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模試の判定とは—A〜Eの5段階の意味と、成績表の文字が決まる仕組み|武蔵野個別指導塾

A〜Eの文字は、志望校ごとに引かれた4本の線のどこに自分の点が入ったかで付きます。区切りの%を説明欄で写し、上の線まで何点かを書き出してから文字を見る順に並べています。
模試の判定は、志望校に合格する見込みを A から E の5つの文字に置きかえた目安です。文字の付き方は単純で、主催者が志望校ごとに4本の線を引き、自分の成績がどの線とどの線のあいだに入ったかで文字が決まります。文字ごとに何パーセントにあたるかは模試が決めて、成績表の説明欄に書いています。たとえば、ある模試の公式の説明(2027年度入試向け、高3の4月の記述式の模試)は、5つの文字をこう区切っていました。A が合格可能性80%以上、B が60%以上80%未満、C が40%以上60%未満、D が20%以上40%未満、E が20%未満です。高3が志望校の入試と同じ教科で受けた模試なら、文字はそれなりの重さを持ちます。高1の初めての模試なら、文字そのものより、上の線まであと何点か、その点がどの科目のどの設問から来ているかを先に読んでください。
よくあるのは、初めての模試の成績表が届いた高1の夕方に、志望校の欄の一文字だけを見て閉じてしまう場面です。部活から帰り、制服のまま成績表を開く。第1志望に D、第2志望に C。目はそこで止まり、科目ごとの点の頁も、設問ごとの正誤の頁も、説明欄の小さな字も読まれないまま、成績表は机の引き出しにしまわれます。翌朝に残っているのは「Dだった」という気分だけで、その D がどの線の下で、あと何点の場所なのかは、本人も家族も知らないままです。
判定の文字は、志望校ごとに引かれた4本の線で決まる
判定の文字は、通知表の5段階の評定とは別物です。評定は自分の学習の結果そのものを表しますが、判定は「その志望校の線から見て、自分がどこにいるか」を表します。だから、同じ答案でも、志望校が変われば付く文字が変わります。初めての成績表で戸惑うのは、たいていこの違いを知らずに、文字を自分の学力の格付けとして読んでしまうからです。
仕組みを順に見ます。主催者は志望校ごとに、ここから上が A、ここから上が B、ここから上が C、ここから上が D という4本の線を決めます。4本の線で区切ると区画は5つになり、いちばん上の線より上が A、いちばん下の線より下が E です。自分の成績をその物差しに置き、どの区画に入ったかで文字が付きます。ある模試の公式の頁では、この4本の線が志望校ごとに偏差値で並んでいました。線を点で示すか偏差値で示すかは模試によるので、まず単位を説明欄で確かめてください。
図1は、たとえば第2志望の線が、A の線225点、B の線207点、C の線189点、D の線171点(どれも300点満点)だったときの物差しです。自分の点が195点なら、189点と207点のあいだに入るので C が付きます。区画の中に書いた%は、上に挙げた模試の区切りを当てはめた例です。

ここで見落としやすいのが、自分の成績が志望校の入試の形に集め直されていることです。ある模試の公式の説明は、志望校ごとの判定を、その大学の入試の教科と配点で集計すると書いています。たとえば、英語70点・国語55点・数学40点(どれも100点満点)の人がいたとします。英語・国語・数学を100点ずつで見る志望校なら、合計は165点です。英語を200点、国語を100点とし、数学を使わない志望校なら、英語の70点を2倍した140点に国語の55点を足して195点になります。同じ答案から、志望校によって165点と195点という別の点ができるわけです。判定の文字が志望校ごとに違うのは、この集め直しと、線の高さの両方が志望校ごとに違うからです。線は主催者が決めて公表するもので、受けた側が動かせるのは自分の点の位置だけです。
もう一つ、同じ文字の中にも幅があります。上の例の区切りなら C は40%以上60%未満のどこかを指すので、B の線のすぐ下にいる人も C の線をかろうじて越えた人も、同じ C です。文字だけを見ると、この差は消えてしまいます。成績表に目安の点やボーダーの数字が載っているときは、それがどの文字とどの文字の境目なのかを説明欄で確かめてください。どの線を目安と呼ぶかは模試によって決め方が違うので、別の模試の区切りを当てはめると読み違えます。判定の文字の後ろに記号が付く成績表もありますが、その記号の意味も説明欄で確かめるものです。
合格可能性という言葉の受け取り方も、ここでそろえておきます。80%以上という数字は、同じ位置にいる人が10人いたら8人以上が届くくらいの見込み、と読むと手ざわりがつかめます。80%以上でも合格の約束ではありませんし、20%未満でも届く人がいないという意味ではありません。高1のうちは入試の範囲の多くをまだ習っていないので、文字を志望校の答えとして受け取らず、成績表の読み方を身につける材料にしてください。
成績表は、文字を見る前に「線まであと何点か」を書き出す
初めての模試の成績表なら、次の7つを、この順で50分ほどかけて読みます。高1の3教科の模試を想定した始め方の例です。教科が多い高3の模試なら5と6に時間がかかるので、2日に分けてかまいません。50分を取れない日は、1から4までをその日に済ませ、5と6を翌日に回します。
- 説明欄を読み、文字ごとの%を判定の頁の余白に書き写す(5分)。受けた模試の区切りを自分の手で一度書くと、友達から聞いた話や、別の模試の区切りと頭の中で混ざりません。書き写すのは5つの文字と、それぞれの%の範囲です。
- 線の単位と、目安の点がどの境目かを確かめる(3分)。線が点で書かれているか偏差値で書かれているか、目安の点はどの文字とどの文字の境目か。説明欄で見つからなければ、主催者の案内か学校の先生に聞くと決めて、余白に「?」の印を書いておきます。
- 判定に使われた教科と配点を確かめる(5分)。志望校の配点で集め直した点が載っていれば、その点に丸をつけます。志望校の受験教科と自分が受けた教科がそろっているかも、ここで見ます。
- 志望校ごとに「上の線まで何点」「下の線から何点上」を書く(10分)。下の表のように、1校につき1行です。線の値が載っていない志望校は、目安の点との差だけを書きます。
- 線までの点が、どの科目から来ているかを科目の欄で見る(10分)。いちばん点の低い科目が、その志望校の配点で重く見られているかどうかを並べて書きます。
- 設問ごとの正誤を見て、取れたはずの問題に印をつける(15分)。習った範囲なのに手が止まった問題、計算や書き写しの誤りで落とした問題に印をつけます。受けた人全体の正答率が設問ごとに載っている成績表なら、正答率が高いのに落とした問題から選びます。印は3問までにしぼります。
- 判定の文字は最後に見て、ノートに一行で書く(2分)。文字と、4で書いた線までの点と、6で印をつけた科目を一行に並べます。
図2のように、判定の文字は7つのうち最後に回します。先に文字を見ると、そのあとの40分あまりが「Dだった」の気分で曇り、線までの点を数える手が止まりやすいからです。

4の表は、たとえば先ほどの英語70点・国語55点・数学40点の人なら、こうなります。第1志望の線は A が222点、B が204点、C が186点、D が162点だったとします。
| 志望校 | 判定に使う教科と配点 | 集め直した点 | 文字 | 上の線まで | 下の線から |
|---|---|---|---|---|---|
| 第1志望 | 英語・国語・数学 各100点(300点満点) | 165点 | D | C の線186点まで21点 | D の線162点より3点上 |
| 第2志望 | 英語200点・国語100点(300点満点) | 195点 | C | B の線207点まで12点 | C の線189点より6点上 |
表にすると、文字だけでは見えなかったことが二つ出てきます。一つは、第1志望の D は D の区画の中でも下のほうで、D の線から3点しか上にないことです。数学を100点で見る志望校なので、数学の40点がそのまま響いています。たとえば、6で数学に印をつけた3問の配点が合わせて21点あれば、それを取り切るだけで C の線に届く計算です。もう一つは、第2志望では英語の1点が2点に数えられることです。英語で6点を取り戻せば、2倍されて12点になり、B の線の207点に届きます。
7の一行は、たとえば「第1志望 D、C の線まで21点、数学に印3問」「第2志望 C、B の線まで12点、英語は1点が2点」です。この一行があれば、次の模試の成績表が届いたとき、文字が変わったかどうかではなく、線までの点が縮んだかどうかで比べられます。
「Dだった」で止まる読み方を、線までの点で読む形に変える
一つ目は、判定を通知表の評定のように読んでしまうことです。D を「自分の英語や数学は D の段階」と受け取ると、志望校を変えれば文字が変わるという事実と合いません。上の例でも、同じ答案から第1志望に D、第2志望に C が付いていました。文字を見たら、すぐに「どの志望校の、どの線から見た文字か」と書き添えてください。文字は自分の学力の格付けではなく、志望校の線との距離です。
二つ目は、同じ文字なら同じ位置だと思ってしまうことです。図3は、第2志望の C の区画に、190点の人と206点の人を置いたものです。206点の人は B の線まで1点、190点の人は C の線より1点上にいます。どちらも C ですが、あいだには16点の差があります。直し方は、文字の横に必ず「上の線まで何点」「下の線から何点上」を書くことです。数字を添えるだけで、同じ C が、あと1点で B になる C なのか、2点落とせば D になる C なのかが見分けられます。

三つ目は、目安の点を「取れば合格が決まる点」と思ってしまうことです。目安の点は、取れば合格が決まる点ではなく、模試が引いた見込みの線の一本です。文字の境目に引く模試もあれば、ひとつの文字の幅の中ほどに置く模試もあります。境目に引かれているなら、越えたことの意味は、ひとつ上の区画に入ったということで、それ以上でも以下でもありません。たとえば、目安の点が C と D の境目に引かれている模試なら、目安を1点越えた人が入るのは C の区画のいちばん下です。直し方は、手順の2で書いた「目安の点はどの文字とどの文字の境目か」をもう一度見て、越えた先の区画の%を確かめることです。
四つ目は、友達や別の模試の区切りを、自分の成績表に当てはめてしまうことです。「C は五分五分らしい」と聞いた区切りが、自分の受けた模試の区切りと同じとは限りません。区切りの数字だけでなく、目安の点をどの境目に引くかも模試ごとに違うので、聞いた話を当てはめると二重に読み違えることがあります。直し方は、手順の1で余白に書き写した区切りだけを見ることです。違う模試の結果どうしをどう並べるかは別の問いなので、いまは自分の受けた模試の説明欄を正とする、とだけ決めておけば足ります。
確かめの問題
問1 たとえば、ある人の点が英語47点・国語86点・数学63点(どれも100点満点)でした。志望校 X の入試は国語と英語の2教科で、配点は国語200点・英語100点です(300点満点)。志望校 Y は3教科を100点ずつ見ます(300点満点)。それぞれの志望校の配点で集め直した点を求めてください。
問2 問1の志望校 X の線が、たとえば A の線250点、B の線233点、C の線211点、D の線194点だったとします。X に付く文字は何でしょうか。また、上の線まで何点で、下の線から何点上にいるでしょうか。
問3 たとえば、志望校 Z の入試は英語300点・国語100点の2教科です(400点満点)。ある人の、Z の配点で集め直した点が、上の線まで27点足りませんでした。英語(100点満点)だけで届かせるには、英語の点を何点上げればよいでしょうか。国語(100点満点)だけで届かせるなら、何点でしょうか。
答えと考え方
問1 X は219点、Y は196点です。X は国語の86点を2倍して172点、英語の47点を足して219点になります。数学の63点は X では使われません。Y は47点と86点と63点を足して196点です。この人のように国語が得意なら、国語を重く見る X のほうが集め直した点が高くなります。
問2 文字は C です。219点は C の線211点以上で、B の線233点に届いていないからです。上の線(B の線)までは233点から219点を引いて14点、下の線(C の線)からは219点から211点を引いて8点上にいます。
問3 英語は9点、国語は27点です。Z は英語100点満点の点を3倍して300点満点に数えるので、英語が1点上がると集め直した点は3点上がります。27点を3で割って9点です。国語は100点満点のまま数えるので、1点が1点のままで、27点がそのまま要ります。どちらの教科で取り戻すかを決めるときは、この倍率と、設問ごとの正誤でどちらに取れたはずの問題が多く残っているかを並べて考えます。
保護者が家でできること
成績表が届いた日の最初の一言を、「何判定だった?」にしないでください。文字を最初に聞くと、お子さまも文字だけを答え、そこで話が終わります。最初の一言は「説明欄、一緒に見てみようか」か、「どの線まであと何点だった?」がよいでしょう。答えが点の数字で返ってくれば、成績表は読まれています。
確かめ方は、手順の7でノートに書いた一行を見せてもらうことです。志望校、文字、上の線までの点、印をつけた科目の4つがそろっていれば十分です。どれかが抜けていたら、そこだけを一緒に成績表の中から探してください。親が先に読んで答えを言うより、お子さまが自分で見つけた数字のほうが、次の模試まで覚えています。
言わないほうがよい言葉と、その言い換えを挙げます。「D なんて、もう無理でしょう」は「C の線まで、あと何点だった?」に。「C なら五分五分なんでしょう」は「C の中の、上のほう?下のほう?」に。「お友達は A だったって」は「説明欄の区切りは、自分の模試のを見ようね」に。どれも、文字を責めたりほめたりする代わりに、線と点の話に戻す言い方です。志望校を変えるかどうかは、一度の文字で決めることではなく、本人と家族が時間をかけて話して決めることです。
個別指導で確かめること
教室では、手順の4で書いた線までの点と6で印をつけた設問を机に並べ、生徒自身に一問ずつ解き直してもらいながら、落とした理由がまだ習っていない範囲なのか習ったのに途中で手が止まったのかを分けます。習ったのに止まった問題は英語なら中学で習う文の形まで、数学なら中学の計算の単元まで戻り、どの段で止まったのかを答案で一緒に確かめて、その段を余白に一言で書き残します。
まとめ
成績表に印刷された D は、第1志望の D の線から3点上、C の線まで21点という位置に付いた名札です。次の成績表でも、文字より先に C の線までの点を探せば、21点がいくつに変わったかで自分の動きが読めます。名札だけを持って引き出しを閉めた夕方と、21点の内訳を数学の3問に書き分けた夕方とでは、次の模試の朝に机の上に開いているものがまるで違います。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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