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英単語の接頭語の覚え方—似た出だしの語を意味だけで決めつけない確かめ方|武蔵野個別指導塾

否定の接頭語と決めつけて訳した語を、区切り・辞書・保留の三つに分けて確かめる手順を、高1の答案に残った赤線から組み立てます。
接頭語は、語の頭について意味を足す部分です。否定の un- や in- を習うと、知らない語でも「〜でない」と読めるようになります。ただし、それは仮説であって、答えではありません。頭の数文字が否定に見えても、語全体の意味が否定になるとは限らないからです。赤線が付いた語を見つけたら、訳を書き直す前に、その語が三つのどれに入るかで分けてください。
語全体を「〜でない」と訳した箇所 | 辞書の見出し語の語義 | 語義を文に当てはめ直す |
語の意味は合うのに文に合わない箇所 | 文の中での品詞と位置 | 語義を選び直す |
語の頭に区切りを書いていない箇所 | 頭を切った残りが語になるか | 区切りを鉛筆で書く |
よくあるのは、否定の意味があると思って訳した語に赤線を引かれた高1の答案です。返ってきた和訳の答案には、文に合わない「〜しない」という訳が並び、その語の上に赤線が引かれています。本人は「in- が付いているから否定だと思った」と説明します。ここで語彙が足りないと決めつけると、直す場所を外します。見るのは、頭の部分を切り離せると判断した根拠と、辞書を引いた形跡の二つです。
赤線の語を、区切れる・区切れない・意味がずれるの三つに分ける
赤線が付いた語を前にして、最初にやるのは訳の書き直しではありません。その語が、頭を切り離して読める語なのか、切り離せない語なのかを決めることです。ここを飛ばすと、間違った区切りが記憶に残り、次に同じ語が出たときにも同じ訳を書きます。区切りの誤りは、意味の誤りより消しにくいからです。
一つ目の型は、頭を切って残りが語になり、辞書の語義も否定になる語です。unhappy は happy の反対で、incorrect は correct の反対、dislike は like に打ち消しの意味が付いた語です。この型は、頭の部分を「〜でない」と読んでかまいません。ただし、かまわないと決めるのは辞書の語義を見たあとです。頭を切った残りが語になることと、語全体の意味が否定になることは、別の話だからです。
二つ目の型は、頭を切れて残りも語になるのに、語全体の意味が否定にならない語です。invaluable は valuable の頭に in- が付いていますが、辞書の語義は「非常に貴重な」です。ここで in- を否定と読むと「価値がない」になります。同じように、infamous は「悪名高い」、indifferent は「無関心な」、inflammable は「燃えやすい」と載っています。どれも、頭を切った残りだけを見て意味を組み立てると外します。
三つ目の型は、そもそも頭を切り離せない語です。include は「含む」、important は「重要な」、invite は「招く」、interest は「興味」、insist は「主張する」という語義です。頭の in- や im- を切り離して残りを読もうとしても、残った文字が語になりません。この型では、区切りの線を引かないことが正解です。線を引かなければ、余計な意味を足しようがありません。
この三つは、頭を隠して残りを声に出すところから分かれます。指で頭の2、3文字を隠し、残った部分を読んでください。読んだ部分が知っている語なら一つ目か二つ目、語にならないなら三つ目です。そのあと辞書を開き、見出し語の語義が否定になるかどうかで一つ目と二つ目を分けます。図1は、この分かれ方を順にたどれる形にしたものです。

図1のように、判断は二回で終わります。一回目は残りが語かどうか、二回目は辞書の語義が否定かどうかです。二回目を飛ばして一回目だけで訳を書くと、invaluable のような語で外します。逆に、辞書を引くたびに頭の区切りを考えなければならないと身構えると、語を読む速さが落ちます。区切りを考えるのは、赤線が付いた語と、意味が取れなかった語だけで足ります。
辞書を引く前に書くこと、引いた後に書くこと
赤線の語を直す順番は、五つに分かれます。順番そのものに意味があり、先に進んだり戻ったりすると、同じ語で同じ間違いを繰り返します。
最初に、赤線の語を文ごと書き出します。語だけを抜き出すと、辞書の語義を選ぶ材料が消えるからです。ノートの左に文を一行、右に空欄を残します。空欄は、あとで辞書の語義を書く場所です。文を写すときに、自分が書いた訳もそのまま横に置いてください。どこで意味を取り違えたかは、訳の言葉に残っています。
次に、語の下に区切りを鉛筆で書きます。in|valuable のように、縦の線を一本入れるだけです。鉛筆にするのは、あとで消せるようにするためです。ペンで書くと、間違った区切りが答案の上に残り、見返すたびに同じ区切りを読むことになります。線を引く位置は、頭の2文字か3文字を切ったところで足ります。それより深く切ると、残りが語にならず、切り分けの意味がなくなります。
三つ目に、辞書で見出し語を引きます。このとき、答案に書かれた形のまま引いてください。語尾が変わっている語は、見出しの形に戻してから引きます。否定の仲間の頭は、後ろに来る音によってつづりが変わるものがあり、答案の形のまま引いたほうが早く届きます。見出し語が見つからないときは、つづりの途中を一文字ずつ確かめます。
引いたあとは、語義を三つまで読みます。最初の語義が文に合わないことは珍しくありません。品詞が二つ載っている語なら、文の中でその語がどの位置にあるかで選びます。主語や目的語の位置にあれば名詞、動詞の後ろにあれば目的語か補語、名詞の前なら形容詞です。位置を見ても決まらないときは、その文の動詞を先に確定させてください。動詞が決まれば、残りの枠が絞れます。
四つ目に、選んだ語義を文に当てはめて、声に出して読みます。ここで詰まったら、語義の選択に戻ります。意味が通らないときは、語の意味ではなく、文の切れ目や係り先を疑う番です。和訳の答案で赤線が付くのは、語の意味がずれている場合と、語は合っているのに係り先を外している場合の二通りあります。この二つを混ぜたまま直すと、直す場所が定まりません。
五つ目に、語を三つの欄に分けて書きます。一つ目は「否定で読める」、二つ目は「別の意味」、三つ目は「保留」です。欄は三つで足ります。書くのは、語、区切りの仮説、辞書の語義、そして分けた理由の一言です。理由を書かないと、次に見たときに、なぜその欄に入れたかを思い出せません。理由の欄には、辞書の語義から言えることだけを書きます。

図2のように、作業は五つの箱にまとまります。語を抜く、区切りを書く、辞書で語義を読む、文に当てはめる、欄に分ける、の順です。この順番を変えると、辞書を引いたあとに区切りを思いついて、語義と区切りが食い違ったまま記録に残ります。
止まったときの戻り先も決めておきます。辞書に載っていないときは、つづりを疑ってください。複数形や過去形のまま引いていると、見出しに届きません。語義が多すぎて選べないときは、文の中の位置に戻ります。文に当てはめても通らないときは、語ではなく、文の主語と動詞の対応に戻ります。区切りの線が合わないと感じたときは、残りが語になっているかを声に出して確かめ、語にならなければ線を消して三つ目の型に移ります。
記録を作るときに、やってはいけないことが一つあります。辞書に書かれていない語源を自分で足さないことです。「この頭は元々〜という意味だから」と書き足すと、その説明が間違っていたときに、語の意味まで一緒に崩れます。辞書の語義だけを写し、区切りについて言えるのは「残りが語になる」「語義が否定になる」の二つまでにしてください。この二つで説明できない語は、説明を作らずに保留の欄へ入れるのが正しい扱いです。
区切れない語と、意味がずれる語の扱い
三つの型のうち、二つ目と三つ目は、一つ目と同じ練習では身につきません。否定で読める語を十語並べても、invaluable や interest は同じ欄に入らないからです。ここでは、型ごとに記録の形を変えます。
三つ目の型、つまり頭を切り離せない語は、語全体の語義をそのまま覚えます。include なら「含む」、interest なら「興味」です。このとき、頭の部分について何も書かないでください。「in- は否定ではない」と書き添えると、語の数だけ注意書きが増えて、かえって読みにくくなります。代わりに、その語を使った短い文を一行だけ自分で作ります。文があれば、次にその語を見たときに、頭ではなく文の形から意味を思い出せます。
二つ目の型は、対になる語と組にして書きます。invaluable は valuable と並べ、infamous は famous と並べます。並べると、頭を切ったときの意味と、辞書の語義のずれが一目で見えます。値の話であれば、valueless という別の形も一緒に置いてください。「価値がない」と言いたいときの形がどれかを、組の並びで取り違えずに済みます。組にする相手は、同じ語幹の語一つで足ります。三つも四つも並べると、どれがどれだか分からなくなります。
否定ではない頭を持つ語も、同じ欄に入ります。preview の pre- は「前に」、misunderstand の mis- は「誤って」です。この型では、頭が足す意味を一語で書きます。訳の形で覚えると、別の語に当てはめたときに外します。「誤って」なら、その一語を頭の横に置くだけで、別の語にも同じ読み方を当てられます。
できたと判断する条件は四つです。区切りの線を消した白紙の状態で、その語の辞書の語義を言えること。頭の部分を否定として読まない理由を、辞書の語義で説明できること。初めて見る語でも、辞書を引く前に「否定だ」と決めつけず、区切りの仮説を書けること。一週間後に同じ文を訳し直して、同じ語で止まらないことです。

図3のように、型が違えば記録の形も変わります。残りが語にならない語は語全体で覚え、語義が否定にならない語は対になる語と組みます。どちらの型も、一週間後に同じ文で確かめる点は同じです。この確かめを飛ばすと、記録は作っただけで終わります。確認の日は、記録を作った日から一週間後と決めて、ノートの端に書いておいてください。
確かめの問題
次の三問を、辞書を閉じた状態で解いてください。答えはこの節の後半にまとめてあります。
問1。次の二つの語について、頭の in- を否定として読んでよいかどうかを、それぞれ「読む」「読まない」で答えてください。読むと答えた語には、その理由を一言添えてください。
- indoor
- incomplete
問2。次の三つの語を、A(頭を切れて語義も否定)、B(頭を切れるが語義は否定でない)、C(頭を切り離せない)に分けてください。
- unable
- display
- index
問3。手元の記録に12語が並んでいます。否定で読めた語が7語、保留にした語が2語でした。残りのうち「別の意味」の欄に入った語は何語ですか。
答えと理由です。問1の1は「読まない」です。indoor の辞書の語義は「屋内の」で、否定の意味になりません。頭を切った残りは語ですが、語義が否定でないので二つ目の型です。問1の2は「読む」です。complete に否定の in- が付き、「不完全な」という語義になります。一つ目の型です。
問2の1は A です。able に否定の un- が付き、「できない」となります。問2の2は B です。play という語はありますが、display の語義は「展示する」で、「遊ばない」ではありません。問2の3は C です。index は「索引」という一語で、頭を切り離せません。
問3は3語です。12語から7語と2語を引くと、3語が残ります。記録の欄の合計が語数と合っているかを、指で数えて確かめてください。
間違えたときの戻り先です。問1の1を「読む」と答えたなら、「赤線の語を、区切れる・区切れない・意味がずれるの三つに分ける」の節に戻り、頭を隠して残りを声に出してください。問2の2を A と答えたなら、辞書の語義を文に当てはめる段に戻ります。問3を外したなら、記録の行数を数え直し、欄の合計が語数と合うかを確かめてください。
もう一度やる条件は、三問とも区切りの印を消した状態で説明できることです。一問でも説明が詰まったら、その語だけを翌日にもう一度解きます。三問全体を最初からやり直す必要はありません。
個別指導で見てもらうとき
答案と一緒に、四つを持って行ってください。赤線の付いた答案、区切りを書いた語の一覧、辞書の語義を写したメモ、保留の欄に残した語です。
聞くことは二つで足ります。この区切りは残りが語になっているか。辞書の語義を文に当てはめると、どこが合わないか。訳の正誤だけを聞くと、次に同じ語が出たときに同じ判断をします。見てもらうのは、区切りを書いた根拠と、保留にした理由です。
次の赤線を減らすために
赤線は、語彙が足りない印ではなく、仮説を確かめずに訳した印です。次に赤線が付いたら、その語の頭に鉛筆で線を一本引き、残りを声に出し、辞書の語義と突き合わせるところから始めれば、同じ語で二度目に止まることはありません。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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