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都立推薦の調査書点の出し方—9教科を同じ重さで数える式と、一般の換算内申との違い|武蔵野個別指導塾

素内申38は、調査書点の満点が400点の推薦なら約337.78点。実技を2倍にする一般の換算内申と同じ通知表で並べると、教科ごとの重さが入れかわる様子が見えてきます。
都立の推薦で評定を使う学校は、中3の9教科の評定をそのまま足し、その合計に志望校の調査書点の満点を掛けて45で割ります。実技4教科を2倍にしてから300点に直す一般入試の換算内申とは、足す段階から数え方が違います。
| 比べる所 | 推薦(評定を使う学校) | 一般の第一次募集(5教科・7対3の学校) |
|---|---|---|
| 足し方 | 9教科を1倍ずつ(素内申・45点満点) | 5教科は1倍、実技4教科は2倍(換算内申・65点満点) |
| 調査書点の式 | 評定の合計 × 満点 ÷ 45 | 換算内申 × 300 ÷ 65 |
| 調査書点の満点 | 学校ごとに入試実施方法一覧で決まる | 300点 |
一般推薦で観点別評価(A・B・C)を使う7校だけは、評定の代わりに27の観点の得点から計算します。
よくあるのは、三者面談の帰りの電車で、お子さまが成績の紙を膝に広げ、保護者の方がスマホの電卓に評定を一つずつ打ち込んでいく場面です。「全部足すと38。推薦だと何点になるの」「でも塾のプリントには換算内申53って書いてあったよ」。同じ紙から二つの数が出てきて、どちらが本当の内申なのか、降りる駅まで話がまとまりません。実はどちらも正しい数で、使う入試が違うだけです。足し方の違いさえ押さえれば、車内の電卓でも推薦の点まで出せます。
推薦の調査書点は「評定の合計 × 満点 ÷ 45」で出る
東京都教育委員会の令和9年度の実施要綱は、推薦で評定を使う学校に対し、特定の教科の評定に比重をかけないよう定めています。数学の5も技術・家庭の5も、同じ5として一つの合計に入るということです。募集案内の入試Q&Aに載っている式を、家で手を動かせる形に書き直すと次の一行になります。
調査書点 = 評定の合計 × その学校の調査書点の満点 ÷ 45
45は、9教科すべてが5だったときの合計です。評定の合計を45で割ると、通知表が満点の何割に届いているかが出ます。その割合に学校の満点を掛け戻したものが調査書点で、図1のように、計算は「足す」「45で割る」「満点を掛ける」の3段で終わります。電卓なら、合計を出したあとに「× 満点 ÷ 45」と続けて打てば一度で済みます。

足す評定は中3のものです。調査書の教科の欄には2026年12月31日時点の第3学年の評定が書かれ、3学期制の中学校なら1学期と2学期の成績が十分に参考にされます。満点は学校ごとに違い、募集案内の「入試実施方法一覧」で志望校の行の調査書の欄を見れば数字が載っています。
推薦の合否は、調査書点と面接、作文や小論文などを合わせた総合成績の順で決まります。自己PRカードは点数にならず、面接の資料として読まれます。調査書点はその総合成績の一部にすぎませんが、検査の日を待たずに家で計算できる部分でもあります。1月26日(火)・27日(水)の検査より前に、この数字の見通しだけは立てておけます。
素内申31・37・42を、満点400点の学校で点に直す
たとえば、調査書点の満点を400点と決めている学校を受けるとします。素内申が31、37、42の3人がいたとき、式に入れると次のようになります。
| 素内申 | 式 | 調査書点 |
|---|---|---|
| 31 | 31 × 400 ÷ 45 | 約275.56点 |
| 37 | 37 × 400 ÷ 45 | 約328.89点 |
| 42 | 42 × 400 ÷ 45 | 約373.33点 |
この学校では、評定が1つ上がるたびに400 ÷ 45で約8.89点増えます。31の人が37まで上げれば6つ分で約53.33点、37の人が42に届けば5つ分で約44.44点です。どの教科で上げても同じ約8.89点なので、推薦の計算の中には重い教科も軽い教科もありません。国語を4から5にしても、美術を3から4にしても、表の右の列は同じだけ動きます。
満点が変わると、評定1つの重さも変わります。たとえば満点が600点の学校なら1つあたり約13.33点で、素内申37は約493.33点になります。ただし満点に対する割合で見れば、素内申37はどちらの学校でも37 ÷ 45で約82.2%のままです。学校の満点は物差しの長さを変えるだけで、通知表の出来そのものを変えはしません。
ここで気をつけたいのは、表の3人の差を「点数の差」として大きく感じすぎないことです。約275.56点と約373.33点の開きは約97.78点ありますが、総合成績の満点の中でこの開きがどれだけの重さを持つかは、面接や作文の満点との釣り合いで決まります。調査書点だけを見て合否を占わず、志望校の欄で総合成績の満点まで読んでから、自分の位置を考えてください。
同じ素内申38の通知表が、一般では換算内申53と58に分かれる
一般入試の第一次募集について、実施要綱は、学力検査をする教科の評定を1倍、しない教科の評定を2倍にして調査書点を出すと定めています。5教科の学力検査をする学校では、音楽、美術、保健体育、技術・家庭の4教科が2倍になり、塾ではその合計(65点満点)を換算内申と呼んでいます。7対3の学校では、換算内申 × 300 ÷ 65 が調査書点です。
素内申が同じ38の2人の通知表を並べてみます。
| 国 | 数 | 英 | 社 | 理 | 音 | 美 | 保体 | 技家 | 素内申 | 換算内申 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| P | 5 | 5 | 5 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 3 | 38 | 53 |
| Q | 4 | 4 | 4 | 3 | 3 | 5 | 5 | 5 | 5 | 38 | 58 |
Pは5教科が高く、Qは実技4教科がそろって高い通知表です。満点400点の推薦なら、2人とも38 × 400 ÷ 45で約337.78点になり、差はまったく出ません。一般の7対3では、Pは53 × 300 ÷ 65で約244.62点、Qは58 × 300 ÷ 65で約267.69点となり、約23.08点の開きが生まれます。図2は、それぞれの点をその入試の調査書点の満点に対する割合に直して並べたものです。

図2のとおり、推薦ではPもQも84.4%で並び、一般ではPが81.5%に下がり、Qは89.2%に上がります。同じ通知表を持っていても、推薦の数え方と一般の数え方のどちらに乗せるかで、その通知表の働きは変わるわけです。
一般だけ2倍にする理由を、要綱は書いていません。5教科は当日の学力検査の700点で測られるので、試験の無い4教科を調査書の側で厚く見る仕組みだ、と読むと計算の筋は通ります。推薦には学力検査が無く、どの教科も調査書でしか見られないので、9教科を同じ重さで足す形になっている、と同じ見方で説明がつきます。国数英の3教科で試験をする第二次募集では、社会と理科も2倍の側に回り、満点は75点になります。一般の総合得点まで通して試したいときは塾の「都立高校入試 総合得点計算機(換算内申・調査書点・ESAT-J)」が一般入試向けの道具なので、推薦の調査書点はここまでの手の計算で確かめてください。
評定1つ分の重さを、調査書点の満点に対する割合で比べる
割合に直すと、学校の満点に左右されずに比べられます。推薦では評定1つが満点の1 ÷ 45、約2.2%に当たり、これはどの教科でも同じです。一般の7対3では、5教科の評定1つは1 ÷ 65で約1.5%、実技4教科の評定1つは2 ÷ 65で約3.1%になります。図3のように、推薦の棒の長さは一般の2本の棒の長さの間に収まります。

図3から読み取れることは二つあります。一つ目は、5教科の評定が高い通知表ほど推薦の数え方で割合が上がり、実技の評定が高い通知表ほど一般の数え方で上がるということです。前の節のPとQがちょうどその形でした。ただし推薦の合否は面接や作文を含めた総合成績で決まるので、この割合の差だけで推薦にするか一般に絞るかを決めるのは早すぎます。
二つ目は、推薦と一般の両方を考えている人にとって、実技4教科の評定は調査書点の上では両方に効く上げどころだということです。実技の評定を1つ上げると、推薦では5教科を上げたのと同じ約2.2%、一般ではその1.4倍ほどの約3.1%が動きます。5教科の評定を1つ上げても推薦では同じ約2.2%ですが、一般の調査書点では約1.5%にとどまります。
もっとも、5教科の勉強は当日の学力検査の点にもつながるので、上の比べは調査書点だけを切り出した話です。2学期の評定が決まる前に、上げやすさが同じくらいの教科が二つ残っていて、片方が実技なら、調査書点の計算の上では実技を先に選ぶ理由がある、という程度に受け取ってください。
観点別評価を使う7校は、A・B・Cの得点から点を出す
一般推薦で評定の代わりに観点別評価を使うのは、蒲田・足立東・東村山・秋留台・中野工科・練馬工科・大田桜台の7校です。このうち大田桜台を除く6校はエンカレッジスクールで、要綱はエンカレッジスクールに観点別評価を使うよう求めています。観点は9教科それぞれに、知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度の3つがあり、合わせて27になります。
式は評定の学校と同じ形で、満点の数え方だけが違います。
調査書点 = 観点別評価の得点 × 調査書点の満点 ÷ 観点別評価の得点の満点
A・B・Cをそれぞれ何点と数えるか、どの教科や観点を重く見るかは学校ごとに決められていて、募集案内の「推薦実施校における観点別学習状況の評価の活用方法一覧」に一校ずつ載っています。要綱も、観点別評価を使う学校は特色に応じて特定の観点の配点を高くするなどして活かす、と書いています。
たとえば観点別評価の得点の満点が200点の学校で、ある受検者の得点が150点、調査書点の満点が400点なら、150 × 400 ÷ 200で300点です。評定を使う学校と違うのは、同じ4が付いた教科でも、3つの観点のA・Bの並びが違えば得点が変わりうる点です。志望校が重く見る観点にBが付いている教科があれば、そこが点の伸びしろになります。エンカレッジスクールの6校は第一次募集でも学力検査をせず、観点別評価から調査書点を出すので、通知表の観点の欄を読む習慣は一般の出願まで役に立ちます。
よくある質問
中1と中2の通知表は、推薦の調査書点に入りますか
入りません。都立の調査書の教科の欄に載るのは中3の評定だけで、中1・中2の評定はそこに書かれません。推薦でも一般でも、調査書点のもとになるのは中3の9教科です。
英検や生徒会の役職は、調査書点に足されますか
都の要綱では、調査書点は教科の評定(観点別評価を使う学校はその得点)から出し、検定や役職の点を足す欄はありません。英検の合格や委員会の仕事は、調査書の諸活動の記録や自己PRカードに書くことができ、面接の資料として読まれます。私立高校などで検定を加点する仕組みがあるかどうかは、学校ごとの募集要項で確かめてください。
調査書点の小数点以下は、切り捨てですか、四捨五入ですか
推薦の式について都が公表した資料には端数の扱いが載っていません(一般入試の調査書点は、募集案内の入試Q&AのQ14の計算例に「小数点以下が発生した場合は切り捨て」とあります)。家で計算するときは小数第2位まで残しておき、実際の扱いは学校の計算に従うと考えておくのが無難です。推薦の総合成績が同点になったときは、自己PRカードなどの資料を使って順位が並ばないようにすると要綱が定めています。
評定に斜線(/)が付いた教科があると、どう数えますか
推薦では、斜線のある調査書の学習の記録をどう点にするかを各都立高校が決めると要綱にあります。出席日数が少なく評定が付かなかった教科がある場合は、志望校の扱いを中学校の進路の先生を通して早めに確かめてください。
確かめる順番
今週のうちに、次の順で紙をそろえてください。
- いま手元にある中3の通知表(3学期制なら1学期、2学期制なら前期)を出し、9教科を足した素内申と、5教科に実技4教科の2倍を足した換算内申を、同じ紙の上下に書きます。
- 募集案内の「入試実施方法一覧」を開き、志望校の行で、推薦が評定と観点別評価のどちらを使うか、調査書点の満点が何点かを写します。
- 評定の学校なら素内申 × 満点 ÷ 45、一般なら換算内申 × 300 ÷ 65を計算し、どちらも満点に対する割合まで出して横に並べます。
- 観点別評価の7校を考えているなら、活用方法一覧でA・B・Cの数え方と重く見る観点を確かめ、通知表の観点の欄から得点を数えます。
- 出した数を持って担任か進路の先生に会い、2学期の評定がいつ決まるか、校内で推薦をもらうまでの流れがどうなっているかを聞きます。
学校ごとの配点を見比べたいときは、塾のサイトの「都立高校の偏差値・学力検査・内申の目安 一覧(令和9年度)」で志望校の欄を開いてください。
個別指導で確かめること
武蔵境の教室で推薦を考えている生徒を受け持つときは、まず素内申を9教科にばらし、次の評定まで一番近い教科を、定期テストの答案と提出物の記録まで戻って探します。推薦の式では9教科のどれを1つ上げても重さは同じなので、伸ばしやすい教科を一つ決め、2学期の残りの授業と課題でそこに時間を寄せるところから始めます。観点別評価の学校を受ける生徒なら、通知表の観点の欄でBが付いた所を一つずつ拾い、何が足りなかったのかを先生のコメントや返ってきたプリントから確かめます。
まとめ
45で割る式の前では、音楽の4も数学の4も同じ4として並びます。その平らな数え方は、実技を2倍にする一般の式と並べたときにだけ段差になって見えてきます。電車の中で足した38を、満点の何%に当たるかまで割ってみた家庭は、推薦と一般で同じ通知表がどう働くかを、三者面談の次の回には自分の言葉で説明できるはずです。
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