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【生物】免疫を図解で総まとめ—自然免疫 獲得免疫・抗体の構造・MHC と T 細胞・記憶細胞・免疫の異常|武蔵野個別指導塾

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自然免疫から獲得免疫への流れ、抗体の構造、二次応答を3枚の図で整理します。MHCとT細胞の関係や免疫の異常も、例題と練習問題を通して筋道立てて確かめられます。

よくあるのは、校庭のベンチで生物のノートを開き、「マクロファージもT細胞も体を守るのに、どうして別々に覚えるのだろう」と手が止まる場面です。矢印で結んだ細胞名は写せても、矢印が「取り込む」「情報を伝える」「増殖を促す」のどれなのかが曖昧なままだと、少し図を変えた問題に答えられなくなります。

免疫を理解する入口は、登場する細胞の数ではありません。侵入を防ぐ段階、侵入した異物に対応する段階、特定の抗原に対応する細胞を増やす段階を区別することです。さらに、体液中の異物に向かう抗体と、感染した細胞に向かうT細胞を分けると、複雑な図にも読む順番ができます。ここではその順番に沿って、抗体の構造、MHCによる抗原提示、免疫記憶まで結びつけます。用語の穴埋めだけでなく、「この条件なら、どの細胞が何をするか」を文章で説明できるところを目指しましょう。

この単元で身につけること

生物基礎で学んだ体内環境の維持を土台に、細胞膜上のタンパク質による認識と、細胞どうしの情報の受け渡しに踏み込みます。タンパク質の立体構造がはたらきに関係するという前の学習も、抗体を理解するための支えになります。

基本の考え方

侵入を防ぐしくみと自然免疫

生体には、病原体などの侵入や増殖から体を守る生体防御のしくみがあります。その最前線が皮膚と粘膜です。皮膚の表面は細胞が層になって覆い、異物の侵入を物理的に妨げます。気道では粘液が異物を捕らえ、繊毛の運動がそれを外へ運ぶ方向にはたらきます。胃液の強い酸性や、涙などに含まれるリゾチームという細菌の細胞壁を分解する酵素は、化学的防御の例です。「体を守るものはすべて抗体」と考えず、まず入り口での防御を独立させます。

こうした防御を越えて異物が侵入すると、自然免疫がすばやく対応します。自然免疫は、生まれつき備わった認識のしくみを用いる防御です。病原体に共通する特徴などを捉えるので、特定の抗原に初めて接触してから、その抗原だけに対応する細胞を大量に増やすことを出発点としません。ただし「何も区別せず攻撃する」という意味ではありません。獲得免疫ほど細かな抗原ごとの特異性をもたない、と区別しましょう。

好中球やマクロファージは、異物を細胞内に取り込んで分解する食作用を行います。好中球は白血球の一種で、感染部位に集まってはたらきます。マクロファージは組織で異物や細胞の残骸などを処理します。樹状細胞も異物を取り込み、後で述べる抗原提示によって獲得免疫を始めるうえで重要な役割を担います。食作用では「細胞が取り込む」のに対し、抗体の作用では「タンパク質が結合する」という違いがあります。

感染や組織の損傷に伴って起こる炎症では、局所の血管が拡張したり、血管から物質や細胞が組織へ移動しやすくなったりします。赤み、熱、腫れなどはこの変化と関係します。炎症は防御に関係する反応ですが、「炎症そのものが病原体である」という理解は誤りです。また、ナチュラルキラー細胞、略してNK細胞は、感染細胞やがん細胞などを攻撃する自然免疫の細胞です。細胞を攻撃するという理由だけで、すべてを獲得免疫に分類しないようにします。

抗原提示から二つの獲得免疫へ

獲得免疫は、特定の抗原に対応するリンパ球が選択され、増殖してはたらく免疫です。抗原とは、抗体やリンパ球の受容体に特異的に認識される物質を指します。細菌やウイルス全体を指して使う場面もありますが、実際にはそれらに含まれる分子の一部分が認識されます。抗原は必ずしも病原体由来とは限らないため、「抗原=病気の原因」と置き換えることはできません。

リンパ球にはB細胞とT細胞などがあります。ヒトではどちらも骨髄に由来し、B細胞は骨髄、T細胞は胸腺で成熟します。リンパ節などは、抗原の情報とそれを認識できるリンパ球が出会う場になります。体内を巡るリンパ液の通り道にリンパ節があることは、局所で取り込まれた異物の情報を全身の防御につなぐうえで意味があります。

図1のように、樹状細胞などが取り込んだ抗原の断片を細胞表面に示すと、それを認識するヘルパーT細胞の活性化につながります。この、抗原の断片をほかの細胞が認識できる形で示すことを抗原提示といいます。図の矢印には、提示、反応の促進、分化、分泌、攻撃という異なる意味があります。B細胞から形質細胞への矢印は分化ですが、ヘルパーT細胞からB細胞への矢印は、反応を助けることを示します。

図1 抗原提示から体液性免疫と細胞性免疫へ進む流れ

ヘルパーT細胞は、ほかの免疫細胞の活性化や増殖を助けます。その情報の受け渡しには、細胞から分泌されるサイトカインというタンパク質などが関わります。B細胞は対応する抗原を認識し、ヘルパーT細胞からの助けなどを受けて増殖し、抗体を多量に分泌する形質細胞へ分化します。形質細胞は抗体産生細胞とも呼ばれます。抗体は体液中で抗原に特異的に結合するタンパク質で、これを介する免疫が体液性免疫です。

抗体がウイルスや毒素に結合すると、細胞への侵入や作用を妨げることがあります。これを中和といいます。また、抗体が付着した異物は食細胞に取り込まれやすくなります。抗体は自分で異物を飲み込む細胞ではなく、結合によって異物のはたらきを妨げたり、排除を助けたりする物質です。血液中のタンパク質群である補体も排除を助けますが、補体は自然免疫でもはたらき、抗体がなければまったく作用しないわけではありません。

一方、キラーT細胞は、抗原の情報を示している感染細胞などを認識して攻撃します。キラーT細胞などの細胞のはたらきを主体とする獲得免疫が細胞性免疫です。ウイルスがすでに細胞内に入っている場合には、体液中のウイルスに抗体が結合することと、感染細胞を排除することを分ける必要があります。二つは同じ感染への対応の中で協力してはたらきます。

MHCと抗体は認識のしかたが違う

MHCは主要組織適合遺伝子複合体の略称です。そこでコードされる細胞表面のタンパク質をMHC分子と呼び、抗原の断片を載せてT細胞に示すはたらきがあります。抗原断片がただ細胞表面に付着しているのではなく、MHC分子と組になって示されることが要点です。T細胞は、その組合せを受容体で認識します。

MHCクラスⅠ分子は、ほぼすべての有核細胞に存在し、主に細胞内に由来するタンパク質の断片を提示します。ウイルスに感染した細胞がウイルス由来の断片を示すと、対応するキラーT細胞による認識につながります。感染していない細胞でも、自身のタンパク質の断片を示しています。「MHCがある細胞は感染細胞である」と読むことはできません。

MHCクラスⅡ分子は、樹状細胞、マクロファージ、B細胞などの抗原提示細胞に存在し、主に外から取り込んだ抗原の断片を示します。こちらを認識するのはヘルパーT細胞です。教科書でこの二つを対応させるときは、「クラスⅠとキラーT細胞」「クラスⅡとヘルパーT細胞」を基本として押さえます。抗原を認識することだけで、あらゆるT細胞が必ず十分に活性化するわけではなく、ほかの細胞からの刺激も関係します。

これに対して、抗体やB細胞表面の抗原受容体は、抗原の形を直接認識できます。典型的な抗体はY字形で、2本の重鎖と2本の軽鎖という計4本のポリペプチド鎖からできています。鎖の一部には、抗体ごとにアミノ酸配列が異なる可変部があり、Y字の先端で抗原に結合する部分をつくります。それ以外の比較的共通した部分が定常部です。同じ抗体の二つの先端は、基本的に同じ抗原の同じ種類の部分に結合します。

抗体の多様性は、B細胞が成熟する過程で、抗体に関わる遺伝子の断片が組み合わされることなどによって生まれます。抗原が入るたびに、その形を写し取って初めて抗体が設計されるのではありません。あらかじめ多様な受容体をもつB細胞が存在し、その中から抗原に合うものが選択されて増えます。このしくみをクローン選択といいます。クローンは、ここでは同じ由来をもち、同じ抗原特異性を受け継ぐ細胞の集団という意味です。

例題で解き方を確かめる

例題1 細胞の名前を隠して防御を分類する

次の反応A〜Dを、「侵入を防ぐ防御」「自然免疫」「獲得免疫」に分類し、獲得免疫については体液性免疫か細胞性免疫かも答えましょう。Aは気道の粘液が異物を捕らえる反応、Bは好中球が細菌を取り込む反応、Cは形質細胞が分泌した抗体が毒素に結合して作用を妨げる反応、DはキラーT細胞が感染細胞を攻撃する反応です。

  1. 最初に、異物が体内へ侵入するのを防ぐ段階か、侵入後に対応する段階かを見ます。Aは粘膜での防御なので、まず侵入を防ぐ防御に分けられます。
  2. 侵入後の反応では、特定の抗原に対応するリンパ球の選択や抗体が関わるかを確かめます。Bの食作用は自然免疫、CとDは獲得免疫として整理できます。
  3. 獲得免疫は、最終的に何が何に作用するかで分けます。Cは抗体が体液中の毒素に結合する体液性免疫、DはキラーT細胞が感染細胞を攻撃する細胞性免疫です。

Aのような防御も広い意味で自然免疫に含める説明がありますが、この問題では分類欄を分けているので、示された区分に沿って答えます。問題で使われる分類の大きさをそろえることも、用語の知識と同じくらい必要です。

答え:Aは侵入を防ぐ防御、Bは自然免疫、Cは体液性免疫、Dは細胞性免疫です。

例題2 Y字形の抗体から読み取る

図2は典型的な抗体1分子を表した模式図です。紺色は2本の重鎖、緑色は2本の軽鎖、橙色の囲みは可変部の位置を示しています。重鎖と軽鎖の本数、抗原結合部位の数を答え、同じ抗体の左右の先端が互いに無関係な抗原をそれぞれ認識する、という説明が適切か判断しましょう。鎖を結ぶ赤い短線は、鎖どうしを結びつける結合を表します。

図2 抗体の重鎖と軽鎖および先端の可変部の位置
  1. Y字を一つの線として数えず、色の付いた鎖を1本ずつたどります。図2では長い重鎖が2本、短い軽鎖が2本あり、合計4本です。長さの見かけではなく、鎖がどこからどこまで続いているかを見ます。
  2. 抗原結合部位はY字の先端を数えます。各先端で重鎖と軽鎖の可変部が一緒にはたらくので、鎖が4本あるから結合部位も4個、とはなりません。
  3. 左右の先端の特異性を比べます。典型的な抗体1分子では二つの先端は基本的に同じ特異性をもつので、左右で無関係な抗原を認識するという説明は不適切です。

図の「定常部」は、Y字の柄だけを指す名称ではありません。腕の根元側にも定常部があり、先端の可変部と区別されます。図2では橙色の囲み以外に当たる鎖の部分をまとめて考えます。図の線は構造を追うための模式的な配置で、分子の実際の長さや角度を測るためのものではありません。

答え:重鎖2本・軽鎖2本、抗原結合部位2か所で、左右が無関係な抗原を認識するという説明は不適切です。

例題3 MHCからT細胞の役割を決める

細胞Pはウイルスに感染した有核細胞で、細胞内でつくられたウイルスタンパク質の断片をMHCクラスⅠ分子に載せています。細胞Qは樹状細胞で、外から取り込んだ抗原の断片をMHCクラスⅡ分子に載せています。PとQをそれぞれ認識するT細胞の種類と、その後の主なはたらきを答えましょう。

  1. 抗原断片がどこに由来するかを拾います。Pは細胞内、Qは細胞外から取り込んだものです。出所を確かめると、MHCの分類を丸暗記だけに頼らず対応させられます。
  2. 提示に使うMHC分子を確認します。クラスⅠを認識するのはキラーT細胞、クラスⅡを認識するのはヘルパーT細胞という対応を当てはめます。
  3. 認識の後を、攻撃と援助に分けて書きます。対応する活性化したキラーT細胞はPを攻撃し、Qによって活性化されたヘルパーT細胞はB細胞などの反応を助けます。

PからQへ順番に進む一つの過程ではなく、抗原の示し方が異なる二つの場面を比べる問題です。また、Pが抗体をつくるわけではありません。抗原を示す細胞と、抗体を分泌する形質細胞を同じ役として読まないことが、図の整理につながります。

答え:PはキラーT細胞に認識されて攻撃の対象となり、QはヘルパーT細胞に認識されてほかの免疫細胞の活性化につながります。

例題4 二次応答を数値と条件で読み分ける

同じ抗原Aを初めて与えた場合と、免疫記憶が成立した後に再び与えた場合を比べます。抗体量は同じ基準で表した相対値とし、採血量などの測定条件は同じです。応答を比較する目安を相対値10に置きます。測定で初めて10以上になったのは初回が6日後、再投与が2日後で、測定された最大値は初回20、再投与80でした。再投与では最大値が何倍で、目安への到達を何日早く確認できたか答え、その理由を説明しましょう。

  1. 比べる数値の意味をそろえます。20と80はともに抗体量の最大値なので、80 ÷ 20 = 4と比を求めます。最大値と、ある1日の値を混ぜないための確認です。
  2. 時間は、抗原を与えた時点からの日数で比べます。6 − 2 = 4なので、再投与では目安に達したことを4日早く確認できました。測定の間の正確な到達時刻までわかったとは書きません。
  3. 数値の差を免疫記憶と結びつけます。初回の応答で生じた記憶細胞が残り、同じ抗原に再び接するとすばやく増殖・分化するため、より速く大きい応答につながります。

抗体量の相対値には、ここでは質量や濃度の単位を付けません。4倍という比にも単位はなく、時間の差には「日」を付けます。また、この数値は問題の条件であり、すべての抗原や個体で同じ倍率になるという法則ではありません。

答え:最大値は4倍、目安への到達確認は4日早く、同じ抗原に対応する記憶細胞が関わります。

つまずきやすいところと直し方

「抗体が細菌を食べる」と書いてしまう

誤った書き方は「抗体が食作用を行い、細菌を取り込む」です。どこが違うかというと、物質である抗体に、細胞の動きを割り当てています。食作用を行うのは好中球やマクロファージなどであり、抗体は抗原に結合するタンパク質です。

正しい書き方は「抗体が細菌の抗原に結合すると、その細菌が食細胞に取り込まれやすくなる」です。主語を抗体から食細胞へ切り替える位置を意識すると、自然免疫と獲得免疫が協力する場面も説明できます。同様に、「ヘルパーT細胞が抗体を分泌する」も役割の取り違えです。分泌するのはB細胞から分化した形質細胞で、ヘルパーT細胞はその反応を助けます。

「2回目ならどんな抗原にも速く反応する」と考える

誤った書き方は「抗原Aへの反応が終わったので、初めて入る抗原Bにも二次応答が起こる」です。どこが違うかというと、記憶細胞の特異性を落としています。AとBが異なる抗原として認識される条件なら、Aへの記憶があるだけではBへの二次応答にはなりません。

正しい書き方は「同じ抗原Aに再び接すると、Aに対応する記憶細胞によって二次応答が起こる」です。最初の接触で起こる反応を一次応答、再び同じ抗原に接したときの反応を二次応答といいます。図3は、それぞれの投与時点を0日として重ねた、例題4に対応する模式的な比較です。横軸の0日は共通の暦の日付ではありません。線は測定点を結んだもので、抗体量の実際の変化が折れ線になるという意味ではありません。

図3 同じ抗原に対する一次応答と二次応答の抗体量比較

図3のように、二次応答では早い時点から抗体量が増え、一次応答より大きな値に達します。免疫記憶を利用するのがワクチンです。病原性を弱めた病原体や病原体の成分などを用い、病原体に実際に感染する前に、その抗原に対する獲得免疫の準備を促します。ワクチンの種類によって抗原を体に示す方法は異なりますが、記憶細胞の形成につながる点を押さえます。抗体そのものを外から与える受動免疫とは区別します。受動免疫では、与えられた抗体が作用すること自体によって、受け手の記憶細胞が形成されるわけではありません。

「免疫は強ければ強いほどよい」とまとめる

誤った書き方は「アレルギーも自己免疫疾患も、免疫が弱くなった結果である」です。どこが違うかというと、反応が過剰な場合、対象を誤る場合、防御が十分にはたらかない場合を混ぜています。免疫には病原体を排除する能力だけでなく、何に対して反応するかを調整するしくみが必要です。

正しい書き方は「アレルギーは特定の抗原に対する免疫反応が体に不都合な症状を起こすこと、自己免疫疾患は自己の成分への免疫反応が組織などを傷つけること、免疫不全は免疫機能が十分にはたらかない状態」です。アレルギーを起こす抗原をアレルゲンと呼びます。教科書で扱う即時型の例では、アレルゲンに対応するIgEという種類の抗体が肥満細胞に結合し、再びアレルゲンが結合すると、ヒスタミンなどが放出されます。すべてのアレルギーがこのしくみだけで起こるわけではありません。

自己の成分に強く反応しない状態を免疫寛容といいます。リンパ球が成熟する過程で自己に強く反応するものが除かれることなどが、その成立に関わります。自己免疫疾患ではこの調節がうまくはたらきません。一方、免疫不全には先天的なものと後天的なものがあります。後天性免疫不全症候群であるエイズは、HIVの感染によってヘルパーT細胞などの機能が損なわれることと関係します。ヘルパーT細胞が複数の免疫反応を助けるため、その障害が防御全体に影響する、と基本の流れに戻して理解できます。

移植に伴う拒絶反応も、自己と非自己の認識と関わります。ほかの個体の組織にあるMHC分子などの違いが、免疫反応のきっかけになります。これは自己の組織を標的にする自己免疫とは区別します。疾患名を見たらすぐ「免疫が弱い」と結論づけず、誰が何を認識し、どの段階が変わるのかを確かめることが、誤りを直す道筋になります。

練習問題

練習1 防御の手段を分ける

胃液の酸性、マクロファージの食作用、抗体による中和の三つを、化学的防御、自然免疫、体液性免疫にそれぞれ対応させましょう。また、これらのうち細胞が異物を内部へ取り込むものを一つ選び、理由を短く書きましょう。

練習2 提示する細胞と応答する細胞

樹状細胞が取り込んだ抗原の断片をMHCクラスⅡ分子に載せています。これを認識するT細胞は何ですか。そのT細胞が抗体を直接分泌するという説明を直し、B細胞から抗体分泌までの流れを書きましょう。

練習3 抗体の本数と結合部位

図2と同じ典型的な抗体が5分子あります。重鎖の合計本数、軽鎖の合計本数、抗原結合部位の合計数を求めましょう。ただし、結合部位の数だけから、結合できる病原体の個数を決めてよいかも答えてください。病原体の表面には複数の抗原が存在し得るものとします。

練習4 免疫記憶の特異性

抗原Aに対する免疫記憶をもつ個体に、Aと、初めて接する抗原Bを同時に与えました。AとBは互いに異なる抗原として認識され、交差して反応しない条件です。Aへの反応とBへの反応は、それぞれ一次応答、二次応答のどちらですか。また、「抗体が以前より少なくなっていたら、記憶も必ず消えている」という説明が正しいか答えましょう。

答えと解説

練習1の答えは、胃液の酸性が化学的防御、マクロファージの食作用が自然免疫、抗体による中和が体液性免疫です。内部へ取り込むのはマクロファージの食作用です。胃液は化学的性質によってはたらき、抗体は結合によって作用を妨げるので、三つの動作を区別できます。

練習2の答えはヘルパーT細胞です。B細胞は対応する抗原を認識し、ヘルパーT細胞の助けなどを受けて増殖・分化し、生じた形質細胞が抗体を分泌します。抗原提示を行う細胞、反応を助ける細胞、抗体を分泌する細胞の三つの役を分けて書きます。

練習3の答えは、重鎖10本、軽鎖10本、抗原結合部位10か所です。それぞれ1分子当たり2なので、2 × 5 = 10と求められます。ただし、結合部位10か所が病原体10個に対応するとは限りません。一つの病原体に複数の抗体が結合することもあり、部位の個数と病原体の個数は別の数量です。

練習4の答えは、Aが二次応答、Bが一次応答で、最後の説明は誤りです。抗体量と記憶細胞の存在は別に考えます。血中の抗体量が低下していても、記憶細胞が残っていれば、同じ抗原への再接触で速やかな応答につながります。

次の単元へのつながりと家庭での確かめ方

免疫で学ぶ「分子の形を認識する」「細胞どうしが情報を伝える」という考え方は、ホルモンや神経の学習とつながります。また、感染が個体の生存や繁殖に影響することは、個体群を学ぶときの背景にもなります。ただし、個体内の抗体量と個体群全体の個体数は別の量なので、グラフの軸を読む習慣を引き継ぎましょう。

家庭で5分あれば、まず紙に「抗原提示細胞・ヘルパーT細胞・B細胞・形質細胞」と書き、矢印の上に「提示」「助ける」「分化」を置いてみます。次に、抗原Aに初めて接した場合と再び接した場合を左右に描き、記憶細胞をどちらの出発点に置くか説明してみましょう。図をきれいに写すより、矢印を言葉にできるかで理解を確かめられます。

個別指導で確かめる場合も、細胞名の暗記が足りないと決めず、細胞とタンパク質の区別や、細胞内と体液中の位置関係まで戻ります。お子さまの説明を聞く保護者の方は、「その矢印では、何が相手に伝わるのですか」と一つ尋ねるだけでも、曖昧な箇所を見つけるきっかけになります。

まとめ

免疫の図を読めたかどうかは、細胞の名前を全部言えたかでは判定できません。同じ矢印に見えても、抗原を取り込む過程と、抗原を提示する過程と、細胞の増殖を助ける過程では意味が異なります。一つずつ主語と動作を添えれば、初めて見る配置でも反応の道筋を組み直せます。

抗体の先端、MHC上の抗原断片、記憶細胞という具体的な場所に根拠を置くと、「なぜその細胞が反応するか」に答えが生まれます。免疫の理解を決めるのは用語の多さではなく、認識する相手と次に起こる反応を結べる説明です。

本気になった日が、入塾の日。

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