模試は何回受けるか—回数より「見直しの型」|武蔵野個別指導塾

模試を追加する判断には、前回の答案を直す時間も必要です。問題の選別、解説との照合、別日の解き直しをひと続きにすると、次の受験で試す変更点が見えてきます。

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模試は何回受けるか—回数より「見直しの型」

過去問の束を前に、模試後の空白を見直す

よくあるのは、過去問の束の前で模試の申込予定を並べながら、前回の答案にはまだ手を付けていないという場面です。「次はもっと受けた方がよいのかな」と受験予定を調べる一方で、今回どの問題をどう直すかは決まっていません。保護者も、回数を増やすことが支援になるのか、普段の勉強を優先させるべきなのか迷います。

共通テスト対策で模試を何回受けるかは、受験日だけを並べても決めにくいものです。受けた後に答案を確かめ、必要な練習を行い、その成果を自分で試すところまでを予定に入れると、判断しやすくなります。次の模試に持っていく変更点があるかどうかが、追加する際の手がかりです。

受験経験を積むことと、学んだことが使えるようになることは、重なりながらも別の課題です。会場で力を出す経験も、机で解き方を直す時間も必要になります。ここでは、見直しを毎回ゼロから考えずに済むように、選ぶ、確かめる、もう一度試すという流れを具体化します。まずは手元にある一番新しい答案を使って始めてください。

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受けた回数が、そのまま学習量になるとは限りません

模試には、現在の到達点を調べる役割があります。しかし、成績表から読み取れるのは結果の一部です。同じ正解でも、根拠を持って選んだ答えと、迷った末に偶然当たった答えがあります。同じ不正解でも、解説を読めば自力で直せる問題と、前の学習内容に戻る必要がある問題があります。点数だけを見ていると、次に使うべき教材や取り組む順番が見えにくくなります。

答案の正誤に、解く前の予想を書き添えてみてください。模試を使った点検なら、「できそうだと思っていたこと」と「実際にできたこと」を照らし合わせるのが出発点です。たとえば、得意だと思っていた分野で根拠を説明できなければ、その分野を復習予定に戻せます。反対に、不安だった問題を筋道立てて解けたなら、そこにかける時間を別の課題に回す判断もできます。

模試を増やす前には、回数と学習の関係を慎重に読む必要があります。Naujoksほか(2022)が対象としたのは大学生で、参加人数は201名と111名でした。この研究では、練習テストを多く受けた学生に、成績の高さと理解度の見積もりの正確さが見られました。ただし、大学生に見られたこの関係を、高校生が模試を追加すれば伸びるという因果関係に置き換えることはできません。自分の答案で見積もりのずれを拾い、普段の練習へ戻すところに目を向けましょう。

学校外で受ける模試は、広い範囲をまとめて試す機会です。一方、見直した問題を数日後に自分で解くことも、小さな確認の機会になります。両方を予定に入れれば、「受けるか、勉強するか」という二者択一にせずに済みます。模試で見つけた課題を普段の練習に持ち帰り、その結果を次の確認で確かめる流れを作れます。

ここでつまずきやすいのが、解説を読んだときの納得を、見直しの終わりにしてしまうことです。解説には、どこに着目し、どの順番で考えるかが既に書かれています。読んでいる間は、その案内に沿って理解できます。それでも解説を閉じると、最初に何をすればよいかわからない場合があります。「読めばわかる」と「自分で始められる」を別々に確認する必要があります。

もう一つは、受験予定が先に埋まり、復習が空いた時間任せになることです。模試のたびに見直す問題が積み重なれば、次の受験前にも前回の課題が残ります。この状態では、新しい答案を受け取っても、前回から何を変えたのかを確かめにくくなります。申し込みを考える段階で、受験後にどこまで取り組めるかも一緒に見積もってください。

回数を検討するときは、「今度の模試で調べたいこと」「前回から変えること」「受けた後に見直す時間」を短く書きます。調べたいことが説明でき、変更点を練習する時間も取れるなら、受験の目的がはっきりします。書けない項目があるなら、まず手元の答案を開き、次の行動を決めるところから始めましょう。

答案を選び、解説を閉じ、次の確認まで予約する

見直しのために新しい教材をそろえる必要はありません。模試の問題、答案、解説、普段使っている教科書や問題集、記録用の紙を用意します。途中で収まらなければ、問題を減らすか、続きの枠を別の日に設けます。長く座ることより、どこまで確かめたかを残すことを優先します。

1. 受験当日は、覚えていることを5分で残す

正式な結果が返る前でも、記憶があるうちに書けることがあります。「途中まで進めたが最後は迷った」「この大問は読み始めるまでに時間を使った」など、問題番号と短い言葉を残します。問題冊子を持ち帰れない場合は、覚えている範囲の内容だけで構いません。正確な設問を再現しようとして、負担を増やす必要はありません。

記録には、受験前に確かめたかったことへの答えも加えます。たとえば「迷った問題をいったん離れる」という方針を試したなら、実行できたか、戻る目印を残せたかを書きます。「緊張した」「難しかった」という感想に加え、自分が取った行動を一つ記すのが要点です。結果が返ってから、点数の印象だけで当日の様子を捉え直すことを避けやすくなります。

2. 答案が返ったら、15分で見直す問題を選ぶ

まず、正誤と受験当日の記録を並べます。正解した問題も含め、答えの根拠をすぐに言えるかを確かめてください。自信がなかったのに正解した問題には印を付けます。全問を同じ密度で読み直す前に、どこで自分の見積もりと結果が食い違ったかを見るためです。

最初に取り組むのは、授業や普段の教材で既に学んでいて、次にも使いそうな内容から選びます。初めは3問ほどに絞ると、その後の再確認まで予定を組みやすくなります。難しい問題ばかりを選ぶのではなく、「根拠を確かめれば自力で解き直せそうな問題」を含めます。未習の内容がある場合は、今すぐ扱う問題と分けて、学習後に戻る印を残します。

選んだ理由も一言添えましょう。「正解したが説明できない」「最後の判断だけを直したい」などです。理由を残すと、見直しが終わったかどうかを後で判断できます。問題番号に丸を付けるだけでは、解けたことの何を確かめたかったのかが曖昧になります。

3. 20分を一区切りに、解説と自分の答案を照らす

選んだ問題について、自分が書いた途中式や本文への印を見ます。次に解説を読み、自分の考えと分かれたところを探します。正しい答えを写すだけで終わらず、「解説はこの条件を使っているのに、自分は使っていなかった」のように、違いを短く書いてください。自分の答案に途中の記録がなければ、今ならどう考えるかを書いてから比べます。

解説の説明自体がわからなければ、普段の教材に戻ります。用語なら教科書の該当箇所、計算なら同じ操作を扱った例題、読解なら設問が求める根拠の位置を確かめます。戻る場所は、今の問題を理解するために必要なところに絞ります。関連するページをすべて読み直すよりも、「この一手を説明するために、何を確かめるか」を決めて探しましょう。

一区切りの終わりには、解説を閉じます。そして白い紙に、最初の一手と、その手を選ぶ理由を書きます。書き出せなければ、まだ見ながら理解した段階です。必要な箇所をもう一度開き、閉じて試します。何度も同じところで止まる場合は、止まった言葉や操作を記録して、次の質問に回してください。

4. 別の日に10分取り、白紙から解き直す

見直しをした日とは別の日に、同じ問題を答案や解説なしで解きます。翌々日など、自分の予定に入れやすい日をその場で決めてください。問題を見てすぐに正答を思い出しても、答えだけを書いて終えず、そこへ進む根拠を示します。選択式なら、選んだ理由に加えて、迷った選択肢を外した理由も言葉にします。

自分で確かめる観点は、答えが合うか、最初の一手を自分で選べるか、その理由を説明できるかの3つです。どれかが欠ければ、記録には「完了」と書かず、残っていることを書きます。正答していても根拠が曖昧なら、「選択肢を外す理由を確認」と残せます。反対に、筋道は説明できても最後に計算を誤ったなら、その箇所だけを次の練習に回せます。

同じ問題の答えを覚えていて判断しにくいときは、普段の問題集から、同じ考え方を使う別の問題を選びます。見直した問題と何が共通しているかを書いてから解くと、ただ似たページを開くより目的がはっきりします。別の問題で使えなければ、元の解説に戻り、どの条件でその考え方を選ぶのかを確かめ直します。

5. 次の申し込み前に、予定表を10分点検する

予定表には、受験日と並べて、答案を選ぶ日、解説を使う日、自力で再確認する日を書きます。成績表の返却時期がまだわからなければ、返却後に確保する枠として余白を残します。学校の課題や普段の復習を入れた後に、その枠を置けるか確かめてください。受験できる日があることと、見直しまで行えることを別々に判断します。前回選んだ問題の再確認が済んでいれば、追加の模試で何を試せるか検討します。まだ残っているなら、その確認を先に予定へ戻します。学校などで受験が決まっている場合は、その日までに扱う課題を絞りましょう。解説を読む日だけ確保できても、再確認の枠が空かなければ、受験後の作業は途中で止まります。予定表の点検では、受験日の空きと、見直しの現在地を一緒に見ます。

最後に、「次の模試では何を一つ試すか」を一文にします。「根拠の位置を確かめてから選ぶ」「迷った問題には戻る印を付ける」など、受験中の行動として書けるものを選びます。見直しの紙の下にその一文を置き、上には受験前の目的、中央には選んだ問題と確認結果を残しておくと、次の受験前にたどれます。詳しい途中式は別の紙に残し、問題番号でつないでください。次の模試の後は、総得点に加え、その行動を使う機会があったかを調べます。機会があれば実行できたかを追記し、なければ普段の教材で試す予定を残します。前回の問題がそのまま出なくても、根拠を確かめる動作なら別の問題で点検できます。点数への希望を当日の行動へ置き換えた一文が、今回の見直しと次の答案をつなぎます。

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個別指導では、見直す量と確かめる基準をそろえる

一人で見直しを進める際に難しいのは、自分に合う問題を選び、どこまでできたら一区切りかを決めることです。解説を読む時間は取れても、選んだ問題が今の理解から遠すぎれば、手が止まります。逆に、既に説明できる問題ばかりを繰り返していると、残っている課題に届きません。個別指導では、答案と普段の学習状況を並べ、この選び方から扱います。

塾が持つ役割は、見直しの候補を絞ること、必要な前提を確かめること、自力で使えるかを確認することです。生徒本人には、受験当日に迷った箇所と、自宅で止まった箇所を持ってきてもらいます。書き込んだ問題冊子や途中の答案があれば、それが材料になります。きれいにまとめ直してから相談する必要はありません。消した跡や途切れた途中式にも、次に確かめる手がかりがあります。

たとえば、本人が「この分野は全部苦手」と言っていても、答案をたどると、問題文の条件を整理するところまでは進めている場合があります。その場合は、最初からすべてを説明し直すのではなく、そこから先に必要な判断を確かめます。本人が既にできているところと、支えが必要なところを分けると、自宅で取り組む範囲も具体的になります。

授業中に講師の説明を聞いて理解できた後は、説明を受けずに取り組む場面を設けます。本人がどこから書き始めるか、どの条件を使うかを見て、確認します。途中で講師が次の一手を伝えたなら、その問題は「助言を使って進めた」と記録します。「授業で扱った」と「自力で再現できた」が混ざらないようにするためです。

記録は、問題番号、取り組んだ内容、助言の有無、次に確かめる日を中心にまとめます。「解説を読んだ」「見ずに解けた」「別の問題でも使えた」を区別すると、点数がまだ返っていない時期にも進み具合を確かめられます。記入する欄を増やすより、次にその記録を開いた人が、何をすればよいかわかることを優先します。

自宅に持ち帰る課題も、「模試の復習をする」という広い指示では終えません。「選んだ問題を解説なしで解く」「理由を一文添える」「止まった場所に印を付ける」のように、始め方と終わり方をそろえます。予定した時間に終わらなかったときは、取り組みが足りないと決めつけず、量が合っていたか、戻る教材が適切だったかを見直します。

家庭では、本人が決めた見直しの時間を予定に確保できるよう支えます。「次に開くのはいつにしたの」と予定を尋ねるなら、解法の指導を家庭が引き受けずに状況を確かめられます。受験のたびにすべての成績を話題にする必要もありません。本人が共有すると決めた課題と、次の確認日を中心にしてください。

模試後の連絡は、見直す答案の問題番号に短いコメントを添える形にします。本文の根拠を扱ったなら、「授業では助言を受けて説明できたので、次は助言なしで理由を書いて確かめます」と記します。その答案を再確認する日も書き込めば、家庭では次に開く日を把握できます。次の模試を申し込む相談には、このコメントと解き直しの結果を持ち寄り、見直しを続ける余裕があるか話し合います。

本人の説明と家庭での様子が違う場合もあります。「終わった」と聞いていたのに解説を写しただけだったなら、言葉の意味をそろえる機会にします。塾では「終わり」をどう確かめるかを本人と決め、家庭には同じ基準を伝えます。保護者が毎晩答案を検査する形にせず、次の授業で自力の再現を確認できるように予定を組みます。

受験後の持ち物も、本人と具体的に決めます。成績表だけでなく、問題冊子、解説、自分が解き直した紙をそろえると、結果と途中の考えを結びつけて確かめられます。一部がまだ返却されていなければ、手元の材料で取り組めるところから始めます。全部がそろう日まで待つのではなく、材料が届いた時点で追加して確認する流れにします。

また、講師が選んだ課題に本人が納得しているかも確かめます。本人は読解を直したいのに計算練習だけが並んでいるなら、優先する理由を説明し、本人が調べたい課題も予定に置きます。見直しは、自宅で本人が答案を開いて初めて続きます。何のためにその問題を選んだのかを本人が言えることも、課題を渡す際の確認に含めます。

模試を追加する相談も、この記録を材料に行います。受験への意欲があるかだけでなく、前回の課題に手を付けられたか、再確認の時間が残るか、次に調べたいことがあるかを並べます。見直しの負担が重ければ、選ぶ問題数や授業で扱う範囲を調整します。回数の判断と学習計画がつながることで、本人も保護者も、次の受験の目的を説明できるようになります。

模試の回数と見直しについてのよくある疑問

Q1. 周りより受験回数が少ないと、不利になりますか

周りとの回数の差だけでは、自分に必要な受験機会を判断できません。会場での受験に慣れる必要があるのか、学んだ範囲を確かめたいのか、最近の修正を試したいのかで、模試に求める役割が変わります。まずは今入っている予定に、それぞれの目的を書いてみてください。

受験経験が少なく、当日の進め方に不安があるなら、その経験を得る機会を検討する意味があります。一方で、前回の答案をまだ開いていないなら、追加の前にそこへ時間を配分する選択もあります。他の人の予定を埋めるように追いかけず、自分の未確認の課題から回数を考えます。

Q2. 点数が悪かった模試は、全問を解き直すべきですか

結果全体には目を通し、そのうえで詳しく見直す問題を選びます。全問の解き直しを一度に予定すると、今必要な問題に着手する前に負担が大きくなる場合があります。学習済みの内容、次にも使う内容、解説を確かめれば自力で進めそうな内容から始めてください。

選ばなかった問題は、捨てるのではなく、後で戻る候補として残します。最初に選んだ問題を自力で解けるようになったら、次の候補へ進みます。点数が低かったという理由だけで復習量を増やすより、残りの期間と普段の課題を見て、確かめ切れる範囲を決めましょう。

Q3. 解き直しでは正解するのに、次の模試で伸びません

まず、正解に至る理由を説明できるかを見ます。同じ問題の答えを覚えて解けたのか、使う条件を選んで解けたのかを確かめてください。次に、普段の教材で同じ考え方を使う別の問題に取り組みます。そこで止まるなら、どの条件を手がかりにするかを見直します。

別の問題ではできても模試で使えなかった場合は、受験当日の記録と答案を並べます。読み始めた時点、迷った箇所、途中で変えた方針など、思い出せる事実から次の確認を決めます。一度の結果だけで見直し全体をやめず、次に試す行動を具体化してください。

次の模試へ持っていく変更点を、一つ決める

模試の回数を決める前に、今ある答案で何を確かめ終えたかを見てください。問題を選び、解説と自分の考えを比べ、別の日に見ずに試す。この流れを予定に入れると、次の模試は、取り組んだことを確かめる機会になります。判定を受け取るだけで終わらず、自分の行動を変える材料として使えます。

今日取りかかるなら、問題番号を一つ選び、解説を開く時間と、閉じて解き直す日を書きましょう。保護者は、お子さまが決めた次の確認日を共有してください。回数への迷いが残るときも、見直しの記録があれば、何を追加する必要があるのかを具体的に相談できます。受験回数を決める根拠は、次の答案で試したい変更点と、その準備に使える時間にあります。

参考文献


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