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中学生の数学の家庭学習—授業のあった日の夜に、どの問題を何問解くか|武蔵野個別指導塾

例題を隠して1問、教科書の練習問題から型の違う3問、自分で作った計算を5問。中2が「家でやることがない」と言った夜の30分の並べ方と、止まる時間の区切り方、週末に戻る単元の選び方まで手順で答えます。
授業のあった日の夜は、その日の例題を解き方を隠して1問、教科書の練習問題から型の違う3問、前の晩に自分で作った計算の小テストを5問。合わせて9問を、30分の枠で解くところから始めます。「授業でわかった」は先生の説明を追えたという意味で、白い紙に一人で解き直せるという意味ではありません。家の数学は、その二つのあいだを埋める時間です。今夜の最初の一手は、今日の例題を一つ選び、解き方の部分とノートを閉じて、一行目から書いてみることです。
よくあるのは、中2の夕食のあとに「数学は授業でわかったから、家ではやることがない」と言われる場面です。宿題は出ていません。ワークの提出も来週です。鞄から出てきたノートには、黒板を写した連立方程式の例題が、色ペンの囲みつきできれいに並んでいます。ごまかしている顔ではありません。本人は本当に、やる物が見つからないのです。親は「わかったなら、いいか」と言いかけて、前の学期の答案に並んだ赤い数字を思い出し、その言葉を飲み込みます。
「授業でわかった」と「一人で解ける」のあいだ
中2の「わかった」に、うそはありません。ただ、その言葉が指しているのは、家で一人で解ける状態とは別の物であることがよくあります。子供の側で起きていることを、四つに分けて見ていきます。
一つ目は、説明を追えたことを「わかった」と呼んでいることです。授業では、先生が一行目を書きます。どちらの文字を消すか、どちらの式を何倍するか、どの三角形に目をつけるか。その決断を先生が済ませたあとの式の変形を、生徒は一行ずつ追いかけます。追いつけると、わかった気がします。けれども白い紙の前では、最初の決断を自分でしなければなりません。家で手が止まるのは、たいてい二行目ではなく一行目です。
二つ目は、家の数学が「宿題」の形でしか見えていないことです。宿題が出た日は、やる物がはっきりしています。出ていない日は、教科書を開いても、どの頁の何をすればいいのかが決まっていません。「やることがない」は、怠けの言いわけというより、やる物に形が無いという正直な報告です。だから親が渡す物は、説教ではなく、毎晩くり返せる枠の形になります。
三つ目は、中2の単元が、一行目の選び方で道が分かれる作りになっていることです。連立方程式なら、足し引きで一つの文字を消すか、代入して消すか。一次関数なら、傾きから式を置くか、二つの点の座標を入れるか。図形の証明なら、どの二つの三角形を比べ、仮定のどれを使うか。中1の計算は、手順を覚えれば前へ進めました。中2では、手順に入る前に「どの道で行くか」を選ぶ場面が増えます。授業でその選び方を見ていても、自分で選んだ回数はまだ少ないのです。
四つ目は、ノートに自分の間違いが残っていないことです。授業のノートに並ぶのは、正しい板書の写しです。消した跡も、止まった行もありません。週末に「どこへ戻ればいいか」を探そうとしても、手がかりが無いのです。家で解く時間は、自分がどこで止まるかの記録を作る時間でもあります。
図1のように、「わかった」には段があります。授業の中で届くのは、たいてい一段目の「説明を追えた」と、二段目の「見ながら解ける」までです。三段目の「隠して解ける」と、四段目の「次の日も解ける」は、家でしか確かめられません。授業のあった日の夜に解く9問は、どれもこの三段目と四段目に上がるための問題として選びます。

授業のあった日の夜、30分の手順
用意する物は、教科書、家庭学習用のノート、名刺くらいの大きさのカードを数枚、タイマーの四つです。学校の宿題やワークが出ている日は、それを先に済ませ、下の手順からは2の例題と4の計算だけを足します。宿題の無い日は、1から9までを順に回します。図2が、その30分の並べ方です。5分、10分、5分、5分、5分の五つの箱に分けておくと、どこまで進んだかが時計を見るだけでわかります。

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始める前に、教科書を今日の授業の頁で開き、授業のノートは閉じて鞄にしまいます。ノートを開いたままにすると、目が先に答えの行を拾ってしまうからです。家庭学習用のノートの新しい頁には、上の端に日付と教科書の頁を書きます。この一行が、週末にその週を振り返るときの目印になります。
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今日の例題を、解き方を隠して1問解きます(5分)。先生が黒板で解いた例題を一つ選び、二つあったら後のほうにします。教科書の解き方の部分を、しおりか折った紙で隠し、問題文だけを見て一行目から書きます。解けたら紙を外し、自分の式と教科書の式を一行ずつ照らします。答えが同じでも、途中の行が一つ飛んでいたら、その行を書き足しておきます。ここが図1の三段目の確かめです。
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教科書の練習問題から、型の違う3問を選んで解きます(10分)。頭から全部は解きません。選ぶ基準は三つで、例題とまったく同じ型の1問、数字の種類が変わった1問(分数・小数・負の数が入る)、形が変わった1問(かっこがある・式の並びが違う・聞き方が違う)です。連立方程式を習った日なら、選ぶ3問はたとえば次のような形になります。
- 同じ型: x + y = 5 と x − y = 1(二つの式を足すと y が消える。答えは x = 3, y = 2)
- 数字の種類が変わる: 0.2x + 0.3y = 1.3 と x + y = 5(最初の式の両辺を10倍してから消す。答えは x = 2, y = 3)
- 形が変わる: y = x + 1 と 2x + y = 10(片方が「y =」の形なので、代入して x だけの式にする。答えは x = 3, y = 4)
同じ型ばかり続けると、2問目からは手が前の問題の動きをなぞるだけになり、一行目を選ぶ練習になりません。型が違えば、3問とも一行目を自分で選ぶことになります。
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前の晩に作った計算のカード5問を解きます(5分)。カードは表に問題、裏に答えです。タイマーを5分に合わせ、裏を見ずに解きます。カードは手順8で作ります。初めての夜はカードがまだ無いので、この手順は飛ばします。
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1問で止まったら、5分で区切ります。5分考えても一行目が書けなければ、隠していないほうの教科書の例題を見ます。そこから3分。それでも進まなければ、答えや解説が手元にある問題はそれを読み、止まった行に印をつけて次の問題へ移ります。答えも解説も無い問題は、問題番号を書き写し、次の授業の前後に先生に聞く物にします。区切りを先に決めておくのは、1問で30分を使い切らないためです。粘る長さをその夜の気分で決めないことが、毎晩続く形の条件になります。
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途中式は、消さずに残します。決まりは三つだけです。変形は一行に一つにして、等号の位置を縦にそろえて下へ書く。何をしたかを式の右に小さく書く(「両辺を10倍」「上の式を下の式に代入」)。間違えた行は消しゴムで消さず、一本の線を引いて隣に書き直す。週末に戻る場所を探すときの手がかりは、この線です。答えだけを書いたノートは、合っていても間違っていても、どこで迷ったかを教えてくれません。
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丸つけと印は、本人がします(5分)。印は三つで、何も見ずに解けた問題に「○」、例題を見て解けた問題に「△」、解説を読んで解けた問題と、読んでもわからなかった問題に「×」をつけます。△と×の横には、止まった所を一行で書きます。「どちらの文字を消すか決められなかった」「10倍したとき右辺をかけ忘れた」くらいの短さで十分です。
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明日のカードを5問作ります(5分)。材料は今日の例題で、数字を変えて作ります。式の計算の日に、例題が 3a − 2(a − 4b) だったなら、かっこの前の数や中の符号を変えて 5a − 3(a − 2b)、4x + 2(x − 3y) のように並べます。答えは、文字に数を入れて確かめます。3a − 2(a − 4b) を整理すると a + 8b で、a = 1, b = 1 を入れると9です。もとの式に入れても 3 − 2 × (1 − 4) = 9 になり、同じ値が出ます。値の組を二つ入れて二つとも合えば、裏に書いてよい答えです。方程式のカードは、答えを先に決めてから式を組みます。x = 2, y = -1 と決めておけば、3x + 2y = 4 と x − y = 3 のように作れます。こうすると、作った本人が答えを知っていて、割り切れない数で詰まる問題にもなりません。作った夜には解かず、次の夜に解きます。一日置くことが、図1の四段目の「次の日も解ける」の確かめになります。
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親が見るのは三つだけです。頁の上の日付と教科書の頁、○△×の数、止まった所の一行。答えが合っているかを親が確かめる必要はありません。見るのは、今夜も枠が回ったかと、止まった場所が言葉で残っているかです。
週末に戻る単元の選び方
土曜か日曜に、30〜40分の枠を一つだけ取ります。図3の順に進めます。まず、その週の家庭学習のノートを開いて、×の数を数えます。次に、×のついた問題を、何も見ずにもう一度解きます。ここで解ければ、その印の横に日付を書き足して終わりです。解けない×が同じ単元に2つ以上あったら、その単元の教科書の最初の例題まで戻り、例題を順に隠して解いていきます。
最初の例題でも止まるなら、その単元が土台にしている前の単元を一つだけ探します。連立方程式で、代入したあとの式を整理するところで止まるなら、中1の一次方程式の移項とかっこの外し方です。一次関数で、式を求める途中で止まるなら、中1の比例の式と座標の読み方です。中学校の学習指導要領も、連立方程式を解く方法を、中1で学ぶ一次方程式と関連付けて考えるように書いています。前の学年の教科書が家に無ければ、学校で同じ頁を見せてもらえるかを聞きます。
戻る単元は、1回の週末に一つまでです。候補が二つあるときは、×の多い方を先にして、もう一つは翌週に回します。「どこが苦手」と子供に聞くと、いちばん最近の単元か、いちばん嫌いな単元の名前が返ってきがちです。ノートの印は、その週に実際に止まった場所を、数で見せてくれます。

言葉と場面の例
親がつい口にする言葉と、言い換えの例です。言い換えの言葉は、そのまま口に出せる長さにしてあります。
「わかったなら、それでいいけど」と言いかけたら、「じゃあ、今日の例題を一つ、ノートを閉じて解いてみせて。5分で書けたら、今夜は計算のカードだけで終わり」に変えます。わかったかどうかを言葉で言い合っても、どちらも引きません。紙の上で確かめれば、早く終わる道も見えます。終わりの条件を先に言うと、お子さまは手をつけやすくなります。
「何問やったの」は、「どの問題で止まった」に変えます。問題の数は、易しい問題を並べれば増えます。止まった場所は、週末に戻る単元を決める材料になります。聞く言葉が変わると、子供がノートに残す物も変わっていきます。
「わからないなら、わかるまで考えなさい」は、「5分たったら、例題を見ていいからね」に変えます。粘る時間の終わりが見えないと、一問で夜が終わり、次の夜に机へ向かう足が重くなります。区切りの時間を先に渡しておくほうが、その5分を本気で考えます。
「途中の式も、ちゃんと書きなさい」は、「間違えた行は、線で消して残しておいて」に変えます。「ちゃんと」では、何をどこまで書けばいいかが伝わりません。間違えた行を残す理由がわかると、途中式は言われて書く物から、自分のために残す物に変わります。
「週末くらい、数学を少しはやったら」は、「今週の×、何個あった。一番多い単元を一つだけ戻ろうか」に変えます。「少し」は、量も中身も決めていません。×の数から話を始めると、やる物と終わりが同時に決まります。
やりがちな三つのずれ
一つ目は、宿題が出ていない日は家で数学をしなくてよい、と親子で決めてしまうことです。こうすると家の数学が学校の宿題の有無で決まり、宿題の無い授業の日ほど、習ったその日に一人で解き直す機会が消えます。直し方は、型を二つ用意しておくことです。宿題の無い日は「例題1問・練習問題3問・計算5問」、宿題のある日は「宿題・例題1問・計算5問」。どちらの日も、例題の解き直しだけは外しません。
二つ目は、教科書の練習問題を頭から全部解かせることです。同じ型が続くと、後半は前の問題の手の動きをなぞるだけになり、時間のわりに一行目を選ぶ練習が増えません。夜が40分、50分と延びて、三日目には机に向かわなくなる形も起きやすくなります。直し方は、型の違う3問を選ぶことです。練習問題を全部解くのは、×が出て週末に戻った単元だけにします。
三つ目は、親が丸つけをして、×の数で声をかけることです。×が叱られる印になると、子供は△で済ませたり、答えを見てから書いたりするようになります。印が正直でなくなると、週末に戻る場所を選べません。直し方は、丸つけを本人に戻し、親は×の数を「戻る場所の数」として一緒に数えるだけにすることです。×の多い週は、週末の枠の中身がはっきり決まる週だと受け取ります。
よくある質問
部活で帰りが遅い日も、9問解くべきですか
いいえ。帰りが遅い日は、今日の例題を隠して1問と、計算のカード5問だけにします。10分ほどで終わる形です。練習問題の3問は、数学の授業が無い日の夜か、週末の枠に回します。外さないのは、授業のあった日にその日の例題を一度自分の手で書くことです。量を減らしても例題の1問が残っていれば、図1の三段目の確かめは続きます。
教科書の練習問題に答えが無いとき、丸つけはどうしますか
方程式は、出した答えをもとの式に入れて、成り立つかを見ます。一次関数で直線の式を求めた問題なら、問題に出てきた点の座標を、求めた式に入れます。たとえば2点 (1, 3) と (3, 7) を通る直線を y = 2x + 1 と出したなら、x = 1 を入れて3、x = 3 を入れて7になるかを見ます。二つの点の両方で成り立てば、その式は合っています。証明は自分では確かめにくいので、印をつけて問題番号を控え、先生に見てもらう物にします。学校で解答が配られているかどうかは、先生に聞いてください。
例題も練習問題もすぐに解けてしまうときは、何をしますか
その夜は短く終えてかまいません。15分で9問が終わるなら、授業の中身が図1の三段目まで届いているということです。余った時間に足すなら、その週の×を1問解き直すか、教科書の章の終わりにあるまとめの問題から1問だけ選びます。時間が余ったからといって、夜の枠を長くしないでください。短く終わる夜があるから、次の夜も机に向かえます。
学校と相談先で確かめること
数学の先生に、そのまま聞ける質問を並べます。
- 授業のあった日に家で解くなら、教科書のどの問題がよいか。先生がすすめる範囲はあるか。
- 教科書の練習問題の答えや解説は配られているか。学校の端末で見られる物はあるか。
- わからなかった問題は、いつ、どこで質問できるか(休み時間・放課後・ノートを出すとき)。
- 前の学年の単元に戻りたいとき、その頁を見せてもらえるか、プリントをもらえるか。
- 家庭学習のノートを出す決まりはあるか。出したノートや提出物が評価でどう扱われるかは、学校の評価の計画で確かめる。
数学のつまずきが重なって、学校へ行くのがつらそうな様子や、朝起きられない日が続く様子が見えたら、勉強の手順より先に、担任やスクールカウンセラーに相談してください。武蔵野市に住んでいる家庭なら市の教育支援センター、住まいか学校が都内にあるなら東京都教育相談センターでも相談できます。ほかの市に住んでいる場合は、その市の教育委員会の教育相談が入口です。
個別指導で確かめること
1対1の授業で最初に見るのは、お子さまがその日の例題を白い紙で解くときの一行目です。どの文字を消すか、どちらの式に代入するかを、口で言いながら書いてもらいます。止まった行がわかれば、戻る先が決まります。証明の一行目が書けないなら、仮定と結論を図に書き込めるか、三角形の合同条件を言えるかから確かめます。確率で数えもれが出るなら、樹形図や表を一から自分で書けるかを見ます。
家庭学習のノートの○△×も一緒に見ます。×の横に書かれた一行は、授業の中で何から確かめるかの順番そのものです。家で回した30分の記録があれば、1対1の時間を、止まった場所の前後に集めて使えます。
まとめ
「わかった」と言った中2の夜に足りないのは、解く問題の数ではなく、一行目を自分で選んだ回数です。隠した例題1問、型の違う3問、昨日の自分が作った5問。この9問を回した夜の数だけ、ノートに残った消さない線が、週末に戻る場所を正確に指すようになります。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
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