英語音声の訛りの強さと慣れは、聞き取りに関わります。明瞭な音声では訛りの種類による得点差が出なかった研究もあります。家では聞けなかった箇所を取り出し、文字での理解と音での理解を比べます。
リスニングの練習で、いつもの教材では答えられるのに、違う話者の英語になると子どもが戸惑います。保護者は「方言のせいなら不公平では」と感じ、本人は「知らない発音だから無理」と言います。その場面では、音声の種類と、本人がその音にどれだけ慣れているかを分けて考えます。
英語試験の研究では、訛りによる得点の違いを、音声や聞き手の条件とともに調べています。訛りの強さ、慣れ、話者と聞き手の第一言語、課題の形式を変えて結果を比べています。ここでいう訛りには地域による英語の違いだけでなく、別の第一言語を持つ話者の英語の違いも含めます。
1. 論文を役割で並べる
G. Ockey(2016)は、英語試験の受験者へ、異なる話者による共通の講義を無作為に割り当てて調べ、訛りの強さと慣れが聞き取りに影響すると報告しています。その影響は、かなり軽い訛りでも見られました [1]。
Yongzhi Miao(2023)は、英語を第二言語とする聞き手を調べ、話者と第一言語を共有すると訛りへの慣れが高い一方、慣れが高いことは第一言語の共有を意味しないと報告しています。第一言語の共有は慣れに直接関わり、慣れは理解しやすさに直接関わりましたが、慣れを調整すると第一言語の共有は理解しやすさを予測しませんでした [2]。
O. Kang(2023)は、異なる第一言語に由来する英語音声を用いた語彙判断と書き取りの課題を調べ、全体として第一言語を共有する利点があると報告しています。一方、明瞭性の高い訛りの種類の間で聞き取り得点に有意な差はなく、課題形式の効果も見られませんでした [3]。
David Wei Dai(2019)は、中国語を第一言語とする思春期の英語学習者に、同じ試験の異なる訛りの音声を聞かせ、同じ第一言語に由来する英語で成績がもっともよかったと報告しています。その利点は語句の理解でもっとも強く、中国語訛り以外の音声を聞いた群の得点には有意な差がありませんでした。訛りの種類と受験者の態度にも有意な関連はありませんでした [4]。
2. 軽い訛りなら得点に関係しませんか?
Ockeyらの実験にはTOEFL受験者21,726人が参加しました。共通の講義を異なる話者が話し、受験者を無作為に割り当てています。内容をそろえて話者を変えることで、教材の主題の違いと訛りの違いを重ねずに検討する設計です。さらに様々な訛りへの慣れも質問しています。音声の特徴と聞き手の経験をともに確かめた点を、聞き取りの結果に添えて読みます [1]。
この研究では共通の講義を使って話者を変えています [1]。文章の内容が変わった教材どうしを聞き比べると、家庭では語彙や内容の難しさと話者の違いが重なります。本人の困り方を整理するときは、聞けなかった音のある文を文字で読んでもらい、意味を説明できるかを先に確かめます。文字でも分からない箇所は、発音の違いだけへ理由を集めず、語句の理解も点検します。
文字では分かるのに音では取り出せない場合、本人が何を聞いたと思ったかを説明してもらいます。音声を繰り返す回数を増やす前に、どこで別の語だと受け取ったかを言葉にします。この切り分けは家庭の確認手順です。本人がどう受け取ったかを聞いてから、教材の文字と照らし合わせます。
3. 同じ第一言語の話者なら聞きやすいですか?
Daiらの研究では、第一言語を共有する話者の英語を聞いた群の成績がもっともよく、語句の理解で利点が強くなっていました [4]。Kangらの研究も全体として第一言語の共有による利点を報告しています [3]。ただしMiaoの分析では、慣れを調整したあとに第一言語の共有は理解しやすさを予測しませんでした [2]。第一言語を共有することと、その音に慣れていることは別の説明として残します。
家庭で教材を選ぶときも、話者の出身を知っていることと、実際にその英語を聞いてきたことを混ぜないようにします。本人が「聞きやすい」と答えた音声について、どこで似た音を聞いたかを尋ねます。学校の教材で何度も聞いたのか、別の活動で接したのかを本人の経験として整理します。
Miaoの調査は、第二言語として英語を聞く302人のオンライン質問票を使っています。訛りへの慣れ、第一言語の共有、理解しやすさの関係を記述統計や経路分析で調べています。実際の試験課題の得点を比較した研究とは、結果の測り方が異なります。家庭で「聞きやすい」と本人が答えた場合も、その評価と、問題に答えられたかを分けて記録する材料になります [2]。
4. 違う訛りを聞くと必ず不利になりますか?
Kangらの課題では、明瞭性の高い訛りの種類の間で聞き取り得点に有意な差はありませんでした [3]。Daiらでも、第一言語を共有しない訛りを聞いた群どうしに有意な得点差は出ていません [4]。違う訛りをひとまとめに難しい音声と呼ぶと、この反対の所見が消えます。耳慣れないという感想と、その課題で答えられたかを分けて見ます。
Daiらは訛りに対する態度も調べ、訛りの種類との有意な関連を認めませんでした [4]。音声を好むかどうかを、得点の代わりに扱うのは不適切です。本人が「この声は嫌だ」と言っても、どの語句を取れたか、内容のどの部分を説明できたかを先に聞きます。好き嫌いを否定せず、理解の記録とは別の欄に置きます。
課題の違いにも目を向けます。Kangらでは語彙判断と書き取りの間に課題形式の効果は出ませんでした [3]。Daiらは語句の理解と文の内容の理解を扱い、第一言語を共有する利点は語句の理解で強いと報告しています [4]。家庭では全体の点だけでなく、語を取り出せなかったのか、文の内容を答えられなかったのかを本人と確かめます。
【反証】この回が言えないこと
今回の研究は日本の大学入試を直接評価したものではありません。日本の特定の試験で方言音声によって何点不利になるか、どの地域の音声が出題されるかは言えません。受験者、音声、課題が異なる研究の結果から、全ての訛りを公平または不公平と断定することもできません。
理解しやすさの評価と、試験課題の得点は同じ指標ではありません。第一言語の共有による利点と、慣れを調整した分析も設計が違います。訛りに慣れる練習の必要な時間や回数、訓練後の得点の変化は今回の研究から設定できません。
実務——家でできる 3 つの確認
最初は答え合わせの前に、本人が聞いた内容を短く話します。武蔵野個別指導塾のアクティブリコールを用い、音声を聞いた直後の理解を言葉にします。聞こえた語と、流れから想像した内容を分け、文字の確認へ進みます。
続いて、日をあけて同じ箇所を聞き、前に止まった音を取り出せるかを確認します。間隔反復を、ただ音声を流す作業にせず、本人がどの語を捉えたかを確かめる形で使います。別の音声で練習する場合も、語彙の難しさを併せて見ます。
仕上げに、完全 1 対 1 で講師へ聞き違いを説明します。講師は本人の言葉を聞き、音を取り出す段階と内容をまとめる段階を分けて確認します。「訛りが苦手」の一言を、次に扱う語句や音声の箇所へ具体化します。
聞き取りの苦手を話者の分類だけで終わらせず、本人の理解の段階へ戻します。科目全体の準備と結び付けて相談する入口は、武蔵境の大学受験対策です。
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よくある質問
Q. 訛りのある英語を全部練習しますか?
すべての訛りを練習する必要量は、研究から設定できません。慣れと訛りの強さが関わる一方 [1]、明瞭な訛りどうしの得点差が出なかった結果もあります [3]。今の教材で止まる箇所を確かめます。
Q. 話者と第一言語が同じなら有利ですか?
その利点を報告した試験研究があります [3][4]。同時に、慣れを調整すると共有する第一言語が理解しやすさを予測しなかった分析 [2] もあり、聞いてきた経験と分けて考えます。
Q. 聞き慣れない声で落ち込んだらどうしますか?
声への感想を受け止めたあと、答えられた箇所を本人と確認します。語句を取れたか、文の内容を説明できたかを分け、次に聞く箇所を決めます。
出典
- From One to Multiple Accents on a Test of L2 Listening Comprehension(G. Ockeyほか、2016、Applied Linguistics)
- The relationship among accent familiarity, shared L1, and comprehensibility: A path analysis perspective(Yongzhi Miao、2023、Language Testing)
- Fairness of using different English accents: The effect of shared L1s in listening tasks of the Duolingo English test(O. Kangほか、2023、Language Testing)
- Including L2-English Varieties in Listening Tests for Adolescent ESL Learners: L1 Effects and Learner Perceptions(David Wei Daiほか、2019、Language Assessment Quarterly)



