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副教科の評定は都立入試で何倍に数えるか—2倍の計算と、3教科の入試で変わる重さ|武蔵野個別指導塾

都立の第一次募集では、音楽や美術の評定1つが調査書点で約9.23点、当日の素点なら約6.6点に当たります。国数英だけの入試で社会と理科まで倍になる計算も、通知表1枚の例で追えます。
都立高校の一般入試は、その入試で当日の答案を書かない教科の評定を、2倍にしてから調査書点に入れます。全日制の第一次募集は、芸術・体育の学科などを除いて国数英社理で学力検査をするので、倍になるのは音楽・美術・保健体育・技術家庭の4教科です。国数英の3つだけで試験をする入試では、社会と理科も倍の側に移ります。推薦は倍にしません。
| 入試の形 | 評定を2倍にする教科 | 評定の満点 | 実技の評定1つの重さ |
|---|---|---|---|
| 第一次募集の5教科の入試(7対3) | 実技4教科 | 65 | 調査書点で約9.23点、当日の素点で約6.6点 |
| 第二次募集と、芸術・体育の学科(国数英の3教科・6対4) | 社会・理科と実技4教科 | 75 | 調査書点で約10.67点、当日の素点で約5.3点 |
| 推薦(評定を使う学校) | なし | 45 | どの教科の1も同じ重さ |
よくあるのは、日曜の夜9時を回ってから、美術のポスターの提出日が先週の金曜だったと思い出す場面です。机の上には、鉛筆の下描きのままの画用紙が1枚。「美術なんて受験に関係ないし」とつぶやいた中3に、台所からお母さんが「副教科って2倍なんでしょ」と声をかけます。何が何の2倍なのか、二人とも言葉にできないまま、数学のワークと画用紙のどちらを先に開くかで手が止まります。
倍になるのは「当日に答案を書かない教科」—実技4教科が65点の6割を占める
令和9年度の都立高校の実施要綱は、一般入試で調査書の評定を点にするとき、その学校が学力検査をする教科は評定をそのまま使い、学力検査をしない教科は評定を倍にすると決めています。「副教科を2倍」という言い方は要綱のどこにもありません。境目は教科の種類ではなく、その入試で当日の試験があるかどうかです。全日制の第一次募集は、芸術や体育に関する学科と、学力検査をしないエンカレッジスクールを除けば、国語、数学、英語、社会、理科の5つで学力検査をするので、試験の無い音楽・美術・保健体育・技術家庭が倍の側に入ります。
足し算はこうなります。国数英社理の評定をそのまま足すと最大25。音楽・美術・保健体育・技術家庭の評定を足すと最大20で、これを2倍して最大40。合わせて65点満点です。塾ではこの65点満点の数字を換算内申と呼んでいます。図1のように、65のうち40は実技4教科の分で、割合にすると約61.5%。通知表に並ぶ9つの評定のうち4つが、調査書点の6割あまりを動かしている形です。

要綱は倍にする理由を書いていません。仕組みとして読むと、当日の答案に出てこない4教科の力を、調査書の側で重く拾う形になっています。5教科の勉強に追われる秋ほど実技の提出物が後回しになりやすいのは、この重さと逆の向きに時間を使っているとも言えます。図1の左の5つの箱と右の4つの箱は、幅が倍違います。
推薦は数え方が違います。評定を使う推薦では、どれか1つの教科だけを重くすることをしない、と要綱は書いています。9教科は同じ重さで足されます。また、学力検査をしないエンカレッジスクールは、評定ではなく観点別評価から調査書点を出すので、ここで扱う倍の計算とは別の数え方です。志望校がどちらに当たるかで、同じ通知表の読み方が変わります。
実技の評定1つは調査書点で何点か—通知表1枚で追う
たとえば、中3の2学期の通知表が次の並びだったとします。国語4・社会4・数学3・理科4・英語4、音楽3・美術4・保健体育3・技術家庭4。国数英社理を足すと19、実技4教科を足すと14です。換算内申は、19に14の2倍の28を足して47。第一次募集の7対3の学校では調査書点を300点満点に直すので、47に300を掛けて65で割り、約216.92点になります。
ここで美術が4から3に下がったとすると、実技の合計は13、換算内申は45、調査書点は約207.69点。差は約9.23点です。同じ1の差でも、数学が3から4に上がったときの増え方は約4.62点にとどまります。美術で失った1を5教科の評定で取り戻すには、2つの教科でそれぞれ1ずつ上げる必要がある、という計算です。
当日の点に直すと、重さがもっとはっきりします。7対3の学校では、5教科の素点500点満点を700点に直すので、教科ごとの傾斜配点をしない学校なら素点1点は1.4点の値打ちです。調査書点の約9.23点を1.4で割ると約6.6点。図2のように、実技の評定1つは当日の答案で7点近くを取るのと同じ重さで、5教科の評定1つは約3.3点分です。英語のスピーキングテスト(ESAT-J)の結果は1段階の差が4点なので、実技の評定1つはその2段階分よりも重くなります。

都教委の募集案内のQ&Aの計算例では、調査書点の小数点以下は切り捨てると注記されていますが、ここでは評定1つの重さを比べるために小数のまま示しました。合否がこの小数の差だけで決まるわけではありませんが、提出物1つを落としたことが評定に響いたとき、当日の答案のどれくらいと釣り合うかを知る目安にはなります。たとえば当日の答案で3点の小問を2つ落とすより、美術の評定を1つ落とすほうが少し重い。そう置きかえてみると、日曜の夜に画用紙を開く理由が数字で言えるようになります。
国数英だけの入試では、社会と理科も倍の側に移る
倍にする教科の数は、入試の形で変わります。要綱では、全日制の第二次募集の学力検査は国語・数学・英語の3つです。第一次募集でも、芸術や体育に関する学科は同じ3つで試験をします。どちらも当日に社会と理科の答案を書かないので、社会と理科の評定も倍になり、倍の側は6教科に増えます。国数英の評定をそのまま足して最大15、残り6教科の評定を足して2倍すると最大60。合わせて75点満点です。
比率も変わります。この2つの入試は、当日の点と調査書点を6対4で合わせる決まりです。合計1000点のうち調査書点が400点、当日の300点満点の素点は600点に直すので、素点1点は2点の値打ちになります。
さきほどの通知表で計算し直します。国数英の評定は4・3・4で11。社会と理科は4と4で8、実技4教科は14なので、倍の側は8と14を足した22の2倍で44。合わせて55です。55に400を掛けて75で割ると、調査書点は約293.33点。倍の側の教科の評定1つは約10.67点、国数英の評定1つは約5.33点の重さで、素点に直すと倍の側は約5.3点、国数英は約2.7点分です。

図3のように、社会と理科は、5教科の入試では1倍の箱に入り、3教科の入試では2倍の箱に移ります。そのため社会の評定1つは、第一次募集の5教科の入試では約4.62点だったものが、第二次募集では約10.67点に変わります。通知表は1枚のまま、数える物差しのほうが入れかわるわけです。第二次募集は、最初から予定に入れて準備する入試ではないかもしれません。それでも第一次の発表のあとに出願を考える場面では、社会と理科の評定が倍に効くと知っていると、学校選びの相談が早く進みます。芸術や体育の学科を第一志望にしている人は、第一次募集の時点でこの数え方になります。第二次募集にも、6対4と10対0の両方で計算して高い方をとる方式があり、どの学校がそうするかは別表で決まっています。
実技4教科の評定に効く3つの観点—提出物と授業の取り組みを見直す
都教委が令和9年度の推薦の資料に載せた観点別評価の一覧では、どの教科にも3つの観点が並びます。Ⅰが知識・技能、Ⅱが思考・判断・表現、Ⅲが主体的に学習に取り組む態度です。要綱によると、中学校は観点ごとにA・B・Cをつけ、それを総括して5から1の評定をつけます。どの観点のどの組み合わせで評定がいくつになるかは中学校の評価の決まりの中のことなので、通知表の観点の欄を見て、自分の評定がどこで止まっているかを探るのが近道です。
見直す順番は次のとおりです。最初に、実技4教科の観点の欄からBやCを探します。次に、その観点に何が入るのかを、教科の先生が学期の初めに配る評価の説明や授業の資料で確かめます。見つからなければ、授業のあとに先生に聞くのがいちばん確かです。そのうえで、出していない提出物と、出したけれど空欄の多いワークシートを書き出します。
提出物は教科ごとに形が違います。たとえば美術なら作品とアイデアスケッチと鑑賞のカード、技術家庭なら製作物とレポート、音楽なら鑑賞文やワークシート、保健体育なら保健のワークや授業の学習カードです。どれがどの観点に入るかは先生の評価の決め方しだいなので、ここでは決めつけません。ただ、どの教科でも、授業の準備と振り返りの記入は毎回の積み重ねで、1回の頑張りでは取り返せない種類の物です。
体育の内申点、つまり保健体育の評定を上げたいときも、運動の得意不得意だけで決まると思い込まないことです。観点はⅠからⅢまであり、技能はその1つにすぎません。見学した日の記録や、保健の単元のワークがどう扱われるかを先生に聞いておくと、できることの一覧が増えます。
時期にも触れておきます。都立の調査書に載るのは、2026年12月31日の時点の中3の評定で、3学期制の中学校は1学期と2学期の成績を十分参考にすると要綱にあります。11月の日曜の夜に提出日を思い出したなら、月曜の朝に美術の先生のところへ自分で行き、遅れて出せるかどうかを聞くのが先です。受け取るかどうか、どう評価するかは先生が決めることで、家で決められるのは、聞きに行く時刻と、それまでに画用紙をどこまで進めておくかです。
よくある質問
体育と音楽が両方2です。5教科で取り返せますか
取り返せます。道筋は計算で見えます。体育と音楽をそれぞれ1つずつ上げると換算内申は4増え、7対3の学校の調査書点で約18.46点。当日の素点なら約13.2点です。同じ分を5教科の評定で埋めるなら、4つの教科でそれぞれ1ずつ上げることになります。どちらが近いかは、残りの期間に出せる提出物の数と、5教科のテストの伸びしろを並べて決めます。両方を少しずつ進めてもかまいません。
推薦でも副教科は2倍に数えますか
数えません。評定を使う推薦は9教科を同じ重さで足します。たとえば調査書点の満点が360点の学校なら、360を45で割った8点が、国語の1にも美術の1にも同じようにつきます。一般入試では倍だった実技の1が、推薦では5教科の1と同じ重さに戻る、という違いです。
私立の併願優遇の基準でも副教科は2倍ですか
倍にする決まりは都立の要綱の決まりで、私立の基準の数え方はそれぞれの学校の募集要項と入試相談で決まります。東京私立中学高等学校協会の説明では、12月の入試相談で使う資料は、内申や観点別評価などの学習の記録、実技、特別活動、出欠などの記録です。どの教科をどう足すかは学校ごとに違うので、志望校の要項と中学校の先生に確かめてください。
武蔵野北のような10対0の方式の学校では、副教科は関係ないのですか
関係はあります。令和9年度は北園・武蔵野北・深沢の3校が、一人ずつ、7対3で足した合計と10対0で足した合計を比べ、大きい方で順位をつけます。10対0の計算には調査書点が入りませんが、7対3の計算では実技の評定が倍で入ります。実技の評定が高い人ほど7対3の側が高くなりやすく、当日の点が通知表より大きく伸びた人には10対0の側が働く、という二つの道が残る仕組みです。
確かめる順番
今週のうちに、次の順で家の机の上に紙を並べます。
- 1学期(2学期制なら前期)の通知表を出し、実技4教科の評定と、それぞれの3つの観点のA・B・Cを1枚に書き写す。2学期の通知表が出たら、そちらで書き直す。
- 国数英社理の評定の合計と、実技4教科の評定の合計を出し、後者を2倍して足す。300を掛けて65で割り、調査書点の形にしておく。
- 志望校が国数英社理の5つで試験をする学科か、国数英の3つで試験をする芸術や体育の学科かを、都教委の入試実施方法一覧(別表)で確かめる。
- 実技4教科の提出物の一覧と締切を、各教科の配布物か授業のノートで洗い出し、出していない物に印をつける。
- 印のついた物は、本人が月曜に教科の先生へ直接聞く。保護者の方は、その結果を聞いてから、三者面談の前に2の数字をお子さまと一緒に確かめる。
個別指導で確かめること
塾の授業で美術の作品を仕上げることはできません。個別指導で確かめるのは、通知表の観点の欄のどこにBやCがあり、それが提出物の出し忘れなのか、テストなのか、授業の取り組みなのかを生徒と一緒に分けることです。そのうえで換算内申と当日の点の差を数字で並べ、5教科の勉強の時間をどこまで実技の提出物に回してよいかを、その週の予定表に書き込みます。
まとめ
一般入試では、美術の評定の1は数学の評定の1の倍の重さで調査書点に入り、国数英だけの入試になれば社会や理科の1も同じ側に回ります。9つの評定を同じ物差しで見ていると、時間の配り方を間違えます。日曜の夜に見つけた描きかけの画用紙は、評定1つで当日の答案の約6.6点と釣り合う教科の宿題であり、月曜の朝に美術室へ持っていく一枚です。
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