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【倫理】社会契約説と啓蒙思想を図解で総まとめ—ホッブズ ロック ルソー モンテスキュー 百科全書|武蔵野個別指導塾

自然状態から政治権力を説明する3人の違いを、比較図と資料読解で整理します。抵抗権・一般意志・権力分立を区別し、多数決だけでは共通の利益を判断できない理由まで考えましょう。
よくあるのは、保健室の前の長椅子で順番を待ちながら教科書を開き、「ホッブズもロックもルソーも、人々が約束して国家をつくるのなら、答えは同じではないか」と手が止まる場面です。人名と著作名は覚えていても、資料の文章から誰の考えかを選ぼうとすると迷います。共通する「契約」という言葉の奥に、それぞれ違う問題があるためです。
順番を守る仕組みも、安全を確保すること、各人の権利を守ること、全員が納得できる共通の決まりをつくることでは、注目する点が変わります。国家と待合の決まりは規模も性質も違いますが、何のために決まりを設け、その権限を誰に認めるのかという問いは、思想の入口になります。
社会契約説を読むときは、国家がない状態をどう考えたか、何を解決するために契約したか、成立した権力にどんな限界があるかを順に追います。この順番を身につけると、抵抗権や一般意志を単語だけで覚えず、啓蒙思想の理性への期待や権力分立までつなげて説明できます。
この単元で身につけること
- 自然状態と自然権を区別します。自然状態は共通の政治権力が成立する前の状態を考える枠組みであり、自然権は人間が生まれながらにもつとされる権利です。
- ホッブズ・ロック・ルソーを同じ問いで比較します。自然状態の課題、契約の目的、主権や政府の位置づけをそろえると、資料の言い換えにも対応できます。
- ロックの抵抗権を説明します。政府への不満というだけでなく、人々の自然権を守るという政府への信託との関係を押さえます。
- 一般意志と全体意志を区別します。共通の利益をめざす意志と、各人の私的な利益を求める意志の総和との違いを具体的に考えます。
- 啓蒙思想と権力分立を結びつけます。理性による批判が知識の普及や寛容に向かう面と、権力の濫用を制度で防ぐ面を整理します。
中学校までに学んだ人権や民主政治とつながりますが、倫理では制度名に加えて「なぜ人が他の人に従うことを正当と認められるのか」という根拠を問います。前の単元で扱う経験や理性による探究も、伝統的な権威をそのまま受け入れず、自分で理由を確かめる姿勢としてこの単元に通じます。
基本の考え方
自然状態を考えると、国家の役割が見えてきます
社会契約説は、政治権力の根拠を人々の合意から説明する考え方です。支配者の権力を神から与えられたものとして説明する王権神授説とは、権力の出発点が違います。ただし、社会契約説を唱えれば全員が同じ政治制度を支持するわけではありません。出発点に置く人間像や、解決すべき問題によって、国家に与える力の大きさも変わります。
自然状態は、単に森や草原で暮らす生活を意味しません。また、遠い昔のある日に全員が集まって契約書に署名したという、確認された歴史の説明でもありません。共通の政治権力がないなら人々の自由や安全はどうなるかを考え、権力を必要とする理由や、その正当な範囲を明らかにするための枠組みです。
ホッブズは、人間が自己保存を求め、共通の権力がない状態では互いに警戒し、争いへ向かうと考えました。自然状態を表す「万人の万人に対する闘争」は、全員が絶えず殴り合っているという意味に限定されません。誰も安全を保証できず、攻撃されるかもしれないという恐れが続く状態を含みます。能力に違いがあっても、誰も他人から害を受けないほど圧倒的に強くはないという平等性が、不信の背景にあります。
そこで理性は、平和を求める自然法を人間に示します。しかし、互いの約束を守らせる力がなければ、自分だけ約束を守って不利益を受ける恐れが残ります。人々は相互に契約し、主権者に権力を集中させることで平和と安全を確保します。著作『リヴァイアサン』は、この強い主権を考えるときの目印です。
ここでの主権者は、人々と対等な条件で契約を結ぶ一方の当事者として置かれているのではありません。人々どうしの契約によって権限を与えられます。また、ホッブズが強い主権を重視することと、生命を守る自由さえ完全に捨て去ることは同じではありません。自己保存は議論の根本であり、自分の生命を直接脅かすものへの抵抗の余地まで消えるわけではない点に注意します。
ロックは、自然状態を自由で平等な状態とし、そこでも理性によって知られる自然法が働くと考えます。他人の生命や自由、財産を侵害してよいわけではありません。自然権は国家から初めて配られるものではなく、国家に先立って人々にあるとされます。財産権の説明では労働が重要ですが、生命・自由・財産を広く保全するという政治の目的と合わせて理解しましょう。
それでも、自然状態では各人が自分の権利侵害を判断し、自分で処罰を行うため、判断が偏ったり、争いが長引いたりします。共通の基準を確かめる制度、公平な裁判、決定を実行する力が十分に整っていません。人々は社会を形成し、自然権の保全に必要な権力を政府へ信託します。信託とは、目的を定めて権限を任せることです。
政府がその目的を裏切り、権利を侵害するなら、人々には抵抗し、政府を変更する権利が認められます。これがロックの抵抗権です。『統治二論』は教科書で『市民政府二論』とも表記されます。「権利を守るために政府がある」という順序を、著作名と一緒に押さえておきます。
ルソーの自由と一般意志を読み解きます
ルソーは、自然状態の人間を自己愛や憐れみの感情をもつ存在として考え、社会の発展、とくに私有財産の成立などによって不平等や対立が深まったと論じました。自己愛は自己保存に関わる感情であり、他人との比較から優越を求める感情と、そのまま同じではありません。人間を初めから競争と虚栄だけで説明しないところに特徴があります。
ただし、解決策を「文明を捨てて昔の暮らしに戻る」とまとめるのは不適切です。『社会契約論』の問いは、社会の中にありながら、他人の恣意的な支配を受けずに自由でいられる政治的結合をどうつくるかです。各人が共同体全体へ等しい条件で自分とその権利を全面的に譲渡することで、誰か特定の個人の所有物になることを避けます。
この共同体を導くのが、共通の利益をめざす一般意志です。人民は主権者として法の制定に関わり、その法に従う市民でもあります。自分たちが共通の立場から定めた法に従うという意味で、自由と服従の両立が考えられます。何でも好きなことをする自然的自由から、法によって保障される市民的自由への移行が問題になります。
一般意志に対して、各人が自分だけの利益を求める特殊意志を寄せ集めたものが全体意志です。全体意志の「全体」は、公共的に正しいという意味ではありません。全員が自分にだけ有利な扱いを求めても、その総和が共通の利益になるとは限らないからです。反対に、一般意志は指導者の個人的な判断を立派に言い換えた言葉でもありません。
図1のように3人を並べると、安全、権利の保全、自由と平等な結合という重点の違いが見えます。各人が1つの価値だけを考えたという意味ではなく、契約を説明するときの中心を短く示した図です。

ルソーでは主権は人民にあり、それを譲渡したり、分割したりすることはできません。政府は主権者そのものではなく、法を執行する役割を担います。この区別を忘れると、「一般意志に従う」を「政府の命令なら何でも正しい」と誤読します。人民が法を定める立場と、政府がそれを実行する立場を分けて読むことが必要です。
啓蒙思想は理性によって何を変えようとしたのでしょうか
啓蒙思想は、人間の理性を用いて偏見や迷信、旧来の権威を吟味し、知識の普及や社会の改善をめざす思想です。進歩への期待とは、知識が増えれば考え方や制度も改善できるという見通しです。ただし、啓蒙に関わる思想家が全員、学問や技術の発展を無条件に善としたわけではありません。ルソーは学問や芸術の発展が道徳の向上と必ず一致するのかを批判的に問い、文明と不平等の関係を考えました。
ヴォルテールは、宗教的不寛容や狂信を批判し、寛容を重視しました。寛容を考えることは、あらゆる教えを同じだと決めつけることではありません。意見や信仰の違いを理由に人を迫害してよいのかという問いを立てることです。宗教への批判も一様ではなく、啓蒙思想をまとめて無神論と呼ぶことはできません。
ディドロとダランベールが編集の中心となった『百科全書』は、学問だけでなく技術や手仕事などの知識も広く集めました。単に項目が多い辞書というだけでなく、知識を整理して人々に届け、既存の権威を批判的に検討する足場を広げる営みとして捉えます。自分で判断するためには、判断に必要な知識に触れられることも重要なのです。
モンテスキューは『法の精神』で、政治的自由を守るために権力の濫用を防ぐ仕組みを考えました。立法・行政・司法の権力を分け、相互に抑制する権力分立が要点です。「よい人が政治をすればよい」という期待に加えて、権力をもつ人が行き過ぎない制度を組み立てる発想です。権力を分けた後も、互いに関係をもたず放置するのではなく、集中を防ぐ働きが必要になります。
啓蒙思想には、理性による批判が自由や平等を広げるという見方と、理性や進歩への過信が人間の多様なあり方を見落としうるという見方があります。また、近代の自由や平等という理念が示されても、当時すべての人に同じ政治参加が認められていたわけではありません。理念の内容と、その社会で実現した範囲を区別することも、思想を丁寧に読む姿勢です。
例題で解き方を確かめる
例題1 自然状態を手がかりに思想家を選びます
資料A「共通の権力がなければ、人々は互いに相手を恐れ、安全を確保できない。平和を実現するには、人々の約束を実行させる強い権力が必要である。」資料B「人々は生まれながらに自由で平等である。しかし、自分の争いを自分で裁く状態には不都合があるため、権利を保全する政治の仕組みが必要である。」それぞれをホッブズ・ロック・ルソーのうち誰の考えとして読むのが適切か答えましょう。両資料は学習用に考え方を要約した文章です。
- まず、国家がない状態の説明に線を引きます。両方に「政治が必要」とあるので、結論だけを比べても人物を区別できないためです。
- Aの「互いに恐れる」とBの「自分で裁く不都合」を分けます。Aは安全を保証する共通権力の不在、Bは自然権があってもその保障が不安定であることを示しています。
- それぞれの契約の目的を対応させます。平和を確保する強い主権ならホッブズ、自然権の保全を政府へ任せるならロックというつながりになります。
Bを「自由で平等」という部分だけでルソーに結びつけないようにします。同じ語を別の思想家も用いるため、誰が何を守るために、どんな政治を求めるのかまで読む必要があります。
答え:資料Aはホッブズ、資料Bはロックです。
例題2 抵抗権が成り立つ理由を説明します
ある政府が、人々の生命・自由・財産を守るという役割に反して、それらを継続的に侵害しているとします。ロックの考え方に立ち、人々が政府の変更を求められる根拠を「自然権」「信託」「抵抗権」を使って説明しましょう。
- 最初に、自然権と政府の前後関係を確かめます。政府が自然権を与えたのなら、政府の側が自由に取り上げられると誤解しやすいためです。
- 政府が任された目的を文章に入れます。「信託」は任せたという事実だけでなく、権利を守るという条件と一緒に使う必要があります。
- その目的への違反と抵抗権をつなげます。政府の行動が気に入らないという心理だけでなく、権力の正当性を支える根拠が損なわれる点を説明するためです。
「人々が自由だから何をしてもよい」という答えでは、政府の権限がなぜ限られるのかが伝わりません。また、政府を変更することと、社会のあらゆる約束をなくすことも同じではありません。守るべき権利が先にあり、そのための政府を問い直すという順序を保ちます。
答え:政府は自然権の保全を信託されているため、その目的を裏切る場合、人々は抵抗権によって政府の変更を求められます。
例題3 多数決と一般意志を区別します
共同の備品を使う集団で、案A「全員に同じ利用の条件を設ける」に4人、案B「賛成した6人だけが優先して利用できる」に6人が賛成しました。案Bは多数なので一般意志だと言えるでしょうか。案Bの得票率も計算し、判断の理由を述べましょう。この場面は、投票数と共通の利益を区別するための小さな例です。
- 投票の総数を求めます。4 + 6 = 10であり、得票率は6 ÷ 10 × 100 = 60%です。ここで求まるのは支持の割合であり、決定の公共性ではありません。
- 案Bが誰の利益をめざしているかを確かめます。賛成した人だけを優先するので、特定の人々の利益と集団に共通する利益を区別する必要があります。
- 一般意志の定義に戻って判断します。多数決の結果だけでは共通の利益への志向は保証されないため、「60%だから一般意志」と結論することはできません。
ルソーが投票を無意味と考えたという話ではありません。十分な情報に基づく判断や、党派的な私益に支配されないことなど、一般意志が表れる条件が問題です。逆に、案Aも「全員」という文字があるだけで自動的に一般意志と認定できるわけではなく、条件の内容を検討する必要があります。
図2のように、投票数を合計する作業と、共通の利益を確かめる作業を分けて考えます。図の上下は計算過程と判断基準を表し、上段が下段へ自動的に変わるという意味ではありません。

答え:案Bの得票率は60%ですが、多数という事実だけでは共通の利益をめざす一般意志だとは言えません。
例題4 権力分立と啓蒙思想を結びつけます
「権力者が理性的で善良なら、法をつくる力、実行する力、争いを裁く力を1人に集めても自由は守られる」という意見を、モンテスキューの考えに基づいて検討しましょう。続けて、『百科全書』の活動が啓蒙思想とどうつながるかを1文で説明しましょう。
- 意見が自由の保障を何に依存させているかを読み取ります。権力者の人格への期待と、権力を制限する制度とを区別するためです。
- 権力が集中した場合を考えます。法を自分に有利につくり、その実行や裁判まで支配できれば、権力の行き過ぎを止めにくくなるためです。
- 知識の普及が人々の判断をどう支えるかを考えます。制度を批判的に調べることと、自ら考えるための知識を広げることは、理性を重んじる姿勢で結びつくためです。
両者を「どちらも民主政治を完成させた」とまとめるのは行き過ぎです。モンテスキューは自由を守る権力の配置に、『百科全書』の活動は知識を集めて共有する営みに、それぞれ重点があると書き分けましょう。
答え:人格への期待だけでは権力の濫用を防げず権力分立が必要であり、『百科全書』は知識の普及によって人々の理性的な判断を支える活動でした。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 自然状態を全員に共通する戦争状態とします
誤った書き方:「社会契約説では、自然状態はどの思想家でも戦争状態である。」どこが違うかというと、自然状態は比較のための共通の問いであって、問いへの答えまで共通ではない点です。ホッブズは相互の不信と争いを、ロックは自然法がある一方で権利保障が不安定なことを考えます。ルソーは社会の発展に伴う不平等を問題にします。
正しい書き方:「社会契約説は人々の合意から権力を説明するが、自然状態の捉え方と契約の目的は思想家によって異なる。」覚え直すときは「自然状態」という欄を1つ書き、その下に3人の説明を別々に入れます。人名を入れ替えても通じる文章になっているなら、違いを示す言葉が不足しています。
誤り2 一般意志を全員の賛成や多数派の望みとします
誤った書き方:「一般意志とは、投票で多数を得た人たちの意見である。」どこが違うかというと、人数の大小と、意志が何をめざすかを混同しています。全体意志は特殊意志の総和であり、全員一致していても私的な利益の集積にとどまることがあります。一般意志を判断する中心は、共通の利益です。
正しい書き方:「一般意志は共通の利益をめざす意志であり、多数決の結果と無条件に同一視できない。」この考えには、共同の立法を通じて自由を実現するという見方と、一般意志の名で異論が抑えられる危険を指摘する見方があります。だからこそ、誰かが一般意志を名乗っただけで判断を終えず、人民の主権と政府の役割を確かめます。
誤り3 権力分立を、仕事を効率よく分担することだけとします
誤った書き方:「モンテスキューは、政治の仕事が多いので担当を3つに分けた。」どこが違うかというと、仕事の能率に説明を限定し、自由を守るために権力の濫用を防ぐという目的を落としている点です。立法・行政・司法の名前を覚えるだけでは、1つに集中させてはいけない理由を説明できません。
正しい書き方:「モンテスキューは、権力の集中と濫用を防いで政治的自由を守るため、権力分立を重視した。」図3のように、各権力が分かれていることに加え、互いを抑制する関係を押さえます。この図は思想の要点を示すもので、特定の国の制度や具体的な権限の一覧ではありません。

なお、ルソーの「主権は分割できない」とモンテスキューの「権力を分ける」は、そのまま同じ問いへの同じ答えではありません。前者は人民の一般意志としての主権を、後者は自由を保障するための権力の配置を考えています。思想家の用語を比較するときは、似た言葉でも何の働きを説明しているかを確かめましょう。
練習問題
練習1
次の説明に当てはまる思想家を答えましょう。ア「人々の相互契約によって強い主権者に権力を集中させ、安全を確保する」。イ「自然権の保全を政府へ信託し、その目的への違反に対する抵抗権を認める」。ウ「各人が共同体全体へ等しい条件で権利を譲渡し、一般意志に基づく結合を考える」。人名だけでなく、判断の決め手を1つずつ示しましょう。
練習2
12人が使う共有の場所について、8人が「自分たち8人だけ自由に使える案」に賛成し、4人が反対しました。賛成者は全体の何分のいくつですか。また、この案を一般意志と呼べるかどうかを、票数以外の観点を入れて説明しましょう。割合の計算と、意志の性質の判断を分けて答えます。
練習3
次の組み合わせのうち適切なものをすべて選び、不適切なものを直しましょう。ア「モンテスキュー―権力を1か所に集中させて自由を保障する」。イ「ヴォルテール―宗教的不寛容や狂信を批判する」。ウ「ディドロとダランベール―『百科全書』の編集の中心となる」。エ「ルソー―学問や芸術の発展は必ず道徳の向上をもたらすとする」。
練習4
「ロックにとって権利は政府からの贈り物であり、ルソーにとって主権者は政府である」という説明の誤りを2つ直しましょう。それぞれ、権利と政府、人民と政府の関係がわかるように、合わせて2文で答えます。
答えと解説
練習1の答え:アはホッブズ、イはロック、ウはルソーです。決め手は順に「安全のための強い主権」「自然権の保全の信託と抵抗権」「一般意志に基づく結合」です。「契約」という共通語ではなく、契約が必要な理由と結びつけて判断します。
練習2の答え:賛成者は8 ÷ 12 = 2/3であり、その数だけで一般意志とは呼べません。賛成者だけが利益を得る案なので、共通の利益をめざしているかを問い直す必要があります。2/3は支持の割合を示す値であり、正当性を自動的に示す値ではありません。
練習3の答え:適切なのはイとウです。アは「権力を分立させ、その濫用を防いで自由を保障する」に直します。エは「学問や芸術の発展が道徳の向上に結びつくとは限らないと批判した」に直します。啓蒙思想の中にも文明への評価の違いがあることを確かめましょう。
練習4の答え:ロックにとって自然権は政府に先立って人々にあり、政府はその保全を信託されます。ルソーにとって主権者は人民であり、政府は法を執行する役割を担います。どちらも政府が政治のすべてを自分のものとして扱えるわけではありませんが、その説明の仕方には違いがあります。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
次にカントを学ぶときには、理性によって自分で判断することと、自分の欲望に従うだけのこととの違いが重要になります。ルソーの自由と法の関係は、自律を考える足場になりますが、人民による政治的な立法と、道徳法則に関わる自律を同一視しないようにします。政治的自由の条件を問う学習は、さらに現代の正義や公共性の議論にもつながります。
家庭で5分ほど確かめるなら、まず紙に3人の名前を書き、「国家がないと何が困るか」「何を守る政治か」をそれぞれ1文ずつ説明してみます。言葉が出ないときは著作名の暗記へ戻るより、自然状態の説明を読み直す方が、理解の抜けを見つけやすくなります。
もう1つは、「多数決で決まったから共通の利益である」という文に反論を1文添える方法です。その後で、権力分立が必要な理由も1文で話してみましょう。個別指導では、人物名の取り違えだけでなく、自然権を政府が与えるものと捉えていないか、人民と政府を区別できているかまで戻って確かめます。
まとめ
決まりに従う理由を問うことは、決まりをすべて拒むことではありません。社会契約説は、安全や権利、共同の自由を実現するために政治が必要だと考えながら、その権力がどこから来るのかを問い直しました。啓蒙思想も、知識を増やすだけでなく、受け継いだ考え方を理性で吟味する営みを含みます。
資料を読むときに迷ったら、「誰が決めたか」に続けて「何を守るためか」を問いましょう。従う理由を説明できることが、権力の限界を考える出発点です。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。




