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【中学受験国語】物語文③主題と表現を図解で総まとめ—主題のとらえ方 比喩 象徴 題名の意味|武蔵野個別指導塾

人物の変化から主題をまとめる手順を、3枚の図と自作の例題でたどります。比喩・擬人法・倒置の効果、象徴的な物や題名と結末の関係まで、本文を根拠に説明する練習ができます。
よくあるのは、学校のテスト前の自習室の白板の前で、物語の主題を尋ねられたお子さまが「友情」と書き、その先の説明で止まるという場面です。友達が登場することも、最後に仲直りすることも読めています。それでも、「この物語は、友情について何を描いているのですか」と聞かれると、白板と本文を交互に見てしまいます。
主題は、感じのよい言葉を探して当てる問題ではありません。はじめの人物の考え方、考えが揺れた出来事、結末で選んだ行動をつなぐと、その物語が描いている大切なことを説明しやすくなります。たとえや題名も、そのつながりを確かめる手がかりです。
ここでは短い自作の文章を読みながら、主題のまとめ方と表現の働きを確かめます。お子さまが書いた答えを直すときも、まず「その説明は、どの言葉から考えましたか」と本文へ戻れるように進めていきましょう。
この単元で身につけること
- 主題を一文で表せるようにします。「友情」「成長」といった話題の名前に、その物語で描かれた関係や変化を加えます。
- 人物のはじめと終わりを比べます。気持ちだけでなく、相手の見方や行動の選び方がどう変わったかを探します。
- 比喩・擬人法・倒置などの表現を見分けます。名前を答えた後、その表現が何をどのように印象づけるかまで考えます。
- 象徴的な物を、登場する場面と結びつけます。同じ物でも、人物の受け止め方が変われば、物語の中で担う意味が変わることがあります。
- 題名と結末を照らし合わせます。題名の言葉が表す具体的な物や出来事と、物語全体を通して広がる意味を区別します。
人物・場面を整理し、行動や会話から心情を読む学習が、この単元の土台です。小学4年生なら「はじめはどうだったか」「最後はどうしたか」の比較から始められます。小学5〜6年生では、その間をつなぐきっかけや表現の効果も含め、根拠を示して説明する練習へ進めます。
基本の考え方
主題は、物語全体から読み取る中心的な意味です
主題とは、物語全体を通して描かれる中心的な考えや、人間のあり方についての大切な意味です。作品に「主題はこれです」と直接書かれているとは限りません。人物の経験や変化、繰り返される描写などをもとに読み取ります。「作者が最も伝えたいこと」と説明されることもありますが、作者の実際の生活や考えを想像して答えるのではなく、本文に表されたことを根拠にします。
「友達と協力して橋を作る話」は、何が起きたかをまとめたあらすじです。「協力」は、扱われている事柄を短く示す言葉です。これに対して、「自分だけで解決しようとせず、互いの得意なことを認めることで協力が生まれる」と書けば、協力について物語が何を描いたのかまで示せます。ただし、本文に得意なことを認める場面がなければ、この主題は使えません。
主題を考えるときは、まず人物の出発点を押さえます。たとえば「人に頼むのは弱さだと思っている」という考え方です。次に、その考えを揺らす出来事を探します。最後に、「困っていることを友達に打ち明ける」など、結末での行動を確かめます。この3つのつながりから、「助けを求めることが人との支え合いにつながる」という意味をまとめます。
図1のように、はじめから結末までの道筋を先に整理すると、主題だけを急に思いつこうとせずに済みます。図の矢印は読むときに確かめる順序であり、必ず人物が明るく成長するという意味ではありません。

すべての物語に、はっきりした成長や仲直りがあるわけではありません。最後まで変われない人物を通して、すれ違いの悲しさが描かれることもあります。変化が小さい場合は、人物の選択に対して周囲がどう応じたか、結末にどのような関係が残ったかを確かめます。無理に「努力すれば成功する」という教訓へ運ばないことが大切です。
表現技法は、形と働きを分けて考えます
比喩は、あるものを別のものにたとえて表すことです。「不安が雲のように広がった」は、「ように」を用いた直喩です。「心の中に重い石を抱えていた」は、実際の石ではなく気がかりを石に重ねた表現で、隠喩といいます。隠喩は暗喩とも呼ばれます。直喩と隠喩を見分けるときは、たとえを示す語の有無だけでなく、何が何に重ねられているかを説明しましょう。
「ようだ」があれば、いつでも直喩になるわけではありません。「どうやら雨が降るようだ」は、雨を別のものにたとえていません。ここでは様子から判断しています。「ようだ」という形だけに丸を付けず、比べられている2つのものを取り出せるかを確かめます。
擬人法は、人間以外のものを、人間の動作や感情を持つように表す方法です。「古い扉が眠そうにあくびをした」なら、扉を人のように描いています。扉のゆっくりした動きや、きしむ様子を親しみのある姿として感じさせます。擬人法は比喩の一種として扱われることもあるので、設問が技法を細かく尋ねているなら「擬人法」と答えます。
倒置は、通常の語順を入れ替える表現です。「ぼくはその声を忘れない」を「忘れない、ぼくはその声を」とすれば、「忘れない」が先に強く示され、後から何を忘れないのかが伝わります。ただ語順が違うと指摘するだけでなく、その場面で何が強調されているかを説明します。
同じ語や表現を繰り返す反復や、文末を名詞で終える体言止めもあります。「待った。何度も待った」という反復なら、待つ行為の繰り返しや思いの強さが印象に残ります。ただし、効果は文脈によって違います。どの技法にも「リズムがよくなる」と同じ答えを付けるのではなく、人物や場面の何が伝わりやすくなったのかを考えてください。
象徴と題名は、場面を集めて読みます
象徴は、目に見える具体的な物などによって、目に見えない思いや関係を表すことです。たとえば、離れて暮らす家族が直してくれた時計を、人物が迷うたびに手に取る物語なら、その時計は家族とのつながりや支えを表すものとして読める場合があります。ただ時計が登場しただけでは、そこまでの意味は決められません。
物の意味を考えるときは、「誰が持っているか」「どの場面で出てくるか」「人物がどう扱うか」を集めます。最初は引き出しにしまった時計を、最後には身に着けるという変化があれば、物そのものは同じでも、人物にとっての意味が変わったと考えられます。同じ物が繰り返されることは手がかりですが、繰り返される物がすべて象徴とは限りません。
題名には、人物の名前、場所、物、言葉など、さまざまなものが使われます。まず文字どおり何を指すかを確認し、次に結末まで読んで増えた意味を考えます。題名が『小さな窓』でも、窓は必ず希望を表す、と決めることはできません。窓の向こうを避けていた人物が最後には外へ呼びかけるなら、その行動を踏まえて、人とつながろうとするきっかけを読み取れます。
設問の文章が作品の一部である場合も、示されていない続きや出来事を作り足しません。読める範囲の冒頭と末尾、題名にかかわる描写を結びつけ、言い切れる範囲で説明します。
例題で解き方を確かめる
以下の文章は、読み方を練習するための自作です。表現の名前、人物の変化、物の役割、題名と結末の関係の順に、確かめる範囲を広げます。
例題1 たとえているものを取り出す
〈本文〉 発表の直前、航の胸には、冷たい石のような不安が沈んでいた。隣の実が、練習で何度も使った合図を小さく送った。航はその指を見つめ、握っていた原稿を少し緩めた。
〈設問〉「冷たい石のような不安」に使われている表現技法を答えなさい。また、この表現によって、発表直前の航の不安がどのように感じられるかを説明しなさい。
- 「不安」と「冷たい石」を取り出します。たとえられるものと、たとえるために使うものを分けると、表現の関係が見えるからです。
- 2つをつなぐ「ような」を確かめます。たとえを示す言葉を使っているため、ここでは直喩だと判断できます。
- 石の冷たさと重さを、航の状態に結びつけます。「沈んでいた」という言葉もあるので、不安が胸に重くのしかかる感じまで読み取れます。
「石が実際に胸の中にある」と読むのは、たとえを事実と取り違えています。また、「安心した気持ちを表す」と答えると、合図を見た後の変化と、設問が尋ねる発表直前の状態を混ぜてしまいます。表現が使われている時点を確かめることも必要です。
答え:直喩で、不安を冷たい石にたとえ、胸に重くのしかかるような不安を感じさせています。
例題2 変化をつないで主題にする
〈本文〉 凛は、班の模型は自分だけで仕上げたほうが早いと思っていた。友達が手伝おうとしても、細かな作業は渡さなかった。ところが、屋根が何度もずれた。見ていた悠が土台の傾きに気づき、紗季が支える紙を折った。屋根が収まると、凛は残りの材料を机の中央に広げた。「次は、どう分けて作ろうか。」
〈設問〉この文章の主題として最も適切なものを選びなさい。
ア 自分の力だけで最後まで完成させることが大切です。 イ 互いの力を認めて任せることで、協力して取り組めます。 ウ 作業を早く終えるためには、細かな仕事を省くべきです。 エ 失敗を避けるためには、いつも他の人に判断を任せるべきです。
- はじめの凛の考えを抜き出します。「自分だけで仕上げたほうが早い」という出発点が、どの選択肢に変化の前後が含まれるかを判断する基準になります。
- 悠と紗季がそれぞれ役立った出来事を押さえます。凛が考えを変える理由は、友達がいたことだけでなく、友達の力によって屋根が収まったことだからです。
- 結末の動作と会話を読みます。材料を中央に広げて分担を相談したことは、仕事を独占する姿から、友達に任せる姿への変化を示します。
- 各選択肢を変化に照らします。アははじめの考えにとどまり、ウの仕事を省くことは書かれていません。エの「いつも」「判断を任せる」も本文の範囲を超えています。
図2のように、結末の会話だけを抜き出すのではなく、その会話が出てくるまでの出来事をつなぎます。「どう分けて作ろうか」という問いに、凛の友達を見る目の変化が表れています。

ここでの主題を単に「友達がいると便利です」とすると、凛が自分の態度を変えた点が落ちます。友達を役立つ道具のように見る意味でもありません。それぞれの力を認め、一緒に進める関係を選んだところまで説明します。
答え:イ。
例題3 物の扱いから象徴的な意味を考える
〈本文〉 『赤い糸』 美緒の袋には、祖母が赤い糸で縫った跡があった。美緒は、新しい袋を持つ友達の前では、その跡を腕で隠した。帰宅すると、祖母が小さな針の穴に何度も糸を通そうとしていた。「丈夫にしておけば、長く使えるからね。」翌朝、美緒は縫い跡をそっと指でなぞり、袋を腕で隠さずに歩いた。
〈設問〉題名の「赤い糸」は、この文章ではどのような思いを表すものとして読めますか。誰の誰に対する思いかを明らかにして答えなさい。
- 赤い糸の具体的な役割を確認します。袋を丈夫に縫うための糸だと押さえることで、本文と無関係な言い伝えなどを持ち込まずに考えられます。
- 糸を使う祖母の動作と会話を読みます。何度も針に通そうとし、長く使えるように直す姿から、美緒の使う物を大切に整えようとする思いがわかります。
- 美緒の扱いの変化を確かめます。隠していた跡をなぞり、隠さなくなったことは、古さの印だった縫い跡に祖母の思いを見いだしたことを支えます。
赤色だけを根拠に「情熱」と答えることはできません。象徴的な意味は色の決まり一覧から選ぶものではなく、この場面での人物の関わりから考えます。祖母がどれだけ苦労したかについても、書かれていない病気や事情まで付け足さないようにします。
答え:祖母が美緒を気遣い、袋を丈夫にして長く使えるように願う思いを表しています。
例題4 表現と結末から題名の意味を説明する
〈本文〉 『渡す声』 転校してきた圭は、隣の席の澪に話しかけようとしては、窓の外を見た。何を言えばよいのか、浮かばなかった。帰り道、澪の紙袋が破れ、本が歩道に広がった。「ぼくも持つよ。」声にしてから、圭はしゃがんだ。澪は本を差し出し、笑った。二人の間に、細い橋が一本かかった。忘れない、圭は自分から渡したこの短い声を。
〈設問〉「細い橋が一本かかった」の表現技法を答えなさい。また、題名『渡す声』が表す意味を、結末を踏まえて説明しなさい。
- 実際に起きたことを確認します。圭は声をかけて本を運ぶ手助けをしており、橋を建ててはいません。この違いから、橋が人と人のつながりをたとえていると考えます。
- たとえを示す「ような」などがないことを確かめます。つながりを直接橋として表しているので、この表現は隠喩です。
- はじめの圭と結末の圭を比べます。声をかけられずにいた人物が、自分から短い声を届けたことが、題名の意味を支えます。
- 最後の一文にも目を向けます。「圭は自分から渡したこの短い声を忘れない」という通常の語順に戻せるので、倒置が使われています。先に示される「忘れない」が、その声の大切さを印象づけます。
「細い橋」は、関係が始まったばかりだという読みも支えます。しかし、「二人は一生離れない親友になった」とまでは書かれていません。声をかけることでつながりのきっかけを作った、と結末で確かめられるところまで説明します。
答え:隠喩で、題名は自分から相手へ声を届け、人とのつながりを作ることを表しています。
つまずきやすいところと直し方
「友情」「勇気」だけで主題の答えを終える
誤った書き方は、例題2の主題を「協力です」とだけ答える形です。協力という話題は合っていますが、凛がどのように協力できるようになったのかが伝わりません。どの物語にも当てはまりそうな一語に止まると、本文を読んで考えた部分が答えに出なくなります。
正しい書き方は、「互いの力を認めて任せることで、協力して取り組めることです」のように、関係を一文にする形です。直すときは、「何をしたら、どうなったのですか」と尋ねてみてください。物語が単純な原因と結果に収まらない場合は、「どんな関係や生き方が描かれていますか」と問い直します。
技法の名前だけで効果を説明したつもりになる
誤った書き方は、「不安を直喩で表しているので、表現が豊かになっています」です。名前は正しくても、航の不安について何が伝わるのかが書かれていません。「豊か」「印象的」という評価だけでは、別の表現にも同じ答えを付けられてしまいます。
正しい書き方は、「不安を冷たい石にたとえ、胸に重くのしかかる感じを伝えています」です。図3のように、表現の形、本文の中身、読者に伝わる感じを分けると、答えに必要な部分を補えます。技法名を尋ねられたら名前を、効果を尋ねられたら具体的な働きを答える、という設問の読み分けも必要です。

物や色に、いつも同じ意味を当てはめる
誤った書き方は、「赤い糸なので、強い情熱を表します」です。例題3で中心となるのは、祖母が袋を丈夫に直す行動と、それを受け止める美緒の変化です。赤という色だけから意味を決めると、その物語にしかない根拠が抜け落ちます。
正しい書き方は、「赤い糸の縫い跡は、袋を長く使えるようにという祖母の美緒への気遣いを表しています」です。物が出てくる箇所を並べ、人物の動作を書き添えると、意味を絞れます。「最初は隠す、最後は隠さない」という対照が、どのような受け止め方の変化なのかを確かめましょう。
題名についての答えでも同じです。言葉の一般的な意味を先に覚え込むより、その題名が、この物語のどの場面を読むと深く理解できるのかを探します。複数の説明が考えられたら、本文の場面をより無理なく結びつけ、余計な出来事を付け足していない説明を選びます。
ここで手が止まるなら、止まった単元まで一緒に戻ります。学年別個別指導コース/お問い合わせ
練習問題
まず本文に根拠の線を引き、それから答えを書いてください。技法名と説明を求める問題では、名前だけで書き終えていないかも確認します。
練習1
〈本文〉 朝、窓を開けると、庭のひまわりが背筋を伸ばして私を迎えた。私はうつむいていた顔を上げ、昨日途中でやめた絵の続きを描こうと思った。
〈設問〉「ひまわりが背筋を伸ばして私を迎えた」の表現技法を答えなさい。また、ひまわりをどのような姿として描いているかを説明しなさい。
練習2
〈本文〉 拓は、妹の積み木が崩れるたびに、代わりに積み直していた。ある日、妹は拓の手を押し戻し、低い塔を自分で完成させた。翌日、拓は隣に座ったまま手を出さず、「困ったら呼んでね」と伝えた。
〈設問〉この文章の主題として最も適切なものを選びなさい。
ア 相手を助けるには、何でも代わりに終わらせる必要があります。 イ 成長するためには、周りの助けをすべて断る必要があります。 ウ 相手の力を信じて見守ることも、支え方の一つです。
練習3
〈本文〉 『空いた椅子』 結衣は休んでいる友達の椅子に、自分の荷物を置こうとした。机の中から、昨日その友達が貸してくれた消しゴムが転がり出た。結衣は荷物を自分の机の下に戻した。帰りには、その椅子の前に、今日配られた紙をそろえて置いた。
〈設問〉結末の結衣にとって、「空いた椅子」はどのような場所になっていますか。はじめとの違いを含めて説明しなさい。
練習4
〈本文〉 ぼくが描いた看板を、誰も見ていないと思っていた。片づけのとき、弟が看板を両手で抱え、「これ、家でも飾ろうよ」と言った。うれしかった、ぼくの仕事を見ていた人がいたことが。
〈設問〉最後の一文に使われている表現技法を答えなさい。また、何が強く示されているかを説明しなさい。
答えと解説
練習1の答え:擬人法で、ひまわりを、背筋を伸ばして人を迎える元気な人のように描いています。植物に人の動作を重ねている点が根拠です。「私」が顔を上げて絵に向かう流れにも合っていますが、「花が励ましの言葉を話した」とは書けません。
練習2の答え:ウ。妹が自力で完成させる姿を見て、拓は代わりに作ることをやめ、必要なときに助ける姿勢へ変わっています。アははじめの行動にとどまり、イの「すべて断る」は本文の範囲を超えています。
練習3の答え:はじめは自分の荷物を置ける場所と見ていましたが、結末では、休んでいる友達を思い、戻ってくるのを待つ場所になっています。荷物を戻し、その日の紙をそろえる行動が根拠です。友達が休んだ理由や、いつ戻るかまでは付け足しません。
練習4の答え:倒置で、自分の仕事を見てくれていた人がいたことへの喜びが強く示されています。通常の語順なら「ぼくの仕事を見ていた人がいたことが、うれしかった」です。「うれしかった」が先に出るため、喜びがまず伝わり、その理由が後に続きます。
説明問題の答えは、言葉が一字一句同じである必要はありません。練習3なら「荷物を置く場所から、友達の帰りを気遣う場所へ変わった」という説明でも、前後の違いが伝わります。正誤を確かめるときは、必要な内容があるか、本文にないことを加えていないか、設問の求める形になっているかを見ます。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
主題と表現を結びつける読み方は、物語の記述問題や詩の鑑賞につながります。たとえば「この一文を結末に置いたのはなぜですか」という問いでも、表現の形だけでなく、そこまでの人物の変化を押さえると説明が具体的になります。題名の意味を問われたときも、物の名前と物語全体の意味を行き来して考えられます。
家庭で5分使うなら、1つ目は短い物語のはじめと終わりから、同じ人物の行動を1つずつ選ぶ方法です。お子さまに「前は何をしていたか、最後はどうしたか」を話してもらい、変化が起きた場面を一緒に探します。変わっていないように見える場合は、周囲との関係や、その行動の理由の違いを比べます。
2つ目は、気になった表現を普通の言い方に直す方法です。「胸に石が沈む」を「強い不安を感じる」に直し、元の表現に戻すとどんな感じが加わるかを話します。答えをすぐ教える前に、たとえのもとになる語を指してもらうと、考えている場所が見えます。
個別指導で主題の説明が止まるときは、主語や会話の話し手の確認まで戻り、誰の変化を読んでいるかを確かめます。そのうえで、行動の前後を結ぶ一文を作り、本文の根拠とずれていないかを照らし合わせます。
まとめ
主題を書く欄で手が止まったら、立派な言葉を探す前に、人物が最後に選んだ動作へ目を戻してみてください。材料を中央に広げる、縫い跡を隠さなくなる、自分から声をかける。小さな動作でも、はじめの姿と比べれば、その物語で描かれた意味が見えてきます。
比喩や題名を説明する言葉にも、同じ確かさが必要です。別の物語へそのまま移せる答えなら、まだ本文の具体的な場面を加えられます。物語の主題は、きれいな標語ではなく、人物の選択を根拠にした一文に宿ります。
本気になった日が、入塾の日。
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