【中2理科】気象と天気の変化を図解で総まとめ—湿度の計算から前線・日本の天気まで|武蔵野個別指導塾

湿度と露点の計算、前線の断面図、低気圧の風の読み取りを例題で確かめます。雲ができる理由から日本の四季の天気まで、気温・水蒸気・空気の動きを結びつけて学べます。

よくあるのは、雨上がりのバス停で宿題を見直し、「水蒸気が増えていないのに、夜に湿度が上がるのはなぜ」と手が止まる場面です。湿度を水蒸気の量そのものだと考えると、気温が変わるだけで数値が変わる理由を説明できません。気象の問題では、今ある量と、その温度での限度を分けて読むことが出発点です。

前線の記号や季節風も、名前だけを覚えると別々の知識に見えます。しかし、空気が動いて上昇し、冷えると雲ができるという流れをつかむと、雨が降る場所まで筋道を立てて考えられます。多くの教科書では中2で学ぶ内容です。観測値を読み、式で確かめ、図に空気の動きを描くという順番で、身近な空模様と問題の条件をつないでいきましょう。

この単元で身につけること

  • 気象を同じ条件で観測します。気温・湿度・気圧・風向・風力・雲量を記録し、時間による変化を比べます。
  • 気圧と風を結びつけます。空気が地表を押すはたらきと、気圧の違いによって風が生じる関係を説明します。
  • 湿度を割合として計算します。実際の水蒸気量と飽和水蒸気量を区別し、露点や凝結する水の量も求めます。
  • 雲と前線を立体的に読みます。暖かい空気が上昇する場所を見つけ、雲の広がりや雨の降り方を考えます。
  • 日本の天気を大きな空気の動きから捉えます。気団、季節風、偏西風を使い、季節ごとの特徴と日々の変化を分けて説明します。

前に学んだ水の状態変化と力のはたらきが、凝結と気圧を考える土台になります。問題を解くときは、「気温が変わるのか」「水蒸気量が変わるのか」「空気がどこへ動くのか」を先に確かめます。条件を一つずつ追えば、計算と天気図の読み取りがつながります。

基本の考え方

観測する量と大気圧

気温は直射日光や地面からの熱の影響を避け、風通しのよい場所で測ります。標準的には地上約1.5 mで測り、時刻や場所をそろえると比較しやすくなります。温度計そのものを日なたで熱してしまうと、空気の温度を適切に測れません。風向は風が吹いてくる方角です。北風なら北から南へ吹き、風力は風の強さを表します。

雲量は空全体を10としたときの雲の割合です。降水などがない場合、雲量0〜1を快晴、2〜8を晴れ、9〜10をくもりとします。雲が少しあるから必ずくもり、という判断はしません。乾湿計では水の蒸発で湿球の温度が下がります。乾球と湿球の示す温度の差が大きいほど空気は乾燥しており、湿度は乾球の温度と温度差を使って湿度表から読み取ります。

圧力は一定の面積あたりに垂直にはたらく力で、圧力 = 力 ÷ 面積と表します。力をN、面積をm²で入れると単位はPaです。同じ力でも面積が小さければ圧力は大きくなります。大気の重さによって生じる圧力が大気圧で、あらゆる向きにはたらきます。気象ではhPaを使い、1 hPa = 100 Paです。

湿度と露点をつなぐ

ある温度で空気1 m³中に含むことのできる水蒸気の最大の質量を、飽和水蒸気量といいます。温度が高いほど大きくなるので、「空気の限度」は一定ではありません。湿度は、実際の水蒸気量がその温度の飽和水蒸気量の何%かを表す値です。

湿度 = 実際の水蒸気量 ÷ その気温の飽和水蒸気量 × 100です。両方の水蒸気量をg/m³にそろえて割るため、答えの単位は%になります。図1のように、同じ水蒸気量でも気温を下げれば限度に近づき、湿度は上がります。図の点は各温度の代表的な値で、点の間を結んだ線は変化の目安です。

図1 気温による飽和水蒸気量の変化と露点の読み方

空気を冷やして水蒸気が凝結し始める温度が露点です。図1では実際の水蒸気量を12.8 g/m³とすると、飽和水蒸気量と等しくなる15 ℃が露点です。それより低い温度では、一部が水滴になり、気体の水蒸気として残る量が減ります。露点は「いつでも0 ℃」ではなく、もとの水蒸気量によって変わります。

雲、気団、四季の天気

空気が上昇すると周囲の気圧が低くなり、膨張して温度が下がります。露点に達すると水蒸気が小さな粒を核として凝結し、水滴や氷の粒が集まって雲になります。雲は水蒸気そのものではありません。上昇から冷却、凝結までをつなげると、山の斜面や前線付近に雲ができる理由を説明できます。

広い範囲で温度や湿度がほぼ一様な空気のかたまりが気団です。性質の違う気団が接すると前線面ができ、地表と交わる線を前線といいます。寒冷前線では寒気が暖気の下にもぐり込み、温暖前線では暖気が寒気の上をはい上がります。停滞前線はあまり移動せず、閉塞前線は寒冷前線が温暖前線に追いついてできます。

大陸は海洋より温まりやすく冷えやすいため、季節で気圧の分布が変わります。これに伴って卓越する風向も変わる風が季節風です。冬は冷たく乾いたシベリア気団の影響が強まり、西高東低の気圧配置で北西の季節風が吹きます。日本海で水蒸気を受け取った空気が山を越えるため、日本海側では雪が多く、太平洋側では乾燥した晴天が多くなります。夏は暖かく湿った小笠原気団に覆われ、高温多湿になりやすい季節です。

梅雨には冷たく湿ったオホーツク海気団と暖かく湿った空気の間に前線が停滞し、雨が続きやすくなります。春と秋は移動性高気圧と低気圧が交互に通り、天気が周期的に変わります。日本付近の上空を西から東へ吹く偏西風の影響で、天気の変化も西から東へ進むことが多いのです。秋雨前線や台風も雨をもたらしますが、台風は前線を伴う温帯低気圧とは成り立ちが異なります。

例題で解き方を確かめる

例題1 面積と気圧の単位をそろえる

面積0.02 m²の面に垂直に10 Nの力がはたらくとき、圧力を求めます。また、気圧1000 hPaをPaで表します。圧力の計算と気圧の単位換算を分けて考えましょう。

  1. 力が10 N、面積が0.02 m²であることを確認します。Paを求めるには、この組み合わせの単位を使うためです。
  2. 10 ÷ 0.02 = 500より、圧力は500 Paです。1 m²あたりの力に直す計算なので、面積で割ります。
  3. 気圧は1000 × 100 = 100000 Paです。1 hPaが100 Paに当たるため、100倍します。

答えは500 Paと100000 Paです。前半の力は指定された面にはたらく力で、後半の大気圧とは別の条件です。圧力が大きいか小さいかは、力の大きさだけでは決められません。

例題2 湿度・露点・水滴の量を求める

気温25 ℃、実際の水蒸気量12.8 g/m³の空気があります。飽和水蒸気量は25 ℃で23.1 g/m³、15 ℃で12.8 g/m³、10 ℃で9.4 g/m³とします。湿度を四捨五入して整数で求め、露点と10 ℃まで冷やしたときに生じる水滴の質量も答えます。ここでは体積1 m³を一定とし、水蒸気の出入りはないものとします。

  1. 25 ℃の限度である23.1を分母にします。今の気温での割合を求めるため、冷却後の値はまだ使いません。
  2. 12.8 ÷ 23.1 × 100 = 約55.4より、湿度は55%です。計算の途中で丸めず、最後に指定の位にそろえます。
  3. 飽和水蒸気量が12.8 g/m³となる15 ℃を探します。最初に飽和する温度なので、露点は15 ℃です。
  4. 10 ℃では気体として残れる量が9.4 g/m³なので、12.8 – 9.4 = 3.4です。体積が1 m³のため、生じる水滴の質量は3.4 gです。

答えは55%、15 ℃、3.4 gです。差し引く相手は25 ℃の飽和水蒸気量23.1ではありません。最初から実際に存在していた12.8を出発点にします。図1では、水平な破線とグラフの交点が露点の位置を示しています。

例題3 前線の断面から雨を読む

図2の左は寒冷前線、右は温暖前線の断面です。どちらで暖気が急に持ち上げられるか、また広い範囲で比較的長く雨が降りやすいのはどちらかを説明します。図は形の違いを示す模式図で、実際の傾きや距離の比率ではありません。

図2 寒冷前線と温暖前線で暖気が上昇する様子
  1. 前線面の両側の暖気と寒気を確かめます。左右の位置だけで判断せず、どちらの空気が下側にあるかを見るためです。
  2. 左では寒気が右へ進み、暖気を急に押し上げています。この上昇に伴って積乱雲などが発達しやすく、狭い範囲で強い雨が比較的短時間降る傾向があります。
  3. 右では暖気が緩やかな前線面に沿って上昇しています。乱層雲などの層状の雲が広がり、前線の進む側の広い範囲で雨が比較的長く続きやすくなります。

答えは、急に持ち上げるのが寒冷前線、広い範囲に長く雨を降らせやすいのが温暖前線です。一般に、寒冷前線の通過後は気温が下がり、温暖前線の通過後は上がります。これはその場所を覆う空気が入れ替わるためです。雨の強さや時間には違いがあるので、名称だけから降水を断定せず、気温・風向の変化も合わせて読み取ります。

つまずきやすいところと直し方

湿度が高いほど水蒸気量も必ず多いと思う

「湿度80%の空気は湿度60%の空気より必ず水蒸気が多い」という考え方は、分母が違う場合を見落としています。気温が異なれば飽和水蒸気量も異なるので、割合だけでは量を比較できません。水蒸気量を比べるには、各気温の飽和水蒸気量 × 湿度 ÷ 100で実際の量に戻します。同じ気温という条件があるかを、最初に探すようにしましょう。

低気圧では上空から風が吹き下りると思う

「気圧が低いので上から空気が落ちてくる」という考え方では、地表付近の流れと上下の流れが逆です。地表付近では空気は気圧の高い側から低い側へ向かう傾向があり、地球の自転の影響で曲がります。低気圧と高気圧は、それぞれ周囲より気圧が低い所と高い所です。日本を含む北半球では、低気圧に反時計回りに吹き込み、中心付近で上昇します。高気圧では下降し、地表付近で時計回りに吹き出します。

図3 北半球の低気圧と高気圧に伴う地表付近の風

図3は上から見た地表付近の風です。低気圧では上昇した空気が冷えて雲ができやすく、高気圧では下降する空気が圧縮されて温まり、雲が消えやすくなります。天気図の等圧線は気圧の等しい場所を結ぶ線です。同じ地図の縮尺と等圧線の間隔値なら、線が密な所ほど気圧の変化が急で、風が強い傾向があります。

温暖前線では暖気が寒気を下から押すと思う

「暖かい空気のほうが勢いよく進むから下にもぐる」という考え方は、空気の密度の違いを取り違えています。暖気は寒気に比べて密度が小さく、上側へ乗り上げます。図2のように、寒冷前線でも温暖前線でも上昇するのは暖気です。天気図では寒冷前線を三角、温暖前線を半円で表し、印の突き出す側が進行方向です。停滞前線は三角と半円が反対側に交互に並び、閉塞前線は同じ側に交互に並びます。

練習問題

練習1 気温20 ℃、水蒸気量8.65 g/m³です。20 ℃の飽和水蒸気量を17.3 g/m³として、湿度を求めてください。

練習2 体積1 m³の空気に水蒸気が17.3 gあります。体積一定で10 ℃まで冷やします。水蒸気の出入りはなく、10 ℃の飽和水蒸気量は9.4 g/m³です。水滴は何g生じますか。

練習3 北半球の地表付近で、反時計回りに風が吹き込む中心は高気圧と低気圧のどちらですか。中心付近の上下の流れも答えてください。

練習4 冬の日本海側で雪が多くなりやすい理由を、季節風が海を渡る間の変化と山での動きを使って説明してください。

答えと解説

練習1 50%です。8.65 ÷ 17.3 × 100で求めます。分母は実際の水蒸気量ではなく、その気温の限度です。

練習2 7.9 gです。17.3 – 9.4 = 7.9より、気体として残れない分が凝結します。差のg/m³に体積1 m³を掛けた質量です。

練習3 低気圧で、上昇気流が生じます。地表の回転方向と、中心付近の上下方向を分けて答えます。

練習4 北西の季節風が日本海で水蒸気を受け取り、山に沿って上昇して冷えるためです。水蒸気が雲の粒となり、雪を降らせます。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

水の状態変化と空気の移動は、自然界の水の循環や気象災害の学習につながります。天気の仕組みを説明できることと、その日の雨量を正確に予測できることは別であり、日常の判断には気象情報も必要です。

家庭では各5分で、二つの確かめ方ができます。一つは冷水を入れた割れにくいコップの外側を拭き、再び水滴が付くか観察することです。外側の水滴は空気中の水蒸気が冷やされてでき、コップの水がしみ出したものではありません。もう一つは安全な室内から空を眺め、雲量と時刻を記録することです。太陽を直接見ず、別の日も同じ場所から比べます。個別指導では、湿度なら割合の分母、前線なら暖気と寒気の位置まで戻って、説明が途切れる所を確かめます。

まとめ

天気の問題で迷ったら、答えの用語を書き足す前に、空気の位置と移動方向を図に入れてみましょう。湿度の式にも、今ある水蒸気量と今の気温での限度を書き分けると、使う数値の理由が見えてきます。計算結果が合っていても、冷やすと何が水滴に変わるのかまで言葉にできれば、条件が変わった問題にも向き合えます。空の変化を説明する根拠は、暗記した天気の名前ではなく、動く空気と姿を変える水にあります。


Warning: Attempt to read property "show_author" on false in /home/c1531448/public_html/musasinokobetu.com/wp-content/themes/heal_tcd077/single.php on line 165

関連記事

PAGE TOP
お電話 チャットで質問チャット