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やり抜く力と誠実さ—合格後の伸びを予測するもの|武蔵野個別指導塾

続けた経験を志望理由書に書く前に、計画を直した場面や助けを求めた行動を整理しましょう。学習記録の残し方と親子での振り返り方を、入学後の学びにつなげて考えます。

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やり抜く力と誠実さ—合格後の伸びを予測するもの

「最後まで続けました」の先にある経験

よくあるのは、自習室の時計を見上げ、また同じページで本を閉じながら「自分にはやり抜く力がない」と感じるという場面です。志望分野を知ろうと開いた本なのに、途中から言葉が難しくなり、今日の学習時間が終わってしまった。志望理由書には継続した経験を書くつもりだったのに、この出来事を思い出すと、書けることまで薄く見えてしまいます。

保護者の方も、お子さまが何かを続けていれば安心し、中断すると心配になるかもしれません。しかし、手に取った本を最後まで読んだかどうかだけでは、その間の学びは捉えきれません。どこまで理解し、何につまずき、次に何を読むと決めたのか。そこには、継続の長さとは別に振り返りたい行動があります。

総合型選抜の準備では、自分の強みを伝える言葉が必要です。その言葉を「私は粘り強いです」で止めず、学びが止まったときの対応まで説明できるようにしておきましょう。合格後の生活を考えるうえでも、自分を立派に見せる形容詞より、明日また使える行動を持っていることが支えになります。

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成績、在籍、卒業は同じ結果ではありません

やり抜く力は、難しさに出会っても目標に向かう努力を続ける力として語られます。一方、誠実さという言葉は、日常では正直さや人柄を連想させますが、学習の文脈では、計画を立てる、約束したことを扱う、必要な作業を着実に進めるといった側面にも目を向けます。ここでお子さまの人格に点数をつける必要はありません。どの行動を自分で扱えそうか、という問いに置き換えて考えます。

入学後に「伸びる」とは、何を指すのでしょうか。授業の成績が上がること、学びを続けること、卒業まで到達することは、互いに関わりながらも異なる結果です。それらをひとまとめにすると、ある結果に関連した特徴を、将来のすべてに通じる強みとして受け取ってしまいます。研究を読むときは、何が予測されたのかを先に確かめることが必要です。

大学生を追跡した研究では、高校の成績は大学の成績を予測する一方、中退は予測せず、やり抜く力とストレスは在籍を予測しました(Saunders-Scottほか・2018)。この結果から読み取りたいのは、勉強の成績を見る問いと、学び続けられるかを見る問いでは、注目する要素が同じとは限らないという点です。現在の成績だけで入学後の姿を一括りにせず、困ったときにどのように学習を継続するかも考える入口になります。

別の研究では、誠実さに関わる非認知の力は、成績の見積もりと実際の成績に関連しましたが、卒業は予測しませんでした(Zamarroほか・2025)。自分の学習をどう見積もるかという話と、実際にどのような成績になるかという話を結びつけて考える材料です。「計画的だから卒業まで心配ない」と読み替えると、研究が扱った結果の違いを消してしまいます。見通しの立て方と、その後の実行を分けて見たいところです。

前者は大学生165名を1.5年追跡した研究、後者は新入生1,100名超を対象とした研究であり、その結果だけから、日本の高校生一人ひとりの合否や入学後の伸び、練習による変化を言い当てることはできません。だからこそ、ここからの準備では性格の判定を急がず、自分の学習を点検する問いとして使います。何を続け、何を変え、どの段階で人に相談したのかを、自分の経験に戻って調べていきましょう。

たとえば、毎日机に向かったことと、わからない箇所を見つけて質問したことは、どちらも振り返る価値があります。ただし、前者の記録しかなければ、時間を確保したことまではわかっても、理解をどう進めたかは伝わりません。「続けた」という言葉の内側を開くと、課題の選び方、時間の確保、確認、修正、相談という具体的な行動が見えてきます。

また、ストレスに触れた研究を、苦しくても続けるべきだという根性論に変えないようにしましょう。準備の記録には、作業量だけでなく、取り組めなかった事情や負担も残します。予定が崩れたときに事情を隠すと、次の計画も同じ条件のままになります。変更の理由を説明できることは、自分の学びを他者と相談するための大事な材料です。

今日の学習を、見通しと修正が残る形にする

ここからは、一人で始められる手順を示します。用意するのは、学校で使っている教科書や配布資料、志望分野について読んでいる本、書きかけの志望理由書、記録用の紙です。すべてを同じ日に使う必要はありません。最初は手元の教材を1つ選び、取り組む前の予想と、取り組んだ後の状態を並べます。出願に関する事項は、志望大学の最新の募集要項で確かめるようにしてください。

1. 最初の5分で、終わり方を決める

「今日はしっかり勉強する」では、終わった後に判断ができません。「教科書のこの項目を読み、理由を説明する文を作る」「資料から疑問を1つ選び、調べる言葉を書き出す」のように、紙の上に何が残れば終わりなのかを決めます。時間が足りなそうなら、扱う範囲を小さくします。決めた範囲は、始める前に日付とともに記録してください。

このとき、終了時点でどこまでできそうかも書きます。「説明まで書けそう」「言葉の意味を調べるところまでになりそう」と、今の見通しを言葉にします。楽観的に書く必要も、失敗を避けて控えめに書く必要もありません。後から実際と比べるための予想です。予想を書いておくと、終わった後の印象だけで「予定どおりだった」と片づけずに済みます。

2. 次の15分は、教材に役割を持たせる

教科書は、言葉の意味と説明のつながりを確かめるために使います。該当する箇所を読んだ後、いったん閉じて、扱われていた考えを自分の文で説明します。言えなかった部分を開いて確かめ、説明を直します。読んだページを数えるだけで終えず、どの言葉の関係がわからなかったのかを記録に残す使い方です。

配布資料は、根拠と自分の考えを分ける練習に使えます。資料に書かれている事実を短く抜き出し、その下に「ここから自分は何を考えたか」を書きます。感想を先に書いた場合には、その感想を支える箇所へ戻れるか確かめます。戻れなければ、感想を消すのではなく、問いとして残してください。自分の疑問と資料の記述が混ざらない状態を目指します。

志望分野の本は、関心の向きを確かめるために使います。目次から今の疑問に関わる箇所を選び、読む前の問いと、読んだ後の問いを並べます。最初の問いが解けても、新しい疑問が出ることがあります。その変化を記録すれば、読み切ったかどうかに加えて、何を考えるために読んだかを説明できます。難しい言葉が続くときは、その言葉を調べる作業へ切り替えます。

書きかけの志望理由書は、経験と評価を分けて点検するために使います。「責任感を持って取り組んだ」という文に線を引き、実際に引き受けたこと、困ったこと、自分がしたことを余白に書きます。どれも出てこなければ、形容詞を増やす前に記録へ戻ります。文章を整える時間と、事実を思い出す時間を分けると、どこで手が止まっているのかを扱いやすくなります。

3. 終わりの5分で、成果物を見て確かめる

最初の確認は、「決めたものが残っているか」です。説明文を作る予定なら、読んだ時間ではなく、説明文そのものを見ます。途中までしか書けなかったときは、書けたところと、止まったところを区切ります。「できた」「できなかった」の二択にせず、次に再開する場所がわかる状態にしてください。

次の確認は、「資料を見ずに説明しても意味が通るか」です。声に出してみるか、別の紙に短く書いてみます。言葉だけ覚えていて理由がつながらないなら、その理由を確かめる作業を次に入れます。元の文と同じ表現を再現できたかより、何について、なぜそう考えるのかが自分でわかるかを見ます。曖昧な部分には印をつけておきましょう。

さらに、「取り組む前の予想と何が違ったか」を確かめます。予定より進まなかった理由が、読む速さなのか、用語なのか、途中の別の用事なのかでは、次の手立てが変わります。「集中力がなかった」とまとめる前に、止まった箇所と、そのときしていたことを書きます。予定より早く終えた場合も、範囲が小さかったのか、内容をすでに理解していたのかを考えます。

たとえば、資料を読んで関心を持った理由を書く課題なら、記録を「予定は理由を説明する文まで。実際は資料の要点だけ。自分の経験とつながる箇所を選べなかった。次は経験のメモを先に読む」と残せます。これなら、読むこと自体は進んだ一方、経験とのつながりを考える作業が残ったとわかります。「今日も書けなかった」という感想から、再開できる課題へ戻す書き方です。

記録を細かくしすぎて負担になるときは、完成したものを示す言葉と、次の動作だけ残します。「用語の意味は調べた。次は本文の説明に戻る」でも構いません。記録をきれいに清書する時間が増えたら、元の学習を進めるために必要な部分へ絞ります。記録自体を新しい提出課題のように抱え込まず、翌日の自分が使えるかどうかで量を決めてください。

4. 次に取り組む前の3分で、計画を直す

前回の記録を読み、今回変えることを1つ決めます。用語で止まったなら先に意味を調べる、説明が長くなったなら問いを絞る、着手できなかったなら教材を出す時点を変える、といった調整です。変更をいくつも重ねると、何が取り組みやすさにつながったのか振り返りにくくなります。まず1つ試し、結果を見て次を決めます。

相談する場合も、質問の形を作っておきます。「全部わかりません」から、「この言葉の意味は調べましたが、この結論につながる理由を説明できません」へ具体化します。自力で解決した部分と、助けを借りたい部分を区切るのです。相談した後は、相手の説明を写すだけで終えず、自分でどう説明し直せるようになったかを記録してください。

5. 週末の10分で、続けるものを選び直す

記録を並べ、予定と実際の違いが繰り返されている箇所を探します。読む課題だけが残るなら、読む範囲の決め方を見直します。説明する課題だけが残るなら、読んでいる途中で問いを意識できていたか確かめます。取り組めた日数を数えるだけでなく、同じ困り方に同じ対応を繰り返していないかを見る時間にします。

最後に、次の週へ持ち越す作業、いったん止める作業、人に相談する作業を分けます。止める場合は、目的まで捨てるのか、方法だけを変えるのかを書き添えます。難しい本を中断して入門的な説明を読むなら、関心を持った問いは残せます。以上の時間の区切りは準備を始めるための目安です。学校生活や課題の重さに合わせ、実際に使える長さへ調整してください。

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個別指導では、行動の記録を一緒に読み解きます

自分で記録をつけても、そこから何を変えるか決めるのは簡単ではありません。「また予定が終わらなかった」という感想ばかり残る場合もあります。個別指導では、性格の名前を当てはめる前に、取り組む前の条件、作業中に止まった箇所、終わった後の成果物を並べます。記録を提出して終わりにせず、次の課題の大きさを決める材料にします。

塾が持つ役割の1つは、課題の切り分けです。志望分野について調べて文章を書くという課題には、資料を選ぶ、内容を読む、考えをまとめる、文章にするという別々の作業が含まれます。書けなかったという結果だけを見ると、文章を書く力の問題に見えますが、資料の選び方で止まっていることもあります。指導では、残されたメモや下書きから、どの作業に支えが必要かを確かめます。

もう1つは、予定と実際の差を本人が説明できるようにすることです。「もっと頑張る」で振り返りを終えず、「どの言葉で止まったか」「そのとき何を試したか」「次はどこから始めるか」と尋ねます。質問への答えは本人の言葉で記録します。講師が整えた説明だけを残すと、お子さまが次に一人で取り組むときに使いにくいためです。短くても、本人が理解している表現を出発点にします。

進み具合は、最初の予定、実際に残ったもの、次に変えることを同じ紙に置くと追いやすくなります。下書きなら修正前と修正後を残し、説明の練習なら答えられなかった問いを残します。成果物が変わったのか、着手までの段取りが変わったのか、相談の内容が具体的になったのかを、それぞれ見ます。すべてを「やる気が出た」という感想にまとめないようにします。

また、指導中に支えを借りてできたことと、一人でできたことを分けて記録します。問いかけがあれば説明できる段階なら、次は自分でその問いを書いてから取り組みます。資料を選んでもらって読めた段階なら、次は候補を本人が挙げます。支えを外す場所を具体的に決めることで、指導の時間にだけ整った文章ができる状態から、自分で準備を進める状態へ移す道筋を作ります。

入学後の学びを考える対話では、「興味のある内容でも理解できないとき、最初に何をするか」を尋ねます。今の記録から、調べ直す、課題を分ける、質問するという行動を本人が選べるか確かめます。進学先での姿を立派な言葉で描くだけで終えず、今の準備で試せる行動まで戻します。その行動を実際に試した結果も、次の面談の材料にします。

志望理由書では、こうした過程のうち、志望する学びとつながる経験を選びます。継続した期間を長く見せる必要はありません。何を知りたかったのか、どの難しさに出会ったのか、どんな修正をしたのか、そこから何を学びたいと考えたのかをつなぎます。本人がしていない工夫を、読みやすさのために加えることは避けます。面接でも自分の言葉で説明できる範囲を守ります。

総合型選抜を専任で担当する武蔵野個別指導塾の代表・宮川は、続けた期間だけでなく、立て直しの経緯を指導の中で尋ねます。文章になった部分と、その前に本人が迷っていた部分をつなげて扱い、「続けました」という言葉の根拠を一緒に確かめます。途中で考えが変わった場合も、変更前の記録を消さず、何を受けて変わったのかを読み直します。経験の筋道を本人がつかめることを、文章の修正に結びつけます。

家庭には、学習内容の採点を毎日担っていただく必要はありません。お子さまと相談して、取り組む時間や場所を確保し、予定が崩れたときに事情を話せる余地を残していただきたいと考えます。「今日は何時間やったの」だけでなく、「次はどこから始める予定なの」と尋ねると、本人が決めた次の行動を聞けます。返事が曖昧なら、すぐに代わりの計画を作らず、記録を見て考える時間を置きます。

家庭への連絡は、今回取り組んだ課題、実際にできたこと、本人が決めた修正、家庭にお願いしたい支えの順に整理します。たとえば「資料の要約はできたが、自分の疑問とのつながりがまだ曖昧。次は問いを先に書いて読む。家庭では決めた時間を確保する」という形です。抽象的な人柄の評価を避け、読んだ方が次の関わり方を選べる内容にします。

記録を家庭と共有する範囲も、本人と確かめます。下書きのすべてを毎回見せるより、今の課題と必要な支えを伝えたい場合があります。お子さまが自分の迷いを書ける余地を保ちつつ、困りごとを抱え込まない連絡に整えます。塾、家庭、本人の間で役割が重なるときは、誰が次に何をするかを決め、本人への指示が増え続けないようにします。

やり抜く力をめぐる3つの疑問

Q1. 続かなかった経験は、書かないほうがよいですか

中断したという理由だけで、振り返りの対象から外す必要はありません。まず、中断前に何を目指し、何が難しくなり、その後どうしたかを整理してください。方法を変えたのか、別の問いに関心が移ったのか、今も判断を保留しているのかで、経験の意味は異なります。どの経験を志望理由書に使うかは、志望する学びとのつながりを見て選びます。

無理に「挫折を乗り越えた話」に仕立てる必要もありません。まだ解決していないなら、今の疑問と次に確かめたいことを書き出します。中断した経験を使う場合は、中断の事情だけで文章を終えず、その経験を経て何を考えるようになったかまで自分で説明できるか確かめましょう。話の印象を良くするために、実際にはしていない再挑戦を加えることは避けます。

Q2. やり抜く力に自信がないと、入学後も苦労しますか

今の自己評価だけで、入学後の姿を決めることはできません。「自分は続かない」と感じるなら、どの課題では続き、どの条件では止まりやすいのかを具体的に見てください。関心のある内容でも用語で止まるのか、課題が曖昧なときに始められないのか、相談する相手が決まっていないのか。違いがわかれば、準備する行動を選べます。

自信を持てるまで待つ必要はありません。今日の課題を小さく決め、成果物を残し、明日の始め方を書いて終えるところから始められます。うまくいかなかった日も、その理由が次の計画に使えれば、記録には役割があります。性格を一度に変えようとするより、今扱える作業と、支えが必要な作業を見分けていきましょう。

Q3. 誠実さを伝えるには、欠点を書かないほうがよいですか

誠実さを伝えようとして、すべて予定どおり進んだ文章にする必要はありません。準備では、予定の遅れや判断の迷いも含め、事実を確かめます。期限に間に合わなかったなら、何を見誤り、誰に伝え、その後どう扱ったかを振り返ります。失敗を細かく並べることが目的ではなく、自分の行動を引き受けて説明するためです。

また、研究で扱う誠実さと、志望理由書の一文から受ける人柄の印象を、同じものとして扱わないようにしましょう。文章では「誠実です」と評価を先に書くより、準備や確認をどう行ったかを示します。読み手に性格を証明しようと力むより、自分が実際にしたことを、質問されても説明できる形に整えてください。

次の一歩を決められる経験として残す

やり抜く力を考えるとき、続いた日だけを集めると、途中でどう立て直したかが抜け落ちます。誠実さを考えるときも、予定を守れたかだけで終えると、見通しをどう修正したかが見えません。入学後の学びにつなげるために、予想、実行、確かめたこと、次の変更をつながった経験として残しましょう。

今日の終わりには、教材を閉じる前に「次はここから」と短く書いてみてください。止まった場所を責める代わりに、再開する場所を決める。その具体的な積み重ねなら、自分の言葉で振り返れます。途中で助けを借りたことも、自分で判断し直したことも、学びの過程に含めてよいのです。指導を経て本人の手で書かれた「次はここから」の一行は、学びを続けるための具体的な道しるべとなります。

参考文献

本気になった日が、入塾の日。

お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。

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