英語のリスニングは読む力とつながっている|武蔵野個別指導塾

聞こえなかった英文を読むと、次に必要な練習が見えてきます。音・語彙・文の理解を切り分ける20分の復習で、音声を聞き直す前に確かめたい箇所が明確になります。

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英語のリスニングは読む力とつながっている

1. 音声を止めたあと、英文を開いてみる

よくあるのは、家の玄関で、お子さまが返された英語の答案を見ながら「リスニングだけ、何を言っているのかわからなかった」と話す場面です。保護者の方も、聞く練習が足りないのだろうかと考えます。それでも、家で音声を繰り返し流すだけでは、次に何を変えればよいのか見えてこないことがあります。

そんなときは、聞き取れなかった部分の英文を開いてください。文字で見ればすぐに意味がわかるのか、単語を調べればわかるのか、それとも訳を見て初めて話がつながるのか。同じ「聞けなかった」という結果の中に、違うつまずきが隠れています。英文を読むことは、その違いを探す手がかりになります。

聞くときにも、単語の意味をつかみ、誰が何をしたかを組み立てる必要があります。読むときに立ち止まる部分が、音声でも理解を難しくしているかもしれません。一方、文字では理解できるのに音になると見失う部分には、音と文字を結び直す練習が必要です。

「耳が悪い」「英語の才能がない」とまとめる前に、音声と英文を行き来して、止まった場所を探してみましょう。ここでは手元の教材を使い、お子さまが一人でも取り組める復習の手順と、塾に任せたい判断を具体的に整理します。

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2. 読む力を手がかりに、聞けない理由を分ける

音がわかることと、話がわかること

多読研究のメタ分析では、読解や語彙などに小〜中の効果が報告されています(Sangersほか・2025)。複数の多読研究を統合した結果で、読む練習を聞く練習に置き換えられるという結論ではありません。指導への応用として、読む中で育てた語彙と文の理解を土台に、音から意味をつかむ練習を重ねます。たとえば「I left my bag on the bus.」でbagやbusを拾えても、かばんをバスに置き忘れたと理解できたかは別です。語の意味と関係を英文で確かめ、音声でもその意味をたどります。

読んで確かめるときは、Iが誰を指し、leftがこの文でどんな意味になり、on the busがどの情報を足すのかを見ます。leftを「左」とだけ覚えていたなら、同じ音声を聞き直す前に、文の中の意味を確かめる必要があります。音は拾えていても、意味の選び方で話が途切れることがあるからです。

逆に、その英文を見た瞬間に意味が取れるなら、次は実際の音声と照らし合わせます。どこまでが聞こえ、どこから文字の助けが要ったのかを探します。ここで「英文は簡単だから、もっと難しい教材へ」と進むと、文字と音の間に残った課題を飛ばしてしまいます。

読むときの立ち止まりを見つける

文章は、意味が取れなければ前の部分へ戻れます。音声は再生を止めない限り先へ進むので、ある語の意味を考えている間に、そのあとの内容を見失うことがあります。「英文を読める」という言葉も、時間をかければ訳せる状態と、語順に沿って意味をつかめる状態とでは違います。

そこで、復習では日本語訳が完成したかだけを見ません。「誰が」「どうした」「なぜ」と、英文が伝える内容を順に言えるかを試します。長い文なら、まとまりごとに短い日本語で意味を置いていきます。これはきれいな訳文を作る作業ではなく、理解の止まる位置を探すための読み方です。

話の流れから予想することもありますが、予想と音声でつかんだ情報は分けておきます。たとえば雨の話が出たあとに「外出をやめたはず」と考えても、実際には出発を遅らせただけかもしれません。英文に戻るときは、自分の予想に合う単語を探すのではなく、話し手が最後に選んだ行動を確かめます。読み直しは、聞き逃しだけでなく、思い込みを修正する機会にもなります。

自分への問いを、次の練習に結びつける

学習を計画し、途中の理解を確かめ、終わってから評価するよう促す問いかけには、学習を支える根拠があります。Guoのメタ分析では、こうした問いかけによる効果が自己調整学習でg=0.50、学習成果でg=0.40と報告されています(Guo・2022)。ここでの数字は、学び方や成果に生じた差の大きさを表し、得点の上昇率を意味しません。

また、自分で理由や関係を説明するよう促す取り組みをまとめたメタ分析では、学習成果への効果がg=0.55でした(Bisraほか・2018)。問いかけと自己説明のメタ分析で、後者は64報告を統合していますが、リスニングの復習だけを比較した結果ではありません。

この知見を勉強の組み方に生かすなら、「集中できたか」という広い問いを、「文字を見ても意味が取れなかった語はどれか」に変えます。さらに「ここで聞き落としたのは、意味を考えていたから」と自分の言葉で説明します。説明と英文を照らし合わせることで、次は語の確認から始めるのか、音を聞き直すのかを選びやすくなります。

3. 今日からできる、音声と英文をつなぐ20分

始める前に、音声と英文をそろえる

使うのは、音声、音声と同じ内容の英文、意味を確かめられる解説がそろった教材です。すでに授業で使っているものでもかまいません。まずは短い会話や段落を選び、長い放送を最初から最後まで扱おうとしないでください。再生する場所をすぐに戻せるよう、開始位置も控えます。

英文を読むたびに知らない語を次々と調べる必要があるなら、その日は短い範囲へ絞ります。中学生なら人物と行動が追える会話、高校生なら理由や意見の対比が追える段落など、今の課題に合わせて選んでください。学年の表示よりも、調べたあとに自分で内容を説明できるかを目安にします。

ここで示す20分は、取り組みを区切るための提案です。時間内に全部を終えることを優先せず、止まった場所が見つかったら、そこを次回へ残してかまいません。最初に紙へ「今日確かめること」を短く書きます。「会話の最後に決まった予定をつかむ」など、聞き終わったときに確かめられる内容にします。

最初の3分は、文字を隠して聞く

英文と答えを閉じ、音声を聞きます。聞き終わったら、誰の話だったか、何が起きたか、最後にどうなったかを日本語で短く残してください。細かな英単語を全部書き取る必要はありません。「予定変更の話だが、新しい場所は不明」のように、つかめた内容と空いた部分を分けます。

設問がある場合は、答えと一緒に「何を根拠に選んだか」も残します。選択肢の単語が聞こえたから選んだのか、会話の結論を聞いて選んだのかで、同じ正解でも理解の状態は違います。確信が持てないところには印を付け、あとから答えを知っても最初の記録を消さないでください。

メモには、聞こえなかった部分を空欄のまま残せます。空欄を想像で埋めずにおくと、英文を開いたときに確かめる場所が明確になります。あとで補った内容は横に書き、最初の理解と区別してください。

聞き逃した場所を覚えていられなければ、「冒頭」「予定を相談したところ」「最後の返事」程度の目印で十分です。再生中にメモを整えようとして話を見失うなら、聞き終わってから書きます。この段階で必要なのは、音声だけでつかめた範囲の記録です。

次の5分は、英文を読んで原因を探す

音声を止めて英文を開き、先ほど不明だった部分を探します。まず自分で読み、それから解説を使って確かめてください。いきなり全文の訳を読むと、どこを自力で理解できたのかが見えにくくなります。知らなかった単語には下線、単語は知っているのに文の関係が取れない部分には括弧を付けます。

次に、その部分について「誰がどうした」と言ってみます。becauseがあれば何の理由なのか、butがあれば前と後で何が変わったのか、itがあれば何を指すのかを説明します。文法用語が出てこなくてもかまいません。「前の予定は取りやめて、こちらに決めた」と関係が言えれば、理解を確かめる材料になります。

解説を読んだあとは、それを閉じてもう一度説明します。見ながらならわかるが、閉じると話がつながらない場合は、まだ曖昧な部分があります。新しい語の意味だけを横に残す、文を短く区切るなどして戻ってください。意味を確かめるための時間が尽きたら、この段階で終えて、次回の開始位置を記します。

次の5分は、文字と音のずれを埋める

意味が取れた部分の音声を、英文を見ながら再生します。目で追えなくなる場所があれば、文全体を繰り返す前に、その前後の短い範囲へ戻します。「知っている語なのに、音の中では見つからない」という部分を囲み、実際にどのように聞こえるかを確かめてください。

たとえば「Could you open it?」を読むと意味がわかるのに、音声ではopenしかつかめなかったとします。その場合は、前後の語がどこにあるかを英文と照らします。自分の想像した読み方に音声を当てはめず、その教材で流れている音を手がかりにしてください。聞こえ方を無理にカタカナへ置き換える必要はありません。

速さを調整できる教材なら、追えない部分をゆっくり再生して確かめる方法もあります。その場合は、終わりに元の速さでも聞きます。ゆっくりなら追えることと、元の音声で内容がつかめることを別々に記録すれば、速さを落とした練習のあとに何が残ったかがわかります。

声を出せる場所では、短いまとまりを聞き終えてから、自分でも言ってみます。発音をそっくり再現できたかだけに注意を向けず、何を伝えるまとまりだったかも言い添えてください。口が回らない場合は区切りを短くし、声を出せない場所なら英文を目で追って確かめます。

次の4分は、英文を閉じて聞き直す

今度は英文を閉じて同じ範囲を聞き、最初のメモに戻ります。不明だった予定や理由を補えるか、補えた内容は音声のどこで伝えられていたかを確かめます。内容を覚えて答えている可能性もあるので、「もう全部聞ける」とすぐに判定せず、音の中で追えた部分に印を付けます。

そのあと、最後に決まったことや話し手の理由を、短い言葉で説明してください。英文を暗唱する必要はありません。「雨のため場所が変わった」までしか言えなければ、新しい場所を伝える箇所へ戻ります。英文を開く前に、何を確かめるために戻るのかを決めておくのが要点です。

確認には、内容を言えるか、答えの根拠を示せるか、聞き落とした部分を音声の中で見つけられるか、という違う角度を使います。どれかが難しくても、全部を最初からやり直す必要はありません。今の課題に合う確かめ方を選び、該当する範囲に戻ってください。

聞き直しても同じ場所で止まる場合は、再生だけを続けず、英文に戻って残った疑問を書きます。「この語は読めるが、前の語との境目が見つからない」「文の意味はわかるが、次の文が始まると忘れる」と残せれば十分です。答えを覚えるまで続けるよりも、どんな助けが必要だったかを持ち越す方が、次の授業で確かめる内容が具体的になります。

最後の3分は、次にすることを残す

記録には「最初につかめた内容」「英文でわかった原因」「次に確かめること」を書きます。たとえば「集合時間は聞けた/変更の理由を表す語が不明だった/次は理由を先に意識して聞く」と残します。感想だけで終えるより、次回に何をすればよいかが明確になります。

次回は、前の英文をすぐに開かず、音声から始めます。その後、語彙や文の難しさが近い別の短い素材でも、同じ手順を試してください。復習した会話ではわかったのに別の会話では難しいなら、その違いを記録します。材料を変えることで、覚えた話だけで答えている状態を見分けやすくなります。

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4. 個別指導では、原因の判定と課題の調整を塾が持つ

正答率だけでは見えないところを調べる

武蔵野個別指導塾が最初に確かめたいのは、お子さまが間違えた答えへたどり着くまでの経過です。同じ音声を使い、文字なしで聞く、英文を読む、文字を閉じて聞き直すという順に見ます。正解を先に教えると、その内容を覚えて答えられてしまうので、説明する前の反応を残します。

文字で読んでも意味が取れないなら、語彙や文の理解から扱います。文字ではすぐに理解できるのに音では拾えないなら、音声のどの部分とどの語が結びついていないかを探します。短く区切れば理解できるが、続けて聞くと迷う場合は、どこで前の内容を考え続けているのかを一緒に確かめます。

これらはお子さまに固定した性質ではなく、その教材で観察した状態です。「この子は耳から覚えるのが苦手」と決めつける材料にはしません。同じ生徒でも、話題や語彙、文の長さによって止まる場所が変わるので、今扱う課題に合わせて見直します。

宿題は、量と戻り先を一緒に決める

個別指導で組みたい宿題は、「音声を聞いてくる」だけでは終わりません。扱う範囲、文字を開くタイミング、残す記録、難しかった場合の戻り先まで決めます。たとえば理由を取り違えた生徒には、理由を伝える部分の英文を説明してから聞き直す課題を出します。

語彙を調べるだけで時間が尽きるなら、塾で先に語の意味を扱うか、家庭で聞く範囲を短くします。文全体はわかっても人物を取り違えるなら、話し手と行動の関係を整理します。聞く回数を増やす前に、今の宿題でどのつまずきに手を入れるのかをはっきりさせます。

記録が細かすぎて書くこと自体が負担なら、丸で選ぶ項目と短い一言に減らします。保護者が代わりに書き上げる形にはせず、お子さまが自分の迷った点を残せる分量に調整します。

家庭での実施時間も確認します。決めた時間を超えてしまったときに、終わらない分をそのまま積み上げると、英語全体の負担が膨らみます。「意味を確かめるところまでで終了」と止めどころを用意し、次の授業では残った部分から扱います。終わらなかった事実は、課題を調整する材料です。

授業では、お子さま自身に復習の順番を実演してもらう時間も設けます。説明を聞いたときには納得していても、一人になると最初から答えを開いてしまうことがあるためです。音声を止める、必要な英文を探す、解説を閉じて意味を言うところまで実際に行い、迷った操作や手順をその場で整えます。家庭へ持ち帰る前に、一人で始められる形へ近づけます。

家庭は再生環境と取り組む時間を支える

保護者の方にお願いしたいのは、英語の説明や発音の採点よりも、音声を使える状態を整えることです。必要な音声が開けるか、英文と解説が手元にあるか、取り組む時間を確保できるかを確認してください。毎回操作で困るなら、その点も塾へ伝えていただけると課題を組み直せます。

声をかけるなら、「何回聞いたの」だけでなく、「今日はどこまで話がわかったの」と尋ねてみてください。「途中からわからない」と返ってきたら、そのまま記録に残してかまいません。家庭で原因を解決しきる必要はなく、何が起きたかを塾へ渡すだけでも次の指導に役立ちます。

取り組めない日が続く場合は、意欲の問題と決める前に、課題の難しさと生活の時間帯を見直します。帰宅が遅い日には意味の確認まで手が回らないなら、休日に英文を読む部分を扱うなど、分け方も相談できます。家庭には日々の様子を伝えていただき、学習内容の調整は塾が担います。

進み具合は、条件をそろえて見えるようにする

記録には正誤だけでなく、どの助けがあればできたかも残します。「英文を見れば説明できた」「区切って聞けば追えた」「文字なしで結論が言えた」は、それぞれ別の到達点です。助けを使った結果を隠さずに並べると、今度は何を外して確かめるかが決まります。

保護者への報告も、「頑張っています」で終わらせず、変わった点と残った点を具体的に伝えます。「語の意味を調べたあとなら理由を説明できるようになった。次は別の短い会話で、理由を聞きながらつかめるかを見る」という形です。できた場面と次の確認を結びつければ、家庭でも進み方を共有できます。

難しい教材に移った直後に正答が減っても、それだけで後退と判断しません。比較する際は、初めて聞く素材か、再生を止めたか、文字を見たかをそろえます。課題の難しさまで変わっているときはその違いを添え、お子さまが自分の変化を読み違えないようにします。

5. よくある誤解 Q&A

Q1. 英文を見たら、リスニングの練習にならないのではありませんか

文字なしで聞く力を確かめる場面と、聞けなかった理由を直す場面を分けてください。最初から英文を見続けると、音声だけで何がわかったかは測れません。一方、復習で英文を使えば、音の問題なのか、意味の理解で止まったのかを探せます。

最初は文字なし、途中で英文を使って確認、最後は文字を閉じる、という順にすると役割が明確です。復習した素材がわかるようになったあとは、別の短い素材でも試します。英文を見る行為だけで良し悪しを決めず、どの段階で何のために使ったかを見てください。

Q2. 毎日英語を流していれば、そのうち聞けるようになりますか

音声を流した時間だけでは、どの語を捉え、どこまで意味をつかめたかがわかりません。習慣として聞く時間を持っていても、つまずきを直したいときは、短い範囲を取り出して内容を説明する時間を設けてください。説明できない場所を英文で確かめると、次の練習を選べます。

長く流して疲れてしまうなら、取り組む範囲を小さくしてかまいません。「今日は最後の返事の意味を確かめた」と言える終わり方を目指します。聞いた時間の長さを競うと、わからないまま我慢することが課題になってしまうので、終わりに理解できた内容を残しましょう。

Q3. 読む力が上がるまで、聞く勉強は待った方がよいですか

読む勉強が完成するまで待つ必要はありません。今理解できる短い英文と音声を組み合わせれば、語の意味を確かめる作業と、音を見つける作業を同じ素材で進められます。長文が苦手でも、短い会話から始めることはできます。

ただし、英文を読んでも内容の大半がつかめない場合は、素材か範囲を調整してください。逆に、読めばすぐわかる内容なら、文字を閉じた状態で音を追う時間を確保します。読む練習と聞く練習の割合は、お子さまが実際に止まる場所に合わせて変えていきます。

6. 「聞けなかった」の先まで、一緒に確かめる

英語のリスニングで困ったとき、英文を読むことは、つまずきを具体的にする手がかりになります。音の中で語を見つけられないのか、語の意味が曖昧なのか、文の関係を考えている間に先へ進んでしまうのか。そこを分けると、今日扱う範囲と次にする練習が決まります。

保護者の方は、聞いた回数だけでなく、「前は不明だった何が、今日はわかったか」に目を向けてください。お子さま自身がその変化を言える記録があれば、結果を待つ間にも学びの進み方を共有できます。塾への相談にも、その小さな記録を役立てていただけます。

課題が多くて復習の仕方がわからなくなったときこそ、短い音声と、その英文へ戻ってみましょう。生徒自身が「聞けない」箇所を指し、次に音を確かめるのか、英文の意味に戻るのかを選びます。

参考文献


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