小学生の画面時間と学力—テレビ・動画・ゲームを分けて考える|武蔵野個別指導塾

画面を消すたびにもめるときは、テレビ・動画・ゲームそれぞれの終点を決めておきます。利用の記録に加えて終了・着手・理解を別々に見ることで、家庭と塾の役割分担を具体化できます。

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小学生の画面時間と学力—テレビ・動画・ゲームを分けて考える

画面を閉じたあと、鉛筆を持つまで

よくあるのは、リビングのソファで画面を見ているお子さまに、保護者が隣から「そろそろ宿題にしよう」と声をかけ、「これが終わったら」と返されるという場面です。洗濯物をたたみ終えても、まだ画面はついています。動画が次へ進んだのか、ゲームが区切れないのかは見えません。保護者には約束を忘れたように映り、お子さまには途中で急に止められたように感じられます。

その晩、宿題が進まないと「やはり画面のせいだ」と考えたくなります。ただ、見直したいのは、利用時間の長さだけでしょうか。何をしていたのか、どこで終えるつもりだったのか、閉じたあとに何をするかが決まっていたのか。ここを分けると、親子で話せる内容が具体的になります。

小学3〜6年生の家庭では、画面を使う場面も、任せられる範囲もさまざまです。今日の目標は、一律の上限を言い渡すことよりも、お子さまが自分で終わりを確かめ、次の行動に移る道筋を作ることです。学力との関係を落ち着いて読み、家庭と塾の受け持ちを整理していきましょう。

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合計時間だけでは見えない学習との関係

画面時間という言葉には、テレビ番組を見る時間、好きな動画を探す時間、ゲームで遊ぶ時間、授業の説明を見直す時間などが入ります。同じ端末でも、していることは違います。算数の説明を見たあとに問題を解いた日と、関連する動画を次々に見た日を、合計だけで比べると、その違いが消えてしまいます。家庭での確認も、端末の名前より活動の中身から始めたいところです。

この分け方の手がかりになるのが、58研究、計480,479名を扱ったレビューとメタ分析です。画面利用全体では学業成績との関連は認められず、テレビ視聴とゲームには負の関連が示されました(Adelantado-Renauほか・2019)。画面を使った時間をまとめるだけでは捉えにくい違いがあり、活動ごとに見ていく必要があります。「合計では関連がない」という結果を、どの使い方でも気にしなくてよいという意味には読み替えられません。

一方、カナダの3,322名を追った縦断研究では、幼少期の画面時間が1時間多いことと、3年生で読み・算数の上の水準に達する見込みが9〜10%低いことが結びついていました(Liほか・2025)。これは答案の点数が9〜10点下がるという意味ではありません。

複数研究を集めた分析とカナダの幼少期から3年生への追跡では対象や調べ方が異なり、いずれの結果からも、家庭で画面を一定時間減らせば学力が一定量上がるという因果関係までは言えません。だからこそ、研究はお子さまを判定する材料ではなく、生活のどこを確かめるかを考える手がかりとして使います。まずは、学習を始める予定が繰り返し後ろへずれているか、取り組む課題が残っているかを見てください。

テレビなら、本人が選んだ番組を見終えたあとも、家族の見ている番組がついている場合があります。動画なら、知りたいことの説明を見終えてから別の内容へ移っている場合があります。ゲームなら、時計で決めた時刻と、保存や対戦が終わる区切りがかみ合っていない場合があります。これらを全部「我慢が足りない」とまとめると、直す場所を見失います。

学習心理学の視点を家庭の段取りに生かすなら、「やめなさい」に続く行動まで具体化しておきましょう。画面を閉じる、端末を置く、ノートを開くという別々の行動を、お子さまがたどれる形にするのです。勉強の入口で止まる場合には、画面の使い方に加え、問題の難しさや課題の量も確かめます。閉じられたのに解き始められない日まで、すべて画面の問題にすると、必要な学習支援が届かなくなります。

また、動画は家庭で独立した記録欄を設けると扱いやすくなります。テレビ番組の視聴とも、操作して遊ぶゲームとも、終了の決め方が違うからです。これは動画を良いものと悪いものに二分するためではありません。「調べ物が済んだ」「選んだ作品を見終えた」といった、本人にもわかる終点を見つけるための分け方です。

今日から試す、記録・区切り・確かめ方

最初は減らす前に、使い方を分けて書く

最初の手順は、紙を横に区切り、「テレビ」「動画」「ゲーム」「学習用」の欄を作ることです。記録する期間は、まず3日ほどを試してみてください。開始と終了のおおよその時刻、何をしたか、次に何をしたかを書きます。分単位で正確に報告させるより、生活のどこに利用が入っているかを一緒に読める記録にしましょう。

お子さまがするのは、自分が使った欄に短く書くことです。「動画・工作の作り方・見たあと材料を出した」のように、用途が伝われば十分です。保護者は時計の読み取りや記入を手伝い、記録した内容をその場で叱る材料にしないようにします。書くたびに説教が始まると、次の日の使い方を率直に話しにくくなります。

同じ端末で学習から遊びへ移ったときは、欄を分けます。合計を少なく見せるためでも、細かな違反を探すためでもありません。説明を見ていたところから、次の動画を選ぶところへ変わった時点を見つけるためです。記録が難しい日は、就寝前に「最後は何を見ていたか」を話して、保護者が短く書き留める形でも構いません。

テレビを家族で見ている家庭では、お子さまだけで電源を切れないこともあります。その場合は「番組が終わったら自分は席を離れる」と決め、学習する場所へ移るところを終わりとして記録します。きょうだいが同じ端末を使うなら、交代の時刻と渡す場所を決めます。自分で変えられることと、家族の協力が要ることを分けておくと、お子さまだけに責任を負わせずに済みます。

次に、始める前に終了と次の行動を決める

2つ目の手順は、終了の条件を先に言葉にすることです。テレビは選んだ番組の終わり、動画は先に選んだ1本の終わり、ゲームは保存できる地点など、活動に合わせて考えます。そのうえで、夕食や入浴、就寝に向けた家庭の時刻と照らし合わせます。長い番組や終了までの長さが読めない遊びは、余裕のある時間帯に回す選択もできます。

時間の長さは家庭で試す例として、用途ごとにここでまとめて考えます。成績への影響がない上限を示す数字ではありません。たとえば、短い説明動画は10分の枠を取り、途中で止めて紙に書く時間を含めます。遊びの動画は20分の枠で、入る長さのものを先に選びます。ゲームは30分の枠を使うなら、最後の5分を新しい対戦を始めずに終了へ向かう時間にします。帰宅時刻や内容に合わせて、実際に守れる長さへ調整してください。

お子さまには「何をするか」「どこで終えるか」「終えたら何をするか」を選んで言ってもらいます。保護者は、終わりにできない内容を短い枠へ押し込んでいないか確かめます。声かけが必要なら「あと少し」ではなく、「次は始めず、保存したらここに置こう」と行動を伝えましょう。タイマーだけで区切れないときは、音を大きくする前に、終え方の約束を見直します。

3つ目の手順は、画面を閉じたあとの入口を用意することです。端末の置き場所を決め、机にはその日に取り組むページを開いておきます。学習へ移るときは、最初に取りかかる問題と、そこで区切って相談する時点を決めます。お子さまがページと問題を選び、保護者は必要な筆記用具がそろっているか支える形です。初めから長い課題を並べず、最初の行動が見える机にしてください。

休日は、平日と同じ順番が使えるかを朝に確かめます。外出がある日は、帰宅後に長い利用枠と学習をまとめて置くと予定が重なるため、いつ何をするかを先に並べてみてください。お子さまには遊びたい内容を聞き、保護者は動かせない予定を伝えます。特別な予定で変更する日は、変更する理由と、その日だけ変える部分を言葉にしておけば、翌日の約束へ戻りやすくなります。

教材は、見るだけで終わらない使い方にする

学習用の動画では、視聴前に紙へ「今日は何を確かめるか」を書きます。算数なら、答えだけを知りたいのか、式の立て方を知りたいのかを分けます。見終えたら画面を閉じ、手元の教科書の似た問題を解いてみます。途中で止まったところがあれば、説明を最初から全部見直す前に、どの行からわからなくなったかに印をつけましょう。

教科書やノートは、画面の横に置くだけでなく、使う順番を決めます。まず教科書の説明を読み、自分で試し、疑問が残った部分を動画で確かめ、最後にノートへ戻るという順番です。動画を見始める前に試した跡があると、どこを確かめたかったかに戻れます。保護者は内容を解説し続けるより、印のついた場所を指して「ここはどうなったかな」と尋ねてください。

紙の問題集を使う日は、画面を終えたあとに取り組む範囲を付箋で示します。計算なら数問、文章を読む課題なら区切りのよい段落など、お子さまが終点を見渡せる量にします。答え合わせをして間違いがあったら、答えを写して終えるのではなく、やり直す問題を選びます。わからないままの問題には印を残し、塾で尋ねる候補にしてください。

教材が画面の中にある場合も、取り組む前に対象を絞れます。今日開く課題を決め、終えたものと質問したいものを別々にメモします。学習用だからと利用をひとまとめにせず、「説明を見た」「自分で解いた」「答えを確かめた」を分けて扱いましょう。保護者が見るのは、画面に向かっていた長さだけでなく、残ったノートや解答の跡です。

最後は、お子さま自身が3つを確かめる

1つ目の確認は、「決めたところで閉じられたか」です。閉じられなかった日は、気持ちだけを反省するのではなく、新しい動画が始まった、対戦の途中だったなど、起きたことを書きます。翌日は選ぶ内容や開始時刻を変えてみます。守れた日も「できた」とだけ書かず、何が終わりの合図になったかを残すと、次に同じ方法を使えます。

2つ目の確認は、「閉じたあと、決めた課題を始められたか」です。机に向かったがページが見つからなかったのか、ページは開いたが問題が難しかったのかを分けます。3つ目は、「学習したことを、画面を見ずに確かめられたか」です。解き方を短く話す、似た問題を解く、説明の要点を紙に書くなど、その日の内容に合う方法を選びます。

記録そのものを嫌がる場合は、本人に理由を尋ねてください。書く量が負担なら丸をつける形にし、親に全部見られることが気になるなら、使った内容の細部まで書かずに終了と着手だけを残します。目的は私生活の細かな報告ではなく、次の行動を自分で確かめることです。続けられる記録の形を一緒に選び、振り返りが済んだあとは、その日の失敗を何度も持ち出さないようにします。

保護者が支えるのは、記録の採点ではなく、次に変える点を絞ることです。「今日は終わりは守れたから、明日は最初の問題を先に選ぼう」のように、続ける点と変える点を分けて伝えます。予定が崩れた日に、利用時間も教材も声かけも一度に変えると、どの工夫が役立ったかを振り返りにくくなります。まず動かす場所を決め、実際の様子を見て調整しましょう。

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個別指導では、画面の先にある学習を整える

塾へ相談するときは、「ゲームが多いので厳しく言ってほしい」だけで終わらせず、画面を閉じたあとの様子まで伝えてみてください。終える約束が曖昧なのか、宿題に入るまでに迷っているのか、解けない問題で止まるのかによって、塾で引き受ける内容は違います。家庭の利用記録と、授業中の取り組みを照らし合わせることで、画面をめぐる話を学習の具体へつなげます。

塾がまず持つのは、課題の難しさと量の調整です。家庭では「少し考えればできそう」と見えても、授業で実際に解いてもらうと、問題文の言葉や途中の計算で止まることがあります。講師は、本人だけで進められる部分と、説明を受けて練習する部分を分けます。家で長く座っていたのに進まなかった理由を、画面の利用だけで片づけないための確認です。

次に持つのは、家庭で始める課題の入口です。「このページを全部」ではなく、最初に解く問題、途中で確かめる箇所、わからないときに印をつける場所まで授業で確かめます。お子さまがその段取りを自分の言葉で説明できれば、帰宅後の見通しとして持ち帰れます。家庭に細かな説明役を任せる前に、課題を渡す側で、取りかかり方を明らかにしておく必要があります。

学習用の動画を使っているなら、塾では視聴の長さを褒めるだけで済ませません。授業中に、説明を閉じた状態で似た問題を解いてもらい、どこまで使えるようになったかを見ます。説明を聞くと納得できる段階と、自分で手順を選べる段階は、家庭へ別々に伝えたいところです。「動画を見たのにできない」という落胆を、「この手順を練習しよう」という次の課題へ置き換えます。

また、学習が長引いた日は、予定した遊びの時間がどこへ消えたのかも確認します。家で終える課題を多く渡しすぎていたなら、塾の側で範囲を調整する余地があります。約束どおり画面を閉じても、そのあとに終わりの見えない宿題が続くなら、次の日の見通しも立てにくくなります。授業で取り組めることと家庭に渡すことを整理し、遊びも含めた生活の中に収まる課題を相談することが必要です。

家庭が持つのは、生活の時間と端末を使う環境です。夕食や入浴の予定、きょうだいと共有する端末の順番、置き場所などは、日々の暮らしに合わせた取り決めが必要です。塾が家庭の事情を聞かずに上限を決めると、守りにくい約束が増えます。保護者は利用内容を逐一説明する必要はなく、学習の予定とぶつかる箇所を絞って共有してください。

お子さまにも受け持ちがあります。終了地点を選ぶ、取りかかる問題を開く、困った箇所に印を残すことです。保護者が毎回端末を片づけ、問題を探し、答え合わせまで進める形になっているなら、まずどの行動を本人へ返せるか相談します。小学3年生なら記録を一緒に書く、小学6年生なら予定と実際の違いを本人が説明するなど、学年だけで決めず、できる行動から任せます。

進み具合は、画面時間が短くなったかだけでなく、「終了」「着手」「理解」の3つで見えるようにします。終了は約束した地点で閉じられたか、着手は用意した課題に入れたか、理解は授業で自分の力で解けたかです。これらを別々に見れば、利用時間は変わらなくても課題への移り方が整った、終了はできたが教材を調整する必要がある、といった変化を伝えられます。

画面利用の相談には、終了した時点で学習へ移れたかを記すメモが使えます。動画は閉じられたのに文章題で止まったなら、終了の約束は保ち、止まった問題を塾に伝えます。閉じる前にもめた日には、問題の難しさとは分けて終了条件を相談します。塾からは教材側で変える箇所を返してもらうと、時間を短くするだけでは解消しないつまずきを扱えます。

塾からは、「授業で確かめたこと/家で取り組む箇所/次に見る点」を返す形が考えられます。「問題文の条件は読めたが、式にするところで助けが必要だった。家では授業で扱った問題を解き直し、迷った行に印をつける。次回はその行から確かめる」といった内容です。家庭が受け取ったあとに、お子さまへ何を渡せばよいかが見える連絡を目指します。

相談のたびに新しい約束を増やす必要はありません。前回決めた終了地点は使えたか、課題は本人で始められたか、残った疑問は授業で扱えたかを確かめます。うまくいった部分はそのまま残し、詰まった箇所を調整します。武蔵境で個別指導を検討する際にも、画面の取り上げ方だけでなく、その先の学習をどこまで具体的に整えるかを相談の軸にしてください。

画面時間についてよくある3つの疑問

Q. 毎日何分までなら、成績に影響しませんか

利用の枠を決めるときは、家庭で必要な学習、食事、入浴、就寝の予定を並べ、その中で利用できる枠を決めてみてください。同じ長さでも、終点が決まっている場合と、次々に内容を選び続ける場合では、家庭で調整する箇所が違います。合計に加えて、何を終えたら閉じるかを確認しましょう。

決めた枠に収まらない日が続いたら、叱る強さを上げる前に、内容と時間帯の組み合わせを変えます。短い枠の日は短い動画を選び、長い対戦が必要な遊びは別の機会へ回すなど、本人が選べる形で組み直してください。生活の予定に戻れることを、家庭での判断基準にします。

Q. 勉強の動画なら、長く見てもよいのでしょうか

学習の内容を扱っていても、見た時間だけでは取り組みの中身はわかりません。何を確かめたくて見たのか、見終えたあとに説明や問題へ戻れたのかを確認します。本人が「わかった」と言ったら、試してみる問題を選んでもらいましょう。保護者が抜き打ちで試す形よりも、初めから確認までを予定に入れる方が、学習の流れとして扱いやすくなります。

解けなかったときは、視聴した時間を責めず、止まった箇所を残します。説明の言葉が難しかったのか、途中の計算ができなかったのかを塾で確かめれば、次に使う教材や練習の範囲を選ぶ材料になります。

Q. 約束を破ったら、すぐに全部禁止すべきですか

その場で大きな罰を追加する前に、何を約束していたかを確かめてください。「適当に終える」と「この番組の最後で終える」では、本人が判断できる範囲が違います。はっきりした約束を守れなかった場合は、その日の利用を終え、次に使う前に、内容や終了の支えを相談します。

保護者が毎回強く止めないと終われないなら、本人だけで扱う範囲をいったん小さくします。選ぶ動画を先に決める、終了前に一緒に確認するなど、必要な支えを戻してください。守れた点が見えたら、本人へ任せる部分を増やしていく方針を、落ち着いているときに共有しましょう。

次の行動が見える約束を、今夜ひとつ

今夜、すべての画面時間を見直す必要はありません。お子さまがよく使う活動を選び、何を終えたら閉じるか、閉じたらどの課題を開くかを決めてみてください。翌日は、約束した地点で終えられたか、最初の問題に入れたかを短く振り返ります。できなかった箇所は、次に段取りを変える場所です。

保護者が利用を監視し続ける形から、お子さま自身が終わりと学習の入口を確かめる形へ、少しずつ受け渡していきましょう。課題が難しくて止まるところは、塾へ持ち込んで構いません。「画面を閉じた。けれど式が書けなかった」。その区別を授業へ持ち込むと、利用時間の記録には映らなかった算数の課題まで見えてきます。

参考文献


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