模試の受け方と見直し—回数より型|武蔵野個別指導塾

模試で予想と違った箇所を探し、知識不足・着手の迷い・時間切れに分けて復習を選びます。帰宅後の記録から返却答案の再確認まで、次回に試す動きを絞っておけます。

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模試の受け方と見直し—回数より型

模試を終えた帰りに、覚えておきたいこと

よくあるのは、模試後に立ち寄ったコンビニのイートインで、お子さまが飲み物を前に「最後の問題まで届かなかった」と話す場面です。保護者が「難しかったの」と聞いても、どこで時間を使ったのかは、まだ言葉になりません。点数が出たら考えようとしているうちに、試験中に迷った場所の記憶が薄れ、いつもの課題へ戻ってしまいます。

模試の結果には、今の学習を変えるための手がかりがあります。ただし、判定や合計点だけから、明日取り組む問題までは決まりません。計算の途中で止まったのか、問題文の条件を取り違えたのか、最後まで時間が回らなかったのか。答案に残った違いを読む作業が必要です。

受ける回数を考えるときにも、この作業に使う時間を含めて予定を立てたいところです。模試を受ける前に確かめることを決め、当日は自分の動きを観察し、返却後に練習へ移す。その型を持つと、よい結果の日にも苦しい結果の日にも、次の行動を具体的に選べます。まずは手元の模試を、受けっぱなしにしないところから始めましょう。

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「わかったつもり」と答案の間を調べる

普段の学習では、取り組んでいる単元がすでにわかっています。直前に見た解き方も使えます。ところが模試では、問題を読んで使う知識を選び、解き始め、答えを確かめるところまでを自分で進めます。いつもの練習では見えにくかったつまずきが、ここで表に出ることがあります。

たとえば、解説を見れば式の意味がわかるのに、白紙の答案には式が書けなかった場合です。「理解しているか」という問いだけでは、状態を十分に捉えられません。式を見て意味を説明することと、問題文から必要な関係を取り出して式を作ることを、分けて確かめる必要があります。模試の答案は、その区別に使えます。

自分の理解をどう見積もるかという点から、練習テストを見てみましょう。大学生201名と111名を対象とする研究では、テストの利用が多い学生ほど理解度の見積もりが正確で、本試験の成績も高いという関係が報告されました(Naujoksほか・2022)。この大学生の結果を模試の回数を増やす根拠にするより、受験前の予想と返却後の答案を比べる用途に絞りましょう。中学生の模試の効果を調べた結果ではないため、まず今受けている模試から判断のずれを拾います。模試の前に自信のある分野を書き、返却後にその問題の根拠を説明してみると、予想と答案を具体的に比べられます。

自分では得意だと思っていた分野でも、条件が変わると着手できないことがあります。反対に、苦手だと思っていた教科でも、基本問題は落ち着いて解けているかもしれません。「自分は数学ができない」という広い評価を、「割合を表す式を作るところで止まる」という狭い説明に置き換えると、練習する場所が決まります。

見積もりを確かめる際には、正解と不正解だけで分類を終えないようにします。根拠を持って選んだ正解と、迷った末に選んだ正解では、次にも解けるかを確かめる必要性が違います。不正解にも、知識が出なかったものと、知っていたのに使う場所を選べなかったものがあります。同じ印をつけるだけでは、この違いが埋もれます。

また、時間切れという説明も、もう少し分けてみましょう。最初の問題に長くとどまったのか、文章を何度も読み返したのか、計算を全部やり直したのかで、次に試す動きが変わります。速く解こうと決めるだけでは、その場で何を変えるのかが曖昧です。どの動作に時間を使ったかを答案や記憶から探します。

成績表にある教科別や分野別の結果は、調べる入口として役立ちます。ただし、分野名を見て、その範囲を丸ごと最初から復習する必要があるとは限りません。まず該当する問題に戻り、最初に迷った箇所を探します。必要な知識の不足が見つかればそこを学び、知識はあるなら取り出し方や使い方を練習する、という順番です。

模試の役割をこう捉えると、点数が動かなかった回にも見るものがあります。前は白紙だった問題で式を書けたか、飛ばした問題に戻れたか、答えの根拠を示せたか。これらを点数と並べて記録します。途中の変化を喜ぶことと、最終的に正答できるかを厳しく確かめることは、同じ学習の中で両立できます。

受ける前から返却後までを同じ手順でつなぐ

最初に、模試用の記録を紙1枚に作ります。上から「今回確かめること」「当日に起きたこと」「直す問題」「再確認した結果」の欄を設けてください。手の込んだノートにする必要はありません。問題冊子、答案、解説と一緒に保管し、次の模試の前に同じ紙を取り出せるようにします。

受験前は10分を目安に、前回の答案から今回確かめる行動を選びます。「英語を頑張る」ではなく、「設問が求めるものを確かめてから本文を探す」のように、実行したか判断できる書き方にします。初めての模試なら、普段の演習で困っていることを選べます。目標を増やしすぎず、まず1つを持って臨みましょう。

次に、受験案内に沿って持ち物や移動を確認します。直前の勉強は、使い慣れた教材の基本問題と、自分が繰り返し迷った箇所を中心にします。新しい問題集を広く開くと、今回何を確かめる予定だったかがぼやけます。教材を絞り、見直したページに付箋をつけておけば、返却後にもそこへ戻れます。

当日は、試験中のルールに従い、答案を書くことを優先してください。時間を細かく記録するために解答を中断する必要はありません。手が止まった問題をどう扱うかは、普段の演習で決めておきます。考える手がかりが浮かばず止まったら、後で戻れる形にして次へ進む、という動きを練習しておきましょう。

試験が終わったら、休憩を妨げない範囲で、覚えておきたいことを短く残します。「最後の文章題に着手できず」「選択肢の違いで迷った」などで十分です。問題冊子への記入や持ち帰りは案内に従います。記録できないときは、帰宅後に思い出せることを残し、はっきりしない部分は無理に埋めないようにします。

帰宅後は5分ほどで、今回確かめると決めた行動を振り返ります。「できた」「途中まで」「試せなかった」に分け、その理由を添えます。疲れている日に全教科の解き直しまで詰め込む必要はありません。問題と答案を整理して、見直す日時を予定に入れます。採点前でも、途中で止まった問題を教材で確かめる準備はできます。

返却後の最初の15分では、成績表と答案を並べ、手をつける問題を選びます。正解した問題も含めて、根拠を説明できるかを見てください。優先する候補は、基本知識が抜けていた問題、途中まで進めた問題、正解したけれど理由を言えない問題です。すべての誤答を同じ日の課題にせず、まず取り組める量を選びます。

選んだ問題には、止まった理由を短く書きます。「知識が出ない」「始め方が決まらない」「途中で崩れる」「時間が届かない」といった言葉が使えます。複数の理由が重なったら、最初に起きたことから調べます。時間が足りなかった問題でも、解き方がわからず長く止まったのなら、先に直すのは解法の理解です。

その後の20分は、選んだ問題の修正に使います。知識が出なかった問題なら、手持ちの教科書やまとめのページで意味を確かめ、閉じてから説明します。始め方が決まらなかった問題なら、解説の最初の式や着眼点を見て、問題文のどの条件とつながるかを探します。解説を読んだ後は、問題だけを見て最初の一手を書き直してください。

途中で崩れた問題は、答案と解説を行ごとに照らし合わせ、食い違いが始まった場所を探します。計算なら符号や式の変形、記述なら問いの条件と答えの対応を見ます。誤った行を正しい形で写すだけで終えず、その直前から自分で続けます。途中の判断を口で説明できるかも確かめると、偶然合った箇所を見逃しにくくなります。

時間が届かなかった問題では、まず時間を厳しく区切らずに解いてみます。そこで進めるなら、次は短い演習の中で取り組む順番を試します。そこで進めないなら、知識や始め方の問題として扱います。時間をかければ解ける問題と、時間があっても手が出ない問題を分けることで、急ぐ練習ばかりを続けることを避けられます。

教材は役割を分けて使いましょう。模試の問題は、どこで止まったかを調べるために使います。教科書や授業のノートは、意味や手順を確かめるために使います。手持ちの問題集は、同じ考え方を別の問題でも使えるかを試すために使います。新しい教材を追加する前に、この3つを机の上でつなげてください。

英語なら、知らなかった語の意味を調べる作業と、知っている語から文の意味を取る作業を分けます。単語の意味を書き込んで読めた文章は、書き込みを隠してもう一度読んでください。日本語で内容を言い直し、設問の根拠になる箇所を指せるかを確かめます。訳を覚えていたときは、手持ちの教材から別の短い文を選び、同じ表現を読み取れるかを試します。

理科や社会では、用語を答えられなかった問題と、資料から情報を取り出せなかった問題を分けましょう。用語なら意味と結びつけて説明し、資料なら見出し、単位、比較する対象を自分で示します。解説の結論だけを覚えず、図や表のどこからそう考えたかを指してみてください。必要な知識は出ているのに答えが違う場合は、問いが求めた内容とのずれを探します。

正解した問題を確かめるときは、選ばなかった選択肢についても、違うと考えた理由を説明してみます。消去の理由が言えず、答えだけを覚えているなら、解説で根拠を確認します。記述問題では、解答例との言葉の一致だけで判断せず、自分の答えに必要な内容が入っているかを見ます。判断に迷うものは印をつけ、自分の説明を添えて質問へ回しましょう。

修正した翌日には10分ほど取り、答えを隠して再び解きます。さらに数日後には、同じ考え方を使う別の問題を選びます。自分で確かめる観点は、最初の一手を書けるか、途中の理由を説明できるか、答えが問いの条件を満たすかです。見覚えのある答えを書けただけなら、確認済みとはせず、別の問題で確かめ直します。

ここまでの時間は、家庭で始めるための区切りの例です。難しい問題が残ったら区切りを延ばし続けず、どこまでわかり、どこから止まるかを書いて質問に回します。自分で止まり方を説明できれば、質問も具体的になります。「全部わからない」から「この条件を式に入れる理由がわからない」へ、言葉を狭めていきましょう。

最後に、記録用紙へ再確認の結果を書きます。「解き直しをした」ではなく、「翌日は自力で式を書けた」「別の問題では条件を落とした」と残してください。次の模試の前には、その記録から行動を選び直します。受験前の目標、当日の動き、返却後の練習がつながれば、模試が日々の学習から離れた行事にならずに済みます。

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個別指導では答案の読み取りと再確認をつなぐ

個別指導で最初に扱いたいのは、点数についての長い感想ではなく、答案に残っている事実です。解答欄が空いているなら、知識がなかったのか、読む時間がなかったのかをお子さまに尋ねます。式が途中まで書かれていれば、その続きをその場で説明してもらいます。成績表の印象だけで課題を決めず、実際の手の動きまで確かめます。

このとき、講師がすぐに正しい解き方を示すと、お子さまが最初にどう考えたかを追いにくくなります。まず問題をどう読んだか、何を使おうとしたかを聞きます。本人の説明と答案に違いがあれば、問題を短く解き直して確かめます。「わかった」という返事の後にも、説明を閉じた状態で進められるかを見ます。

塾が持つのは、直す順番の判断です。間違えた問題を全部宿題にすると、すでに解ける問題の書き直しと、まだ一人では進めない問題が混ざります。基礎へ戻る課題、少し助ければ取り組める課題、自力で再確認する課題を分けます。お子さまが自宅で使える時間と、今の授業内容を照らし合わせて、実行できる範囲に絞ります。

たとえば数学の文章題で式が立たないなら、長い問題を何題も追加する前に、数量の関係を短い文から取り出す練習を入れます。国語の記述なら、解答例を丸ごと覚える前に、設問が求める内容と本文の根拠がつながっているかを調べます。教科名や分野名だけで復習を指定せず、答案に表れた動作まで小さくします。

一方で、講師の前ではできたというだけで課題を終えないことも必要です。声をかけた箇所や、見せた手がかりを記録し、次はそれを減らして確かめます。自宅で止まった場合も、本人の努力不足という説明に急がず、授業中にどの支えがあったかを調べます。支えがある状態から一人で進める状態への移り方を、授業計画に含めます。

家庭が持つ役割は、答案を採点し直したり、毎日理解度を試したりすることに限りません。返却物を保管する場所、短い見直しを置く時間、質問を塾に持っていく準備を整えることができます。保護者の方が教科内容を説明できなくても、「次に確かめる問題は決まったかな」と尋ねれば、予定の有無を一緒に確かめられます。

親子の会話では、合計点を聞いた後に、今回試せたことへ話を進めます。「どこを飛ばして戻れたの」「解説なしでもう一度解くのはどの問題」と、行動について尋ねてください。お子さまが話したくない日は、その場で細かく聞き出さず、答案を塾へ持参する予定だけを共有する方法もあります。家庭だけで原因を突き止めようと抱え込む必要はありません。

塾から家庭への連絡は、「答案で見つけた点」「授業で確かめた点」「次回までの課題」「次に確かめる日」をそろえると読み取りやすくなります。たとえば「条件を式に入れるところで止まりました。授業では図があれば式を書けました。自宅では図を自分で作る問題に取り組み、次回は手がかりなしで確かめます」という形です。

この連絡なら、保護者の方は今できていることと、まだ支えが要ることを区別できます。お子さまにも、宿題を終える目的が伝わります。家庭への依頼は「図を作ったか毎回点検してください」と広げず、必要なら「困った箇所に印を残して持参してください」と限定します。家庭の点検が増え続けないよう、学習内容の判断は塾側で引き受ける設計にします。

進み具合は、模試ごとの点数とは別に、選んだ課題の状態で見えるようにします。「説明を聞けば進める」「同じ問題なら一人で進める」「別の問題でも理由を示せる」と記録すれば、次の指導が決まります。点数が上がったときも、偶然の正解や未確認の課題を残したままにせず、再現できる部分を確かめます。

復習が予定どおりに進まなかったときも、連絡には事実を残します。「やる気がありません」では、次の手立てを選びにくくなります。「問題を開いたが最初の式で止まった」「取り組む予定の日に別の課題が残った」と書けば、指導内容を戻すのか、量や日時を調整するのかを話し合えます。予定の未達を責める連絡にせず、次の予定を実行できる形に変える材料として共有します。

また、模試の見直しで通常の学習が押し出される場合は、塾で課題の重なりを調べます。授業で扱う予定の内容と誤答の原因が重なるなら、その授業の中で再確認できます。別々の宿題として重ねる前に、どの課題で何を確かめるのかをそろえます。お子さまが持ち帰る課題の目的が明瞭になれば、家庭でも終えたかどうかだけでなく、困った点を伝えやすくなります。

模試の追加を考える面談では、次の受験で何を知りたいかを先に言葉にします。時間配分を試したいのか、取り組んできた分野を確かめたいのかで、準備する内容が変わります。前回分の修正が進んでいなければ、その時間をどこに置くかも相談します。受験する予定と復習する予定を、同じ予定表で扱うことが大切です。

相談の終わりには、お子さま自身が「次は何を変えるか」を短く説明できる状態を目指します。保護者と講師だけが方針を理解していても、試験中に動くのは本人です。本人の言葉が曖昧なら、課題をさらに小さくします。模試について話し合う時間を、次の行動を本人が選び取る時間にしていきましょう。

模試についてよく寄せられる3つの疑問

Q1 模試はできるだけ多く受けたほうがよいですか

回数を決める前に、受験の目的と復習に使える時間を並べてください。受けることで試験中の動きを試せますが、答案の見直しがたまると、直すべき点が次にも残ります。前回の課題を練習し、その変化を確かめたいなら、次の模試に具体的な役割が生まれます。「不安だから追加する」と感じたら、何を確かめると判断しやすくなるのかを、先に書いてみましょう。学校生活や普段の学習と合わせて、受験後の見直しまで予定に収まるかを相談してください。

Q2 判定が悪かったら、すぐ志望を変えるべきですか

その回の判定だけで結論を急がず、答案の内容とこれまでの変化を合わせて相談します。解けるはずの問題を取りこぼしたのか、まだ学習が必要な範囲があるのかを整理してください。結果が厳しかった事実を受け止めながら、修正する内容と確かめる期限を決めます。進路の判断には、本人がその先で何を学びたいかも含めます。入試の条件は、自治体と志望校の最新の要項で確かめてください。その確認と、今の学習課題の整理を並行して進めましょう。

Q3 解説を読んで理解できた問題も、解き直しますか

まず答えを閉じ、最初の一手とその理由を自分で書いてみてください。そこで止まるなら、読むことでわかった状態と、一人で解ける状態の間に課題が残っています。最後まで進めたら、別の日に同じ考え方を使う問題で確かめます。一方、理由を説明でき、別の問題でも使える内容を、毎回すべて書き直す必要はありません。解き直しに使う時間を、まだ不安定なところへ回しましょう。正解した問題でも、勘で選んだものは同じ手順で確かめてください。

次の模試へ持っていくのは、試す行動です

模試を受けた後に残したいのは、結果への感想と、次に試す具体的な行動です。判定を見て感じた悔しさも安心も、そのまま受け止めて構いません。そのうえで答案を開き、直す問題を選び、答えを閉じて確かめるところまで進めます。小さな記録があれば、次の受験前に何を準備するかが見えてきます。

模試の封筒に、再確認する問題を書いた紙を添えてください。今日全部を終えられなくても、取り組む日時と最初の問題は決められます。紙の末尾には「次は、設問の条件を囲んでから本文を探す」と、試験中に試す動きを書きます。次回の模試へ持っていく目標は、その一文に絞ります。

参考文献

Naujoksほか(2022)Metacognition and Learning。大学生の練習テスト利用、本試験の成績、理解度の見積もりに関する研究。 https://consensus.app/papers/details/4e8bd7ea2c7150aa8111a355e1f2fbf1/


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