
武蔵野個別指導塾の特徴
推薦の面接の準備—答えを暗記するより、聞かれ方に慣れる|武蔵野個別指導塾

経験を行動・理由・振り返りに分け、質問の言い換えに応じて話す部分を選びます。質問カードと録音を照らし合わせ、聞かれた内容から答えがずれた箇所を探します。

推薦の面接の準備—答えを暗記するより、聞かれ方に慣れる
覚えた答えが出てこないときに見直すこと
よくあるのは、練習を終えたエレベーターの中で、階数表示を眺めながら言えなかった答えを小声で言い直す場面です。「中学校で頑張ったこと」なら話せたのに、「その活動で自分から変えたことは」と聞かれると止まってしまう。帰り際には覚えた文章がすらすら出てくるので、本人も保護者も、どうして席に座ると話せないのかと戸惑います。
ここで確かめたいのは、文章を覚えていたかだけではありません。質問が変わったとき、答える場所を選び直せたかという点です。取り組みの全体を説明する問いと、自分の行動を尋ねる問いでは、同じ経験を使う場合でも話し始める場所が変わります。文章を最初から再生する練習だけでは、その違いを扱いきれません。
面接の準備では、経験を整理する時間と、聞かれ方に合わせて話す時間を分けてみてください。きれいな答えを完成させる前に、問いの意味を受け取り、必要な経験を取り出す練習を入れます。家庭でも一人でも始められるように、紙と声を使う手順を具体的に考えていきます。

答えを覚えるほど質問から離れてしまう理由
質問の言葉が似ていても求められる中身は違う
「何に取り組みましたか」は活動を尋ねています。「なぜ続けたのですか」は理由を、「うまくいかないときに何をしましたか」は対応を尋ねています。どれも同じ活動について話せますが、必要な答えは同一ではありません。練習用の質問と完成した文章を組にして覚えると、似た言葉が聞こえた瞬間に文章を出し始め、質問の後半を受け止め損ねることがあります。
たとえば、係の仕事について「途中で困ったこと」を尋ねられたとします。活動名、担当になった理由、普段の仕事、感想と順番に話しているうちに、肝心の困り事まで届かないことがあります。この場合、経験が乏しいわけではありません。問いに必要な部分を先に出す練習が足りないと考えると、次に直す場所がはっきりします。
一方、短くしようとして「協力することです」とだけ答えると、どんな経験からそう考えたのかが相手に伝わりません。長さだけを調整するより、まず質問への答えを置き、それを支える出来事を添える順番を試しましょう。相手が知りたいことと、自分が伝えたいことの接点を探す作業です。
質問の最後まで聞くことも、この選び直しの一部です。「続けてきたことについて、途中で工夫した点を教えてください」と言われたら、活動を紹介するだけでは答えが足りません。練習では、問いの前半が話題を示し、後半が答える内容を絞っている場合があると意識してみてください。聞き慣れた話題が出ても、すぐに用意した説明へ入らず、何を尋ねられたかを最後まで受け取ります。
よく見せようとする気持ちも整理しておく
面接への不安と受け答えの関係を調べた研究では、不安が高い人ほど、自分を偽ってよく見せる受け答えを多く使っていました(Powell・Bourdage・Bonaccio、2021)。対象は研究補助員の面接を受けた202人であり、中学生の推薦面接とは場面が異なるため、不安が話の誇張を引き起こすとも、特定の練習でそれを防げるとも、この結果だけでは判断できません。それでも、準備の際に「立派に聞こえるか」へ気持ちが偏っていないかを点検する手掛かりにはなります。
たとえば、実際には友人と相談して決めたことを、「私がみんなをまとめました」と言い換えると、その先の質問に答えにくくなります。「どんな意見の違いがありましたか」と尋ねられても、自分が扱った出来事と説明が離れているからです。練習では、友人がしたことと自分がしたことを分けておきましょう。小さな役割でも、自分の行動なら具体的に説明できます。
追加の質問を会話の続きとして練習する
答えた後に「具体的には」と聞かれると、最初の答えが間違っていたのではと心配になるかもしれません。練習では、追加の質問を、先ほどの説明に必要な情報を足す機会として扱います。活動全体を言い直す代わりに、相手が尋ねた部分へ戻って、出来事や理由を一つ足してみます。
聞き手が変われば、詳しく知りたい場所も変わります。いつも同じ順番で質問してもらうだけでは、次の言葉を予測して答えられてしまいます。質問の順番、表現、話の掘り下げ方を少しずつ変えることで、どこを聞かれても同じ文章を返していないかを確かめられます。練習の目標を「止まらずに全部言う」から「今の問いに必要なことを言う」へ置き直してみてください。
一人でできる聞かれ方を変える練習
最初の5分は経験を短いメモにする
まず、学校や家庭で実際に取り組んだことを一つ選びます。授業の課題、係の仕事、日々の学習など、詳しい経緯を思い出せるものにしてください。ノートを開き、「場面」「困ったこと」「自分の行動」「その後」「今考えること」の欄を作ります。各欄には短い言葉で書き、最初から面接用の文章に仕上げないようにします。
たとえば、授業の発表準備なら、場面は「班で発表内容を決めたとき」、困ったことは「説明する範囲が広がった」、自分の行動は「聞き手に伝えたいことを書き出した」と整理できます。自分がその場にいて説明できる出来事を使ってください。
教材にするのは、自分のノートや提出した課題など、当時の様子を思い出す手掛かりです。記録を見るときは、内容を飾る材料を探すのでなく、何をしたのかを確かめます。覚えていない部分は空けておき、想像でつなげません。活動が成功したかだけでなく、途中で変えた方法や、まだ課題として残ったこともメモにできます。
次の5分で問いを3方向に書き換える
別の紙を小さく切り、同じ経験について聞く質問を作ります。初めは「何をしましたか」「なぜその方法を選びましたか」「そこから何を学びましたか」の3枚で十分です。それぞれ、行動、理由、振り返りを聞くカードになります。裏面には答えを書かず、表に質問だけを書いてください。
次に、問いを言い換えます。「自分が担当したことを教えてください」「ほかの方法ではなく、それにした理由は何ですか」「もう一度取り組むなら何を変えますか」といった形です。言い換えた問いが元の問いと完全に同じ意味とは限りません。「学んだこと」と「次に変えること」の違いも含め、何を答える必要があるかを考える材料にします。
カードには、答えのヒントになる活動名を書かない方法も試せます。問いだけを見てから経験メモを選ぶ順番にすると、先に決めた話へ質問を合わせていないかを点検できます。迷ったカードは分けて置き、次に取り組む課題として残してください。
質問を読むたびに、答える前に「行動の問い」「理由の問い」「次の工夫の問い」と小さく言ってみましょう。この言葉は一人で練習するときの確認用です。問いの種類が選べないときは、無理に話し始めず、質問のどの言葉で迷ったかに線を引きます。質問を理解する段階と、声に出す段階を分けて扱えます。
6分ほどでカードを引いて声に出す
カードを伏せて混ぜ、1枚ずつ引きます。経験メモを見て話す回から始め、話の中身を選べるようになったらメモを閉じます。答え方は「質問に直接答える一文」「その答えがわかる出来事」「必要なら考えたこと」の順に試してください。すべての質問に同じ長さの答えを作る必要はありません。
「何を変えましたか」なら、「説明する内容を先に絞りました」と行動から入れます。「なぜ変えましたか」なら、「伝えたいことが多く、説明がまとまらなかったからです」と理由から入れます。同じ経験でも出発点が変わることを、自分の声で確かめましょう。最初の一文を変える練習だけの日があってもかまいません。
ここで示す時間は家庭で取り組みやすく区切るための提案です。疲れている日はカードを一つに減らしてください。時計は答えを急がせる道具ではなく、練習を終える目安にします。面接がどう実施されるかは、東京都教育委員会の資料だけでなく志望校の募集要項も開き、いずれも最新の版で確かめてください。
カードの問いに合う経験が選べないときは、すぐに新しい経験を増やす前に、今のメモを読み返します。理由の欄が空いているなら、そのとき何を目指していたかを書き足せるか考えます。一方、その経験では質問に答えられないと判断したら、別の経験を選んでかまいません。どの問いにも同じ話を当てはめることが目標ではありません。経験を使い回す場合と、話題を替える場合の両方を試してみましょう。
録音は3つの観点で聞き直す
録音できる機器があれば、質問を自分で読み上げてから答え、続けて録音します。答えだけを残すと、何を尋ねられたのかを忘れ、話し方の滑らかさばかりに目が向きます。質問と答えを一緒に聞き、「最初の一文は問いに対応しているか」をまず確かめてください。
次は「自分の行動と周囲の行動が区別されているか」、最後は「出来事を知らない人にも状況が伝わるか」を見ます。「みんなで頑張りました」で終わっていれば、自分がしたことを足します。「あのとき」「それ」といった言葉が続いていれば、何を指すのかを言い直します。声の高さや言い間違いを最初から全部直そうとせず、内容の確認を先にします。
録音を使わない場合は、話し終えた後に、最初に言った一文だけを書き留めて質問と並べます。理由を聞かれたのに活動名から始まっていた、というずれは紙でも見つけられます。直す箇所を一つ決めたら、同じカードでもう一度話し、その後で別の聞き方のカードを試します。同じ答えを再現できたかと、問いが変わっても選び直せたかを分けて見てください。
翌日は追加の質問を一つ足す
翌日の練習では、前日の経験メモを使い、答えた後に「そのとき何を考えましたか」「たとえばどんなことですか」「次はどうしたいですか」のどれかを引きます。追加の問いには、直前の答えにつながる内容を返します。最初から話し直す必要があるか、足りない部分だけでよいかも自分で判断してみましょう。
終わったら、ノートに「今日の問い」「詰まった場所」「次に試すこと」を短く残します。「うまく話せなかった」ではなく、「理由を聞かれると行動を繰り返した。次は理由を先に言う」と書きます。この記録なら、次の日に何から始めるかが決まります。練習を増やす前に、前回と違う聞き方を一つ選ぶことから続けてみてください。
振り返りには、言い直す前と後の違いも残せます。たとえば「なぜ続けましたか」に活動の説明を返していたなら、修正後の最初の一文だけを書きます。長い答えを全文書き起こす必要はありません。翌日、その一文を隠して同じ理由を別の言葉で伝えられるかを試すと、表現を覚えただけなのか、話す中身を整理できたのかを自分で点検できます。
また、経験メモに書いた「その後」と「自分の考え」は分けておきましょう。「話し合いが終わった」は起きたことであり、「早めに相談すればよかった」は振り返りです。結果を尋ねられたときに感想だけを答えたり、学んだことを尋ねられたときに経過だけを説明したりしていないかを確かめます。この区別が難しい日は、声に出す前にメモへ線を引くだけでも練習になります。

個別指導に求めたい役割と家庭で持つ役割
指導者には詰まった場所の見立てを求める
個別指導を利用する場合は、完成した答えを添削してもらうことに加え、どの段階で答えにくくなったかを確かめてもらうとよいでしょう。質問の言葉が理解しにくかったのか、経験が思い出せなかったのか、経験はあるのに順番が決まらなかったのかで、必要な練習が違います。「もっと堂々と」という助言だけでは、次に何をするかが決まりません。
たとえば、質問を簡単な言葉に言い換えると答えられるなら、問いの理解を支える練習が候補になります。メモを見れば答えられるなら、経験を取り出す練習から試せます。必要な内容を指させるのに話すと長くなるなら、最初の一文と具体例を分ける練習が考えられます。指導者には、こうした違いを本人にも説明してもらえるかを確かめてください。
質問を難しくする順序も相談したい点です。最初から言い換え、追加の問い、話し手の交代をすべて重ねると、どこで困ったのかが見えにくくなります。まずは同じ相手と質問の表現だけを変え、次に追加の問いを入れるなど、変える条件を絞る案があります。お子さまが今できることを起点に、次の負荷を選ぶ説明を求めましょう。
言葉を整える前に経験の持ち主を確かめる
大人が整えた答えは、読んだときにはよく見えても、お子さまが自分で説明し直せるとは限りません。指導者にお願いしたいのは、言葉を置き換える前に「ここで実際にしたことは何ですか」と確かめることです。本人が日常で使わない表現が入ったら、その意味を自分の言葉で話せるかも見てもらいましょう。
訂正を受けたときは、直した文章をそのまま覚えるのでなく、何のための修正かを本人が説明できる形にします。「問いへの答えを先にした」「友人の行動と自分の行動を分けた」と理由がわかれば、別の質問にも使えます。指導を受けた後に元の答えへ戻っても、修正の目的を確認してからもう一度試せます。
指導後の確認では、練習した質問をそのまま繰り返すだけでなく、同じ経験へ別の角度から問いを向けてもらう案があります。修正した言葉を覚えているかではなく、修正の目的を使えるかを見るためです。そこで止まった場合も、すぐに答えを教えてもらわず、どの欄を使うかを本人が選ぶ時間を取れるか相談してください。指導者の助けがあればできたことと、一人でできたことを分けて振り返れます。
家庭では話を作らず聞く条件を整える
家庭で持ちたいのは、練習する時刻の相談と、短く聞く役割です。始める前に「今日は理由を先に話せるかだけ聞くね」と確認し、途中で言葉を補いすぎないようにします。保護者が一文ずつ訂正すると、お子さまは質問への答えより、保護者の望む言い方を探し始めることがあります。
聞いた後は、評価を広く言い渡す代わりに、聞き取った内容を返します。「内容を絞った理由は、説明がまとまらなかったから、と受け取ったよ」と返せば、本人は意図が伝わったかを確かめられます。違っていれば、その部分だけ言い直せます。聞き役の保護者が答えを完成させず、本人が言い直す余地を残す形です。
親子で練習すると言い争いになりやすい場合は、家庭での役割をカードの準備や時間の確認に絞る選択もあります。夕食中や移動中まで質問を続けず、終わりを決めて取り組みましょう。お子さまが一人で録音を聞いて直す日と、誰かに聞いてもらう日を分けてもかまいません。家庭がすべての質問への答えを管理する必要はありません。
進み具合は答えた数より変化で見せる
進み具合の記録には、「問いに合う内容を選べた」「理由を先に話せた」「追加の問いに具体例を足せた」といった行動を使います。質問集を最後まで終えたことだけでは、聞かれ方が変わったときに対応できるかは見えません。同じ経験について前回と違う問いを試し、どの部分が自分でできたかを残しましょう。
塾と家庭で共有する内容を相談するなら、「練習した問い」「自力でできたこと」「次の一歩」の3点が候補です。たとえば「行動の説明はできた。理由の説明ではメモが必要。次は理由だけを先に話す」とあれば、家庭でも同じ観点で見守れます。人物全体を評価する言葉より、次の練習に結び付く記述を求めてください。
こうした練習や振り返りを相談できるかは、武蔵野個別指導塾の体験授業や面談で確かめてください。練習済みの文章と、聞かれ方が変わると答えにくかった質問を持っていけば、困っている場所を具体的に相談できます。保護者の心配とお子さま自身の困り感が違う場合は、両方を分けて伝えると相談の焦点が定まります。
面接の準備で迷いやすい3つのこと
Q1 答えを暗記するのは全部やめた方がよいですか
覚えることを一律にやめる必要はありません。活動の名称や実際にしたことを確かにしておく準備は役立ちます。ただし、文章の最初の言葉が出ないと先へ進めない状態なら、文章を短い経験メモへ戻してみてください。活動、理由、行動、振り返りを別々に取り出せるようにします。
一度文章にした方が整理しやすいお子さまは、下書きを作った後、質問に必要な部分へ印を付けて話す練習につなげましょう。書いた通りに言えたかだけでなく、順番を変えても事実と考えが伝わったかを確かめます。文章を準備の材料として使い、会話の中で選び直せる状態を目指します。
Q2 思いがけない質問にはどう答える練習をすればよいですか
何を尋ねているかが曖昧なら、「活動を続けた理由について、ということでよいでしょうか」と、わからなかった点を確認する練習をします。考えを整理する間が必要なら、「少し考えてもよいでしょうか」と伝える言い方も試しておけます。聞かれたことを確かめる言葉を持つと、答えの中身を考える手順へ戻れます。
経験がないことについては、あるように話を作らず、その点を伝えたうえで、問いに沿って考えられることを述べます。知識を尋ねられてわからない場合も、想像を事実として話さないようにします。珍しい質問を集め続けるより、確認する、考える、わかる範囲を区別して話す、という動作を練習してください。
Q3 家では話せるのに相手が変わると止まります
まず、止まった後にどんな助けがあると再開できたかを見てください。質問を言い換えてもらえば話せるのか、少し待ってもらえば話せるのか、経験メモが必要なのかを区別します。「緊張しやすい性格」とまとめず、再開できる条件を探します。
相手を変える練習では、最初は使う経験や確認する観点をそろえ、質問の表現だけを変えてもらう方法があります。毎回すべてを新しくするより、何が変わると答えにくいかをつかみやすくなります。終わった後には止まった回数だけでなく、確認してから話し直せた場面も振り返ってください。
今日の一問を聞き直すところから始める
面接の準備を始めるときは、経験を一つ選び、その経験について行動、理由、振り返りを別々に聞いてみてください。答えを録音するなら質問も残し、最初の一文が問いに合っているかを確かめます。直す点は一つに絞り、次の日は聞き方を変えてもう一度試します。
保護者は、滑らかに話せたかに加えて、相手の問いへ戻れた場面を見つけてください。途中で考え直した答えにも、本人が内容を選んだ跡があります。録音を止めた位置と、机に残した質問カードが、明日もう一度試す問いを指しています。
参考文献
Powell, D. M., Bourdage, J. S., & Bonaccio, S. (2021). Shake and Fake: the Role of Interview Anxiety in Deceptive Impression Management. Journal of Business and Psychology. https://doi.org/10.1007/s10869-020-09708-1
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