
武蔵野個別指導塾の特徴
【中学保健】けがの防止と応急手当を図解で総まとめ—手順・心肺蘇生・AED|武蔵野個別指導塾

美術室の転倒を例に、人と環境の仕分け、RICE の表の読み取り、心肺蘇生の並べ替えを例題で解き、119 番をどこで呼ぶのかを流れ図で確かめてください。
よくあるのは、美術室の床のタイルにこぼれた筆洗いの水で友だちが足を滑らせた、という設問を読んで、鉛筆が止まる場面です。「最初にすることは何か」と聞かれた瞬間、冷やすのが先か、安静が先か、そもそも先生を呼ぶのは答えになるのかと、覚えたはずの順番が頭の中でほどけていきます。
プリントに RICE も心肺蘇生も書いてあるのに並べ替えで崩れるのは、順番を文字の列として覚えているからです。順番には、1 つ残らず理由があります。理由までつかめば、けがの原因を人と環境に仕分けること、RICE を場面に当てはめること、心肺蘇生と AED の流れを説明することが、テストの問い方が変わってもできるようになります。
先に、いちばん大事なことを書いておきます。本物の場面で、呼びかけに反応がない、普段どおりの息をしていない、血が止まらない、頭や首を強く打った、というときは、この続きを読むより 119 番と近くの大人が先です。
この単元で押さえること
- 命にかかわるときは 119 番が最優先:手当てを始める前に大きな声で人を呼び、119 番と AED を頼みます。迷ったら呼ぶほうを選びます。
- けがは人と環境の重なりで起きる:不注意や無理な行動などの人の要因と、ぬれた床や暗い階段などの環境の要因がかかわり合います。
- 応急手当は医療へのつなぎ:その場にいる人が、悪化を防ぎ、苦痛を和らげながら、医師や救急隊に引きつぎます。
- 止血の基本は直接圧迫:清潔な布を傷口に当てて手で強く押さえます。血液に直接ふれない工夫もセットで覚えます。
- RICE は 安静・冷却・圧迫・挙上:打撲やねんざの腫れと痛みをおさえるための考え方です。
- 心肺蘇生は 5 段階:反応の確認→119 番と AED の依頼→呼吸の確認→胸骨圧迫→AED の指示に従う、の順です。
心臓が血液を送り、肺が酸素を取り入れるという体の発達の単元の内容が胸骨圧迫の理由の土台になり、ここで身につける「まず人を呼ぶ」判断は、この先の熱中症や災害の場面でもそのまま使います。
基本の考え方
けがは人と環境が重なって起きる
保健の教科書では、けがのことを傷害と呼びます。傷害の原因は、人の要因(人的要因)と環境の要因(環境要因)に整理できます。人の要因は、不注意、無理な行動、ふざけ、寝不足や体調の悪さ、あせりなど、その人の行動と心身の状態です。環境の要因は、ぬれた床、暗い場所、整理されていない通路、設備の不備、雨や雪などの天候といった、周りの状態です。
図1のように、2 つの円が重なったところでけがは起こります。美術室で考えてみます。タイルにこぼれた水は環境の要因、次の授業に遅れそうで走ったことは人の要因です。水がこぼれていても歩いていれば転ばなかったかもしれませんし、走っていても床が乾いていれば無事だったかもしれません。交通事故でも同じ見方をします。スマートフォンを見ながら自転車に乗るのは人の要因、見通しの悪い曲がり角や雨にぬれた路面は環境の要因です(交通事故では車両の要因を分けて挙げることもあります)。

だから防ぎ方も 2 方向あります。人の側では、体調を整え、落ち着いて行動し、周りをよく見ます。環境の側では、こぼれた水をすぐにふき、通路に物を置かず、棚の上の重い物を固定します。円のどちらかを小さくすれば、重なりも小さくなります。テストで「防止策を書きなさい」と聞かれたら、この 2 方向から 1 つずつ書くと答えがぶれません。
応急手当の目的と、119 番を先に置く理由
応急手当は、けがや急な病気の人が出たときに、その場にいる人が、医師や救急隊に引きつぐまでに行う手当てです。主な目的は、命を守ること、悪化を防ぐこと、苦痛を和らげること、回復を助けることです。教科書によって言い方や数が少し違うことがあるので、テストでは手元の教科書の言葉で書きます。
119 番を先に置くのは、心臓が止まると血液が脳へ届かなくなり、時間がたつほど助かる可能性が下がるからです。救急車が着くまでの間をつなげるのはその場の人だけですし、胸を押し始めたら手は離せません。だから先に人を呼び、役割を分けます。周りに人がいたら「あなたは 119 番を」「あなたは AED を」と 1 人ずつ指して頼みます。「だれか」という呼びかけでは、みんなが、ほかの人がやるだろうと立ち止まりやすいからです。
119 番では「救急です」と告げ、場所、何が起きたか、今の様子、自分の名前を伝えます。学校の中なら、近くの先生や保健室にも同時に知らせます。手当ての方法を電話口で教えてもらえることもあるので、電話は切らずに指示を聞きます。また、車の通る道路や割れたガラスのそばなど、自分まで危なくなる場所では、まず周りの安全を確かめます。
骨が折れているかどうかや、頭を打ったあとの体の中の様子は、見た目では決められません。その判断は医師の役割です。痛みが強い、腫れがひどい、動かせない、頭を打ってから様子がおかしいといったときは、大人に伝えて受診します。
止血と RICE の考え方
出血が多いと命にかかわります。血が噴き出している、押さえても止まらないときは、すぐ 119 番です。その場で行う止血の基本は直接圧迫止血法で、清潔なガーゼやハンカチを傷口に当て、その上から手で強く押さえます。血液に直接ふれないよう、ビニール手袋やポリ袋を手にかぶせます。これは手当てをする人を感染から守るためです。布に血がにじんできたら、はがさずに上から重ねて押さえ続けます。細いひもや針金できつく縛るのは、傷めるおそれがあるのでしません。
打撲やねんざ、肉離れなど、血が外に出ないけがで使う考え方が RICE です。Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の頭文字で、4 つとも腫れと痛みをおさえる方向を向いています。動かさない、冷やす、軽く巻く、心臓より高くする、の 4 つです。氷はタオルで包むなどして肌に直接当て続けないこと、巻いたあとに指先のしびれや色の変化があればゆるめることも、一緒に覚えます。RICE は診断ではなく受診までの手当てなので、したから大丈夫と自分で決めず、痛みや腫れが続くときは受診します。
心肺蘇生と AED
心肺蘇生は、止まった心臓の代わりに胸骨圧迫で血液を送り続ける手当てです。人工呼吸は、訓練を受けていて、ためらいがないときに、胸骨圧迫 30 回と人工呼吸 2 回を組み合わせて行います。できないときは、胸骨圧迫だけを続けます。
AED は自動体外式除細動器のことです。心臓が細かくふるえて血液を送り出せない状態(心室細動)に電気ショックを与え、心臓のリズムを取り戻すための機器で、音声の案内があるので、医師でなくても使えます。電源を入れ、電極パッドを胸の肌に直接貼ると、機器が心臓の状態を調べます。その間はだれも体にふれません。ショックの指示が出たら、周りの人に離れるよう声をかけてボタンを押し、終わったらすぐ胸骨圧迫に戻ります。
例題で解き方を確かめる
例題1(用語の見分け)
美術室で起こりそうなことを 4 つ挙げました。人の要因と環境の要因に仕分けなさい。
- ア 彫刻刀を持ったまま友だちとふざける
- イ 筆洗いの水で床のタイルがぬれている
- ウ 寝不足でぼんやりしたまま作業する
- エ 棚の上の重い石こう像が固定されていない
- それぞれについて「その人の行動や体調の話か」を問います。人の要因は、行動と心身の状態で決まるからです。アとウがあてはまります。
- 残りについて「その人がいなくても、そこに残っている状態か」を問います。環境の要因は、場所や物の状態のことだからです。イとエがあてはまります。
- 重なりを想像して確かめます。ウの生徒がイの床を歩けば転びやすくなる、という組み合わせが思い浮かべば、2 つの要因を取り違えていないとわかります。
答え:人の要因はア・ウ、環境の要因はイ・エ
例題2(表の読み取り)
図2は RICE の 4 つをまとめた表です。体育の時間に足首をひねった人への次の手当ては、R・I・C・E のどれにあたりますか。
- a 包帯で足首を軽く巻く
- b 運動をやめて座り、足を動かさない
- c タオルで包んだ氷のうを足首に当てる
- d クッションに足をのせて、足首を心臓より高くする

- 図2の「すること」の列を見て、動作を表す語を拾います。英語の頭文字より、動作のほうが場面と結びつけやすいからです。
- 手当ての文の動詞と照らします。巻くのは圧迫、動かさないのは安静、氷のうを当てるのは冷却、高くするのは挙上です。同じ動作が表の 1 行にだけ対応するので、ここで答えが決まります。
- 4 つとも腫れと痛みをおさえる方向かを確かめます。選択肢に「温める」「足を下げる」が混ざっていたら、この確認で見抜くことができます。
答え:a は C、b は R、c は I、d は E
例題3(流れ図の読み取り)
次の手順を、図3を見ないで正しい順に並べなさい。そのあと図3で確かめなさい。
- ア 胸骨圧迫
- イ 呼吸の確認
- ウ AED の指示に従う
- エ 肩をたたきながら呼びかけ、反応を確認する
- オ 119 番と AED を頼む
- 最初は、相手の状態がまだわからないので、エの反応の確認です。反応があるかないかで、次にすることが変わるからです。
- 反応がなければ、次はオです。呼吸を見る前に人を呼ぶのは、胸骨圧迫を始めたあとでは手が離せないからです。ここが最も入れ替わりやすいところです。
- 次はイです。胸とおなかの動きを 10 秒以内で見て、胸骨圧迫が必要かどうかを決めます。普段どおりの息でない、しゃくりあげるような息をしている、または判断に迷うときは、呼吸がないものとして進みます。
- 息がなければアです。血液を送る役目を心臓の代わりに担う段階なので、AED を待たずに始めます。
- AED が届いたらウです。届くまでの間も胸骨圧迫を止めないので、順番の最後に来ます。

図3で赤い 2 段目に「最優先」と添えたのは、ここを飛ばすと、そのあとの手当てがどれも救急隊につながらないからです。4 段目の横の数値は、強く約 5 cm、1 分あたり 100〜120 回で、空欄補充でもよく問われます。
答え:エ→オ→イ→ア→ウ
例題4(定期テストの形)
AED を使っている途中で「ショックは不要です」と音声が流れました。周りの人はこのあと何をしますか。理由も含めて 2 文以内で書きなさい。
- 「不要」が何に対する言葉かを確かめます。AED が調べているのは電気ショックで戻せる状態かどうかで、回復したとは言っていません。ここを読み違えると、手を止める答えになってしまいます。
- 次の行動を決めます。心臓が血液を送れていない可能性が残っているので、すぐに胸骨圧迫に戻ります。止めている間は血液が送られないからです。
- いつまで続けるかを添えます。救急隊に引きつぐまで、または普段どおりの呼吸や目的のあるしぐさが見られるまでです。パッドははがさず、電源も切らずに、音声の指示に従います。
- 「何をするか」「なぜか」の順で 2 文にまとめます。採点で見られるのは、この 2 つがそろっているかどうかです。
答え:すぐに胸骨圧迫を再開し、救急隊に引きつぐまで続ける。ショック不要は回復の合図ではなく、止めている間は血液が送られないからである。
まちがえやすいところと直し方
誤り1:応急手当の目的を「治すこと」と書く
- 誤った書き方:「応急手当の目的は、けがを治すことである」
- どこが違うか:治すための診断と治療は医師の役割です。その場の人にできるのは、悪くしないでつなぐことです。「治す」と書く癖は、手当てをしたから受診しなくてよい、という本物の場面での判断ミスにもつながります。
- 正しい書き方:「応急手当の目的は、悪化を防ぎ、苦痛を和らげ、回復を助けながら、医師や救急隊につなぐことである」
誤り2:RICE の I と E を逆向きに覚える
- 誤った書き方:「I は温めて血の流れをよくする。E は足を下げて楽にする」
- どこが違うか:図2のとおり、I は Ice で冷やす、E は Elevation で上げる手当てです。Elevation は、建物のエレベーターと同じ「上げる」の仲間の語だと覚えると、向きを間違えにくくなります。患部を下げると血液や体液がたまりやすく、腫れをおさえるという目的と反対になります。
- 正しい書き方:「I は患部を冷やす。E は患部を心臓より高くする」
誤り3:胸骨圧迫の場所と強さをあいまいに書く
- 誤った書き方:「心臓は左にあるので、左胸をやさしく、1 分間にゆっくり 60 回くらい押す」
- どこが違うか:図4のように、押すのは胸骨の下半分にあたる胸の真ん中で、左胸ではありません。やさしく押しても血液は十分に送れないので、大人なら強く約 5 cm 沈むまで押します。押したあとは胸を元の高さまで戻し、速さは 1 分あたり 100〜120 回です。疲れると浅くなるので、周りに人がいれば交代します。
- 正しい書き方:「胸の真ん中を、強く約 5 cm 沈むまで、1 分あたり 100〜120 回の速さで、絶え間なく押す」

図4は向かい合って見た図なので、図の左側が倒れている人の右側にあたります。電極パッドは右胸の上と左脇の下に 1 枚ずつ貼るのが基本で、実物のパッドに描かれた絵に合わせます。
用語のまとめ
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 傷害 | けがのこと。保健の教科書で使う呼び方 |
| 人の要因(人的要因) | 不注意、無理な行動、寝不足や体調の悪さなど |
| 環境の要因(環境要因) | ぬれた床、暗い場所、設備の不備、天候など |
| 応急手当 | 医師や救急隊に引きつぐまで、その場の人が行う手当て |
| 直接圧迫止血法 | 清潔な布を傷口に当て、手で強く押さえて血を止める方法 |
| RICE | 安静(Rest)・冷却(Ice)・圧迫(Compression)・挙上(Elevation) |
| 挙上 | 患部を心臓より高く上げること |
| 心肺蘇生 | 胸骨圧迫などで、止まった心臓の代わりに血液を送り続ける手当て |
| 胸骨圧迫 | 胸の真ん中を、強く約 5 cm、1 分あたり 100〜120 回で押すこと |
| 人工呼吸 | 訓練を受けていてためらいがないとき、胸骨圧迫 30 回に 2 回を組み合わせる |
| AED | 自動体外式除細動器。音声の指示に従って電気ショックを与える機器 |
| 心肺蘇生の順 | 反応の確認→119 番と AED の依頼→呼吸の確認→胸骨圧迫→AED の指示に従う |
練習問題
練習1 次のうち、環境の要因をすべて選びなさい。
- ア スマートフォンを見ながら自転車に乗る
- イ 雨で路面がぬれている
- ウ 前の晩の寝不足で注意が続かない
- エ 見通しの悪い曲がり角がある
練習2 次の( )に入る語を書きなさい。RICE の R は(ア)、I は(イ)、C は(ウ)、E は(エ)を表します。エでは、患部を(オ)より高くします。
練習3 胸骨圧迫を 1 分あたり 100〜120 回の速さで 30 回続けると、何秒から何秒かかりますか。
練習4 次の文には誤りが 2 つあります。どこがどう違うかを書きなさい。「倒れている人の肩をたたいて呼びかけると、反応がなかった。そこで、息をしているかを 1 分間かけてじっくり確かめ、息がなかったので 119 番に電話した。」
答えと解説
練習1の答えはイ・エです。アとウは行動と体調の話なので人の要因、イとエはその人がいなくても残る状態なので環境の要因です。
練習2の答えは、アが安静、イが冷却、ウが圧迫、エが挙上、オが心臓です。語の順は Rest、Ice、Compression、Elevation の頭文字と同じなので、英語と日本語を組にして覚えておくと、どちらの形で聞かれても答えられます。
練習3の答えは 15 秒から 18 秒です。1 回あたりの時間は、1 分あたり 120 回なら 60÷120=0.5 秒、100 回なら 60÷100=0.6 秒です。30 回では 0.5×30=15 秒、0.6×30=18 秒となります。人工呼吸を組み合わせるときの 1 区切りが、この長さになります。
練習4の 1 つ目の誤りは、119 番の位置です。反応がなければ、呼吸を確かめる前に 119 番と AED を頼みます。2 つ目の誤りは、呼吸の確認にかける時間です。確認は 10 秒以内にとどめ、迷うときは胸骨圧迫を始めます。1 分待つ間も、血液は送られていません。
次の単元へのつながりと確かめ方
ここで使った「人と環境に分けて考える」見方と「まず人を呼ぶ」判断は、熱中症の予防や自然災害への備えを学ぶ場面でそのまま使います。暑いグラウンドで倒れた人を見つけたときも、地震のあとに割れたガラスが散らばる部屋でも、最初に確かめるのは周りの安全で、次に呼ぶのは人です。
家で 5 分でできる確かめ方は 2 つあります。1 つは、心肺蘇生の 5 段階を紙を見ずに声に出し、段階ごとに「なぜ今それをするのか」を一言ずつ添えることです。理由が出ない段階が、テストで崩れる段階です。もう 1 つは、風呂場や階段を 1 周して、人の要因と環境の要因を 1 つずつ見つけ、防ぐ方法まで言ってみることです。
個別指導では、並べ替えが崩れるときに順番の暗記へ戻らず、心臓と肺のはたらきまで戻って、胸を押す理由を本人の言葉で説明できるかを確かめます。
まとめ
RICE の 4 文字も心肺蘇生の 5 段階も、テストが終われば捨ててよい暗号ではありません。手元の教科書の言葉で書けるようにしたら、学校と通学路のどこに AED があるかを 1 度だけ思い出しておいてください。約 5 cm と 100〜120 回という数字があるから、あせった手でも迷わずに動けます。救急車のサイレンがまだ聞こえなくても、3 けたの番号を押した指の先で、救命はもう始まっています。
読んで終わりにするか、ここから変えるか。
武蔵境駅徒歩30秒、講師1人に生徒1人の完全1対1。授業のあいだ、先生は隣を離れません。いまの詰まりを、無料相談でそのまま話してください。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。




