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勉強しない子供を怒ってしまった夜—翌朝のやり直し方と、次に怒らずに済む家の仕組み|武蔵野個別指導塾

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言い過ぎた夜は追いかけて謝らず、翌朝に言い方だけを謝って締切の話は残します。怒りが出た時刻と言葉を三日書き出し、勉強を確かめるのを夜の1回に決める手順まで、今夜から使える順に並べてあります。

怒ってしまった夜は、その夜のうちに取り返そうとしないでください。やり直すのは翌朝です。謝るのは声の大きさと言い方で、提出の締切や心配した中身は取り下げません。そのうえで、勉強のことを確かめる時刻と回数を家族で先に決めておくと、同じ夜は繰り返されにくくなります。今夜の最初の一手は、寝る前に「本当は何を伝えたかったか」を紙に一行で書くことです。

よくあるのは、夜10時の食卓で、言い過ぎたと気づいて冷めた麦茶を飲み干す場面です。21時を過ぎても子供はソファで動画を見ていて、「いつやるの」と一度目は普通の声で言えた。二度目で声が上がり、三度目には「もう勝手にしなさい」と口から出ていた。子供は黙って部屋へ入り、戸の閉まる音だけが居間に残ります。食卓に一人で座り直すと、腹立ちと同じくらいの重さで「言わなければよかった」がやってくる。この夜をどう終え、翌朝に何を言い、来週の夜をどう変えるか。順番に書いていきます。

怒った夜、子供の側で起きていること

大きな声が出た夜に子供の中で起きていることは、親が思うより単純で、親が思うより長く残ります。決めつけずに見るために、よくある中身を四つに分けておきます。

一つ目は、届いたのが中身ではなく音量だったということです。親が言いたかったのは「英語のプリントは明日が締切」「部活と勉強の両方で疲れていないか心配だ」という具体的な中身でも、強い声で言われた側の耳に残るのは、声の大きさと、最後に投げられた一言です。図1のように、届いたものは声の大きさと最後の一言で、届かなかったものは提出の締切と心配の中身です。翌朝に「昨日、何て言われたか覚えてる」と聞いても「怒られた」としか返ってこないことがあるのは、このためです。中身が届いていないのですから、同じ中身をもう一度、届く形で言い直す必要があります。

図1 怒った夜に子供へ届いたものと届かなかったもの

二つ目は、勉強という言葉と、怒られる時間とが結びついていくことです。勉強の話が出るたびに言い争いになる夜が続くと、子供は「勉強」という言葉が聞こえた時点で身構えるようになります。食卓に来なくなる。部屋の戸を閉めてからワークを開く。親が寝てから机に向かう。勉強そのものをやめたのではなく、見られる時間を避けているだけのこともあります。親の目には「ますますやらなくなった」と映りやすいところです。

三つ目は、「どうせ怒られる」という先回りです。子供の側にも「この動画が終わったら始めよう」という小さな予定があることがあります。そこへ先に声が飛んでくると、「やろうと思ってたのに」と言い返すことになり、その一言が親には言い訳に聞こえて、もう一段声が上がる。これが何度か重なると、子供は、始めても怒られる、始めなくても怒られる、と考えるようになり、自分から始める理由が一つ減ります。

四つ目は、親の側の話です。夜10時に出た怒りは、その場の動画だけに向いたものではないはずです。仕事の疲れ、夕方に届いた学校からの連絡、来年の受験への心配、昨日も言ったのにという積み重ね。イライラは、こうした物が重なった所で噴き出します。子供が受け取るのは、その日一日分の合計です。怒った自分を責める前に、何が重なっていたかを見ておくと、次の手順で書き出す作業がずっと楽になります。

家でできる手順—今夜から次の週末まで

怒った夜から一週間で、同じ夜を減らす仕組みまで作ります。順番に意味があるので、飛ばさずに進めてください。

  1. 今夜は追いかけない。怒った直後の30分は、しないことを三つ決めておきます。部屋の前まで行って続きを言わないこと。謝る言葉と叱る言葉を混ぜた長い話を、その夜のうちにしないこと。スマホを取り上げる、小遣いを減らすといった新しい決まりを、怒った勢いで足さないこと。どれも、その場では取り返すための行動に見えますが、お子さまから見れば怒りの続きです。戸が閉まったら、その夜の勉強の話は終わりにします。食卓を片づける、湯船につかる、ベランダで外の空気を吸う。体を動かして、頭を勉強の話から引きはがします。

  2. 寝る前に、伝えたかった中身を一行で書く。台所の付箋でもスマホのメモでもかまいません。「数学のワークの提出が金曜」「寝る時刻が毎晩遅くなっているのが心配」のように、怒鳴った言葉ではなく、怒鳴る前に伝えたかったことを書きます。どうしても一行にならないときは、その夜の怒りに中身は少なく、疲れが大きかったということです。その場合、翌朝は謝るだけで終えます。書いた紙は、翌朝までお子さまの目に触れない所に置いてください。

  3. 翌朝、30秒で言い直す。図2のように、翌朝の一言は「謝る」「残す」「決める」の三つの部品でできています。謝るのは言い方、残すのは伝えたい中身、決めるのは今夜聞く時刻です。たとえば「昨日は言い方がきつかった、ごめん。ワークの提出が金曜なのは気になってる。今夜は9時に、どこまで進んだかだけ聞かせて」。この三つを続けて言い、30秒で終えます。言う場面は、朝ごはんの席か、玄関で靴を履く前の短い時間がちょうどいい長さです。返事を待たない、お子さまにも謝らせない、昨日の話を蒸し返さない。返ってきたのが「別に」の一言でも、親が言い直したという事実は残ります。

図2 翌朝の一言は謝る・残す・決めるの三つでできている
  1. 三日間、怒りが出た場面を書き出す。その日の夜から三日間、勉強のことで声が上がった、または上がりかけた場面を、時刻・言葉・きっかけの三つだけ書きます。「21時35分/まだやってないの/ゲームの音が聞こえた」「19時10分/宿題は/帰ってすぐで疲れていた」「22時/明日どうするの/学校のお知らせのメールを読んだ」。反省文にはしません。三つの欄を埋めるだけで足ります。三日分を並べると、怒りが出る時刻がどこかに寄っていること、決まった言葉から始まっていること、きっかけがお子さまの様子より親の側の出来事であることが、だいたい見えてきます。

  2. 確かめる時刻と回数を先に決める。書き出しを見ながら、勉強のことを確かめる時刻を1日1回に決めます。怒りが出やすい時刻を避け、お子さまが帰宅して食事を終え、少し落ち着いたあとの時刻を選ぶのが目安です。決めるときは、二つの時刻から本人に選んでもらいます。「勉強のことを聞くのは、夜は1回にしたい。8時半と9時なら、どっちがいい」。自分で選んだ時刻なら、その時刻に聞かれることへの抵抗は小さくなります。高校生なら、時刻そのものを本人に決めてもらってもかまいません。その時刻に聞くのは三つだけです。今日やったこと、明日の提出物、困っている所。冷蔵庫に提出物の一覧を貼っておくと、親子で同じ紙を見ながら話せるので、声の調子も上がりにくくなります。

  3. 決めた時刻の前に気になったら、紙に書いて持っておく。決めた時刻まで、勉強のことは口にしません。気になることが出てきたら付箋に書いてポケットに入れ、確かめる時刻にまとめて出します。言わずに我慢するのではなく、書いて置いておく。これで、親の頭の中にたまったイライラも一度外へ出せます。

  4. 次の週末に、仕組みを見直す。土曜か日曜の夕方に、一週間を振り返ります。決めた時刻は守れたか、時刻がお子さまの生活とずれていなかったか、聞く三つは多すぎなかったか。見直すのは家の仕組みで、お子さまが一週間でどれだけ勉強したかではありません。守れなかった日があれば、その日の書き出しを見て、時刻か聞く中身のどちらか一つだけを変えます。一度に全部を変えると、何が効いたのかがわからなくなるからです。

言葉と場面の例

怒りの場面で出やすい言葉と、その言い換えを五つ並べます。言い換えは、怒りを飲み込むための言葉ではありません。伝えたい中身だけを残して、声の大きさを置いていくための言葉です。

  1. 「何回言ったらわかるの」→「勉強のことは9時に聞くね」 回数を数える言葉は、昨日と一昨日の分まで今夜に持ち込みます。子供は今夜の一回ではなく、たまった回数の合計を責められていると受け取ります。時刻を告げてその場を離れれば、今夜の話は今夜の中で終わります。

  2. 「いつまでスマホを見てるの」→「9時になったら、ワークがどこまでか教えて」 姿を責めると、返ってくるのは「今やめようと思ってた」「見てない」で、話はスマホの方へずれていきます。親が知りたいのは画面を見ていた長さではなく、ワークの進み具合のはずです。それなら、そちらを先に言います。

  3. 「あなたのために言ってるの」→「私が心配なのは、出していない提出物が二つたまっていること」 「あなたのため」は反論できない形の言葉で、言われた側は黙るか、爆発するかのどちらかになりがちです。心配の中身を具体的に言えば、子供も「一つは明日出す」「もう一つは先生に延ばしてもらった」と、中身で返事ができます。

  4. 「どうせやらないんでしょ」→「今夜は何からやるつもり」 先回りして決めつけると、子供の中にあった小さな予定まで消えてしまいます。予定を聞く形にすれば、口にした予定を自分で守る理由が子供の側に残ります。答えが「わからない」なら、それも大事な返事です。どこから手をつけるかで止まっている、という合図だからです。

  5. 翌朝の「ごめん、もう何も言わないから」→「大きな声は直す。でも、言うことは減らさないよ」 「もう何も言わない」は守れない約束です。次に口を出した日に、謝った言葉ごと信用が減ります。直すと約束するのは声の大きさまでにして、言うべきことは言うと先に伝えておく方が、次の夜に口を開いたとき、約束を破ったことになりません。

やりがちな三つのずれ

一つ目のずれは、翌朝、謝るついでに中身まで取り下げてしまうことです。「昨日のことは忘れて」と言うと、提出の締切も心配も一緒に消えます。けれども締切は消えずに金曜に来るので、木曜の夜にまた同じ言い争いが起きます。直し方は、謝る文と残す文を分けて言うことです。図2の三つの部品のうち、真ん中の「残す」を抜かないでください。

二つ目のずれは、謝ったあとに埋め合わせでつり合いを取ろうとすることです。好きなおかずを出す、ゲームの時間を延ばす、欲しがっていた物を買う。気持ちはわかりますが、怒りと謝罪が物で清算される形になると、言い争いの翌日は何かがもらえる日に変わります。直し方は、謝るのは言葉だけにして、朝はいつもどおりの朝にすることです。いつもどおりであることが、昨日の怒りは関係までは壊していない、という合図になります。

三つ目のずれは、確かめる時刻を決めたのに、その前に何度も部屋をのぞいてしまうことです。親としては「聞いていない、見ているだけ」のつもりでも、戸が開くたびに子供は確かめられたと受け取ります。図3の上の段は、21時と決めたあとも18時台から何度ものぞいている夜で、子供から見た回数は5回のままです。下の段のように21時の1回だけにして、初めて回数が減ったことが子供に伝わります。直し方は、手順の6のとおり、気になったことを付箋に書いて持っておき、21時にまとめて出すことです。

図3 確かめる時刻を決めた後も途中でのぞくと回数は減らない

よくある質問

子供が勉強しないとイライラして、毎晩のように怒ってしまいます。親のストレスはどう減らせばいいですか。

イライラを気合いで抑え込もうとするより、イライラが出る時間を短くする方が続きます。手順の5で確かめる時刻を1日1回に決めると、それ以外の時間は、勉強のことを考えなくていい時間になります。親が一晩中見張っている状態が終わるだけでも、夜の重さは変わります。それでも眠れない日が続く、仕事中も頭から離れないといったときは、親自身のこととして医療機関や、学校のスクールカウンセラー、市の教育相談の窓口に相談してかまいません。

毎晩怒られて、子供にもストレスがかかっていないか心配です。

お子さまの様子を、そのまま見てください。寝る時刻と起きる時刻、食事の量、学校の話をするかどうか、休日の過ごし方。いつもと違う様子が数日で終わらずに続くときは、家の中だけで判断せず、担任やスクールカウンセラーに学校での様子を聞き、体の不調があれば医療機関に相談します。家でできることは、勉強の話をする時刻を限って、それ以外の時間を勉強の話の出ない時間として守ることです。

怒らないと勉強しない子供には、怒るしかないのではありませんか。

怒った晩に机に向かったのは、怒りそのものより、「今やる」「何をやる」がはっきりしたからかもしれません。そうであれば、声を大きくしなくても、時刻と中身をはっきりさせれば同じように動けます。怒って動かす晩を重ねると、前より大きな声を出さないと動かない、という形になりやすくなります。声の大きさで動かす形から、決まった時刻に決まった中身を聞く形へ、少しずつ置き換えていきます。

学校と相談先で確かめること

家の中の言い争いは、学校での様子と並べて見ると、見え方が変わることがあります。担任の先生には、次のことをそのまま聞いてかまいません。

相談先としては、学校のスクールカウンセラーのほか、武蔵野市にお住まいなら市の教育支援センターが、子育てや学校生活の相談を予約制で受けています。東京都教育相談センターも、都内に住む子供の保護者からの電話の相談を受けつけています。武蔵野市の外にお住まいの場合は、住んでいる市の教育委員会の教育相談の窓口に問い合わせてください。お子さまや親自身の体と心の不調が続くときは、医療機関にも相談してください。

個別指導で確かめること

1対1の授業では、家で言い争いのもとになった宿題やワークを、最初の1問だけ一緒に開きます。どこで手が止まるのか、どこから始めればいいかが本人にわかっているのかを確かめるためです。家では「やらない」に見えていたものが、実は「どこから手をつければいいかわからない」だった、とわかることがあります。

確かめたことは、家で決めた確かめる時刻にそのまま使える形で、短く家庭に伝えます。「今週はワークの大問2まで」のような一行が手元にあれば、21時の会話は締切と範囲の確認で済み、声を上げる理由が一つ減ります。

まとめ

怒ってしまった夜にできることは、追いかけないことと、伝えたかった中身を一行にすることの二つです。翌朝はその一行を、謝る言葉と並べて30秒で渡す。三日書き出せば、怒りが出る時刻と言葉の形が見え、確かめるのを1日1回に絞る理由も手元に残ります。冷めた麦茶を飲み干したあとに書いた一行が、翌朝の言葉を決め、来週の21時を決めます。

読んで終わりにするか、ここから変えるか。

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