
武蔵野個別指導塾の特徴
総合型選抜で塾が担うこと—専任の指導と書き直しの記録|武蔵野個別指導塾
添削後に手が止まったら、変えた箇所・理由・残る疑問を記録してみてください。本人・塾・家庭の役割を分け、前回の迷いを次回の問いへつなぐ記録の使い方を扱います。

総合型選抜で塾が担うこと—専任の指導と書き直しの記録
添削を受けたあとに残る迷い
よくあるのは、帰宅途中のバス停で、添削を受けた志望理由書をスマートフォンに開き、修正の多さを見つめるという場面です。「もっと具体的に」「学びたいことにつなげて」と書かれていても、どの経験を取り出し、どこから手をつけるかが決まりません。保護者から「どうだった」と連絡が来ても、「直すところがたくさんあった」としか返せず、次の提出までの日だけが気になります。
文章への指摘があることと、自分で書き直せることの間には、まだ距離があります。読み手の疑問を受け取り、経験を確かめ、言葉を選び直すところまで進むには、修正の道筋が必要です。総合型選抜の準備で塾を利用する意味を考えるなら、完成した文章の見栄えに加え、この道筋を誰がどのように支えるかを見ておきたいところです。
その手がかりになるのが、書き直しの記録です。前の原稿と今の原稿の間に、本人が何を考えたかを残します。指導の継続性も、毎回同じ説明を受けるという意味ではなく、前回の迷いと今回の判断がつながることで確かめられます。ここでは、生徒が一人で進める作業と、塾や家庭が受け持つ支援を、この記録を軸に整理します。

指摘を受け取る力と直す力は別々に育つ
「具体的に書く」という指摘は、読み手には自然でも、書き手には広すぎることがあります。活動した場所を足すのか、自分の行動を示すのか、そのときの考えを説明するのかで、取り組む作業は変わります。本人が困っているのは文章表現なのか、経験の整理なのか、それとも経験と関心の結びつけ方なのか。ここを分けずに修正を重ねると、文章は動いても、本人には直し方が残りにくくなります。
たとえば、「地域の活動を通じて多くのことを学びました」という文があるとします。これを立派な言い回しに置き換えても、読み手はまだ、何が起きて何を学んだのかをたどれません。「活動の途中で困ったことは何だったか」「そのとき自分がしたことは何か」と問われて初めて、書く材料を探せる場合があります。問いを経験の大きさに合わせて狭めることが、次の作業への入口です。
自己省察とは、自分の取り組みを振り返り、どこで困り、何を変えられそうかを考えることです。大学生42名を対象とした研究では、推敲段階で生じる迷いの原因を、書き手自身が言語化する自己省察ベースの指導が、書く力の改善につながりました(Gebremariam & Gedamu・2023)。ただし、大学生の作文を扱ったこの知見だけで日本の総合型選抜の評価まで見通せるわけではなく、ここでは本人のつまずきを確かめて指導を組み立てる手がかりとして受け止めます。
この考え方を志望理由書の準備に取り入れるなら、「今日は何行進んだか」に加え、「どの判断で止まったか」を尋ねることになります。経験は思い出せるのに選べない人と、経験を選べても意味を説明できない人では、必要な支援が違います。どちらにも同じ完成例を渡すだけでは、本人が迷った箇所を通り過ぎてしまいます。困りごとを言葉にすると、教わる内容も具体的になります。
書き直しの記録は、その困りごとを後から確かめるために使います。「抽象的だったので直した」だけなら、何をどう変えたかが残りません。「活動全体の説明を短くし、意見が合わなかった場面で自分が尋ねたことを加えた」と記せば、修正の対象と方法がわかります。次の原稿で同じ迷いが出たとき、以前の判断を参照できます。
一方、指摘されたことをすべて採用するのが、振り返りの目的ではありません。指摘の背景にある読みづらさは確かめつつ、提案された表現が本人の経験と合うかを判断する必要があります。「強く決意した」とすると気持ちを言い過ぎるなら、「関心を持ち、さらに調べた」と書く選択もあります。読みやすさと経験への忠実さを両方見ながら、自分で採用する言葉を決めます。
専任で指導する意味も、この判断の積み重ねにあります。初回に話した経験、途中で見つかった疑問、採用しなかった表現の理由まで引き継げれば、現在の原稿だけでは見えない変化を扱えます。ただし、担当が同じというだけで振り返りが深まるわけではありません。何を記録し、次回どう使うかが伴って、継続した指導の中身が見えてきます。
原稿と修正の理由を一緒に残す手順
最初に用意するのは、現在の原稿、経験を確かめる資料、書き直しを記すノートです。特別な道具をそろえる必要はありません。紙でも文書ファイルでも、修正前を残せて、必要な箇所を探せる形にします。以下の時間の区切りは、作業を始めやすくするための目安です。途中で材料が足りないとわかったら、文章を無理に進めず、確かめる作業へ切り替えます。
最初の10分で原稿を残し、今回の問いを決める
書き直す前に、原稿へ日付をつけて保存します。同じファイルを上書きするなら、その前に複製を残してください。紙の原稿は写真でも構いませんが、書き込まれた指摘まで読めるかを確かめます。修正前が残っていれば、「よくなった気がする」という印象だけでなく、どの文がどう変わったかを見比べられます。
次に、指摘を「経験を確かめるもの」「文章のつながりを直すもの」「表記を整えるもの」に分けます。「何を学んだかが見えない」は経験と考察の確認、「急に将来の話になる」はつながりの確認です。分けにくい指摘は、そのまま疑問として残します。すべてを同時に直そうとせず、今回はどの困りごとを扱うかを決める準備になります。
今回の問いは、作業できる大きさにします。「志望理由をよくする」では終わりが見えません。「関心を持ったきっかけの段落に、自分が行動した場面を入れる」とすれば、調べる対象が絞れます。ノートに問いを書いたら、それに答えるために何が必要かを口に出してみます。必要な材料を言えなければ、問いをさらに狭めるか、次の指導で意味を確かめる候補にします。
次の15分で資料から事実を拾う
経験を振り返るときは、活動時のメモや予定表を教材として使います。メモからは当時の発言や疑問、予定表からは出来事の順序を確かめます。参加しただけの場面と、自分が判断して動いた場面を分けて書くと、文章に使う主語がはっきりします。資料にある事実と、今振り返って考えたことは別の欄に置き、後からの解釈を当時の気持ちとして書かないようにします。
読書ノートも使えます。読んだ内容をそのまま志望理由へ移すのではなく、「本の中で述べられていたこと」と「自分がそこから持った疑問」を分けます。前者を確かめるときは手元の本の該当箇所に戻り、後者には自分の経験との接点を書き添えます。借りた言葉の意味を尋ねられて答えに詰まるなら、今の自分が説明できる表現へ戻す合図です。
さらに、大学が公開する学びの説明は、自分の問いと学ぶ内容の接点を探す教材になります。気になった言葉を写すだけで終えず、「自分は何を知りたいから、この内容に関心があるのか」を隣に書きます。制度に関することは、志望大学の最新の募集要項で確かめるようにしてください。学びの接点を考える作業と、必要な確認を済ませる作業を、同じ曖昧なメモにまとめないことが大事です。
材料を集めたら、原稿の主張を支える箇所へ線を引きます。自分の行動を書いているのに、資料には活動全体の内容しかないなら、そのまま本人の働きとして扱えません。思い出せる範囲を言葉にし、まだ曖昧な箇所には印をつけます。空欄をもっともらしい話で埋めるより、何を確かめる必要があるかを明らかにしておくと、次の相談が進めやすくなります。
20分を区切りに、対象の段落を書き直す
今回の問いに関わる段落から直します。経験を伝える段落なら、出来事、自分の行動、そこから考えたことのつながりを確かめます。この順番を文章全体の決まりにする必要はありません。まずは読み手が経験をたどれるかを確認するための下書きとして使い、前後の段落に合わせて整えます。
「協力することの重要性を学んだ」という文なら、意見が異なったとき何を尋ねたのか、役割をどう相談したのかを書いてみます。ただし、書けそうな行動を作るのではなく、実際に覚えている行動から選びます。その後に、「その経験から、自分は協力をどのように捉えるようになったか」を続けます。行動の説明が増えても考察が同じままなら、今回の問いへの答えになったかを見直します。
修正した段落の下には、「変えた箇所」「変えた理由」「まだ迷う点」を残します。たとえば、「冒頭の感想を後ろへ移した。先に場面を説明した方が、感想の理由をたどれるため。学びたい内容につなぐ文はまだ広い」という形です。きれいな報告文にする必要はなく、後で自分が読んで作業を再開できる程度に具体的なら十分です。
直さなかった箇所にも理由があれば書きます。「この表現は自分の気持ちに合うので残した」「別の段落と重なるため追加しなかった」という判断は、次の読み合わせで役立ちます。保留した指摘には、何を確かめれば判断できるかも添えます。採用、保留、見送りを区別すると、指摘が未処理なのか、考えたうえで残しているのかを自分でも見失わずに済みます。
翌日の10分で自分の説明と照らす
書いた直後とは別に読み返す時間を置き、まず原稿を閉じて、何を伝える段落だったか説明してみます。次に原稿を開き、今話した内容が文の中にあるかを確かめます。口では言えた大事な理由が抜けていれば補う候補です。逆に、文章にしか出てこない強い決意や専門的な言葉があれば、本当に自分の考えとして説明できるかを確かめます。
続いて、修正前と修正後を並べ、今回の問いへの答えが増えた場所を指さします。指摘の数が減ったことだけを完成の基準にしないで、「自分の行動がわかるようになった」「経験から疑問へ移る理由を加えた」と変化を言えるかを見ます。変化を説明できなければ、理由の記録が曖昧なのか、修正そのものが問いから外れたのかを分けて考えます。
書き直した文を読み返すときは、段落の前後も続けて読みます。対象の段落だけを詳しくした結果、同じ説明が重なったり、後ろの結論とのつながりが弱くなったりする場合があるためです。重なりを削る際には、どちらに残すと経験をたどりやすいかを考えます。部分の修正ができたあとに全体の流れを確かめると、次の指摘を待つ前に自分で見つけられる問題が増えます。
最後に、次回の相談へ持っていく原稿と記録をまとめます。「見てほしいです」に加えて、「この経験からこの関心につながる説明を確かめたい」と相談の焦点を書きます。自分で直せた点も残してください。塾に持っていく材料には、できなかったことだけでなく、助けを借りずに判断できたことも含まれます。

塾が持つ課題と家庭が持つ支えを分ける
個別指導で塾がまず担うのは、現在の原稿を読むことと、本人がどこで迷ったかを聞くことです。同じ「具体性が足りない」という状態でも、経験を忘れているのか、書く経験を選べないのか、人に伝えることをためらっているのかで対応は変わります。原稿だけに赤字を入れて返すのではなく、書いた過程と照らして、今回扱う課題を決めるところまでが指導に含まれます。
そのため、初めの相談では完成度の高い文章だけをそろえる必要はありません。途中の原稿、活動の断片的なメモ、迷って消した文があれば、本人が何を伝えようとしたかをたどれます。塾側は、材料が少ないことをすぐに意欲の不足と結びつけず、思い出すための問いが必要なのか、経験を並べる整理が必要なのかを見立てます。本人が話せることと書けることの差も、確認する対象です。
初回の相談から推敲の記録まで、武蔵野個別指導塾の総合型選抜は代表の宮川が専任で指導します。その指導を考えるうえで、継続して受け持つ価値が表れるのは、前回の表現に戻ったときの判断です。以前に削った理由が今も当てはまるのか、新しい材料が加わったために使えるようになったのか。同じ文が再び現れても、単なる手戻りと決めず、記録から考え方の変化をたどることができます。
塾が持つべき課題は、本人が自力で扱える単位に分けて示します。「説得力を上げる」という宿題だけでは、帰宅後の行動が決まりません。「活動の説明と自分の行動を分け、行動の根拠になるメモを探す」なら始められます。次回は何を見て進み具合を確かめるかも、同時に共有します。問いと確かめ方がそろうことで、本人は指導の時間外にも作業を続けやすくなります。
指導者が手本の文を示す場合には、何を示すための手本かを明らかにする必要があります。つながりを見せるためなら、文の順番を変えた理由を説明し、本人に別の箇所で試してもらいます。そのまま移した文が残るだけでは、自分で判断できるかは見えません。本人が元の経験に戻って表現を選び直し、理由を話せるところまで確かめると、手本を使った意味がはっきりします。
家庭が受け持つのは、日々の作業を続けられる環境と、本人の生活について共有できる事実です。取り組む時間を確保しやすいか、資料を探せる場所があるか、疲れている時間に作業が偏っていないかを相談します。過去の出来事を尋ねられたら、保護者が覚えていることを伝えられますが、その出来事にどんな意味を見いだすかはお子さま自身が考える部分です。
たとえば、お子さまが「活動を始めた時期を覚えていない」と言うなら、家庭の予定表を一緒に確かめる支援が考えられます。一方、「あの経験が将来につながったはず」と意味まで決めると、本人の言葉とのずれが生まれることがあります。「そのとき何が気になっていたの」と尋ね、返ってきた言葉をそのまま受け取ります。保護者の記憶と本人の記憶が異なる部分は、無理に同じ話へまとめず、確かめる項目として塾に共有します。
進み具合は、原稿が何枚できたかに加え、本人ができるようになった判断で見えるようにします。記録の項目は「今回確かめたこと」「本人が選んだ修正」「まだ助けが必要なこと」「次に持参するもの」といった内容です。それぞれに原稿の日付と段落の位置を添えれば、相談中に該当箇所へ戻れます。点数に置き換えなくても、経験を自分で選べたのか、理由を説明するところで支援が必要なのかが読み取れれば、次の指導につながります。
家庭への連絡も、この形に沿わせると役割が明確になります。「関心のきっかけとなる経験を選び直しました。本人は選んだ理由を説明できています。次回は学びたい内容との接点を確かめます。ご家庭では活動時のメモの所在をご確認ください」という伝え方です。文章の細かな修正を家庭へ持ち帰らせるのではなく、塾で扱ったことと、家庭に頼みたい具体的な協力をつなげます。
また、迷いが解けなかった回にも、報告できることはあります。「経験は選べたが、関心につながる理由には本人が納得していない」と残せば、原稿が進まなかった理由がわかります。塾はそこで説明を先回りして完成させず、次に本人が確かめる問いを示します。家庭も、その問いに取り組んでいる段階だとわかれば、完成を促す言葉だけに頼らずに様子を見られます。
塾からの提案と本人の考えが食い違ったときには、双方の理由を同じ記録に置きます。「読み手には行動の理由が見えにくい」という指摘に対し、本人が「その理由は後から考えたものなので書きたくない」と答えることもあるでしょう。この場合は、当時考えたことと今考えていることを分けて書けるかを検討します。本人の違和感を言葉にしてもらうことは、事実と考察の境目を確かめる機会にもなります。
記録を見返す際は、支援を少しずつ本人へ戻す視点も持ちます。以前は塾が問いを示していた箇所で、本人が自分から「この文には理由が足りない」と言えたなら、次は本人が材料を選ぶところまで任せてみます。任せた結果どこで止まったかを次回確かめ、必要な部分へ支援を戻します。毎回すべてを教え直すよりも、今できることを起点に課題を決める方が、作業の分担を明確にできます。
相談先を選ぶ際には、手元の原稿への指摘だけでなく、修正の理由をどう残すかを尋ねてみてください。前回の記録を次回どのように使うか、本人が提案に納得できないときどう扱うか、家庭には何を共有するか。これらへの具体的な説明があれば、指導の継続性を確かめやすくなります。塾の役割は、面談での印象だけでなく、帰宅後に本人ができる作業の明確さにも表れます。
指導を受ける前に整理したい3つの疑問
Q1 添削の回数が多いほど、十分な指導と考えてよいですか
回数だけでは、どの課題が解けたかまではわかりません。同じ指摘が続いているなら、本人が意味を理解できたか、直すための材料を持っているかを確かめる必要があります。指摘が減っても、指導者の表現を移しただけなら、本人の判断が増えたとは言い切れません。修正前後を見ながら、「今回、自分で決めたことは何か」と尋ねると、指導の中身を確かめやすくなります。相談では回数の多さに加えて、原稿と修正理由をどう扱うかを聞くとよいでしょう。
Q2 保護者は原稿を毎回読んで直した方がよいですか
家庭で読む場合は、先にお子さまと目的を決めると役割が重なりにくくなります。「出来事の順序を確かめてほしい」のか、「読んで意味が通じるかを聞きたい」のかで、返す言葉は違います。気になる箇所があれば、完成文を渡すより「ここで何が起きたのか知りたい」と疑問を伝え、その後は本人が塾で相談できるよう残します。本人が今は見せたくない場合には、原稿全体の共有を急がず、次に何をする段階かを塾の連絡で把握する方法もあります。
Q3 書き直しの記録に時間を取られませんか
長い反省文を毎回書く必要はありません。変えた場所、理由、残る疑問がわかれば、短い箇条書きでも使えます。記録に迷うときは、「前の文では何が伝わらなかったか」に絞って書いてみてください。逆に、毎回「具体的にした」としか残らないなら、記録の量を増やす前に、今回の問いが広すぎないかを確認します。次に原稿を開いたとき、どこから再開するかがわかることを目安にすると、記録そのものを仕上げるために時間を使い過ぎずに済みます。
書き直した理由が次の学びの足場になる
総合型選抜の準備で塾を頼るとき、完成した文章だけを成果にすると、その途中にあった本人の判断が見えにくくなります。何を確かめ、どの言葉を選び、どんな問いが残ったか。その記録があれば、本人は次の文章でも、自分が使えた直し方に戻れます。保護者も、提出できる形に近づいたかだけでなく、お子さまが自分で扱える課題が増えているかを見守れます。
まずは、今の原稿を残し、次に確かめたい問いを書いてみてください。塾への相談には、その問いと、直そうとして迷った箇所を持参できます。整う前の文章にも、指導を組み立てるための大事な材料があります。前回の迷いが次回の問いへ引き継がれているか。書き直しの記録に並ぶ原稿の変化が、自分自身の思考が深まった過程を如実に証明します。
参考文献
- Gebremariam & Gedamu(2023), International Journal of Educational Research Open. 大学生42名を対象とした、困りごとに合わせた自己省察ベースの作文指導の研究。 https://consensus.app/papers/details/8bfaf0b4ac2d5638a80a37b01681ea8c/
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。



