英作文は書き直しで伸びる—直す順番と確かめ方|武蔵野個別指導塾

添削を写して終わる英作文から、自分で直せる練習へ。内容・つながり・文法の確認順を使い、次の作文で同じ誤りに気づけるかを試すための手引きです。

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英作文は書き直しで伸びる—直す順番と確かめ方

1. 赤字を写したあとに、何が残っているでしょうか

よくあるのは、昼休みの中庭のテーブルで、お子さまが返された英作文の赤字を別の紙に写し、「直しは終わった」と教材をしまいかける場面です。隣の友人に「なぜここを過去形にしたの」と聞かれると、見た目はきれいに整えた答案を前に、手が止まります。正しい答案は手元にあっても、自分でその形を選べるかどうかは、まだ別の問題なのです。

英作文では、何を書くかを考え、知っている表現を探し、語順やつづりも整えます。返却された答案に直す箇所が多いと、どこから取りかかればよいのか見えなくなります。赤字の数を減らそうとして、次からは知っている短い文しか書かなくなることも考えられます。

書き直しの目標は、提出物をきれいにすることだけではありません。「どこを、何のために変えたか」を自分で説明し、次の作文でも使えるようにすることです。保護者の方には、直した量に加えて、お子さまが自分で選べたところに目を向けていただきたいと思います。そのために、直す順番と、直ったかを確かめる方法を分けて考えます。

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2. 書き直しを学びに変えるのは、修正の理由です

正解を選ぶ練習

たとえば、昨日の出来事を書いた文が「I play tennis yesterday.」だったとします。添削で示された「played」を写すだけなら、動詞の形を移す作業で終わります。「昨日のことを述べるので、動詞を過去形にする」と理由を言えれば、時間の情報と動詞の形を結びつけて考えたことになります。ただし、言えた直後に何でも書けるとは限らないため、あとで別の動詞でも確かめます。

自己説明とは、答えや手順の理由を、自分の言葉で説明することです。学習中に自己説明を促す働きかけは、学習成果にプラスの効果を示しています(Bisraほか・2018)。このメタ分析は64報告をまとめたもので、日本の中高生の英作文添削だけに絞った結論ではありません。

ここから英作文の練習に取り入れたいのは、正解を受け取ったあとに理由を考える工程です。「なんとなく変だから」では、次に使う目印が残りません。「主語が誰か」「いつの話か」「前の文とどんな関係か」のように、判断に使った手がかりを短く言います。説明は日本語でかまいませんし、難しい文法用語を並べる必要もありません。

答案に合った問い

もう1つ役立つ考え方が、学習の計画・監視・評価です。書く前に何を目指すか決め、途中でずれを見つけ、書いたあとに到達したかを見ます。「ちゃんと見直そう」という声かけを、「意見を求められているのに、体験だけを書いていないか」という問いに変えると、見る場所が定まります。

計画・監視・評価を促す問いかけを扱ったメタ分析では、自己調整学習と学習成果への効果が示され、具体的で個別の問いかけほど有効でした(Guo・2022)。問いかけを扱った研究の統合なので、以下の修正順序や練習時間そのものの効果を証明したものではありません。

その知見を実際の答案に生かすなら、生徒が今困っている箇所に問いを合わせます。理由が書けない生徒には「なぜそう思ったのか」、時制が揺れる生徒には「この出来事はいつか」と尋ねます。すべての問いを同時に渡すと、何を見ればよいか曖昧になります。今回使う問いを選び、答えを見つけられたら次の観点に移ります。

内容から直す理由

練習で勧めたい順番は、内容、文のつながり、文法・表記です。質問に答えていない文を先につづりまで磨いても、あとから内容を変えれば書き直すことになります。最初に伝えたいことを確かめてから、読み手がたどれる順序に並べ、最後に英語の形を点検すると、それぞれの修正に目的を持たせられます。

この順番は、どの答案にも機械的に当てはめる規則ではありません。動詞が抜けて意味を読み取れないときには、まずその文の骨組みを整えます。誤りの種類を仕分けること自体が目的ではなく、「何を伝えたかったのか」を本人と読み手の間で確かめられる状態にすることが出発点です。

3. 今日からできる、書く・直す・確かめる手順

教材と終了の目印

用意するのは、今使っている問題集の作文課題、自分の初稿、授業で使った文法の例文、辞書です。問題集は新しい課題を次々と開くためだけに使わず、設問の条件を確かめる道具にもします。初稿を消してしまうと変化を比べられないので、別の欄か紙に修正稿を残してください。

最初は短い課題を選び、「書く時間」と「直す時間」を分けます。以下の時間は始めるための目安であり、研究で決まった最適な配分ではありません。途中で終わっても、止まった場所と次に確かめることが残れば、続きに取りかかれます。完成するまで際限なく机に向かう形を避け、区切りごとに作業の目的を確かめます。

手順1:設問を読む3分

まず設問を読み、何について、誰に、何を伝える課題なのかを日本語で短く書きます。好きな活動とその理由を求められているなら、「好きな活動を述べる」「理由を添える」を確認欄にします。長さや使う表現の条件がある場合も、その課題に書かれているものを移してください。

次に、伝えたいことを短い日本語で置きます。「私は読書が好き」「知らないことを学べる」のように、英語にする前の骨組みを分けます。この段階で立派な日本語の文章を完成させる必要はありません。言いたいことが複雑すぎるときは、意味を保ちながら、知っている英語で言えそうな内容にほどきます。

ここでの自己確認は、設問とメモを指で対応させることです。求められた項目に対応するメモがなければ、英語を書く前に補います。「何か書けそうか」ではなく、「求められたことに答える準備ができたか」を見ます。

手順2:初稿を書く7分

メモをもとに、まず自分の力で英文を書きます。知らない単語のたびに止まると文章全体を見失いやすいため、言い換えられるところは知っている表現を使います。どうしても必要な語は印をつけ、あとで辞書を引く候補にします。ただし、課題が辞書の使用を禁じている場合は、その条件に従います。

辞書を使うときは、日本語に対応する英単語を見つけたところで閉じず、品詞と短い用例まで読みます。動詞として使いたいのに名詞を置いていないか、そのあとにどんな語が続くかを確かめます。文法の例文も、丸ごと写すのではなく、自分の文と主語や時を比べる材料にしてください。

時間になったら、未完成でもいったん止めます。書けなかった内容と、英語の形に迷った箇所を分けて印をつけます。この区別があると、あとから「何を言うかが決まっていなかった」のか、「言うことはあるが表現が出なかった」のかを自分でも見分けられます。

手順3:内容を見る3分

設問に戻り、求められたことに答えている文に線を引きます。意見を述べる課題なら意見の文、理由を求められているなら理由の文を探します。対応する文が見つからなければ、つづりを直す前に内容を足します。内容が課題から外れている文は、残す必要があるかを考えます。

「I like reading. It is fun.」と書いた場合、基本的な意味は伝わります。ただ、理由を詳しく述べる課題なら、どんな楽しさかがもう少し必要かもしれません。「I can learn about animals.」のような文を加えるかは、自分の言いたいことと設問の条件で決めます。長くすればよいのではなく、読み手が理由を理解できるかを確かめます。

手順4:つながりを見る3分

次は各文の横に、「意見」「理由」「例」「結び」などの役割を書きます。短い作文にすべての役割を入れる必要はありませんが、同じ説明が続いていないか、理由の前提が抜けていないかは見られます。順序を入れ替えるとわかりやすくなるなら、この段階で動かします。

代名詞にも注目してください。「It」や「They」が何を指すか、前の文に戻って線で結びます。自分にはわかっていても、読み手には候補が複数ある場合は、名詞をもう一度書く方法を考えます。接続語を増やす前に、つながる内容があるかを確認するのが要点です。

確かめ方として、自分の英文を文ごとに日本語で言い直します。頭の中の言いたかった内容を補わず、実際に書いてあることだけをたどってください。そこで理由が飛んでいると感じたら、必要な文を補います。訳が滑らかかより、文同士の関係が説明できるかを見ます。

手順5:文法・表記を見る4分

まず主語と動詞を探し、誰がどうする文なのかを確かめます。そのあと、出来事が現在か過去か、主語に合わせて動詞の形を変える必要があるかを見ます。最後につづり、大文字、文末の記号を点検します。目で一度なぞるだけで終わらず、観点を変えて読み返してください。

たとえば「She play tennis.」なら、現在の習慣を述べているかを確かめたうえで、主語に合わせて「plays」に直します。昨日の話なら、必要なのは「played」です。「動詞にはいつもsをつける」と覚えず、主語と時間の条件を一緒に扱います。迷ったところは文法の例文と比べ、違いを説明できるまで確認します。

音読も使えますが、音読でつまずかなかったことだけを正しさの証拠にはしません。読み慣れた誤りは、そのまま読めることがあります。主語と動詞に印をつける確認、例文との比較、音読を、それぞれ別の見方として組み合わせます。

手順6:修正を記録する3分

修正稿を書いたら、初稿と並べます。「理由を補った」「何を指すかが曖昧だったので名詞に戻した」「昨日の話なので過去形にした」のように、主な変更の理由を短く書きます。説明できない修正は、まだ自分の判断になっていない可能性があるため、質問する箇所として残します。

記録するのは、すべての誤りではありません。次の作文で意識したいことを選び、「書いたあとに時間の語と動詞を見比べる」のような行動にします。「文法を頑張る」では、実際に何をすればよいか決まりません。見直す場所と動作がわかる言葉にして、次の課題の横に置きます。

直した文だけを残すのではなく、理由のメモにも条件を入れると、あとで読み返しやすくなります。「playをplayedにした」だけなら、その語についての記録です。「昨日の出来事を伝えるため、動詞を過去形にした」と書けば、別の動詞を書くときにも見る場所がわかります。単語の置き換えを記録するところから、選び方を記録するところへ進めます。

次回は別の文で確認

最後に、修正稿を閉じて短い別の文を書きます。昨日テニスをした文を直したなら、今度は昨日友達と話した内容に変えるなど、判断は似ていて、表面の語が違う課題にします。同じ文を暗記して再現するだけでは、条件を見て選べたのかを区別しにくいためです。

自分で書いた文は、教科書の例文や辞書の用例と照らします。確信が持てないときは、勝手に正解の印をつけず、迷った理由を添えて先生に見せてください。別の文ではできなかった場合も、修正が無駄だったと考えず、どの条件を見落としたかに戻ります。

たとえば「毎週日曜日にすること」と「先週の日曜日にしたこと」を書き分けてみます。内容を大きく変えず、時間の条件を変えると、同じ動詞でも選ぶ形が違うことを確かめられます。正解したかに加えて、何を手がかりにしたかも言ってみてください。形は合っていても理由が曖昧なら、例文に戻って確認します。

自分で点検する欄は、「設問に答えた文を示せる」「前後の関係を説明できる」「直した形の理由を言える」と分けておくと使いやすくなります。全部に丸をつけることを急がず、説明が止まった欄を次の学習の出発点にします。課題が変わったら、前の確認欄をそのまま使うのではなく、今回も必要な観点かを見直してください。

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4. 個別指導では、赤字の先まで塾が持ちます

本人の意図を聞く

個別指導でまず担うべきなのは、文の表面を直す前に、本人が何を伝えたかったのかを聞き取ることです。英文だけを見れば不自然でも、話を聞くと、使いたい内容は明確な場合があります。反対に、文法的には整っていても、設問への答えが決まっていない場合もあります。ここを同じ「英語が苦手」でまとめず、支援の入口を分けます。

本人が考えた内容を、大人の模範的な意見に置き換えないことも重要です。たとえば休日の過ごし方について書くとき、本人が選んだ活動や理由を受け止め、今使える英語でどう伝えるかを一緒に考えます。難しい表現を足して完成度を上げても、本人が選べない表現ばかりになれば、その後の練習につながりにくくなります。

助けの出し方を選ぶ

まだ習っていない形を、印だけで自力修正させようとしても、調べる入口が見つからないことがあります。その場合は、短い例文と説明を示し、自分の文と比べるところから始めます。すでに学習した形なら、「いつの出来事か」「主語はどれか」と手がかりを渡し、本人が直せるかを待ちます。

この選択は、学年だけで決めません。同じ生徒でも、過去形は手がかりで直せる一方、語の使い方は例文が必要ということがあります。講師は、どこまで本人が判断し、どこから支援を受けたかを記録します。正解になった答案だけでは見えない、助けの量の変化まで見るためです。

直す箇所が多い場合は、提出に必要な修正と、その時間に練習する焦点を区別します。答案全体の確認をしながら、本人が説明して使い直す箇所は、取り組める範囲に絞ります。残りを無視するのではなく、次回に回す項目として塾が持ちます。生徒にすべての管理を任せないことが、継続する練習を支えます。

宿題の終え方を決める

宿題を「英作文を直してくる」で終えると、生徒ごとに作業の意味が変わります。全文を写す生徒もいれば、赤字だけを直す生徒もいるでしょう。塾では、「理由の文を補う」「時を表す語と動詞を比べる」「修正の理由をメモする」のように、何をしたら終わりかを明確にします。

調べても判断できない場合の扱いも決めます。迷った語に印をつけ、辞書で見た用例と、どこが合わないと思ったかを持参できれば、授業の出発点になります。家で必ず正解にしてくることを求めると、理解できないまま正しい文を借りてしまう場合があります。迷いの中身が見える宿題なら、講師は必要な説明を選べます。

家庭で支えること

保護者の方にお願いしたいのは、英語の正誤をすべて判定することではありません。「今日はどこを見る予定なの」「直した理由を1つ教えて」と、取り組む観点を短く聞いてください。お子さまが説明しにくそうなら、問いを重ねて追い詰めず、その箇所を次の授業で確かめる目印にします。

家庭では、初稿と修正稿を一緒に保管し、短く取りかかれる時間を確保するだけでも役割があります。答案を開くたびに誤りを探される状態にすると、書いたものを見せにくくなることもあります。まずは「理由を書き足したのですね」と実際の変更を受け止め、内容の評価と本人への評価を混ぜないようにします。

進歩を捉える条件

塾からの報告では、直した箇所の数だけを示さず、「初稿ではどうだったか」「どの助けで直せたか」「別の課題ではどうだったか」をつなげて伝えます。過去形の誤りが減っても、過去の出来事を書かなくなっただけなら、同じ意味での進歩とは言えません。書こうとした内容や課題の難しさも合わせて見ます。

比較するときは、似た長さや条件の課題を使い、支援の有無を添えます。「時間の語への声かけで直せた」から「自分で時間の語を見て直した」へ変わったなら、自分で確かめる行動が育っていると捉えられます。新しい内容に挑戦して誤りが増えたときも、挑戦した部分と、すでに使えている部分を分けて報告します。

5. 英作文の書き直しでよくある誤解 Q&A

Q1. 間違いは、その日のうちに全部覚えるべきですか

答案として直すことと、その日の学習で使えるようにすることを分けてください。提出前には必要な箇所を確認しますが、多くの修正を一度に覚えようとすると、次に何を見ればよいかがぼやけます。まず、今回の課題に関係が深く、本人が理由を理解して使い直せる点を選びます。

たとえば時制を中心に練習したなら、次の作文で時間の語と動詞を自分で確認できたかを見ます。選ばなかった誤りも記録に残し、扱う順番を決めます。「全部直した」という完了の印と、「別の文で使えた」という学習の証拠を同じものにしないことが要点です。

Q2. 模範解答を覚えれば、書き直しは不要ですか

模範解答は、表現や文章の順序を学ぶ材料になります。ただし、自分の文との違いを見ずに覚えるだけでは、設問や言いたいことが変わったときの選び方まで確かめられません。まず自分で書き、そのあとで「理由をどう示しているか」「この語のあとに何が続くか」と観点を決めて比べます。

参考にした表現は、自分の内容に合わせて使い直してください。その際に、主語や時が変わればどこが変わるかを確認します。模範解答と同じ表現でなくても、設問に答え、意図が伝わり、英語として成立していれば、違いだけを理由に書き換える必要はありません。

Q3. 保護者が英語に自信を持てなくても支えられますか

支えられます。英文の細かな判定は塾に任せ、「この文で何を伝えたいの」「前と比べてどこを変えたの」と、日本語で答えられる問いを使ってください。答えが出なければ、説明できない場所が見つかったということです。家庭で正しい説明を作り上げるところまで引き受けなくてかまいません。

お子さまから意味を聞き、「その理由は読み手に伝わりそうですね」と内容に応じることもできます。毎回の作文を親子の試験にせず、確認する時間を短く区切ります。つまずいたところを塾に渡せるようにしておくと、家庭の声かけと授業の支援をつなげられます。

6. 次の英文に残る書き直しを

英作文は、初稿を書いた時点で学習が終わるものではありません。内容が設問に合っているか、文同士がつながるか、英語の形が整っているかを順に見て、変更の理由を残します。そして別の文を書いたときに、自分で同じ観点を使えるかを確かめます。

保護者の方が見届ける目印も、赤字が消えたことから、「ここは自分で気づいて直せた」という判断へ移せます。今日すべてできなくても、次に見る場所が決まっていれば、練習は続けられます。「今度は自分で直せた」という次の答案の一文を、添削の成果として確かめます。

参考文献


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