
読み物 家庭と子どもの日々(10-27 本人「読み物として引き込む記事」)
英語が家の中にある子の国語—話せるのに書けない中学生と、日本語で考える力を取り戻す90分

英語が話せる子は、国語ができる子だと思われがちです。違います。家の中に英語がある子ほど、日本語の文章が書けないまま中学生になることがあります。会話の力と、書く力は、別の筋肉です。この記事は、その二つを混同して遠回りしないために書きました。

夕食の席で、二つの言葉が飛び交う家
父が英語で話し、母が日本語で返す。子どもはどちらにも答える。食卓では、それで何の不自由もありません。学校の英語の授業は退屈で、英検の級も周りより先に取る。保護者の方は、言葉については心配していない、と思っています。
ところが中学2年の夏、国語の答案が返ってきます。記述の欄が白い。あるいは、何か書いてあるのに、採点者には伝わっていない。本人に聞くと「分かってたけど、書けなかった」と言います。読めば分かる。話せば説明できる。でも、400字の枠に日本語で組み立てることが、できない。
これは、その子が日本語を知らないからではありません。日本語で「考えを組み立てて、他人に渡す」という作業を、まとまった量こなしてきていないからです。英語で話す家庭は、英語の会話量は多い。日本語の会話量もある。けれど、日本語で書く量だけが、同じ年齢の子より少ないまま育つことがあります。
話す力と書く力は、別の場所に住んでいる
会話は、相手の顔を見ながら、途中で言い直しながら進みます。足りない言葉は身振りで補えます。相手が察してくれます。
書く言葉は、そのどれも使えません。読む人は目の前にいない。言い直しは消しゴムでしかできない。身振りや表情も届かない。言葉だけで、順番と接続詞だけで、考えを届けなければなりません。
二つの言語を話す子は、この「言葉だけで届ける」訓練を、どちらの言語でも薄くしか受けていないことがあります。英語と日本語の会話は達者。けれど、どちらでも長い文章を書いた経験が乏しい。そういう子が日本の中学の国語で、いちばん苦しみます。読解はできる。記述が書けない。その差を本人は「国語が苦手」と一括りにしてしまいます。
苦手なのは国語ではなく、日本語で組み立てる作業です。ここを切り分けないと、対策がずれます。漢字ドリルを増やしても、音読を増やしても、記述の欄は白いままです。

完全1対1の90分で、最初に起きること
武蔵野個別指導塾の授業は、講師1名に生徒1名の完全なマンツーマンです。1人の講師が2人を交互に見る巡回型ではありません。90分のあいだ、講師の目は自分の子だけに向いています。
書く力をつけるとき、この形がなぜ要るのか。書いたものを、その場で読んで、どこで読者が迷うかを指摘してくれる人が隣に要るからです。集団の授業では、作文は提出して、赤を入れられて返ってきます。返ってきたころには、本人は何を考えて書いたか忘れています。隣に座る講師は、書いている最中の迷いを見ています。「ここで主語が消えた」「この接続詞で前の文と繋がらなくなった」と、その瞬間に言えます。
最初の数回は、書く前の作業に時間を使います。頭の中にある考えを、日本語の短い文に切る。「〜が〜した」の形にする。英語で考えている子は、頭の中で英語の語順のまま組み立てていることがあります。それを日本語の語順に置き直す作業を、口に出しながらやります。話せる力を、書く力への橋にするのです。
国語と小論文を担う講師
誰が隣に座るのかは、この塾では隠していません。
講師陣の出身は、大学教員や大学の非常勤講師、修士号や博士号を持つ元研究者、現役の中学校の非常勤講師です。東京大学・一橋大学・東京外国語大学・東京農工大学などの現役の学生と、東京大学・早稲田大学・慶應義塾大学の大学院生もいます。講師は専門の科目を担当制で受け持つ業務委託の形で、アルバイト講師はいません。
国語と小論文には、代表講師の藤崎史朗がいます。早稲田大学政治経済学部を卒業し、同大学院政治学研究科の修士課程を修了。代々木ゼミナール・早稲田塾・東進で指導し、大学の入試問題を出題者側として多数作ってきた人です。著書に『藤崎現代文講義の実況中継(上・下)』があります。担当は国語・小論文・総合型選抜対策・医療英語・芸術教育です。
英語が家の中にある子にとって、東京外国語大学の学生が講師陣にいることも意味があります。言語を専門に学ぶ人は、「話せること」と「書けること」の落差を、理屈として知っています。本人の英語力を軽んじず、日本語で書く力だけを足していく。その切り分けのできる人が隣に座ります。

英検は武器、小論文は入口
英語が得意な子の家庭は、英検を先に進めます。それは正しい。武蔵野個別指導塾でも英検対策は柱のひとつです。
ただ、英検の級は、日本の大学入試では入口の一つにすぎません。高校生になると、総合型選抜や公募推薦という道が見えてきます。志望理由書、小論文、面接。ここで問われるのは英語力ではなく、日本語で自分の考えを組み立てて、他人に渡す力です。英語が得意な子ほど、この段階で初めて壁に当たります。志望理由書の下書きが、英語の直訳のような日本語になってしまう。
総合型選抜の対策は、宮川と藤崎の二人が担当します。宮川は研究計画書を書き、論文を書いた経験を持ち、100人以上の卒論と修士論文の指導をしてきました。藤崎は出題者側の目を持つ国語の専門家です。書けない子の日本語を、入試で通る日本語に組み直す作業を、この二人で見ます。
英語が家の中にある子は、中学生のうちに日本語で書く力を足しておくと、高校生になってから選べる道が増えます。英検の級と、小論文の力。両方そろって初めて、総合型選抜という入口が使えます。
小学生のうちに、日本語で書く量を足しておく
中学で記述が白くなる前、小学生のうちに手を打てる家庭は幸運です。武蔵野個別指導塾の小学生の授業は、60分か90分かを選べます。英語が家にある小学生なら、まず60分で、日本語で短い文を書いて読まれる往復を始めます。
書く題材は、本人の暮らしの中から取ります。今日の夕食で父と何を話したか。英語で話したなら、それを日本語で三つの文にする。日本語で話したなら、相手が何と答えたかまで書く。二つの言語を行き来する家庭の子には、この「訳す」作業が、そのまま書く練習になります。訳すとき、人は語順と接続詞を意識せざるを得ないからです。
週1回の60分を一年続けると、中学に入る前、日本語で300字を組み立てることが怖くなくなります。中学2年の夏に白い答案を見るか、小学5年の秋に短い文を読まれて笑うか。同じ子の、別の道です。
保護者の方が家でできること、しないほうがいいこと
家でできることは一つです。日本語で書いたものを、直さずに読むこと。
誤字を指摘したくなります。語順がおかしいと言いたくなります。言わないでください。子どもは、読まれるために書いたのではなく、提出するために書いています。そこに赤を入れられると、次から書く量を減らします。読んで、「ここが分かった」「ここは何を言いたかったのか聞かせて」とだけ返す。直すのは隣に座る講師の仕事です。
もう一つ。英語の方が楽だからといって、家庭の会話を日本語に寄せる必要はありません。英語が家にあることは、この子の財産です。奪う必要はない。足りないのは日本語で書く量だけで、それは塾の90分と、家で読まれずに書く時間で足せます。
授業の形と、始め方
中学生・高校生の授業は1回90分、対面は15時から21時30分まで、4限(15:00〜16:30)から7限(20:00〜21:30)の4つの枠です。オンラインはZoomで10時から翌0時45分まで受けられます。小学生は60分か90分を選べます。国語と小論文は、週1回の90分で続けます。書いて、読まれて、直して、また書く。この往復を積むのが基本です。
入塾の前に、無料の事前診断テストと入塾前カウンセリングがあります。英語が家にある子の場合、カウンセリングでは、読む力と書く力を分けて見てください。「国語が苦手」という一言を、「読解はできて記述が白い」まで分解してから、講師と枠を相談してください。
よくある質問
Q. 英語の方が得意な子に、国語の授業は退屈になりませんか。 A. 退屈になるのは、読めるものを読まされるときです。この子たちに足りないのは書く作業なので、授業の中心は書くことになります。書くことは、得意な子にも退屈ではありません。
Q. 日本語で書くより、英語の小論文で受験したほうが早くありませんか。 A. 道としてはあります。ただ、日本の大学の多くの入試で、志望理由書や面接は日本語です。英語の力を活かす入試でも、日本語で考えを組み立てる場面は残ります。両方持っているほうが選べる道は広い、というのがこの塾の考えです。
Q. 帰国子女で、日本の学校に入ったばかりです。間に合いますか。 A. 始める時期より、最初の数回で読む力と書く力をどう切り分けるかが大事です。入塾前カウンセリングで現状を見てから、講師と進め方を決めます。
Q. 国語の講師は固定ですか。 A. 専門の科目を担当制で受け持つ形です。書く力は、同じ講師が続けて見るほど伸びます。
Q. 英検の対策と国語の授業を同時に受けられますか。 A. 科目ごとに専門の講師が担当します。二つの科目をどう組み合わせるかは、時間割を決めるときに教室へ確かめてください。
まとめ 財産を奪わず、足りない筋肉だけを足す
英語が家の中にある子は、日本語が下手なのではありません。日本語で書く量が少なかっただけです。会話の力と書く力は別の筋肉で、後から足せます。
足すのは、隣に座って書いている最中の迷いを見てくれる講師と、週に一度の90分です。英語という財産は、そのまま持たせてください。
教室は東京都武蔵野市境2-2-3 渡辺ビル4F、JR中央線・武蔵境駅から徒歩30秒です。電話は0422-27-7828、365日・24時間受け付けています。メールはmusashinokobetu.daily@gmail.comです。入塾前カウンセリングで、読む力と書く力を分けて見るところから始めます。
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