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【小5社会】米づくりのさかんな地域を図解で総まとめ—米づくりの 1 年・工夫・課題と対策|武蔵野個別指導塾

田植えから収穫までの流れと水の管理を図でたどり、機械化や品種改良の目的を確かめます。作業時間を比べる例題や農家の課題を考える練習を通して、食卓と産地のつながりまで学べます。
よくあるのは、修学旅行前の教室で車窓から見える田んぼの話になり、「お米は秋にとれるのに、春の田んぼに水があるのはどうして」と聞かれて、田植えという言葉だけで説明を止めてしまう場面です。米づくりの写真は見たことがあっても、作業の順番と、その作業が必要な理由は、別々の知識になりがちです。
この単元では、米づくりを「自然の条件を生かしながら、人が稲の育ちを支える仕事」として考えます。田んぼに水がある理由、広い平地に田んぼが多い理由、農家が機械や新しい品種を取り入れる理由をつなぐと、見慣れた風景から仕事の工夫を読み取れるようになります。
お子さまと確かめるときは、「何をしているのかな」の次に「何のためかな」と尋ねてみてください。作業名を覚えるだけでなく、目的まで短く説明できることが、この単元の学習の軸です。
この単元で身につけること
- 米づくりの主な作業を順に説明します。苗を育て、田に植え、成長を管理し、収穫して届けるまでを、一続きの流れとしてとらえます。
- 土地・水・気候の条件を結びつけます。広い平地だけを見るのではなく、水を確保できることや、稲が育つ時期の気温にも注目します。
- 機械化と品種改良の目的を区別します。作業の負担を軽くする工夫と、稲の性質をよりよくする工夫を、それぞれ説明します。
- 農家の課題と対策を対応させます。高齢化、仕事を受けつぐ人の不足、費用や販売価格の問題に対して、どんな取り組みが役立つかを考えます。
- 資料から読めることを根拠に答えます。作業時間の図では時間を比べ、米の量や価格まで勝手に決めつけない読み方を身につけます。
小3で学んだ農家の仕事や、小4で学んだ用水のはたらきは、小5で地域全体の米づくりを考える土台になります。田んぼ1枚の仕事と、その仕事を支える地域のしくみを行き来しながら学びましょう。
基本の考え方
土地・水・気候を組み合わせて考えます
米は稲からとれる食べ物です。水をためた田で稲を育てる米づくりでは、田に水を引き、必要に応じて外へ流すしくみが欠かせません。川が近くにあっても、水を自由に使えるとは限りません。用水路で水を田に届け、排水路で余分な水を流し、水門などで調節する仕事があります。
広い平地では、田をまとめたり機械を動かしたりしやすくなります。川が運んだ土でできた平野には、米づくりのさかんな地域が見られます。ただし、「平らな土地なら必ず米づくりがさかんになる」とは言えません。水を確保するしくみ、気候、農家の取り組みなどがそろって、生産が支えられています。斜面につくられた棚田でも米づくりは行われます。
稲が成長する時期には、暖かさや日光が必要です。冬が寒い地域でも、夏に稲が育つ気温になれば米を育てられます。東北地方や北陸地方、北海道などで米づくりが行われていることを、「日本の北のほうは寒いからできない」と考えないようにします。見るべきなのは、1年中の印象ではなく、育てる季節の条件です。
新潟県の越後平野や山形県の庄内平野は、米づくりを学ぶときによく取り上げられる地域です。平野の広がりや川の位置を地図で確かめると、土地と水を結びつけられます。また、雪が多い地域では雪解け水も水源になりますが、必要な時期に田へ届けるための施設や管理が必要です。自然の恵みと、人の仕事を必ず組にして説明しましょう。
米づくりの1年は、準備と管理の積み重ねです
図1は、苗を植える米づくりの主な流れを示しています。作業の時期は地域や品種によって異なるため、月を全国共通の決まりとして覚える必要はありません。春に準備と田植えをし、夏に稲の育ちを管理し、秋に収穫する流れを基本にします。

春は、種もみから苗を育てる苗づくりを進めます。それと並行して、田の土を耕す田おこしを行い、水を入れて土を細かくし、表面を平らにする代かきをします。表面を整えると、水の深さをそろえやすくなり、苗も植えやすくなります。図1の前半は、苗の準備と田の準備が別々に進み、田植えで合流することを表しています。
田植えでは、育てた苗を田に植えます。田植え機を使うと、多くの苗を一定の間隔で植える作業を進めやすくなります。田植えを終えれば秋まで待つだけ、というわけではありません。苗がしっかり根づくかを見たり、水の深さを調節したり、雑草や病気、害虫の様子を確かめたりする仕事が続きます。
夏には稲が育ち、やがて穂が出ます。稲の成長に合わせて水や肥料を管理します。田にはいつも同じ深さの水をためるわけではなく、途中でいったん水を落とす管理もあります。また、収穫前にも水を落とします。水を使う仕事には、「入れる」だけでなく「抜く」「時期を選ぶ」という判断もあるのです。
秋に実が熟すと、稲刈りをします。コンバインは稲を刈り取るだけでなく、穂からもみを外す脱穀も行います。その後、乾燥させ、もみがらを取り除くもみすりをすると玄米になります。玄米の表面のぬか層などを取り除く精米をすると、ふだん目にする白米になります。稲刈りの直後に、そのまま炊ける白米ができるわけではありません。
収穫後や冬にも、機械の手入れ、翌年に向けた準備などがあります。地域によっては共同の施設で乾燥や貯蔵を行います。図1の矢印は主な作業のつながりを示すもので、箱と箱の間の長さが日数を表すわけではありません。
機械と品種は、それぞれ違う困りごとに働きかけます
機械化とは、人が手で行っていた作業などに機械を取り入れることです。田を耕すトラクター、苗を植える田植え機、稲刈りと脱穀を進めるコンバインなどが使われます。作業時間や体への負担を減らし、限られた人数で仕事を進める助けになります。機械を使いやすくするために、田の区画を広げたり、農道や用排水路を整えたりする土地の整備も行われます。
ただし、機械は買えばそれで終わりではありません。燃料、点検、修理などにも費用がかかります。使う期間が限られる機械を共同で利用したり、作業をまとめて引き受ける組織に頼んだりして、負担を分ける方法もあります。機械化のよさを説明するときも、農家が費用を考えて選んでいることを忘れないようにします。
品種改良は、稲の性質をよりよいものにしていく取り組みです。寒さや病気に強い、倒れにくい、味がよいといった性質が、目的に応じて求められます。地域の気候や食べる人の好みに合った品種を育てることで、生産や販売に役立てます。肥料を多くまくことや、新しい機械を買うこと自体を品種改良とは言いません。
品種を選ぶ工夫があっても、どんな天候でも同じように収穫できるわけではありません。稲の育ちを見て管理する農家の判断と組み合わさって、米づくりが続きます。「機械が仕事を助ける」「品種が稲の性質に関わる」と分けると、説明の混同を防げます。
例題で解き方を確かめる
例題1 田植えの前後を並べます
次の作業を、先に行う順に並べましょう。アは田植え、イは稲刈り、ウは田おこし、エは代かきです。ここでは、苗を育てて田に植える方法を考えます。
- それぞれの作業が、土・苗・実った稲のどれに関わるかを確かめます。作業名の響きではなく、何をする仕事かで順番を判断するためです。
- 土を耕す田おこしの後に、水を入れて土を細かくし、表面を平らにする代かきを置きます。苗を植える場所を先に整える必要があるからです。
- 田の準備ができてから田植えをし、稲が育って実ってから稲刈りを置きます。植えた苗と収穫する稲が、同じ植物の成長の前後だと結びつけるためです。
図1に戻り、自分の答えの間に「何のために」を入れて読んでみます。「苗を植えるために田を整える」「実ったので刈り取る」と言えれば、順番を意味と結びつけられています。苗づくりは田の準備と並行して進むため、すべての作業が1列に並ぶとは限りません。
答え:ウ → エ → ア → イです。
例題2 作業時間の棒グラフを読みます
同じ広さの田で、同じ作業を終えるまでの時間を比べた学習用の資料が図2です。方法Aは12時間、方法Bは4時間かかりました。方法Bでは機械を使っています。方法Bでは何時間短くなりましたか。また、この図だけで収穫できる米の量が増えたと言えますか。

図2の数値は、比較の練習に使う条件です。特定の地域の平均や、機械を使ったときに必ず得られる結果を表すものではありません。実際の時間は、田の形や機械、作業の内容などによって変わります。
- 横軸の単位が時間で、2本の棒が同じ広さ・同じ作業についての比較だと確かめます。広さや仕事が違うまま時間だけを比べると、作業の進み方を正しく考えられないからです。
- 短くなった時間を求めるので、12から4を引きます。残った時間の4と、減った時間とを取り違えないためです。12 − 4 = 8となります。
- 図に米の収穫量が示されているかを見直します。示されているのは時間だけなので、量が増えたかどうかは判断できません。
「機械を使うと効率がよい」とだけ書くより、「同じ作業をする時間が短くなる」と書くほうが、根拠がはっきりします。効率という言葉を使う場合も、何がどう変わったかを添えましょう。なお、短くなった分の時間にも、点検や別の田での作業などを行うことがあります。
答え:8時間短くなりましたが、収穫量が増えたかは図2だけではわかりません。
例題3 寒い地域の米づくりを説明します
ある地域は冬に雪が多く、夏には稲が育つ暖かさになります。広い平野があり、川の水を田へ引く用水路が整っています。この地域で米づくりを支える条件を、土地・水・気候から1つずつ挙げましょう。
- 文の中から土地の形を表す部分を探します。「広い平野」が見つかるので、機械を動かしたり田をまとめたりしやすい条件として読み取ります。
- 水をどこからどのように使うかを探します。「川」だけで止めず、「用水路で田に引く」まで読むことで、人が水を利用するしくみを含められます。
- 気候は冬だけでなく、稲が育つ夏に注目します。冬の寒さだけから米づくりができないと決めないためです。
この問題では、品種名や生産量を思い出す必要はありません。与えられた文から条件を取り出し、それぞれの役割を整理します。問いが「条件を挙げる」なのか「理由を説明する」なのかも確かめ、理由を聞かれたときは「機械を使いやすいから」などを続けます。
答え:広い平野があること、用水路で川の水を引けること、夏に稲が育つ暖かさになることです。
例題4 農家の課題に合う対策を選びます
農家の人が高齢になり、広い田を少ない人数で管理する負担が大きくなっています。さらに、機械の購入費も負担です。「共同で機械を使い、作業を分担する」という対策は、どの点で役立つと考えられますか。課題とつなげて説明しましょう。
- 困っていることを、人手の負担と費用の負担に分けます。高齢化という言葉だけで答えると、何を改善するのかがぼやけてしまうからです。
- 作業を分担することを人手の負担に、共同で機械を使うことを購入などの費用の負担に対応させます。対策の内容から、働きかける相手を考えます。
- 「必ず問題がなくなる」と書かず、「負担を分けられる」「軽くする助けになる」とまとめます。使いたい時期の調整や、管理する人の確保も必要だからです。
高齢化は、年齢の高い人が悪いという意味ではありません。経験を生かして働く人がいる一方で、将来の仕事を受けつぐ人を育て、体への負担を軽くする必要があるという課題です。対策の説明では、人を評価するのではなく、仕事を続ける条件を考えます。
答え:作業を分担して少人数での負担を軽くし、機械を共同で使って費用の負担を分ける助けになります。
つまずきやすいところと直し方
誤り1 田植えが終われば、収穫を待つだけと考えます
誤った書き方:「農家は春に田植えをして、秋になったら稲刈りをします。」これだけでは、間にある仕事が抜けています。季節の代表的な作業としては合っていますが、農家が稲の育ちを支える説明には足りません。
どこが違うかというと、水の管理や、雑草・病気・害虫への対応を見落としている点です。図3のように、用水路から水を入れ、必要に応じて排水路へ流します。天候や稲の育ちに合わせて調節するため、田を見回る仕事が続きます。

正しい書き方:「田植えの後も、水や肥料を管理し、雑草や病気などの様子を確かめながら稲を育てます。」図3の矢印は水を流す向きです。いつも水を入れ続けることや、すべての田で同じ量を流すことを表しているわけではありません。
誤り2 機械化と品種改良を同じものにします
誤った書き方:「新しい田植え機を使う品種改良によって、寒さに強い米をつくります。」作業をする道具の変化と、稲の性質の変化が混ざっています。田植え機を変えただけで、稲そのものが寒さに強くなるわけではありません。
どこが違うかを確かめるには、「変えるものは道具ですか、稲の性質ですか」と問い直します。機械の写真なら作業の進め方に、品種の説明なら寒さへの強さや味などに注目します。用語の文字だけを覚えず、何が変わるかで分けましょう。
正しい書き方:「田植え機の利用は作業を助ける機械化です。寒さに強い稲などを育てるための性質の改善は品種改良です。」どちらも米づくりを支えますが、目的への近づき方が違います。
誤り3 米が高く売れれば、農家の課題はなくなると考えます
誤った書き方:「販売価格が高くなれば、農家は必ず十分な収入を得られます。」売って得るお金だけを見て、米づくりにかかる費用を見落としています。収穫量が少なかったり、肥料や燃料、機械の費用が増えたりすれば、価格だけでは暮らしやすさを判断できません。
どこが違うかというと、価格・売れた量・費用を1つにまとめてしまう点です。価格が低く、かかった費用をまかないにくいことも課題ですが、単に価格を上げればよいと決まるわけでもありません。買う人が求める品質や量と結びつけて考える必要があります。
正しい書き方:「農家が米づくりを続けるには、販売価格と売れる量、作るための費用を合わせて考える必要があります。」品質の特色を伝えて販売したり、直接販売などで消費者とつながったりする取り組みは、この課題に向き合う方法の1つです。
練習問題
答えを急ぐ前に、作業の順、数値、理由のどれを問われているかを確かめましょう。説明する問題は、用語だけで終わらず、その工夫が何に役立つかまで書きます。
練習1
田おこしの後、田植えの前に行う、水を入れて土を細かくし、表面を平らにする作業を何と言いますか。また、稲刈り後の「精米・乾燥・もみすり」を、一般的な順に並べましょう。
練習2
図2で、方法Aと方法Bの作業時間の差は何時間ですか。さらに、方法Bの時間は方法Aの時間の何分の1ですか。割り算では、何をもとにして比べるかを先に確かめましょう。
練習3
「冬が寒い地域では米づくりができない」という説明を直しましょう。「夏」という言葉を使い、冬の気温だけでは判断できない理由を1文で書きます。
練習4
機械の購入費が負担になっている農家に対して、「機械を共同で使う」と「米の味の特色を消費者に伝える」という案が出ました。購入費の負担を分けることに直接つながる案を選び、理由を書きましょう。もう一方の案が、どんなことに役立つかも考えます。
答えと解説
練習1の答え:代かきです。順番は、乾燥 → もみすり → 精米です。代かきは、田植えに向けて土や表面を整える作業です。乾燥したもみからもみがらを取り除くと玄米になり、それを精米すると白米になります。
練習2の答え:差は8時間で、方法Bは方法Aの3分の1です。差は12 − 4 = 8、比べる割合は4 ÷ 12 = 1/3となります。「8時間減った」と「4時間かかった」を区別してください。棒の長さも、方法Bは方法Aの3分の1になっています。
練習3の答えの例:冬が寒くても、夏に稲が育つ暖かさがあり、水や土地などの条件が整えば米づくりができます。冬だけを取り上げず、稲が育つ季節とほかの条件を組み合わせた説明になっていればよいです。
練習4の答え:機械を共同で使う案です。1戸だけで機械を用意する負担を分けられるからです。味の特色を伝える案は、消費者に米のよさを知ってもらい、選んでもらうことに役立ちます。目的が違うので、一方が役立つから他方は不要だとは考えません。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
米づくりで学んだ「自然の条件・生産の工夫・届け方・課題」という見方は、野菜や果物、畜産、水産業でも使えます。産地の名前を覚えるだけでなく、なぜそこで生産するのか、食卓に届くまでに誰が関わるのかを尋ねると、食料生産を広く考えられます。
家庭では、まず5分で米の袋の表示を確かめてみましょう。産地や品種など、実際に書かれている項目を読み、産地を地図で探します。書かれていない作業方法まで想像で決めず、「この表示からわかること」を区別する練習になります。玄米か精米かがわかる表示も、収穫後の作業と結びつきます。
もう1つは、5分で「春・夏・秋」と紙に書き、それぞれの仕事をお子さまに説明してもらう方法です。夏が空欄になったら図3に戻り、水を入れたり抜いたりする理由を話します。個別指導でも、課題と対策が結びつかない場合は、作業の写真や流れに戻り、誰が何に困っているかを確かめます。
消費者は、産地や品質を知って米を選び、食べきれる量を考えて使うことで、生産する人と関わっています。農家から直接届く場合も、集荷や貯蔵、精米、販売に関わる人を通じて届く場合もあります。袋の向こうにある道筋をたどることが、食卓と産地を結びつけます。
まとめ
田んぼの写真を見たとき、苗の並びや水面だけでなく、「この水を誰が調節するのか」「この後にはどんな仕事があるのか」と考えられれば、社会の見方が育っています。農家の課題にも、機械の名前を答えるだけで終わらず、どんな負担を減らす工夫なのかを説明できるようになります。
米づくりを続けるには、土地や気候を生かす知恵と、働く人を支えるしくみ、買う人とのつながりが必要です。茶わん1杯のご飯は、稲が育った結果であると同時に、田に水を引く日から食卓に届く日までの仕事の積み重ねです。
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。




