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共働きで親が家にいない中学生の家庭学習—帰りが遅い日の夕方を組み立てる|武蔵野個別指導塾

帰りが遅い日、ひとりの夕方に中学生が止まる所は三つ。前の晩に本人が書く時刻表、1問目の写真1枚、帰宅後5分の確認、休日30分のまとめ見を、19時半に帰る家の例で並べています。
親が帰る前の夕方に勉強が始まらないのは、お子さまの気持ちが弱いからではありません。帰宅してから「何を、何時から、どこまで」を一人で決めることが、中学生にはいちばん重い作業だからです。決める作業は親のいる前の晩に済ませ、夕方は紙に書いたとおりに座るだけにします。離れている間の確かめは写真1枚、帰宅後の確認は5分で切り上げ、深く見るのは休日に回してください。今夜の最初の一手は、明日の夕方に始める時刻をお子さま自身の字で書いてもらい、冷蔵庫に貼ることです。
よくあるのは、19時半に玄関を開けると、中1のお子さまが制服のままテレビの前にいる、という場面です。鞄は玄関に置いたまま、テーブルには口の開いたお菓子の袋が一つ。「宿題は」と聞くと、画面から目を離さずに「これからやる」と返ってきます。親はコートも脱がずに台所へ立ち、炊飯器のスイッチを入れながら、学校から帰って3時間近くあったはずの夕方がどこへ消えたのかを考えてしまいます。叱る言葉は喉まで来ています。けれど、その3時間をどう過ごすかを、まだ家の誰も決めていなかったのです。
親が帰るまでの夕方に、子供の側で起きていること
親のいない夕方の家は、子供にとって自由な時間であると同時に、合図の無い時間です。小学校のころは、学童クラブや習い事の迎え、家にいる大人の「そろそろやろうか」が、始める合図になっていた家もあるでしょう。中学に上がると、その合図が急に消えます。図1のように、ひとりの夕方には止まりやすい所が三つあり、それぞれに直し方があります。

空腹と疲れが、机より先に来る
中学では授業の時間も、学校にいる時間も小学校より長くなります。部活のある日は、さらに体を使って帰ってきます。家に着いた子供の体は、まず何かを食べたい、横になりたい、と言っています。この状態ですぐ机に向かわせても、鉛筆を持つ手より先にお腹が鳴ります。テレビの前でお菓子をつまんでいる姿は、怠けているというより、体が先に求めたものに従っている姿です。直し方は、勉強の前に「食べる」を予定として入れてしまうことです。食べる時間が決まっていれば、食べ終わったことが次へ進む区切りになります。
何から始めるかを、ひとりで選べない
数学のワーク、英語の単語、理科のプリント。宿題が三つあれば、どれから手をつけるかを選ばなければなりません。大人なら一瞬で済む判断ですが、疲れて帰ってきた中学生にとっては、ここがいちばん高い段差になります。テレビは選ばなくても、リモコンを押すだけで始まります。勉強は選ばないと始まりません。だから先にテレビが始まります。直し方は、選ぶ作業を前の晩、親が家にいる時間に済ませておくことです。
いつ終わるのかが、どこにも書いていない
親が帰る時刻だけが決まっていて、勉強の終わりの線はどこにも引かれていない。宿題が終わったら次は何をすればいいのか、親が帰るまで机にいなければならないのか。終わりの見えない作業は、大人でも始めにくいものです。終わりがわからないから、始める前にもう少しだけ休もうとする。その「もう少し」が19時半まで続きます。直し方は、何が終わったら今日は終わりかを、始める前に決めておくことです。
もう一つ、見落とされやすいことがあります。誰もいない家は、中学生にとって思っているより静かです。テレビの音が、その静けさを埋めていることがあります。テレビをつけていたことだけを取り出して責めると、ひとりの夕方の心細さには手が届きません。三つの止まる所のどれも、お子さまの性格ではなく、夕方の時間に決まりが無いことから来ています。
家でできる手順
ここからは、図2の例に沿って夕方を組み立てます。例は、部活の無い日に16時半に帰宅し、親が19時半に帰る家です。部活のある日や、親の帰りがもっと遅い日は、時刻をずらして同じ順番で組んでください。

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前の晩に、時刻表を一枚だけ作る。日曜の夜か、親が早く帰れた日の夕食の後に、A4の紙を一枚出します。書く欄は三つだけです。始める時刻、最初にやる1問、終わりの合図。親が言うのは「明日の夕方、何時から始める。決めるのはあなた」の一言で、時刻はお子さまの字で書いてもらいます。親が「17時にしなさい」と決めて書いた紙は、親の紙です。守れなかった日に責める材料にはなっても、守る理由にはなりません。書いた紙は冷蔵庫か、玄関から居間へ入る扉の内側など、帰ってきて最初に目に入る所に貼ります。
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帰ってから始めるまでの順番を決める。図2の左端の30分が「食べる」時間です。鞄を置く場所、手を洗う、制服を着替える、軽く食べる、の順を時刻表の上の余白に書き足します。食べる物は、親が前の晩か朝に用意しておきます。おにぎり1つ、果物、パンを半分など、夕食までのつなぎになる量にし、冷蔵庫の決まった段に置きます。制服を脱ぐことは、学校の時間から家の時間へ切り替える合図にもなります。テレビは、始める時刻まではつけてよい、始める時刻になったら自分で消す、と本人と決めておきます。禁止するのではなく、消す時刻を紙の上で決めておくのがここでの約束です。
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最初の1問を、前の晩に机の上に出しておく。時刻表の「最初にやる1問」には、教科とページと問題の番号まで書きます。「数学のワーク24ページの3番」「英語の単語を5つ」のように、5分で終わるものを選びます。前の晩のうちに、そのワークを開いて付箋を貼り、鉛筆と消しゴムと一緒に机の上に置いておきます。夕方のお子さまに残す仕事は、座って付箋のページを解くことだけです。何から始めるかを選ぶ段差を、前の晩に親子で削っておきます。最初の1問が終わって鉛筆が動いていれば、二つ目の宿題へは座ったまま移れます。
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最初の1問が終わったら、写真を1枚送ってもらう。離れている親が確かめるのは、この1枚だけです。始めたときではなく、最初の1問が終わったときに、解いたワークの写真を家族の連絡に送ってもらいます。図2では17時に始めて、5分ほどで1枚が届く形です。親の返事は「見た」の一言か、決めた印一つで足ります。仕事の合間に開いた写真で字の汚さや間違いを指摘すると、親が職場から採点する人になり、写真は翌日から届かなくなります。スマートフォンを持たせていない家は、時刻表の端に「始めた時刻」と「1問目が終わった時刻」を書く欄を作り、帰宅後にそこを見ます。電話で確かめる形は勧めません。会議中は出られず、出られても「今やってる」の一言で終わるからです。
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終わりの合図を、紙に書いたとおりに守る。時刻表の三つ目の欄には「宿題とワーク1ページが終わったら終わり」のように、時刻ではなく中身で終わりを書きます。図2の例では、17時に始めて18時半ごろに終わり、そこから親が帰るまでは好きに過ごしてよい時間です。早く終われば、その分だけ好きな時間が長くなります。終わったら、ワークを閉じずに開いたまま机に置いておく、と決めておくと、帰宅後の確認が速くなります。早く終わらせようとして字や途中の式が雑になる日が続いたら、終わりの中身のほうを本人と見直します。
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帰宅後の確認は、5分で切り上げる。親が帰ったら、夕食の支度に入る前の5分で確認します。台所のタイマーを5分に合わせて置くと、親のほうが延ばさずに済みます。見るのは三つです。時刻表に書いた時刻、開いたままのワークがどこまで進んだか、明日の提出物が鞄に入っているか。丸つけはお子さまの仕事にして、親は丸の付いたページをめくるだけにします。かける言葉は「どこまで行ったか、指で教えて」で足ります。間違いの多さに気づいても、平日の夜にはその場で直させず、付箋を一枚貼って「土曜に一緒に見よう」とだけ言います。5分で切るのは、確認が説教に変わり、夕食と寝る時刻が後ろへずれていくのを防ぐためです。
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休日に30分、一週間分をまとめて見る。土曜か日曜の午前に30分をとり、一週間分のノートとワークを並べます。平日に貼った付箋のページから開き、間違えた問題に直しの跡があるかを見ます。次に、学校から配られた予定や連絡を一緒に読み、来週の提出物と小テストの日を時刻表の端に書き込みます。最後に、来週の5日分の時刻表を作ります。始める時刻はここでもお子さまが書きます。守れなかった日があれば、直すのは本人ではなく、紙に書いた時刻のほうです。「17時が早かったなら、17時半にする」と聞けば、反省の話が組み立て直しの話に変わります。
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夜勤や出張のある週は、引き継ぎを紙に残す。夜勤や出張で、決まった親が数日いない週は、その前の休日に一週間分の時刻表を先に作っておきます。もう一人の大人(もう片方の親や祖父母など)がいる家は、写真を受け取って返事をする人を一人に決めてください。二人が別々に「やったの」と聞くと、子供は同じ報告を二度することになり、確かめが見張りに変わります。出張先の親は、返事をする時刻を一日一回と決め、届いた写真には夜にまとめて「見た」と返せば十分です。夜勤明けで親が昼に眠っている日は、帰ってきたお子さまに起こさなくてよいと前の晩に伝え、確認を翌朝の朝食の5分に移します。ひとり親で働いている家でも、紙で引き継ぐこの形はそのまま使えます。
言葉と場面の例
夕方の組み立てを崩すのは、親が帰ってきた瞬間や、仕事の合間に打つ一言であることが少なくありません。疲れた親の口から出やすい言葉と、その言い換えを場面ごとに並べます。
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帰宅した直後。「なんでまだ制服なの」と言いがちなところを、「ただいま。着替えたら、5分だけ机を見せて」に変えます。制服のままでいたのは、着替える順番が決まっていなかったからです。理由を問う言葉は、お子さまに言い訳を探させ、帰宅後の5分を言い訳の時間に変えてしまいます。次にしてほしい動作を先に言えば、話はそのまま確認へ進みます。
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夕食の席。「どうせ今日も何もやってないんでしょう」を、「写真、17時過ぎに届いてたね。あの後はどこまで行った」に変えます。やっていない所から話を始めると、子供は黙るか言い返すかのどちらかになります。届いた写真という事実から入れば、お子さまはその続きを自分の口で話せます。
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仕事の合間のメッセージ。「ちゃんとやってる」と送りたくなったら、何も送らずに写真を待ち、届いたら「見た」とだけ返します。「ちゃんと」には答えようがありません。返ってくるのは「やってる」の4文字で、本当にやっているかは結局わかりません。親から送るのは、決めた時刻を過ぎて30分経っても写真が来ないときの「1問目、どうなった」だけにします。
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朝、家を出る前。「帰るまでに全部終わらせておいて」を、「1問目は付箋のページだよね。終わったら写真ね」に変えます。「全部」には終わりの線がありません。付箋のページは、紙の上で終わりが見えています。朝に確かめるのは時刻表に書いた1問目だけにして、残りの宿題はその続きとして片づけてもらいます。
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日曜の夜、時刻表を作るとき。「家にいないんだから、自分でやってくれないと困る」を、「帰りが遅くてごめん。そのぶん、夕方の決め方はあなたの案で行こう」に変えます。親が家にいないのは、お子さまのせいではありません。親の事情を子供の責任として渡すと、ひとりの夕方が重い荷物になります。事情は親が引き取り、決め方だけを本人に渡すと、紙に書く時刻がお子さまのものになります。
やりがちな三つのずれ
親が帰るまで、勉強を待たせてしまう
一緒にやれば進むと思い、夕方は自由にさせて、親が帰ってから机に座らせる家があります。ずれるのは、勉強の始まりが親の帰宅時刻に引っぱられることです。帰りが遅い日ほど始まりが遅くなり、夕食も風呂も寝る時刻も後ろへ押されます。疲れた親が隣で教えれば、声も大きくなりがちです。直し方は、夕方の宿題は本人の時間にして、親が帰ってからの時間は5分の確認と明日の提出物の準備だけにすることです。
帰宅後の5分で、一日分を全部見ようとする
確認のつもりが、丸つけ、やり直し、字の注意と続き、気づけば40分たっている。平日の夜にこれが続くと、お子さまは親の帰宅を待つ時間を嫌うようになります。直し方は、見る深さを曜日で分けることです。図3のように、月曜から金曜は写真と5分の確認、土曜にまとめて30分。棒の高さの差が、そのまま見る量の差です。図3では土曜に置いていますが、日曜の午前でもかまいません。平日に気づいた間違いは付箋で残し、休日の30分で開きます。

回り始めた時刻表を、早めに外してしまう
二、三週間うまく回ると、親は安心して、確認の5分をやめ、紙も冷蔵庫から外したくなります。ところが中学の夕方は、部活の大会、テスト週間、日が短くなる季節と、月ごとに形が変わります。紙が無くなった家では、形が変わった最初の週に、制服のままテレビの前にいる夕方へ戻ります。直し方は、外すのではなく軽くすることです。回っている週は休日の30分を15分に縮め、帰宅後の確認も写真を見るだけにします。崩れた週が来たら、その週末に元の30分へ戻せば足ります。
よくある質問
部活で帰りが遅い日は、夕方の組み立てをどうすればいいですか
部活のある日は帰宅が夕方の遅い時刻になり、図2のような長い夕方がありません。その日は時刻表を別の行にして、「帰ったら軽く食べる、食べたら最初の1問」と順番だけを決めます。部活のある曜日に宿題を全部やり切ろうとせず、部活の無い曜日に1日分を前に寄せる組み方もできます。曜日ごとに行を分けておけば、親が家にいなくても、お子さまは今日がどちらの日かを紙で確かめられます。
フルタイムで平日はほとんど見られません。それで勉強は回りますか
回るかどうかは、親が見る時間の長さより、見る所を決めてあるかどうかで変わります。平日に見るのは写真1枚と5分の確認、と決めてあれば、帰宅後に疲れていても続けられます。逆に、見る所を決めないまま「時間ができたらしっかり見る」と考えると、平日はほとんど見ない、休日に一度に叱る、の繰り返しになりがちです。提出物が続けて出ていない、ワークが白いままの日が続く、といった様子が休日のまとめで見えたら、その週のうちに担任に聞いてください。
写真を送ってこない日が続きます
まず、送らない理由を一つずつ分けて見ます。忘れているのか、撮る物が手元に無いのか、最初の1問を始めていないのか、解いたものを見られたくないのか。忘れているなら、時刻表の1問目の欄の横に「写真」と書き足します。始めていないなら、1問目が重すぎるので、問題を半分に減らします。見られたくない様子なら、解いたページではなく、終わった時刻を書き込んだ時刻表の写真でよいことにします。どの場合も、帰宅後の5分では「今日は来なかったね」と事実だけを言い、責めずに翌日の1問目を一緒に選び直してください。
学校と相談先で確かめること
共働きの家は、日中に学校からの連絡を受け取りにくいことがあります。面談や連絡帳で、次のことをそのまま聞いてみてください。
- 宿題や提出物の予定は、家からどこで確かめられますか。配られる紙か、学校からの連絡か。
- 提出が遅れたとき、学校から家への連絡はどの方法で来ますか。日中は電話に出にくいので、連絡のつきやすい方法を伝えてもよいですか。
- 夕方に家でひとりで勉強する時間が長いのですが、宿題の量や進め方で困っている様子は、学校で見えていますか。
- 面談の時間を、仕事の後の時間帯にしてもらうことはできますか。
勉強のことに限らず、ひとりの夕方が不安だと口にする、朝起きられない日が続く、といった様子があれば、担任のほかにスクールカウンセラーにも相談できます。スクールカウンセラーが学校に来る日があるので、曜日は学校に確かめてください。武蔵野市に住んでいる家は、市の教育支援センター(予約制)にも相談できます。東京都教育相談センターの電話相談は24時間受け付けているので、仕事を終えた夜遅くでも話せます。市外に住むご家庭は、住まいのある市の教育委員会の相談窓口に問い合わせてください。体の具合が心配なときは、医療機関に相談してください。
個別指導で確かめること
1対1の授業では、家の夕方にひとりで解いたワークやノートを最初に開いてもらいます。親のいない時間に解いた問題には、どこまで書いて鉛筆が止まったかがそのまま残っています。途中で止まった式や、半分だけ書いた英文を見て、その日の授業を一つ前の単元まで戻すか、その問題の続きから入るかを決めます。
もう一つ確かめるのは、時刻表の「最初にやる1問」に何を置けば5分で終わるかです。すらすら解ける問題と、少し手が止まる問題の境目を授業の中で見つけ、翌週の1問目の候補として本人に持ち帰ってもらいます。
まとめ
19時半の玄関で、制服のままテレビの前にいるお子さまを見た夜に、叱る言葉を探す必要はありません。足りなかったのは本人のやる気ではなく、ひとりの夕方の始まりと終わりを示す一枚の紙でした。前の晩に本人の字で始める時刻を書き、1問目に付箋を貼り、平日は写真1枚と5分、休日に30分。誰もいない居間で最初に声をかけるのは、冷蔵庫に貼られた本人の字の「17時」です。
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