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指定校推薦の校内選考はどう決まるのか—誰が決め、評定のほかに何で順番がつくのか|武蔵野個別指導塾

推薦の判断は校長が持ち、国の要項には「校内選考」の語すらありません。評定1つの差で4.2と4.3に分かれる例と面談で聞ける質問8つを手に、自分の高校の決め方を申込の前に聞き出してください。
指定校推薦は、大学から推薦の枠を受け取った高校が、校長の名前で生徒を送り出す形の学校推薦型選抜です。その一人を高校の中で選ぶのが校内選考で、推薦するかどうかの最後の判断は校長が持っています。ただ、評定のほかに欠席・面談・作文・日ごろの様子を材料に入れるのか、入れるならどの順で比べるのかは、高校がそれぞれ決めています。令和9年度の大学入学者選抜実施要項とその Q&A には「校内選考」という言葉が一度も出てこないので、順番のつき方の答えは、自分の高校の決まりと先生の説明の中にしかありません。
| 確かめたいこと | 令和9年度の決まりで読めること | 出どころ |
|---|---|---|
| 推薦の判断をする人 | 本人が出したいと思うだけでは出願できない。その大学・学部にふさわしい生徒かどうかを校長が判断する | 実施要項 第3の1(3) |
| 条件を決める側 | 大学が推薦の要件をできるだけ具体的に決めて示す。重要と考える教科の単位や評定を条件にすることもできる | 実施要項 第3の1(3)・第5の2(2) |
| 調査書ができるまで | 担任などの原案を、教員でつくる委員会が審議し、校長が作って大学へ出す | 調査書記入上の注意事項等 3 |
| 推薦書に求められること | 学習歴・活動歴をふまえた学力の三要素の評価と、その後の指導で配慮が要る点 | 実施要項 第3の1(3)③ |
| 校内選考の決め方 | 要項にも Q&A にも定めが無い。材料・時期・比べ方は高校が決める | 実施要項と Q&A の全文 |
よくあるのは、校内選考の申込書をクリアファイルに挟んで、担任のいる職員室へ向かう廊下で急に歩幅が小さくなる場面です。希望の欄には学部の名前を書きました。評定の平均も自分で計算してあります。それでも、同じ学科を書いた人がほかにいたら、先生たちは何を見て順番をつけるのか。去年の冬に熱で休んだ数日は数えられるのか。面談があるなら何を聞かれるのか。答えを知らないまま提出口の前に立つと、紙一枚がやけに重く感じられます。その重さの正体は、評定の数字よりも、決め方を知らないことのほうにあります。
推薦の判断は校長、調査書は会議を通る—令和9年度の要項で読める範囲
令和9年度の実施要項は、学校推薦型選抜を、出身高校の校長の推薦にもとづき、調査書を主な資料にして評価する入試だと位置づけています。そのうえで、この選抜は本人の希望だけで出願できるものではなく、特定の大学・学部で学ぶのにふさわしい力や意欲を持つ生徒かどうかを「高等学校長が判断する」ものだと書いています。Q&A の答えにも、校長の推薦が無ければ受けられない選抜だという言い方が出てきます。要項の言葉に照らすと、校内選考とは、校長がこの判断をするための高校の中の準備だと言えます。推薦の名義人が校長である以上、どの先生が話し合いにかかわっても、最後に責任を負うのは校長です。
高校の中で生徒についての書類がどう作られるかを、要項がはっきり書いているのは調査書です。記入上の注意によると、調査書はホームルームの担任などが原案を書き、関係する教員で組織した調査書作成の委員会が審議し、そのうえで校長が作成して、校長の責任で大学に出します。同じ注意は、個人的な主観にとらわれたり、特別な作為を加えたりしないで作るようにも求めています。担任一人の手で仕上がる書類ではない、ということです。校内選考の会議がこれと同じ形かどうかは要項に書かれていませんが、「誰が、どんな場で決めるのか」を先生に聞くときの手がかりになります。
もう一つ、校長の名前で大学の学長あてに出る推薦書があります。要項は推薦理由の欄に、その大学・学部のアドミッション・ポリシーに対応した本人の学習歴や活動歴をふまえ、学力の三要素をどう評価したかを書くよう求めています。努力を要する点など、その後の指導で特に配慮が要ることがあれば、それも書きます。イメージ例には記載責任者の欄もあります。高校がこの書類を書く立場にある以上、評定の数字だけでなく、授業で何に取り組み、学校の外で何をしてきたかを知っておきたいと考えるのは自然です。ただしこれは決まりから引き出した推論で、校内選考でそれをどう使うかは、やはり高校が決めます。
大学の側にも決まりがあります。大学は推薦の要件をできるだけ具体的に決め、募集要項などで示さなければなりません。重要と考える教科・科目を指定し、その単位を取っていることや一定以上の評定を出願の条件にすることもできます。指定校の書類は高校に届くので、生徒はその要件を、校内の一覧の条件欄や、先生を通して見せてもらう大学の書類で知ることになります。図1のように役割を三者に分けると、校内選考がどこに挟まっているかが見えてきます。大学が要件を示し、本人が申込書を出し、高校がその間で一人を選んで推薦書と調査書を大学へ送る、という流れです。

図1の真ん中にある「校内選考の決まり」だけは、国の要項が中身を決めていません。大学の要件は入口の柵で、柵を越えた人どうしをどう並べるかは高校の中の話です。ここで挙げた決まりは、どれも令和9年度(2027年4月入学)の要項によるものです。いま高2の人が受ける年度の要項はまだ出ていないので、出たら同じ箇所を読み直してください。
順番のつけ方は高校の中で決まる—材料と比べ方の違い
校内選考で高校ごとに違うのは、大きく分けて四つです。何を材料にするか、どう比べるか、いつまでの成績を使うか、結果をどう知らせるか。どれも高校が決めることで、決め方を生徒に公表していない高校もあります。
一つ目の材料について言うと、高校の手元には調査書のもとになる記録がそろっています。各教科・科目の評定、学年ごとの出欠の記録、ホームルーム活動・生徒会活動・学校行事の特別活動の記録、それに部活動やボランティア、表彰、取った資格などが入る指導上参考となる諸事項の欄です。申込のときに作文や面談を求めるかどうかも、高校の決まりです。手元に記録があることと、それを校内選考の材料にすることは別の話で、どれを使うかは高校が決めます。欠席については、要項に大学向けの決まりがあります。出欠を推薦の要件や判定の材料に使う大学は、病気や事故など本人に責任の無い理由でやむを得ず休んだ日を本人の申し出や調査書で知ったら、不利にならないよう配慮します。校内選考でも同じ扱いになるかは、高校に確かめることです。
二つ目の比べ方は、さらに外から見えにくい部分です。評定の順に並べてから他の材料を見るのか、すべてを合わせて先生たちが話し合うのか、評定が並んだときに何を先に見るのか。「指定校推薦 優先順位」と検索しても、自分の高校の順番は出てきません。形はいくつも考えられ、どれを採るかは高校ごとに違います。ここを推測で埋めて準備の配分を決めると、見られない材料に時間を使い、見られる材料を空けたまま申込の日を迎えかねません。
三つ目は成績の区切りです。塾の案内でも、指定校推薦で使う評定平均は、高1の1学期から高3の1学期まで全教科を積み上げた数字だと説明しています。要項には、卒業見込みの生徒の最終学年の成績がまだ決まっていないときは、その学年の直近の成績を総合して高校が判定した成績を調査書に書く、という決まりもあります。一年を前期と後期に分ける高校では成績の切れ目が違ってくるので、校内選考の時点でどこまでの成績が入るのかを、自分の高校で確かめてください。
四つ目は知らせ方です。申込の受付の時期、結果を伝える日、伝え方が面談なのか呼び出しなのか紙なのかは、どれも高校の決まりです。何月に決まると決めつけることはできません。
では、決め方が公表されていない高校で、何を見ればよいのでしょうか。手がかりは四つあります。一つ目は校内の推薦の要項(申込の手引き)で、材料・締め切り・提出物が書かれていることがあります。二つ目は指定校の一覧で、条件欄の数字や教科の指定は大学が出した要件です。三つ目は高校に届いた大学の募集要項で、推薦の後に大学が何で評価するかがわかり、高校がどんな生徒を送り出したいかを考える材料になります。四つ目が担任や進路指導の先生との面談で、紙に書かれていない部分を、その場で直接確かめられます。一覧の条件と校内の材料を混ぜずに読むことが、準備の第一歩です。
申込書を出す前の5つの手順
図2のように、申込書を出す日から逆にたどって、準備を5つの手順に分けます。順番には理由があり、前の手順で空欄になったことを、後の手順で埋めていく形になっています。

手順1は、校内の推薦の要項を手に入れて読むことです。まだ配られていなければ、いつ配られるかを担任に聞きます。読むときは、材料(評定・欠席・面談・作文など)、締め切り、提出物の三つに色を分けて線を引きます。書かれていない項目は空欄のまま残し、手順4の質問に回します。去年の手引きを見せてもらえたとしても、今年は変わることがあるので、基準にするのは今年のものです。
手順2は、評定を表にすることです。学年と科目ごとに評定を並べ、全体と教科ごとの数字を出します。たとえば評定が35個並んだ表で、合計が148なら平均は4.228…で、小数第2位を四捨五入した調査書の数字は4.2です。合計が149なら4.257…で4.3、151なら4.314…で4.3になります。評定一つが1段違うだけで4.2と4.3に分かれ、逆に2段違っても同じ4.3に並ぶことがあるわけです。校内選考がこの小数第1位の数字で比べるのか、別の数え方をするのかは高校の決まりなので、表を自分で作った人ほど、ここを聞く意味がはっきりします。一覧の条件欄に教科の指定があれば、その教科だけの数字も出しておきます。
手順3は、出欠を学年ごとに書き出すことです。欠席・遅刻・早退の数と、病気やけがなど理由のはっきりした欠席の日付と理由を、手帳や通知表を見ながらメモにします。理由のある欠席をどう扱うか、記録の写しを出したほうがよいかは高校に聞くことで、メモが手元にあれば、面談での説明が短く正確になります。
手順4は、面談で聞くことです。手順1で空欄になった項目と、手順2・3で出た疑問を紙に書いて持っていきます。あわせて、その学部を選んだ理由を1分で話せるようにしておきます。高校の授業や活動の中で、その学部の学びにつながった場面を一つ挙げられると、推薦書にかかわる先生に材料を渡すことにもなります。面談は聞く場であり、同時に見られる場でもあると考えておくと、準備の軸がぶれません。
手順5は、家族で決めることです。指定校推薦は、合格したら入学すると約束して受ける選抜です。塾の案内のとおり、校内選考に通った後でも、出願を済ませてから辞退することは原則できません。保護者の方は、お子さまが申込書に書いた学部で4年間学ぶつもりがあるか、通学や学費の見通しも含めて家族で確かめたうえで送り出してください。ここで迷いが残るなら、申込の前に担任に相談しておくほうが、通った後で悩むよりずっと傷が浅く済みます。
「評定が一番なら通る」は本当か—校内選考の思い込み3つ
一つ目は、同じ枠を希望した中で評定がいちばん高い人が必ず選ばれる、という思い込みです。要項は校内選考の決め方を定めていないので、評定だけで決めるとも、評定以外も見るとも、国の決まりからは言えません。言えるのは、選ぶのは高校で、推薦の判断は校長が持つということだけです。それに、全体の評定が高くても、一覧の条件にある教科の評定や単位が足りなければ、その枠にはそもそも届きません。図3のように、まず大学の要件、次に高校の材料という順で、自分の位置を確かめてください。一覧の条件を満たしていなければ別の枠も探し、満たしていれば校内の要項に材料が書かれているかを見ます。書かれていればそれぞれを準備し、書かれていなければ先生に聞きます。

二つ目は、担任の先生が一人で決めている、という思い込みです。推薦は校長の名前で出ますし、調査書でさえ委員会の審議を通ってから校長が作ります。担任は申込書を受け取り、面談をする窓口になることはあっても、校内選考を誰がどんな場で決めるかは高校の決まりです。担任の顔色をうかがうより、決め方そのものを聞くほうが確かです。
三つ目は、基準を聞くのは失礼で、聞いても教えてもらえない、という思い込みです。決め方を公表していない高校はありますが、だからといって何も聞けないわけではありません。「基準の点数を教えてください」ではなく、「何を出して、何を見られるのか」「評定はいつまでの成績を使うのか」と、準備に必要なことを聞けば、答えられる範囲で答えてもらえることがあります。図3の右下にある「先生に聞く」は、遠慮の反対側にある、れっきとした準備の一つです。
付け加えると、校内選考に通れば合格が決まる、というわけでもありません。校長の推薦の後にも、大学による評価と判定が残ります。校内選考は入口の手前の関門で、出口ではありません。
高校の先生に確かめる質問
面談の前に、次の質問を紙に写して持っていくと、聞き漏らしが減ります。全部を一度に聞く必要はありません。校内の推薦の要項に書かれていなかったものから順に聞いてください。
- 校内選考では、評定のほかに何を材料にしますか。欠席や遅刻、面談、作文、日ごろの様子のうち、どれを見ますか。
- 選考は、どの先生たちが、どんな場で決めますか。結果はいつ、どのような形で伝えられますか。
- 評定は、いつまでの成績を使いますか。前期・後期の区切りの場合、どこまで入りますか。
- 評定は調査書と同じ小数第1位の数字で比べますか。それとも別の数え方をしますか。
- 一覧の条件欄にある教科の評定は、どの学年のどの科目を合わせて見ればよいですか。
- 病気で休んだ日がある場合、申込のときに理由を伝えたほうがよいですか。記録の写しは要りますか。
- 申込書のほかに、作文や志望の理由、活動のメモを出すことはありますか。長さと締め切りはどうなっていますか。
- 申込書に第2希望まで書けますか。書いた場合、選考の進め方は変わりますか。
答えをもらったら、その場で手順1の要項の余白に書き込みます。口で聞いただけのことは、家に帰るまでに細かいところから崩れていきます。
個別指導で確かめること
塾では、学年と科目ごとの評定の表を一緒に作り、一覧の条件欄と校内の推薦の要項の両方と並べて、どこが足りていて、どこが4.2と4.3のような境目にかかっているかを確かめます。校内で作文や面談があるとわかれば、その答案や下書き、志望の理由を声に出したときの受け答えまで同じ机で見直し、先生に聞き返されて詰まりそうな所を、申込書を出す前に一つずつ見つけておきます。
まとめ
順番をつけるのは高校で、推薦に名前を書くのは校長です。国の要項はその手前の決め方を定めていないので、評定の表と出欠のメモと1分の志望理由を手に、自分の高校の決め方を先生から聞き出すしかありません。聞くのが早いほど、準備に使える日が増えます。申込書の重さは、決め方を先生の口から聞いた日に、ただの紙一枚に戻ります。
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