
読み物 家庭と子どもの日々(10-27 本人「読み物として引き込む記事」)
二十一時半の改札で待つ親へ—塾から帰ってきた子に「どうだった」と聞かずに、帰り道を使う

塾から帰ってきた子どもは、たいてい疲れています。「どうだった」と聞くと、返ってくるのは「ふつう」の一言かもしれません。問いを変えると、帰り道の数分が、授業の続きになることがあります。

改札の前の、十分間
※以下の場面は、状況を考えるための架空の例です。
夜の九時二十分。駅の改札の前に、何人かの大人が立っています。スマートフォンを見ている人。柱にもたれている人。誰も話しません。みんな、誰かを待っています。
その中に、一人の母親がいます。中学二年の娘を待っています。塾の授業は、九時半に終わります。教室は駅から歩いてすぐなので、終わってから数分で、娘は改札の前に来るはずです。
九時三十五分。エスカレーターの上から、制服の上にパーカーを着た娘が下りてきます。肩から下げた鞄が重そうです。母親に気づくと、小さく手を上げます。
「おつかれ。どうだった」
「ふつう」
二人は並んで歩き出します。家までは、歩いて十分ほど。娘はイヤホンを片方だけつけています。母親は、もう一つ何か聞こうとして、やめます。聞いても「ふつう」が返ってくることを、知っているからです。
家に着くと、娘は「おなかすいた」と言って、台所へ向かいます。母親は、今日の授業で何をしたのか、結局わからないままです。
子どもが帰り道に黙る理由
塾の帰り道に子どもが黙るのは、珍しいことではありません。黙っている理由は、いくつか考えられます。
一つ目は、単純に疲れているからです。学校の授業があり、部活があり、そのあとに塾の授業があります。夜の九時半には、頭と体のどちらにも、もう話す力が残っていないことがあります。
二つ目は、「どうだった」という問いが、答えにくいからです。授業の90分には、たくさんのことが起きています。わかった問題もあれば、わからなかった問題もある。そのすべてを「どうだった」の一言でまとめて答えるのは、大人でもむずかしいことです。だから、子どもは「ふつう」と言います。それは、うそではありません。まとめられないから、いちばん短い言葉を選んでいるのです。
三つ目は、うまくいかなかったことを言いたくないからです。授業で解けなかった問題があると、それを親に話すと、何か言われるのではないかと思う。だから、黙っておく。
どの理由であっても、黙っていることは、授業がうまくいっていないことと同じではありません。

「どうだった」の代わりに
問いを変えるだけで、帰り道の会話は変わりうるものです。答えやすい問いには、いくつかの形があります。
一つは、小さな事実を聞く問いです。「今日は何の科目だった」「何ページから何ページまでやった」。事実を聞く問いは、考えなくても答えられます。疲れていても、一言で返せます。
もう一つは、一つだけを選ばせる問いです。「今日いちばん手が止まった問題、どれだった」。たくさんのことをまとめるのではなく、一つだけを選ぶ。選ぶのは、まとめるより楽です。そして、その一つが、次の授業までに家でできることの手がかりになります。
もう一つは、子どもに教えてもらう問いです。「今日やったところ、どういう話だったの」。人に説明しようとすると、頭の中で、もう一度授業をなぞることになります。何も見ずに思い出して話すことは、それだけで復習になります。
ただし、どの問いも、毎晩聞く必要はありません。黙っていたい夜もあります。そういう夜は、「おつかれ」だけで十分です。問いは、子どもが話したそうな夜に、一つだけ使ってください。
授業の中身は、帰り道で聞かなくても届く
帰り道に子どもから聞き出さなくても、授業の中身を知る方法があります。
武蔵野個別指導塾では、LINEでの学習管理と保護者面談があります。何をどの頻度で受け取れるかは、入塾前カウンセリングで確かめてください。帰り道で無理に聞き出さなくても、家に着いてから、受け取った内容を見ておけばよいのです。
授業の中身がわかっていれば、問いも具体的になります。「今日、一次関数のグラフをやったんだってね」。そう言われると、子どもは「うん、傾きのところがわからなかった」と、少し長く答えるかもしれません。
授業は、講師1名と生徒1名の完全マンツーマンです。1対2で講師が二人のあいだを行き来する巡回型ではありません。1回の授業は90分で、そのあいだ講師はずっと隣にいます。だから、授業の中で何が起きたかを、講師はよく見ています。
授業では、アクティブリコール(何も見ずに思い出す練習)と間隔反復を明示的に採用しています。帰り道に子どもが授業の中身を話してくれたら、それは家でできる、いちばん小さな思い出す練習になります。
講師陣には、次のような人たちがいます。
- 大学教員・大学の非常勤講師
- 現役の難関国立大学の学生(東京大学・一橋大学・東京外国語大学・東京農工大学など)
- 東京大学・早稲田大学・慶應義塾大学の修士課程・博士課程の大学院生
- 現役の中学校の非常勤講師
講師は専門の科目を担当制で受け持つ業務委託の形で、アルバイト講師はいません。

夜の授業と、帰り道の長さ
夜遅い授業を選ぶかどうかは、帰り道の長さとも関わります。
対面の時間割は、4限15:00〜16:30、5限16:40〜18:10、6限18:20〜19:50、7限20:00〜21:30です。7限は、部活のある中学生や高校生が選びやすい時間です。けれど、終わるのは21時30分です。そこから家まで、どれくらいかかるかを考えてください。
教室はJR中央線・武蔵境駅から徒歩30秒です。三鷹駅と東小金井駅からは1駅、武蔵小金井駅からは2駅です。駅から近いので、教室を出てから改札までの道は短くてすみます。改札で待ち合わせる家も、駅から家までの帰り道を考えておけば足ります。自転車で来るときは、教室専用の駐輪場はないので、近隣の公共駐輪場(2時間100円)を使ってください。
帰り道が長くなる家や、夜の外出を避けたい日は、オンライン授業(Zoom)という選び方もあります。オンラインは、10:00から24:45までのあいだで組めます。家で受けるなら、帰り道はありません。そのかわり、授業が終わった瞬間に、家の中の空気に戻ります。帰り道の十分間がなくなる分、「おつかれ」を言うタイミングを、親のほうで作ってあげてください。
毎月の第5週は閉室で、授業はありません。その週の夜は、帰り道のない夜です。
改札の前で待つ親ができること
改札の前で待つ十分間は、親にとっても、一日の中の小さな区切りです。仕事のあと、家事のあと、急いで駅に来て、待つ。待っているあいだに、今日の授業のことを考えます。
その十分間に、一つだけ準備しておけることがあります。LINEで受け取った授業の中身を、一度読んでおくことです。読んでおけば、子どもに会ったとき、「どうだった」ではなく、具体的な一言を言えます。
もう一つ、帰り道では点数の話をしないでおくことをすすめます。点数は、テストの答案が返ってきた日に、机の上で答案と一緒に話せば足ります。夜の改札の前で点数を聞かれると、子どもは次の授業の帰り道まで身構えるようになります。帰り道は、点数ではなく、今日の90分の中の一つの問題を話す場所にしておいてください。そうしておくと、子どものほうから「今日、これが解けた」と言い出す夜が来ることもあります。
迎えに行けない夜もあるでしょう。仕事が遅くなる日や、ほかの家族の用事が重なる日です。そういう夜は、帰ってくる子どものために、温かいものを一つ用意しておくだけで足ります。台所で湯気の立つ汁物を前にすると、改札の前よりも、言葉が出やすくなる子もいます。帰り道は駅から家までの道だけではなく、玄関から台所までの数歩も含まれています。
そして、子どもが黙っていても、それでかまいません。並んで歩くだけの帰り道にも、意味があります。親が改札で待っていたこと。それ自体が、子どもにとっては、今日一日の終わりの合図になります。何も話さなかった夜の帰り道を、子どもは案外、覚えているものです。
よくある質問
Q. 塾から帰ってきた子どもが、何も話してくれません。 A. 疲れているのかもしれません。毎晩聞く必要はありません。話したそうな夜に、「今日いちばん手が止まった問題、どれだった」のような、一つだけを選ぶ問いを使ってみてください。
Q. 授業の中身を、親が知る方法はありますか。 A. LINEでの学習管理と保護者面談があります。何をどの頻度で受け取れるかは、入塾前カウンセリングで確かめてください。
Q. 7限は21時30分に終わります。帰りの遅さが心配です。 A. 教室はJR中央線・武蔵境駅から徒歩30秒です。帰り道が長くなる日や夜の外出を避けたい日は、10:00から24:45のあいだで組めるオンライン授業(Zoom)という選び方もあります。
Q. 自転車で通わせたいのですが、駐輪場はありますか。 A. 教室専用の駐輪場はありません。近隣の公共駐輪場(2時間100円)を使ってください。
Q. 夜の時間帯の空きは、どこで確かめられますか。 A. 無料の入塾前カウンセリングで確かめてください。部活の予定と、家までの帰り道の時間をメモして持ってくると、話が早くなります。
まとめ 帰り道は、授業の続き
塾の帰り道に子どもが黙る理由として多いのは、三つです。疲れていること、問いが答えにくいこと、言いにくいことがあることです。「どうだった」の代わりに、小さな事実を聞く問いや、一つだけを選ぶ問いを使ってみてください。授業の中身を家から知る方法としては、LINEでの学習管理と保護者面談があります。
通う時間と帰り道の長さを一緒に考えたいときは、無料の事前診断テストと入塾前カウンセリングを受けに来てください。教室は東京都武蔵野市境2-2-3 渡辺ビル4F、JR中央線・武蔵境駅から徒歩30秒です。電話は0422-27-7828で、365日・24時間受け付けています。メールはmusashinokobetu.daily@gmail.comです。
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