電話 0422-27-7828チャットで質問無料相談を予約

武蔵野個別指導塾の特徴

【地学基礎】地球の形と大きさを図解で総まとめ—エラトステネスの測定と扁平率|武蔵野個別指導塾

学習のイメージ写真 武蔵野個別指導塾
X LINE Facebook

返されたテストの余白で 925÷7.2 と割って止まった人へ。棒の影の 7.2° から全周を出す比の立て方を図で追い、扁平率と子午線弧の例題 4 問を自分の手で解き直せます。

よくあるのは、返されたテストの余白に「925÷7.2=128.4…」という筆算が残り、答えの欄に「地球の全周 約 128 km」と書かれている場面です。割り算そのものは合っています。ところが 128 km は高速道路なら 2 時間かからずに走れる距離で、これでは車で地球を一周できてしまいます。数字が 2 つ見えたので、とりあえず割った。止まっているのは計算ではなく、図を描く前に手が動いてしまったところです。

この単元を学ぶと、棒の影の角度と 2 地点の距離だけで地球の全周を出せるようになります。「地球は丸い」のひとことも、「赤道方向にわずかにふくらんだ回転楕円体である」まで数値を添えて説明できます。余白に図が 1 枚あれば、128 km という答えは出てこなくなります。

この単元で押さえること

中学の数学で学んだおうぎ形の弧と中心角の関係がここでの土台になり、ここで得た半径の数値は、次に学ぶ地球の内部構造で層の厚さを比べるときの基準になります。

基本の考え方

地球が丸いと言える 3 つの根拠

人工衛星の写真が無かった時代にも、地球が球に近い形をしていることは観察から推し量られていました。根拠として押さえたいのは次の 3 つです。

1 つ目は月食です。月が地球の影に入るとき、影の縁はいつも円の一部に見えます。どの季節のどの時刻に月食が起きても影の縁が弧になるのは、どの方向から光を当てても丸い影をつくる立体、つまり球に近い形だからです。薄い円盤であれば、真横から光を受けたときに影は細い棒のようになるはずです。

2 つ目は水平線に隠れていく船です。沖へ遠ざかる船は、小さくなって消えるのではなく、船体から先に水平線の下へ隠れ、マストの先が最後まで残ります。平らな海面なら船全体が同じように小さくなっていくだけなので、この順番は海面が曲がっていることの証拠になります。

3 つ目は北極星の高度です。北半球で北へ移動すると北極星の高度は高くなり、その高度はその土地の緯度にほぼ等しくなります。星はとても遠いので、平らな大地の上を数百 km 移動しても、星の見える高さはほとんど変わりません。移動した距離に比例して高度が変わるのは、地面が南北に一様な曲がり方をしているからです。

エラトステネスは棒の影で全周を測った

紀元前 3 世紀ごろ、エジプトのアレクサンドリアにいたエラトステネスは、南のシエネ(いまのアスワン付近)の話を知っていたと伝えられています。夏至の日の正午にはシエネで太陽が真上に来て、深い井戸の底まで光が届くというのです。同じ時刻にアレクサンドリアで地面に立てた棒には影ができ、太陽は真上から約 7.2° ずれていました。これは円周 360° の 1/50 にあたります。

図1のように、太陽はとても遠いので、光は平行に届くとみなせます。シエネに届く光とアレクサンドリアの棒の先を通る光は平行な 2 本の線で、棒を延ばして地球の中心まで届く直線がその 2 本を横切っています。そのため棒の先の角と地球の中心の角は錯角の関係になり、どちらも 7.2° です。手元で測れる影の角度が、誰も行くことのできない地球の中心の角度に置きかわる。ここがこの測定のいちばん面白いところです。

図1 太陽光は平行とみなせるので棒の先の角と地球の中心角が等しくなる

2 地点の距離は当時の単位で 5000 スタジアとされ、いまの単位では約 925 km として計算するのが一般的です(1 スタジアの長さには諸説があります)。弧の長さは中心角に比例するので、全周を x km とすると次の比が成り立ちます。

925 : x = 7.2 : 360

これを解くと x = 925 × 50 = 46250 となり、全周は約 4.6 万 km と求まります。実際の約 4 万 km よりやや大きいものの、距離の見積もりの粗さや、2 地点が厳密には同じ子午線上に無いことを考えれば、紀元前の答えとしては驚くほど近い値です。

全周 約 4 万 km と半径 約 6400 km

いまわかっている地球の全周は約 4 万 km です。きりのよい数字になっているのは偶然ではありません。メートルという長さの単位が、もともと北極から赤道までの子午線の長さの 1000 万分の 1 をもとに決められたので、全周の 4 分の 1 がおよそ 1 万 km になるのです。

半径は円周の式から出せます。全周 = 2 × 3.14 × 半径 なので、40000 ÷ (2 × 3.14) を計算すると約 6369 となり、上から 2 桁に丸めて約 6400 km と覚えます。全周を忘れても半径から戻せるので、2 つの数値は組で持っておくと安心です。

球ではなく回転楕円体

詳しく測ると、地球は完全な球ではありません。自転による遠心力は自転軸から遠い赤道付近ほど大きく、地球は赤道方向にわずかにふくらんで、南北方向につぶれた形をしています。楕円をその短い軸のまわりに回転させてできる立体を回転楕円体といい、地球の形に最も近い回転楕円体を地球楕円体とよびます。

つぶれ具合を表す数値が扁平率です。赤道半径を a、極半径を b とすると、扁平率は (a-b)/a で定義します。赤道半径は約 6378 km、極半径は約 6357 km なので、その差は約 21 km で、扁平率は約 1/300(正確には約 1/298)になります。

緯度 1° の長さは場所によって違う

子午線は北極と南極を結ぶ経線のことで、子午線に沿って測った弧の長さを子午線弧といいます。緯度は、その地点の鉛直線が赤道面となす角です。地球が完全な球なら、緯度 1° に対応する子午線弧はどこでも同じ長さになるはずです。

ところが実際に測ると、赤道付近で約 110.6 km、極付近で約 111.7 km と、高緯度のほうが長くなります。18 世紀のフランスは赤道付近と高緯度地方に調査隊を送ってこの差を測り、地球が南北につぶれた形であることを確かめました。なぜ高緯度が長くなるのかは、例題4で図を見ながら説明します。

例題で解き方を確かめる

例題1 地球が丸い根拠を見分ける

次のア〜エのうち、地球が丸いことの根拠にならないものを 1 つ選んでください。

  1. 選択肢ごとに「地面が平らだったら同じことが起こるか」を考えます。丸さの根拠とは、丸くなければ起こらない現象のことだからです。
  2. ア、イ、ウを確かめます。アは影の形、イは海面の曲がり、ウは南北方向の地面の曲がりから生じるので、平らな地面では説明がつきません。
  3. エを確かめます。昔の人が考えたように、平らな大地の上を太陽が回っていても同じように見えるので、地球の形を決める材料にはなりません。

答え:エ

例題2 影の角度から全周を求める

夏至の日の南中時、地点 S では太陽が真上にあり、真北に約 925 km 離れた地点 A では太陽が真上から 7.2° 南にずれていました。太陽の光を平行とみなして、地球の全周を求めてください。

  1. 図1と同じ図を余白に描きます。数字を式に入れる前に、どの角がどの弧に対応するのかをはっきりさせるためです。
  2. 平行線の錯角から、中心角も 7.2° だと判断します。測れるのは地表の角度で、式に必要なのは中心角だからです。
  3. 「弧 : 全周 = 中心角 : 360」に値を入れて 925 : x = 7.2 : 360 とします。弧の長さと中心角は比例するからです。
  4. 360 ÷ 7.2 = 50 を先に計算し、x = 925 × 50 = 46250 とします。7.2° が 360° の 1/50 なら全周は弧の 50 倍だ、という意味が見えるからです。
  5. 答えを約 4 万 km と比べます。桁がそろっていれば、比の立て方に大きな誤りが無いと確かめられるからです。

答え:約 46000 km

例題3 扁平率を計算し、模型に置きかえる

図2のように、赤道半径と極半径の違いを説明する図は形を誇張して描かれることがほとんどです。左の実際の比率では、差は線の太さに隠れて見えません。これを踏まえて次の問題を解きます。赤道半径を 6378 km、極半径を 6357 km として扁平率を求めてください。また、赤道の直径が 30 cm の模型を正しい比率でつくると、極の直径は赤道の直径より何 mm 短くなるかも求めてください。

図2 実際の比率で描いた地球と形を誇張した図で赤道半径と極半径を比べる
  1. 図2の a と b から差を出します。a-b = 6378 − 6357 = 21 km で、扁平率は赤道半径に対する差の割合だからです。
  2. 割合を計算します。21 ÷ 6378 = 0.00329… で、1 ÷ 0.00329 を計算すると分母は約 304 です。半径を小数点以下まで使うと約 298 になるので、丸めた値としてはどちらも約 1/300 と言えます。
  3. 模型に置きかえます。直径の差も同じ割合なので、30 cm × 1/300 = 0.1 cm です。長さの比は縮尺を変えても変わらないからです。

答え:扁平率は約 1/300、短くなるのは約 1 mm

例題4 子午線弧の表を読んで説明する

次の表は、緯度 1° に対応する子午線弧の長さです。この表から地球の形について言えることを、「鉛直線」という語を使って 2 文で説明してください。

緯度の範囲 緯度 1° の子午線弧
赤道付近 約 110.6 km
北緯 45° 付近 約 111.1 km
極付近 約 111.7 km
  1. 表の傾向を読み取ります。高緯度ほど長いという向きが、答えに書くべき事実だからです。
  2. 緯度 1° の意味を言葉にします。緯度は鉛直線と赤道面のなす角なので、緯度が 1° 変わるとは鉛直線の向きが 1° 変わることです。
  3. 図3で弧を比べます。図3は楕円の形を誇張し、緯度差が同じ 20° になるように鉛直線を引いたものです。赤道付近は面が急に曲がるので少し進むだけで鉛直線の向きが変わり、極付近は面が平らに近いので同じ角度だけ変わるまでに長く進まなければなりません。
  4. 形の言葉に戻します。高緯度ほど面の曲がりが緩やかである形は、南北につぶれて赤道方向にふくらんだ形と一致するからです。
図3 形を誇張した楕円で同じ緯度差の弧の長さを極付近と赤道付近で比べる

答え:鉛直線の向きが 1° 変わるまでに進む距離は高緯度ほど長いので、地表の曲がりは高緯度ほど緩やかです。したがって地球は、南北方向につぶれた回転楕円体だと言えます。

まちがえやすいところと直し方

比を立てずに手元の数字を割ってしまう

誤った書き方は「全周 = 925 ÷ 7.2 = 約 128 km」です。導入の場面の答案がこれにあたります。

どこが違うかというと、925 km を 7.2 で割って出てくるのは全周ではなく、中心角 1° あたりの弧の長さです。つまり余白の 128.4… は無意味な数字ではなく、途中の値としては正しいものです。足りなかったのは、それを 360 倍する最後の 1 手でした。

正しい書き方は「925 : x = 7.2 : 360 より x = 46250、全周は約 46000 km」です。1° あたりの長さから進めるなら「925 ÷ 7.2 × 360」となり、同じ答えに届きます。式を書いたら、答えの桁が約 4 万 km とそろっているかを必ず見てください。

赤道がふくらんでいるから赤道付近の緯度 1° が長いと考える

誤った書き方は「地球は赤道方向にふくらんでいるので、緯度 1° の子午線弧は赤道付近ほど長い」です。

どこが違うかというと、「ふくらんでいる場所は距離も長いはずだ」という直感で決めてしまっています。緯度 1° の長さを決めるのは中心からの遠さではなく、面の曲がり具合です。図3をもう一度見ると、赤道付近の面は急に曲がっているので弧は短く、極付近は平らに近いので弧が長くなっています。

正しい書き方は「赤道付近は地表の曲がりが急なので緯度 1° の子午線弧は短く、極付近は曲がりが緩やかなので長い」です。迷ったら楕円を 1 つ描いて、平らなところと急なところに鉛直線を 2 本ずつ引いてみてください。

誇張された図をそのまま地球の姿だと思い込む

誤った書き方は「地球は赤道が大きくふくらんだ楕円で、宇宙から見ても形の違いがはっきりわかる。扁平率は (a-b)/b で求める」です。

どこが違うかというと、見ている図の多くは図2の右のように違いを強調したものです。赤道半径と極半径の差は約 21 km しかなく、赤道の直径が 30 cm の模型でも約 1 mm です。また、扁平率の分母は赤道半径 a と決まっていて、b ではありません。

正しい書き方は「地球は赤道半径が極半径より約 21 km 長い回転楕円体で、扁平率 (a-b)/a は約 1/300 であり、見た目は球とほとんど区別できない」です。論述で形を問われたら、ふくらむ向きと差の小ささを両方書くと、誇張された図の思い込みから離れられます。

用語のまとめ

用語 意味 押さえる数値や例
丸い根拠 丸くなければ起こらない観察 月食の影、水平線に隠れる船、北極星の高度
エラトステネスの測定 影の角度と 2 地点の距離から全周を求める方法 7.2°、約 925 km、約 4.6 万 km
中心角と弧 同じ円で弧の長さは中心角に比例する 弧 : 全周 = 中心角 : 360
全周 地球を一周する長さ 約 4 万 km
半径 地球の中心から地表までの長さ 約 6400 km
回転楕円体 楕円を短い軸のまわりに回転させた立体 地球楕円体は地球の形に最も近いもの
遠心力 自転によって赤道付近ほど大きく働く力 赤道方向にふくらむ原因
赤道半径 a 中心から赤道までの長さ 約 6378 km
極半径 b 中心から極までの長さ 約 6357 km
扁平率 つぶれ具合を表す値 (a-b)/a 約 1/300、正確には約 1/298
緯度 鉛直線が赤道面となす角 北半球では北極星の高度にほぼ等しい
子午線弧 子午線に沿って測った弧の長さ 緯度 1° で赤道付近 約 110.6 km、極付近 約 111.7 km

練習問題

練習1 次の文の空欄に語を入れてください。地球は自転による(ア)の影響で(イ)方向にふくらんでおり、その形は(ウ)とよばれる立体で近似されます。緯度 1° に対応する子午線弧は、緯度が(エ)ほど長くなります。

練習2 同じ子午線上にあって南北に約 555 km 離れた 2 地点で、北極星の高度が 5.0° 違っていました。地球の全周を求めてください。また、円周率を 3.14 として半径を上から 2 桁で求めてください。

練習3 半径 6400 km の地球を半径 16 cm の球に縮めた模型をつくります。高さ約 9 km の山と、赤道半径と極半径の差である約 21 km は、それぞれ模型の上で約何 mm になりますか。

練習4 エラトステネスの方法が成り立つために必要な前提を 2 つ挙げ、それぞれが欠けると何が困るのかを説明してください。

答えと解説

練習1の答えは、ア 遠心力、イ 赤道、ウ 回転楕円体、エ 高い です。エを「低い」としてしまうのが典型的な誤りで、面の曲がり具合に戻って考えると防げます。

練習2の答えは、全周 約 40000 km、半径 約 6400 km です。555 : x = 5.0 : 360 より x = 555 × 72 = 39960 となります。半径は 39960 ÷ (2 × 3.14) で約 6363 となり、上から 2 桁に丸めて約 6400 km です。北極星の高度の差がそのまま緯度の差、つまり中心角にあたる点がこの問題のかなめです。

練習3の答えは、山が約 0.2 mm、半径の差が約 0.5 mm です。6400 km が 160 mm になるので 1 km あたり 0.025 mm で、9 km は 0.225 mm、21 km は 0.525 mm になります。世界の高い山も赤道のふくらみも、この大きさの球の上では指先でやっと気づくかどうかの厚みでしかありません。

練習4の答えの例は次の 2 つです。1 つ目は太陽の光が平行であることで、平行でなければ錯角が使えず、棒の先の角と中心角が等しいと言えません。2 つ目は 2 地点が同じ子午線上にあることで、南北に並んでいなければ 925 km の道のりが中心角 7.2° に対応する弧になりません。

次の単元へのつながりと確かめ方

半径 約 6400 km は、次の単元の地球の内部構造でそのまま物差しになります。大陸地殻の厚さは 30〜60 km で、半径の 1% にも届きません。練習3の模型なら最も厚いところで 1.5 mm です。さらに先の大気の大循環では、地球が丸いために緯度で太陽の光の受け方が変わるところから話が始まります。

家で 5 分でできる確かめ方を 2 つ挙げます。

保護者の方がお子さまに「全周が 128 km だと何がおかしいの」と聞いてみるのも、短い確かめになります。個別指導でここを確かめるときは、中学数学のおうぎ形の弧と中心角、平行線の錯角まで戻って 1 問ずつ解き、そのうえで図を何も見ずに描けるかを見ていきます。

まとめ

船で世界を一周した人が現れる 1700 年以上も前に、地球の全周は棒の影と 1 本の比の式からもう出ていました。歩いて確かめられない大きさも、平行な光と 7.2° の角があれば、紙の上で手の届く数字に変わります。128 km と書いた答案と 46250 km と書いた答案を分けたのは、計算の力ではありません。余白に円を 1 つ描いたかどうか、その差だけです。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

武蔵境駅徒歩30秒、講師1人に生徒1人の完全1対1。授業のあいだ、先生は隣を離れません。いまの詰まりを、無料相談でそのまま話してください。

本気になった日が、入塾の日。

お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。

電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。

チャットで質問チャット
無料相談を予約する 電話 0422-27-7828