぎ」で押さえます。
- NO₃⁻ です。硝酸 HNO₃ から H を 1 個外した形で、外した H が 1 個なので 1 価です。
- OH⁻ と CO₃²⁻ です。NH₄⁺ は多原子イオンですが陽イオンです。
- Ca(OH)₂ → Ca²⁺ + 2OH⁻ です。電気の合計は左が 0、右もプラス 2 とマイナス 2 で 0 になります。
- AlCl₃、塩化アルミニウムです。Al³⁺ 1 個のプラス 3 に対して、Cl⁻ が 3 個でマイナス 3 になります。
次に覚える一覧
元素記号の一覧は、単原子イオンの土台です。記号があやしいと Na⁺ も Fe²⁺ も書けません。化学式の一覧は、この表の陽イオンと陰イオンを組み合わせた先にあり、塩や水酸化物の式は電気の合計が 0 になる比から出せます。イオン化傾向の一覧は、金属のうちどれがイオンになりやすいかの順番で、金属と酸の反応や電池につながります。個別指導でイオン式につまずいたときは、原子の陽子と電子の数まで戻り、符号の理由を自分の言葉で言えるかを確かめます。そこが言えれば、式はあとから直せます。
まとめ
日直が黒板を消しても、もう困りません。束で書き出せる 19 種類と、酸から水素を外す手があれば、式はいつでも自分の手で作り直せます。高校で 32 種類が足されても、増えるのは表の行だけで、考え方は増えません。Mg⁺² と書きかけた手も、次は数字を先に置きます。右上の小さな数字は、電子が動いた跡です。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
武蔵境駅徒歩30秒、講師1人に生徒1人の完全1対1。授業のあいだ、先生は隣を離れません。いまの詰まりを、無料相談でそのまま話してください。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。

-150x150.jpg)


