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【生物】植物の発生と環境応答を図解で総まとめ—植物ホルモン・光受容体・花芽形成・屈性|武蔵野個別指導塾

発芽を調節するホルモン、光屈性、暗期と花芽形成を3枚の図で整理します。光の中断実験や発芽率の例題を通して、条件から植物の反応を説明する力を養えます。
よくあるのは、保健室の前の長椅子で生物のノートを開き、「オーキシンは成長を促進する」と書いた直後に、根の成長を抑えるという説明を見つけ、どちらを覚えればよいのか止まってしまう場面です。続くページでは、短日植物の開花を調べるのに夜の途中で光を当てています。「短日」なのに夜を調べる理由まで重なると、植物の単元が例外の集まりに見えてきます。
この単元では、物質の名前だけでなく、「何が刺激になり、どこが受け取り、どの部分がどう変わるか」をたどります。同じホルモンでも、器官や濃度が違えば反応は変わります。また、光には光合成のエネルギー源としての役割のほか、方向や季節を知らせる情報としての役割があります。この2点を押さえると、発芽、茎の曲がり、花芽の形成を、条件の違いから説明できるようになります。
この単元で身につけること
- 植物の成長を、細胞分裂・細胞の伸長・分化に分けて説明します。植物が大きくなることと、新しい器官ができることを区別します。
- オーキシン、ジベレリン、アブシシン酸、エチレンの代表的な作用を整理します。作用を受ける器官や時期も合わせて覚えます。
- 光受容体が受け取る光の種類を区別します。赤色光・遠赤色光に応答するフィトクロムと、光屈性に関わる青色光の受容を結びつけます。
- 光周性の実験で、明期と暗期、特に連続した暗期を読み取ります。夜の光中断が花芽形成に与える影響を条件付きで判断します。
- 屈性と傾性を、刺激の方向と運動の方向の関係から区別します。曲がる方向は、左右または上下のどちらがより伸びるかから考えます。
生物基礎で学んだ細胞や酵素のはたらきは、発芽のときに貯蔵物質を利用するしくみにつながります。ここでは、新しい用語を独立させず、すでに知っている「細胞が物質を使って活動する」という理解に重ねていきます。
基本の考え方
植物は成長する場所を残しながら体をつくります
発生とは、受精卵から細胞が増え、性質や配置が変化し、体がつくられる過程です。被子植物では、受精卵から胚ができ、胚珠は種子になります。胚には、将来の根になる幼根、茎や葉になる幼芽などがあり、種子の内部には発芽初期に利用する養分も備わっています。養分を主に胚乳に蓄える種子も、子葉に蓄える種子もあるため、「種子の養分は必ず胚乳にある」とは書けません。
植物の根や茎の先端には、細胞分裂が活発な分裂組織があります。そこでできた細胞が伸長し、形やはたらきの違う細胞へ分化します。分化とは、細胞が特有の構造や機能をもつようになることです。植物は発芽した後も分裂組織を保ち、葉や枝などの器官をつくり続けます。そのため、体づくりと環境への応答が、生涯にわたって深く関係します。
植物ホルモンは、植物体内でつくられ、少量で成長や生理的なはたらきを調節する物質です。栄養分そのものではなく、細胞の活動を調節する役割をもちます。つくられた場所から別の場所へ移動して作用する場合も、近くの細胞に作用する場合もあります。「植物には動物のような内分泌腺がないから、ホルモンもない」という考え方は誤りです。
代表的なホルモンは、次のように作用と場面を組にします。表の作用は代表例であり、1つのホルモンに1つだけの役割があるという意味ではありません。
| ホルモン | 代表的な作用 | 読み取るときの注意 |
|---|---|---|
| オーキシン | 茎の伸長、屈性、頂芽優勢などに関与します | 器官と濃度によって、伸長の促進と抑制が変わります |
| ジベレリン | 茎の伸長や種子の発芽を促します | 発芽では貯蔵物質の利用につながる作用を考えます |
| アブシシン酸 | 種子の休眠の維持や気孔の閉鎖に関与します | 乾燥時には水分の損失を抑える応答に関わります |
| エチレン | 果実の成熟や落葉・落果などを促します | 気体の植物ホルモンで、周囲にも広がります |
| サイトカイニン | 細胞分裂の促進や葉の老化の抑制などに関与します | オーキシンなどとの組合せも重要です |
頂芽優勢とは、茎の先端にある頂芽が、葉の付け根にある側芽より優先して成長する現象です。頂芽を取り除くと側芽が伸びやすくなることがあり、頂芽由来のオーキシンなどがこの調節に関係します。ただし、枝分かれの調節をオーキシンだけですべて説明するのは適切ではありません。複数のホルモンや養分の状態が関わることを踏まえ、教科書の実験では何を操作したかに注目します。
発芽は水を吸うだけでは完了しません
種子の発芽には、一般に水、酸素、適当な温度が必要です。水を吸うと種子内の活動が進み、呼吸によって成長に必要なエネルギーを得ます。しかし、これらの条件がそろっていても発芽しない種子があります。発芽に適した条件でもすぐに発芽しない状態を休眠といいます。休眠は、不利な季節や環境で芽を出すことを避けるうえで意味があります。
アブシシン酸は休眠の維持に関わり、ジベレリンは休眠の解除や発芽の促進に関わります。図1のように、両者を発芽の調節という共通の場面で並べると、働きの違いが見えます。図の矢印は作用の流れ、先端に横棒のある線は抑制を示しています。ホルモンどうしが直接ぶつかって打ち消し合うという図ではありません。

穀類の種子では、胚からのジベレリンの作用によって、胚乳の外側にある糊粉層でアミラーゼなどの酵素の合成が促されます。アミラーゼはデンプンを分解する酵素です。貯蔵デンプンからできた糖は、胚の呼吸や成長に利用されます。したがって「ジベレリンがデンプンを分解する」と書くと、調節する物質と実際に分解する酵素を取り違えています。
種子には、光によって発芽が促される光発芽種子もあります。すべての種子が光を必要とするわけではなく、暗い条件で発芽しやすいものもあります。「発芽には光が必要」とひとまとめにせず、問題に示された植物の性質を確認します。発芽後に葉が広がって光合成することと、発芽の開始に光を必要とすることは別の条件です。
光の情報が成長の方向や花芽形成につながります
光受容体は、光を受け取り、その情報を細胞内の反応につなげる物質です。フィトクロムは、主に赤色光と遠赤色光に応答する光受容体です。赤色光を吸収するPr型と遠赤色光を吸収するPfr型があり、Pr型は赤色光を受けるとPfr型に、Pfr型は遠赤色光を受けるとPr型に変化します。教科書では、多くの反応でPfr型が作用する形として説明されます。ただし、それが常に発芽や花芽形成を促進するという意味ではなく、反応の種類や植物によって結果が異なります。
代表的な光発芽種子の短時間照射実験では、赤色光による発芽促進が、その直後の遠赤色光によって取り消されることがあります。短い間隔で交互に照射すると、最後の光が結果を左右します。これは、光のエネルギーを合計するだけでは説明しにくく、受容体の状態の切替えとして理解できます。照射から長時間たって反応が進んだ場合まで、最後の光だけで必ず決まるとはいえません。
一方、茎が光の方向へ曲がる光屈性には、主に青色光を受け取るフォトトロピンが関わります。フィトクロムを「植物の光の反応をすべて担当する物質」と覚えないことが大切です。光屈性では、光の受容に続いてオーキシンの分布に偏りが生じ、左右の伸長差が曲がりを生みます。
光周性は、明期と暗期の長さの周期に応じて、花芽形成などが変わる性質です。明期は明るい時間、暗期は暗い時間を指します。短日植物は一定より短い日、長日植物は一定より長い日で花芽を形成しやすい植物ですが、教科書の代表的な実験では、連続した暗期の長さが重要になります。短日植物では十分に長い連続暗期が必要になり、長日植物では暗期が短い条件などで花芽形成が促されます。日長に大きく左右されず花芽を形成する植物は中性植物といいます。
花芽形成とは、将来花になる芽をつくることです。花が開く開花より前に起こるため、両者を同じ時点の現象として扱わないようにします。光周性の情報は主に葉で受け取られ、花芽形成を促す条件ではフロリゲンと呼ばれる花成の信号がつくられます。その主要な実体はFTタンパク質で、師管を通って茎の先端へ運ばれ、花芽形成を促します。光を受け取る場所と花芽を形成する場所が離れていても、信号の移動でつながっているのです。
花芽形成には日長だけでなく、温度や植物の成長段階も関わります。一定期間の低温を経験することによって、その後の花芽形成が可能になったり促されたりする現象を春化といいます。光周性と春化は、どちらも季節と関係しますが、手がかりとなる環境条件が違います。実験を読むときは、日長以外の条件がそろっているかも確認します。
例題で解き方を確かめる
例題1 反応からホルモンを対応させる
次の3つの反応に最も関係の深いホルモンを、ジベレリン、アブシシン酸、エチレンから1つずつ選びます。Aは乾燥時の気孔の閉鎖、Bは穀類の種子におけるアミラーゼ合成の促進、Cは果実の成熟の促進です。
- まず、各反応が起こる場面を分けます。Aは水分の損失を減らす場面、Bは貯蔵養分を利用して発芽する場面、Cは果実が成熟する場面です。場面を先に整理すると、「促進」という語だけで選ぶ誤りを防げます。
- Aにはアブシシン酸、Bにはジベレリン、Cにはエチレンを対応させます。アブシシン酸は成長を止めるという言葉だけでなく、乾燥への応答も含めて覚える必要があります。
- Bの説明に酵素を補います。ジベレリンはアミラーゼの合成を促し、アミラーゼがデンプンを分解します。物質の役割を1段階ずつ確認すると、記述問題でも主語を取り違えません。
答え:Aはアブシシン酸、Bはジベレリン、Cはエチレンです。
例題2 最後に当てた光と発芽率を読む
同じ条件の光発芽種子を100個ずつ用い、短い間隔で光を照射した後、暗所に置きました。ほかの発芽条件はそろえています。この種子では、短時間の赤色光による発芽促進が直後の遠赤色光で取り消されるものとします。赤色光のみのA群では80個、赤色光の直後に遠赤色光を当てたB群では12個、さらに赤色光を当てたC群では78個が発芽しました。各群の発芽率と、A群とB群の発芽率の差を求め、結果を説明します。
- 発芽率を「発芽した種子数 ÷ 調べた種子数 × 100」で求めます。どの群も100個なので、A群は80%、B群は12%、C群は78%です。分母が同じかを確かめてから比較するのは、種子数の違いを効果の違いと誤解しないためです。
- A群とB群の差を80 − 12 = 68と求めます。割合どうしの差なので、68ポイントと表します。A群に対して何%減ったかを求める計算とは区別します。
- A群とC群は最後が赤色光、B群は最後が遠赤色光であることを確認します。赤色光で増えるPfr型と発芽促進を結びつけると、B群で発芽が少なく、C群で再び多くなった結果を説明できます。80%と78%の小さな差だけから、照射回数の効果まで断定はできません。
答え:A群80%、B群12%、C群78%、A群とB群の差は68ポイントで、最後の赤色光によって発芽促進が再び現れています。
例題3 暗期の途中に光を当てた場合を判断する
ある短日植物は、ほかの条件がそろっているとき、12時間を超える連続した暗期を与えると花芽を形成します。明期10時間・暗期14時間を繰り返すA条件と、暗期14時間の中央に有効な短い光中断を入れるB条件を比べます。この問題では、光中断は十分に有効で、前後の暗期を連続した暗期として数えないものとし、照射時間は時間計算では無視します。どちらで花芽を形成しますか。
図2のように、まず1日の条件を帯にして、明期を橙色、暗期を紺色で表します。B条件の赤い縦線は短い光中断の時点であり、線の幅は照射時間の長さを表していません。

- A条件の連続暗期を読みます。14時間は12時間を超えるため、提示された花芽形成の条件を満たします。明期が短そうかという印象ではなく、判定に使う時間を取り出します。
- B条件の光中断の位置を読みます。14時間の中央なので、暗期は7時間と7時間に分かれます。合計14時間の暗さがあっても、連続した暗期は7時間です。
- 両条件を同じ基準で判定します。B条件には12時間を超える連続暗期がないため、この問題の条件では花芽を形成しません。実際には光中断の時刻や光の種類にも影響されるので、問題で与えられた有効な光中断という条件を外さないようにします。
答え:A条件では花芽を形成し、B条件では形成しません。
例題4 伸長量から曲がる方向を考える
暗所で、先端を切り取った芽生えの茎の右側に、適量のオーキシンを含む寒天片を置きます。この条件では、右側の細胞の伸長が左側より大きくなるものとします。茎はどちらに曲がりますか。また、光が当たっていないこの実験から、何を説明できますか。
- 問題の条件から伸長の大小を決めます。右側の伸長が大きいことは与えられているので、「光はどちらか」を探す必要はありません。光屈性の形を丸暗記して当てはめず、直接操作したオーキシンの位置を見ます。
- 長くなる側を曲がりの外側に置きます。曲がった茎では外側の道のりが内側より長くなるため、右側が外側になるように左へ曲がります。多く伸びる側へ曲がる、と逆に覚えないようにします。
- この結果が示す範囲を整理します。オーキシンの分布の偏りによる伸長差で、光がなくても曲がりを生じさせられると説明できます。一方、この実験だけでは、どの物質が光を受容するかまでは決められません。
答え:茎は左へ曲がり、オーキシンの偏りによる左右の伸長差が曲がりを生むことを説明できます。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 オーキシンは、どこでも多いほど伸ばす
誤った書き方は「オーキシンが多い側は、茎でも根でも必ずよく伸びる」です。どこが違うかというと、オーキシンへの感受性、つまり反応のしやすさが器官で異なる点を無視しています。一般に根は茎より低い濃度のオーキシンに反応し、根に対して高すぎる濃度では伸長が抑えられます。茎でも、濃度が高ければ無制限に伸びるわけではありません。
正しい書き方は「オーキシンの作用は器官と濃度によって変わり、適切な濃度では伸長を促進します」です。濃度と成長のグラフでは、横軸が対数目盛りかどうか、縦軸の0が無処理と同じ成長を表すかどうかを確認します。横軸の同じ位置で根と茎を比べることが、同じ濃度での比較になります。
図3のように、若い茎が右から光を受ける場合、典型的には陰側の左側にオーキシンが多く分布し、その側がよく伸びるため右へ曲がります。図中の点は分布の偏りを示す記号で、個数が実測濃度を表すわけではありません。左右の細長い形は、同じ初めの長さから伸びた場合の違いを模式的に示しています。

重力の方向に応じた成長は重力屈性といいます。横向きに置いた茎や根では、重力の方向の情報に応じて下側にオーキシンが多く分布します。典型的な説明では、茎の下側は伸長が促され、茎は上へ曲がります。一方、根の下側では伸長が抑えられ、上側のほうが伸びるため根は下へ曲がります。分布の偏りが同じ向きでも、器官の反応が違うので曲がる方向は逆になるのです。
誤り2 短日植物は暗い時間の合計だけで決まる
誤った書き方は「1日の暗期の合計が十分に長ければ、途中で光を当てても花芽を形成する」です。どこが違うかというと、光中断で連続した暗期が分けられることを落としている点です。例題3では暗い時間の合計がほぼ同じでも、A条件とB条件で花芽形成が異なります。
正しい書き方は「この短日植物では、限界となる長さを超えた連続暗期が花芽形成に必要です」です。その限界の長さを限界暗期と呼びます。数値は植物によって異なり、例題の12時間をすべての短日植物の共通値にしてはいけません。長日植物では、有効な夜間の光中断が花芽形成を促す場合がありますが、これも温度や照射条件などを含めて読みます。
さらに、Pfr型が増えると何でも進む、という理解もここで修正します。フィトクロムの状態と、花芽形成という最終的な反応の間には、植物の種類に応じた調節があります。光発芽種子の結果を、そのまま短日植物の花芽形成に移してはいけません。
誤り3 刺激で動くものは全部、屈性である
誤った書き方は「オジギソウが触れられて葉を閉じるのは、触れた方向への屈性です」です。どこが違うかというと、刺激があることだけで分類し、刺激の方向と運動の方向の関係を調べていない点です。屈性は、刺激の方向に対して一定の方向に起こる成長運動です。刺激へ向かう場合を正の屈性、反対へ向かう場合を負の屈性といいます。
正しい書き方は「オジギソウの葉が閉じる運動は、刺激の方向に依存しない傾性です」です。傾性は、刺激の方向によって運動の方向が決まるものではありません。オジギソウでは、葉の付け根の葉枕という部分で水の出入りに伴って膨圧が変わります。膨圧とは、細胞の内容物が細胞壁を内側から押す圧力です。速い動きだから新しい細胞が急に増えた、とは説明しません。
ただし「屈性は成長、傾性はすべて膨圧」と完全に二分するのも誤りです。傾性には成長差が関わるものもあります。分類の第一の基準は方向の関係で、その後に運動のしくみを確かめます。
練習問題
練習1 発芽を支える物質の役割
穀類の種子で、ジベレリンが糊粉層に作用し、アミラーゼの合成が促されました。ジベレリンとアミラーゼのどちらがデンプンを分解しますか。また、種子の休眠の維持に関わるホルモンを答えます。「発芽を促す」という結果だけでなく、途中の役割も説明します。
練習2 光の順序と発芽
例題2と同じ性質をもつ種子に、短い間隔で赤色光、遠赤色光、赤色光、遠赤色光の順に照射します。赤色光だけを当てた場合と比べて、発芽は促進されにくいと考えられますか。理由を、最後の光とフィトクロムの型を用いて説明します。
練習3 暗期の中断位置を変える
12時間を超える連続暗期が花芽形成に必要な短日植物に、明期8時間・暗期16時間を与えます。A条件は光中断なし、B条件は暗期開始から6時間後に有効な短い光中断を入れます。例題3と同様に照射時間を無視すると、各条件の最長の連続暗期は何時間ですか。また、花芽を形成するのはどちらですか。
練習4 伸長量と運動の分類
茎の左右に、初めはともに10.0 mmの区間をとりました。光照射後、左側の区間は13.0 mm、右側は11.0 mmになりました。左右の伸長量とその差、茎が曲がる方向を答えます。また、この成長による光の方向への曲がりと、オジギソウの接触による葉の閉鎖を、それぞれ屈性か傾性かに分けます。
答えと解説
練習1の答えは、デンプンを分解するのがアミラーゼ、休眠の維持に関わるのがアブシシン酸です。ジベレリンはアミラーゼの合成を促す調節物質です。酵素によってできた糖が、胚の呼吸や成長に使われるところまでつなげて説明します。
練習2の答えは、発芽は促進されにくいと考えられます。最後の遠赤色光によってPfr型からPr型への変化が起こり、この条件では赤色光による発芽促進が取り消されるためです。光を当てた合計回数が多いほど発芽する、とは判断しません。
練習3の答えは、A条件が16時間、B条件が10時間で、花芽を形成するのはA条件です。B条件では16時間の暗期が6時間と10時間に分かれます。16 − 6 = 10と計算して長いほうを選んでも、12時間を超えません。
練習4の答えは、左側3.0 mm、右側1.0 mm、伸長量の差2.0 mmで、茎は右へ曲がります。長くなった左側が曲がりの外側になります。光の方向への成長運動は屈性、オジギソウの葉の閉鎖は傾性です。最初の長さを引く計算と、刺激に対する方向の分類を分けて確かめます。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
植物の環境応答は、生態の分野で、光や季節が生物の生活に与える影響を考える土台になります。同じ光でも、光合成量、成長の方向、花芽形成という異なる反応につながります。動物の環境応答へ進むときも、「刺激の受容、情報の伝達、反応」という順序で比べると、共通点と違いを整理できます。
家庭では、紙と筆記用具でそれぞれ5分の確認ができます。1つ目は、明期と暗期の帯を描き、暗期に光中断の線を1本加えて、連続した暗期を数えることです。2つ目は、まっすぐな茎の左右に「よく伸びる」「あまり伸びない」と書き、よく伸びる側を外側にして曲がる向きを描くことです。植物への薬品処理や夜間照射をしなくても、考え方を確かめられます。
個別指導では、答えが逆になったとき、ホルモン名を忘れたのか、器官を取り違えたのか、伸びる側と曲がる側の関係が曖昧なのかまで戻って確認します。光周性で迷う場合は、植物名を増やす前に、1日の条件を帯に描くところから確かめます。
まとめ
植物の反応を説明するときは、見えた結果から途中のしくみをたどってみます。茎が右へ曲がったなら、左側の伸長が大きかったこと、その差を生む分布や刺激は何だったかを考えます。花芽ができなかったなら、暗い時間の合計ではなく、連続暗期と光中断の位置を確かめます。名前を知っているだけでは説明できなかった結果も、比較する条件が定まると読み解けます。
植物の応答の説明は、ホルモン名ではなく、条件と反応を結ぶ因果関係で決まります。
本気になった日が、入塾の日。
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