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算数を得意にする方法—計算の速さと考える力を両方育てる|武蔵野個別指導塾
計算の正確さと式を選ぶ力を、短い別々の練習で育てます。見積もり・図・式の意味を使った点検で、答案のどこへ戻ればよいかをお子さま自身が探せる手順です。

算数を得意にする方法—計算の速さと考える力を両方育てる
計算は進むのに、問題文の前で止まってしまう
よくあるのは、家の玄関で帰宅したお子さまがかばんから算数のプリントを取り出し、「計算は全部できた。でも最後はわからなかった」と話す場面です。保護者は計算欄の丸を見て安心し、白いままの文章題を見て戸惑います。もっと計算を速くすればよいのか、難しい問題を増やせばよいのか。算数を得意にする方法を探しても、家庭で何から変えればよいかが定まりません。
中学受験を考えると、速く答えを出す姿が頼もしく見えます。一方で、鉛筆が止まっている時間にも、図を思い浮かべたり、条件のつながりを探したりしている場合があります。速さだけでは、今育っている力を十分には読み取れません。
家庭で見る軸を、計算を正確に進める力と、数量の関係から解き方を選ぶ力に分けてみましょう。そのうえで、選んだ式を計算し、答えが問題に合うか確かめるところまでつなぎます。練習量を増やす前に、どこができていて、どこで助けが必要なのかを見つけることが出発点です。

速く計算することと、解き方を選ぶことの違い
計算問題では、使う操作がすでに示されています。「24÷6」を見れば、割り算を実行する課題だとわかります。文章題では、数字が出てきても、どの数字をどう使うかは自分で決めます。全部を等しく分けるのか、まとまりがいくつあるのか、差を求めるのか。ここを読み取らずに計算を始めると、途中の計算が合っていても、尋ねられたこととは違う答えになります。
たとえば、「24個を6人に同じ数ずつ分ける」と「24個を6個ずつ袋に入れる」は、どちらも24÷6で求められます。しかし、答えの4が表すのは、前者では1人分の個数、後者では袋の数です。式が同じでも、何を求めたのかを説明するには、問題文と数の意味を行き来する必要があります。計算の練習だけでは見えにくい部分です。
計算練習を増やせば文章題も解けるようになる、と期待する前に見たい結果があります。計算だけを教えた条件では、文章題への効果が示されませんでした(Fuchs et al.・2020)。この無作為化比較試験で指導を受けたのは米国の小学1年生391名で、30分の指導が45回行われました。受験準備をする高学年に必要な練習量や伸び方は、この結果からは決まりません。家庭では計算の正確さを確かめる時間と、文から式を選ぶ時間を分け、最後に両方をつなぐ練習を置きます。
式を選ぶときは、問題文の言葉だけで計算記号を決めないようにします。「行きに18分かかり、帰りは行きより4分多くかかりました。往復で何分ですか」なら、帰りの時間を求める18+4と、往復を求める18+22を分けます。18+4を速く正確に計算しても、22分で終えれば問いへの答えにはなりません。計算後に「帰りか、往復か」を確かめるところまでを練習します。
だからといって、計算練習を軽く扱ってよいわけではありません。式を立てられても、繰り上がりや分数の処理で何度も止まれば、解答を完成させるまでに手間がかかります。計算を安定させる練習には役割があります。ただし、速くするために途中式を無理に消すと、後からどこを直せばよいか追えなくなることがあります。まず正確にたどれる形を作り、その形を保って手際を整えます。
「考える力」も、難問の前で長く粘ることだけを指す言葉にしない方が、練習を選びやすくなります。問題を短く言い直せる、図に数量を置ける、式を選んだ理由を話せる、答えが大きすぎないか見直せる。こうした行動に分けると、保護者にもお子さまにも、今日できたことが見えます。
速さと理解を同じ物差しで一度に評価しようとすると、「急いで、でもよく考えて」という指示になりがちです。計算を整える時間には正確さと手際を、関係を考える時間には図や説明を見ます。練習ごとに目当てを分けることで、お子さまは何を意識すればよいかをつかめます。最後は両方を使う問題で、練習した力をつなぎます。
今日の教材で始める、短い練習と深く考える練習
始める前に、練習の入口を選ぶ
宿題や解き終えたプリントから、計算と式づくりを分けて見られる答案を集めてください。計算だけなら解ける問題、式を作るところで止まった問題、式は合っていたのに計算を間違えた問題を選びます。全部の誤答を並べる必要はありません。今日扱う分を絞り、何を練習する時間なのかをお子さまと確かめます。
お子さまがするのは、「今日は割り算を確かめる」「図から式を作る」と目当てを言うことです。親が支えるのは、問題を選びきれないときに候補を示すことと、終了する時刻を先に決めることです。練習中にできなかった問題を次々に追加すると、終わりが見えなくなります。未解決の問題を残す場所も、始める前に用意しておきましょう。
計算は5分を目安に区切り、関係を考える課題は別の学習枠に置き、両方をつなぐ確認は後日に回す方法もあります。宿題の量や疲れ方に合わせて短くして構いません。時間が来たら答えを出させて終えるのではなく、考えた跡を残して区切ります。区切りは急がせる合図ではなく、その日の学習を閉じるために使います。
計算は、正確にできる形を先にそろえる
計算の時間には、同じ種類の問題を少量選びます。最初から整数、小数、分数を混ぜすぎると、どの操作で止まったのか見えにくくなります。筆算の位をそろえる、約分の跡を残す、符号を写すなど、今日確かめる点を決めます。書く場所が狭ければ、余白のある紙に移しても構いません。
お子さまは答え合わせの前に、自分で確かめる動作を入れます。足し算ならおよその大きさと比べる、割り算なら商に割る数を掛けて元の数に戻るかを見る、小数なら小数点の位置を見直す、といった方法です。計算の種類に合う方法を選び、毎回すべてを行う必要はありません。「見直した」と言うだけで終わらず、何を見たかが残る形にします。
たとえば198+203なら、先に「200くらいの数が2つだから、答えは400くらい」と見通しを持てます。計算後の答えがその見通しから大きく離れていたら、数字の写し間違いや繰り上がりを探します。見積もりは正確な答えの代わりではなく、点検の入口です。お子さまが見積もりを作れない場合には、近い切りのよい数を一緒に探すところから始めます。
自分で誤りを見つけた日は、訂正した答えに加え、「繰り上がりを忘れた」など短い印を残します。次の計算でその箇所を先に意識できれば、前の間違いを練習に使えています。親は同じ誤りの回数を責めるより、本人が点検する場所を選べたかに目を向けてください。
親は解いている横から誤りを指さすのを控え、いったん本人の点検を待ちます。誤りが残ったら、「答えが違う」だけでなく、「この段で位がずれている」と場所を限定します。直したあとには、同じ操作を使う別の問題を解いてもらいます。直後に正答を写すだけでは、次に自分で処理できるかを確かめられないためです。
正確さが安定したら、同じくらいの負担の問題で、止まる箇所が減ったかを見ます。時間を記録する場合も、正答とセットで扱ってください。以前より速くても誤りが増えた日は、急ぎ方を調整する材料になります。ほかのお子さまの速さを持ち込まず、自分の手順が滑らかになったかを見ていきます。
考える問題では、数字の前に関係を置く
次の時間には、文章題や図形の問題を使います。まずお子さま自身が「何を求めるのか」を短い言葉で書きます。そのあと、わかっている数量と条件を図や表に置きます。問題文全体に線を引くのではなく、求めるものと、それに関係する条件を区別して印を付けましょう。
教材の使い方にも段階を作れます。解き方を見ながら例題の数が何を表すかを確かめる使い方、解説を閉じて同じ関係を図にする使い方、数字や尋ね方が変わった類題で確かめる使い方です。例題を使う日は、答えを覚えたかより、図と式の対応を指せるかを見ます。類題に移る日は、前の問題と同じところと違うところを言葉にします。
親が尋ねるなら、「どうしてできないの」ではなく、「この数は何の数かな」「求めるものは図のどこかな」と、今の作業に沿った問いにします。答えにつながる言葉を次々に足すと、親の説明を完成させる時間になってしまいます。問いかけたら待ち、話しづらそうなら指さしや線で表してもらってください。
速さと正確さは、同じ記録の別の欄で確かめます。第1に、計算にかかった時間と、飛ばした途中式の有無を見ます。第2に、逆算や概算で計算結果を点検し、速くなったときにも誤りが増えていないかを確かめます。第3に、文章題では計算前に書いた求める量と最後の答えを照らします。お子さまが照合した跡を残し、保護者は所要時間だけで評価せず、式を選ぶところと計算するところを分けて見ます。
解説を読んだあとに、小さな再挑戦を入れる
手が止まったら、いつまでも白紙と向き合わせる必要はありません。お子さまが「問題の意味まではわかった」「図のここから先が決まらない」と、止まった場所を示せれば、その日の大事な記録になります。解説を見るときは、まず詰まった箇所までを読み、その先は閉じて考えてみます。
振り返りの時間には、解説を隠して式の理由を話す、間違えた計算を別の数字で試す、次に確かめたい点を短く書く、という手順を使えます。全部を長く書き直す必要はありません。後日同じ関係の問題を解いたときに、前の助けがなくても進めたかを確かめます。「昨日はわかった」が今日も使えるかを見る機会です。
両方の練習をつなぐときは、「1袋に12個入ったものが3袋あり、8個使ったら残りはいくつか」のように、順序を追える問題を使えます。お子さまはまず全部の個数を求め、そこから使った分を引きます。12×3で求めた36が全部の個数、36-8で求めた28が残りの個数だと説明できるかを確かめてください。計算に丸が付くだけでなく、途中の数に意味が付いていることを見ます。
同じ問題で「残りが28個だったとき、何個使ったか」と尋ね方を変えると、求めるものの位置が動きます。親がその場で問題を作るのが負担なら、教材から似た関係の問題を選んでも構いません。前の式をそのまま写すのではなく、図のどこが空欄になるかを本人に確かめてもらいます。式を選ぶ練習と計算の練習が、ここで1つの解答につながります。
その日の終わりに親が伝える言葉も、行動に寄せます。「算数の才能があるね」より、「式の意味を図で説明できたね」「間違いを自分で見つけたね」と伝えると、何を続ければよいかが具体になります。終わらなかった問題については、本人が困った箇所に印を付けて、塾で尋ねる分として分けておきます。

正答に至る道筋を記録し、練習を選び直す
答えを出せたときの助けも記録する
同じ正答でも、講師が図を描いたあとにできた場合と、本人が図を選んでできた場合では、次に必要な練習が違います。記録には「正解」だけでなく、「条件の整理は自分でできた」「図を示すと式にできた」「計算後の確認は声かけが必要」と残します。支えが少なくなったことも進歩として扱えます。
速さについても、問題全体にかかった時間だけで結論を出しません。読み取りに時間を使ったのか、計算を何度もやり直したのか、最後の点検を丁寧にしたのかを分けます。図を描いたために全体の時間が長くなっても、式を選ぶ根拠がはっきりしたなら、育てたい動きが現れたと評価できます。そこから図の描き方を簡潔にするなど、次の課題を決めます。
家庭への連絡も、計算と考え方を分けると読みやすくなります。「計算は位をそろえると安定。文章題は求めるものを図に置けた。次回は図を見て自分で式を選ぶ」のように、できた行動と次に確かめる行動をつなぎます。宿題には「計算はこの種類」「文章題は式の理由まで」と目的を添え、解く範囲と切り上げ方も伝えます。
式の選択と計算処理を分けて調べる
個別指導でまず確かめたいのは、答えの正誤だけではありません。問題文を読んだあとに何をしたか、図を作れるか、式の意味を説明できるか、計算のどこで止まるかを見ます。「算数が苦手」という一言を、指導で扱える具体的な課題に分けます。計算の遅さが目立っていても、計算の種類を判断するところに迷いがあるなら、練習の入口は変わります。
たとえば割り算の筆算で止まるお子さまには、九九の取り出し、商を立てる位置、引き算の処理を分けて確かめます。式はすぐ立つのに筆算の途中で誤る場合と、筆算はできるのに割り算を選べない場合を同じ宿題にしません。前者には計算の処理を整える課題を、後者には数量のまとまりを図と式で結ぶ課題を用意します。
問題の選択には、戻す判断も含まれます。難しい問題で止まったとき、すべてを初歩からやり直す必要があるとは限りません。使っている分数計算だけを取り出す、条件を減らした問題にする、図の一部を示すなど、助ける範囲を絞ります。そのあと元の問題に戻り、取り出して練習したことが使えるかを確かめます。戻った学習と今の課題のつながりを、お子さまにも伝えます。
学年よりも、今使える手順に合わせる
小学3年生と6年生では扱う内容が違いますが、答えの意味を確かめる視点は共通して使えます。学習が進んだお子さまなら、解き方を比べて、どちらが条件を整理しやすいか考えます。基礎でつまずくお子さまなら、数を小さくした問題で図と式を結び直します。学年を理由に説明を急がず、本人が使える手順から先へ進めます。
難度を上げるときにも、一度に変える要素を絞ります。計算する数を複雑にする日には、数量の関係は慣れたものにします。条件の多い問題に進む日には、計算の負担を抑えます。両方を同時に難しくして止まった場合、どちらに支えが必要かが見えにくくなるためです。別々に確かめたあとで、それらを組み合わせた問題へ進みます。
家庭で止まった箇所を次の授業へ渡す
家庭にお願いしたいのは、講師と同じ解説を再現することではありません。始める場所を整える、終わる時刻を守る、どこで止まったかを残せるようにすることです。お子さまが助けを求めたら、問題を一緒に読み直したり、質問したい箇所に印を付けたりします。説明の仕方がわからない問題は、そのまま塾に戻して構いません。
家庭からの連絡は、長い報告でなくても役立ちます。「計算は自分で終了。文章題は図まで。式を選ぶところで止まり、予定の時刻で終了」と書けば、塾は授業でどこから確かめるかを決められます。「集中していなかった」と評価するより、「途中で消して白紙に戻した」「解説を見たあとなら進んだ」と見えた動作を知らせる方が、指導につながります。
保護者が手伝った場合は、その内容も隠さず伝えてください。「求めるものを読み上げた」「線分図だけ一緒に描いた」とわかれば、その助けを減らしていく課題を作れます。家庭で助けたことを失敗扱いせず、どこから自分でできるようにするかを共有します。お子さまにも、質問を残すことは学習を進めるための作業だと伝えます。
授業では、前回できた問題そのものだけでなく、同じ考え方を使う別の問題を確かめます。そこでまた止まったら、練習を増やす前に、数字の変化に戸惑ったのか、言い回しが変わったのか、必要な計算が違ったのかを見ます。結果に応じて宿題を調整し、家庭が毎回学習方針を立て直さなくて済むようにします。
また、直した答案をきれいに仕上げることと、自分で解けることを区別して確認します。講師の説明を聞いてその場でできた段階、手掛かりがあれば進める段階、次の授業で助けなく進める段階を記録すると、復習の目的がはっきりします。家庭には毎回すべてを再確認してもらわず、次回の授業でどの段階を確かめるかを知らせます。宿題の丸付けが保護者の負担になっている場合も、この分担から見直せます。
お子さま自身にも、記録を見る役割を渡します。「前は図を描いてもらったが、今日は自分で描けた」「計算はできたが、答えの単位を忘れた」と振り返れれば、次の目当てを選ぶ材料になります。得意にする過程を丸の数だけで語らず、自分で進められる範囲がどこまで広がったかで確かめます。
家庭で迷いやすい算数の練習について
計算が遅いうちは、文章題を後回しにするべきですか
計算だけが完成するのを待たず、扱う数を易しくした文章題で、関係を考える練習も進められます。難しい計算と新しい考え方が重なっているなら、数を小さくして、式を選ぶ部分に集中してみましょう。計算練習は別の短い時間に置きます。
ただし、お子さまがまだ扱えない計算を含む問題を、無理に自力で最後まで解かせる必要はありません。今日は図から式を作るところまで、計算は習った範囲で、と課題を区切れます。後回しにするか全部解くかの二択にせず、今練習できる部分を取り出してください。
暗算ができるなら、途中式は省いてもよいですか
簡単な計算をすべて細かく書く必要はありません。一方、条件が重なる問題や、誤りが続く計算では、自分が何をしたか追える記録を残します。お子さまに「この数は何を求めたものか」と尋ね、説明ができるかを確かめると、必要な記録を選びやすくなります。
書く量を減らすこと自体を目標にせず、見直しに使えるかを基準にしてください。答えが違ったときに最初から全部やり直す状態なら、式や途中の結果を少し残す形に戻します。書くことと速さは、実際の答案を見ながら調整できます。
難しい問題を長く考えれば、考える力は育ちますか
時間の長さだけでは判断しにくいため、その間に何を試したかを見てください。図を描き直した、簡単な数で試した、条件を整理したという動きがあれば、考えた内容を一緒に振り返れます。同じ文を読み続けて何も手掛かりを持てないなら、入口の支えが必要です。
解説の一部や図を手掛かりにしたあと、自分で続きを進める練習も選べます。親が最後まで説明し続けるより、助けたところでいったん区切り、お子さまに操作を戻しましょう。予定の時間を過ぎたら、試したことと質問を残して終えます。
答えにたどり着く道筋を、自分で確かめられるように
算数を得意にするために、家庭で毎日すべての力を同時に鍛える必要はありません。短い時間に計算の正確さを整え、別の時間に数量の関係を考え、最後に答えの意味を確かめます。使う教材は手元のものから選び、できた行動と止まった場所を残してください。
塾には、その記録をもとに次の練習を選ぶ役割があります。家庭は終了の時刻を守り、お子さまが自分でできた部分を言葉にします。速さに変化がない日にも、式の理由を説明できたなら、次へつながる材料が増えています。
答案に残った式の理由を、家庭では急いで言い直さずに聞いてみてください。説明の切れた場所は、塾で選ぶ次の練習へ渡せます。「なぜこの式なのか」を行き来する対話から、速さだけでは測れない算数の手応えが育ちます。
参考文献
- Fuchs et al.(2020). Journal of Educational Psychology. https://consensus.app/papers/details/360b077ccc205561b0a3781555140d50/
本気になった日が、入塾の日。
お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。
電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。




