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英単語は例文で覚えるか—単語だけで足りる語と、例文で覚える語の分け方|武蔵野個別指導塾

enjoy の後ろの -ing、listen の後ろの to。単語テストでは問われない形で迷う語だけを例文に回し、印の付け方と声に出す3回、自分の一文までを平日25分に収める割り振り表つきで、今夜の範囲から試せます。
全部の語を例文で覚える必要はありません。分かれ目は一つで、その語を使って一文を書くとき、すぐ後ろに何を置くかで迷うかどうかです。kitchen(台所)のような物や場所の名前は、意味とつづりがわかれば a や the を前に付けて文に入れられるので、単語だけで足ります。enjoy の後ろに動作を続けるなら -ing、listen の後ろに聞く物を置くなら to、というように後ろの形が決まっている語は、例文で覚えます。単語テストの丸だけが目当てなら単語だけで間に合います。英作文や並べかえで使うつもりなら、迷う語だけを選んで例文に回してください。
よくあるのは、毎週の単語テストで満点を取っている中3が、英作文の「夏休みの思い出」に I enjoyed to swim in the sea. と書いてくる場面です。enjoy のつづりも「楽しむ」という意味も合っていて、赤が入るのは to swim の2語だけです。本人は答案を見て「enjoy は覚えたのに」と首をかしげます。覚えた中身はどこも間違っていません。足りないのは、enjoy の右どなりに何を置くかという一点で、単語テストはそこを一度も聞いてこなかったのです。
満点の単語が英作文で崩れるのは、語の「すぐ後ろ」を覚えていないから
単語テストが聞くのは、英語を見て日本語を答えるか、日本語を見て英語を書くかのどちらかです。どちらも1語で始まって1語で終わり、その語の前にも後ろにも何も並びません。英作文では同じ語が文の真ん中に置かれ、左右に別の語が並びます。迷いが出るのは、たいてい語のすぐ後ろです。
英作文の答案を返すときに赤ペンが止まる場所を見ると、それがよくわかります。enjoy や finish のつづりが崩れている答案より、enjoyed to swim、finished to clean のように後ろの形を取り違えた答案のほうがよく目に入ります。I listen music. と to が抜ける、arrive to the station と前置詞を取り違える、という直しも同じ種類です。どれも単語テストなら丸がつく語ばかりです。
日本語の助詞が手がかりにならないことも、崩れる理由の一つです。「音楽を聞く」の「を」は、英語では listen to music の to になります。「駅に着く」は arrive at the station、「バスを待つ」は wait for the bus です。日本語の「を」や「に」を見て英語の語を一つ置くと、to や for が抜けたり、別の前置詞に入れ替わったりします。英語の側で、語と後ろの前置詞をひとまとまりにして口に入れておかないと、文の中で正しい形が出てきません。
覚える語を3つに分けると、どれを例文に回せばよいかがはっきりします。1つ目は意味とつづりで足りる語です。kitchen や bridge(橋)のような物や場所の名前は、a か the を前に付ければ文に入り、後ろに何を置くかで迷うことがほとんどありません。2つ目は、後ろに続ける動詞の形が決まっている語です。enjoy と finish の後ろに動作を続けるなら -ing、decide を「〜することに決める」の意味で使うなら to と動詞の元の形です。日本語ではどれも「〜すること」なので、訳を見ても区別がつきません。3つ目は前置詞と組む語で、listen to、arrive at、wait for のように、語のすぐ後ろに決まった前置詞が付きます。
名詞の中にも例文に回す語があります。homework(宿題)は前に a を付けず、後ろに s も付けません。I have a lot of homework. のように使い方まで覚えておかないと、英作文で homeworks と書いてしまいます。数え方に決まりのある名詞は、3つ目の語と同じ扱いにします。

図1のように、迷うかどうかの問い一つで道を2つに分けます。言えるなら単語だけで先へ進み、迷うなら例文で覚えます。例文には、その語のすぐ後ろの形がそのまま書いてあるからです。単語帳の例文で見出しの語の次に並ぶ2〜3語は、意味の説明の続きではなく、後ろに来る形の見本として読みます。反対に、全部の語を例文で覚えようとすると、例文を読む分だけ1語にかかる時間が長くなります。kitchen を The kitchen is clean. で覚えても、英作文で役に立つのは clean の使い方のほうで、kitchen は単語だけで覚えたときと変わりません。例文に使う時間は、後ろで迷う語のために取っておきます。
例文で覚える語を選び、声に出し、自分の一文にするまで
たとえば、平日の夜に25分を英単語に使える中3を例にします。その日の範囲の語が20語あり、仕分けてみると例文の組に入る語が6語だったとします。この条件での割り振りが下の表です。
| 手順 | 時間 | 扱う語 | 1語あたり |
|---|---|---|---|
| 1 その日の語を仕分ける | 5分 | その日の範囲の20語 | 15秒 |
| 2 例文に印を付ける | 5分 | 例文の組の6語 | 50秒 |
| 3 例文を声に出して3回言う | 6分 | 例文の組の6語 | 1分 |
| 4 自分の一文を作って書く | 6分 | 例文の組の6語 | 1分 |
| 5 前の日の語を確かめる | 3分 | 前の日の6語 | 30秒 |
| 合計 | 25分 |
1. その日の語を仕分ける(5分)
範囲の20語を上から順に見て、1語ずつ「この語で一文を書くとき、すぐ後ろに何を置くか言えるか」と自分に聞きます。物や場所の名前と、後ろの形をすぐ言える語は、単語だけの組です。迷った語と、a や s の付け方に決まりのある名詞は、例文の組です。例文の組の語には、単語帳の見出しの横に小さな三角を付けます。1語に15秒で、20語なら5分で終わります。たとえばこの20語なら、例文の組に入るのは動詞を中心に5〜8語ほどで、ここでは6語として進めます。単語だけの組の語は、これまでどおりの単語テストの練習に回します。
2. 例文に印を3つ付ける(5分)
例文の組の6語について、単語帳の例文に印を3つ付けます。見出しの語を丸で囲み、すぐ後ろの形に下線を引き、下線より後ろの部分に波線を引きます。We decided to take the train. なら、decided に丸、to take に下線、the train に波線です。She finished cleaning her room. なら、finished に丸、cleaning に下線、her room に波線です。下線は語といっしょに覚える形、波線は自分の文に替えてよいところで、印を見ればその区別がひと目でわかります。下線を引く場所は、語の種類ごとに次の表のとおりです。
| 語の種類 | 例の語 | 下線を引く形 |
|---|---|---|
| 後ろに動作を -ing で続ける語 | enjoy、finish | 動詞の -ing |
| 後ろに to と動詞の元の形を続ける語 | decide | to と動詞の元の形 |
| 前置詞と組む語 | listen、arrive、wait | to、at、for |
| 数え方に決まりのある名詞 | homework | 前に付く a lot of などの語 |
3. 例文を声に出して3回言う(6分)
1語に1分で、例文を3回声に出します。1回目は例文を見ながら読みます。2回目は丸と下線の部分だけを見て、文全体を言います。3回目は単語帳の日本語訳だけを見て、英語の文を言います。3回目で詰まったら下線の部分を見直し、もう一度言ってから次の語へ進みます。3回目を日本語から英語の向きにするのは、英作文と同じ向きで口を動かしておくためです。黙って目で読むと、下線の部分を飛ばしても気づきません。声に出すと、to が抜けた瞬間に自分の耳が引っかかります。
4. 自分の一文を作って書く(6分)
例文の下線の部分を残し、主語と波線の部分を自分のことに替えて、一文をノートに書きます。1語に1分です。We decided to take the train. からなら、I decided to join the soccer team. のように作ります。書いたら、下線の部分が例文と同じ形になっているかだけを確かめます。主語と動詞、下線の形、その後ろに2〜3語までで止めて、長い文にしないことも決まりにしておきます。自分の生活の中身で作った一文は、英作文で自分のことを書くときに、そのまま形を貸してくれます。
5. 前の日の語を確かめる(3分)
前の日に例文の組にした6語を、単語帳の日本語訳だけを見て英語で言い、続けて前の日に書いた自分の一文も言います。1語に30秒です。見るのは下線の部分だけで、to と -ing を取り違えた語や前置詞が抜けた語は、その日の手順2に戻して印を付け直します。

図2のように、例文の組の1語は「選ぶ、形を見る、口で言う、手で書く、次の日に言う」の順に通ります。手順2から4までは、1語あたり50秒と1分と1分で、合わせて2分50秒かかります。6語なら17分で、仕分けの5分と確かめの3分を足すと25分です。
たとえば時間が20分しか取れない日は、例文の組を4語に減らします。手順2から4が11分20秒になり、5分と3分を足して19分20秒で終わります。前の日の6語の確かめは削りません。反対に、例文の組を8語に増やすと手順2から4だけで22分40秒になり、25分の枠には収まりません。増やすのは、手順5で6語とも下線の形を言える日が1週間続き、しかも時間を延ばせる日にします。手順5で同じ語の下線を3日続けて落とすなら、新しく例文の組に入れる語を減らし、空いた分をその語の手順3と4に回します。
例文で覚えたはずの語が、英作文でまた崩れるとき
例文を丸ごと覚えて、中身を替えたとたんに崩れてしまう
She finished cleaning her room. は口からすらすら出るのに、英作文で宿題のことを書くと I finished to do my homework. になる、という崩れ方です。例文を一つのかたまりとして覚えたので、cleaning を別の動作に替えたとたん、-ing の形まで手放してしまいます。図3のように、替えてよいのは波線の部分だけで、下線の形は残すと決めておきます。正しくは I finished doing my homework. です。手順4の自分の一文は、この「下線を残して替える」練習を毎日入れるためにあります。

日本語訳を読んで、英語を声に出さずに済ませてしまう
例文の下に訳が並んでいると、訳を読んだだけで「わかった」と感じて次の語へ進んでしまいます。訳は意味を教えてくれますが、後ろの形は教えてくれません。声に出すのは英語のほうと決め、訳は手順3の3回目で手がかりとして見るときだけ使います。
全部の語を例文で覚えようとして、数日で続かなくなってしまう
まじめな生徒ほど、範囲の20語すべてに例文を付けようとします。1日目はやり切っても、2日目、3日目と時間が足りなくなり、例文どころか単語の練習まで止まります。手順1の仕分けに戻り、例文の組は迷う語だけに絞ります。物や場所の名前は、単語だけで先へ進んでかまいません。
自分の一文を長くして、下線の外で間違えてしまう
自分の一文を作るとき、日記のように長い文を書くと、because の後ろの文や時を表す語のところで間違いが増え、直しの赤ばかりがふくらみます。確かめたいのは下線の形だけです。I enjoy cooking on Sundays. のように、主語と動詞と下線の形に2〜3語を足したところで止めます。長い文を書く練習は、英作文の時間に回します。
確かめの問題
問1 次の4語を、単語だけで足りる語と、例文で覚える語に分けてください。umbrella(傘)、museum(博物館)、belong(所属する)、hope(望む)
問2 She promised to call me after school.(彼女は放課後に電話をくれると約束した)に手順2の印を付けるとしたら、丸・下線・波線はそれぞれどこに付きますか。下線の形を残して、自分の一文も1つ作ってください。
問3 I practiced to play the guitar every day. という英作文の誤りを直してください。あわせて、この誤りが単語テストでは見つからない理由を一言で書いてください。
答えと考え方
問1 umbrella と museum は単語だけで足ります。どちらも物や場所の名前で、an umbrella や the museum のように前に付ける語を選べば文に入ります。belong は「〜に所属する」の意味では belong to と後ろに to を置き、hope は「〜したいと望む」なら後ろに to と動詞の元の形を続けるので、どちらも例文で覚える組です。
問2 丸は promised、下線は to call、波線は me after school です。promise は「〜すると約束する」の意味では、後ろに to と動詞の元の形を置きます。自分の一文は、たとえば I promised to help my mother. のように、to と動詞の形を残して波線の部分を替えます。
問3 正しくは I practiced playing the guitar every day. です。practice の後ろに動作を続けるときは -ing の形にします。単語テストは practice の意味とつづりしか聞かないので、後ろの形を取り違えていても丸がつきます。
保護者が家でできること
単語テストの点を聞く代わりに、「今日、例文の組に入れた語はどれ」と聞いてみてください。お子さまが単語帳の三角の印を指させれば、仕分けまでは進んでいます。続けて「その語で一文言ってみて」と頼みます。英語の正しさを家で判定する必要はありません。手順3は声が出るので、台所にいても例文を読む声が聞こえてくるかどうかで、続いているかはわかります。
確かめるときは、単語帳の例文と、お子さまがノートに書いた自分の一文を横に並べて見比べます。英語が得意でなくても、下線を引いた部分の文字の並びが同じかどうかは目で確かめられます。例文の下線が to で始まるのに自分の一文が -ing になっていれば、「ここ、例文と同じ形かな」と指でさすだけで十分です。答えは言わずに、お子さま自身に例文と比べさせます。
言わないほうがよい言葉もあります。「単語テストは満点なのに、なんで英作文はできないの」は、覚えた努力ごと否定して聞こえます。「単語はもう覚えてるね。あとはこの語の後ろに何が来るかだけだね」と言い換えると、残りが小さく見えます。「例文も全部覚えなさい」は、仕分けの手順を壊します。「どの語を例文にするか、もう決めた?」と聞けば、お子さまが自分で選ぶ形のまま進められます。
個別指導で確かめること
英作文の答案で赤が入った語を1つずつ見て、つづりの誤りなのか、すぐ後ろの形の誤りなのかを生徒と一緒に分けます。後ろの形の誤りなら、その語の例文に戻って丸と下線と波線を付け直し、生徒が下線を残した自分の一文を口で言えるところまで確かめます。前置詞の誤りが続くときは、日本語の「を」や「に」のどこで英語の語を一つ置いてしまったのかまで戻ります。単語帳の三角の印が多すぎるときは、仕分けの問いの使い方から見直します。
まとめ
単語テストの満点は、意味とつづりがもう手の中にある印です。英作文で崩れていたのは、その語の右どなりに置く2〜3語でした。例文はその2〜3語を運ぶ入れ物なので、後ろで迷う語にだけ用意すれば足ります。I enjoyed の次に swimming が考えるより先に口から出た日、enjoy は単語帳の中の語から、英作文で使える語に変わっています。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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