別居する父親との肯定的な関わりは、子どもの学業や適応と関連しています。接触量だけでは良好な状態との関連が見られず、関わりが全くない場合の方が、低いまたは中程度の関わりの場合より学校の不成功の可能性が低い場合があります。家庭では、連絡の回数と学校の話題の中身を分けて見ます。
離れて暮らす親から「学校はどう?」と電話が来ます。子どもは「普通」と答え、会話が終わります。親は、もっと連絡を増やせば勉強を支えられるのかと考えます。研究が示すのは、接触の数と関わりの中身を分ける必要性です。
今回の研究は、主に別居する父親と子どもの関わりを扱います。学業成績、学校での問題行動、心理面もそれぞれ異なる結果として読みます。連絡が続いている事実に加え、その会話の内容も聞きます。
1. 論文を役割で並べる
Adamsonsほか(2013)は、別居する父親の関わりについて研究をまとめ、肯定的な関わりが子どもの利益と小さいながら有意に関連すると報告します [1]。一方、父子の接触量と金銭的な支援は、子どもの良好な状態と関連しませんでした。子どもに関わる活動、肯定的な父子関係、複数の形の関わりが強く関連しました。量と質を分ける中心の論文です。
Menning(2006)は、別居する父親の関わりや、その関わりの増加が、青年期の学校での不成功の確率の低さと関連すると報告します [2]。ただし、関わりが全くない場合の方が、低いまたは中程度の関わりの場合より、不成功の可能性が低いことも示します。「少しでもあればよい」という見方に反例を置く論文です。
Kingほか(2006)は、父子関係の質や子どもに応じた父親の関わりが、青年期の外向的・内向的な問題の少なさと緩やかに関連すると報告します [3]。母子関係の質との関連の方が強い一方、母親とのつながりが弱くても、別居する父親とのつながりが強い子どもには、両親とのつながりが弱い子どもより問題が少ない結果がありました。関係と適応を読む補助の論文です。
2. 連絡の回数を増やせばよいのか?
Adamsonsほかのまとめでは、接触量だけの関連は見られませんでした [1]。回数を記録して安心する前に、その時間に子どもが何を話し、親が何に関わっているかを見ましょう。
同じ研究で強く関連したのは、子どもに関わる活動に参加すること、肯定的な父子関係、複数の形で関わることでした [1]。接触を単一の数字にすると、学習の話、子どもの関心を共有する活動、関係の質の違いが消えます。電話が長いか短いかより、本人の生活とつながった会話かを確認します。
金銭的な支援との関連が見られなかったという結果も、費用の支援は必要ないという判断には使いません [1]。この論文が整理したのは子どもの良好な状態との関連です。
接触の量と肯定的な関わりを分けると、連絡の記録の読み方が変わります。電話をした事実の次に、子どもに関わる活動を共有したか、本人が生活の話をできたかを聞きます。中心の研究では、活動への参加、肯定的な父子関係、複数の形での関わりが関連していました。家庭でも、回数の記録と話題の内容を別に置き、学校の出来事につながる話を確かめます。[1]
別居する父親の関わりをまとめたメタ分析は52件の研究を扱っています。親子関係の質を比べる別の調査には453人の青年が参加しました。前者は関わりの種類と子どもの良好な状態を整理し、後者は父子・母子のつながりを合わせて見ています。連絡した回数、活動の内容、親子関係の質を同じ測定とせず、どの結果との関連を示したかに沿って読みます。[1][3]
3. 学校のどんな話が研究に登場するか?
Menningの研究では、関わる活動の多様さを増やすこと、とくに学校の課題、成績、学校で起きていることを話すことが、観察された関連にとって重要でした [2]。学校の話題は重要ですが、観察された関連にとって決定的な要素ではないと著者は述べています。家庭では、成績の数字の次に学校の出来事を聞きます。
家で使うなら、「点数は何点?」のあとに「いちばん説明しづらかった問題はどれ?」と聞きます。「学校はどう?」のあとに「今、何を習っている?」と尋ねます。
本人が話したいことと、親が確認したいことを分けて聞きましょう。提出物の話が出たなら、親がすぐ答えや段取りを与える前に、子どもの考えを聞きます。この記事では会話を学習の確認へつなぎます。学習内容の確認では、子どもが説明する場を用意します。
学校の課題、成績、学校で起きていることは、関わる活動の中身として登場します。提出物なら、何を出す課題かを本人に説明してもらいます。授業の話なら、習った内容と学校で気になった出来事を聞き分けます。学校での不成功を調べた研究を、家庭では話題を具体化する材料として読み、親が答えを用意する前に子どもの説明へ耳を向けます。[2]
4. 同居する親との関係も含めて読むべきか?
Kingほかの研究では、母子関係の質は、別居する父親との関係よりも子どもの良好な状態に強く関連していました [3]。別居する親が連絡を増やすことだけを、子どもの支援の全体として扱いません。子どもが日常でどの親とも話しにくい状態なのか、どちらかとは話せる状態なのかで、研究上の結果も異なります。
母親とのつながりが弱い場合でも、父親との強いつながりがある青年は、両方とのつながりが弱い青年より、内向的な問題や学校での逸脱的な行動が少なかったです [3]。これは別居親との関係を見る意味を示します。測っている適応には、心理面や行動の結果も含まれています。
家庭で置き直すなら、どちらの親が多く連絡したかを競うのではなく、子どもが話せる相手と話題を確かめます。学校の課題を確認する役、生活の出来事を聞く役が重なっていてもよいです。
父子関係と母子関係は、それぞれの質を見ます。研究では、両親とのつながりが弱い場合と、母親とのつながりが弱くても父親とのつながりが強い場合で、適応の結果が異なりました。家庭では、子どもがどの相手にどの話をしやすいかを聞きます。学習の疑問を説明する相手と、学校の出来事を話す相手を具体的に挙げてもらい、日常の関わりを確かめます。[3]
【反証】この回が言えないこと
「関わりがないより少しでもあれば必ずよい」は、学校の不成功についての結果と合いません。ただし、関わりがない群の結果から連絡を減らすべきだとも言えません。家庭ごとの事情をすべて説明した研究ではありません。[2]
研究の中心は関連で、連絡を増やす介入の因果効果ではありません。最適な頻度や時間帯、別居する母親への同一効果、日本の受験への効果は未確認です。点数を聞く質問文や家庭の役割分担も比較していません。金銭的支援との関連がない結果を、支援は不要という判断には使いません。[1][2][3]
実務——家でできる 3 つの確認
まず、連絡のあとに子どもが学校の具体的な出来事を話せたか確認します。連絡の時間には、本人が話した学校の出来事に耳を向けます。話したくないときは、何を話せるかを本人と相談します。
次に、勉強の話が出たら、教材を閉じて内容を説明してもらいます。武蔵野個別指導塾が採用するアクティブリコールを、ここでは本人の理解を確かめる場に置きます。説明できない箇所があれば、次に確かめる課題を本人と決めます。
最後に、日をあけて同じ課題を振り返る場を用意します。塾では間隔反復と完全1対1を採用しています。相談は武蔵境の大学受験で受け付けます。親の関与と学校適応の読み分けは愛着と学校適応を扱う記事も参照してください。
よくある質問
Q. 連絡は何回がよいですか?
この回の研究は、連絡の最適な回数を示していません。接触量だけでは良好な状態との関連が見られず、関わりの中身が重要な論点です。[1]
Q. 成績を聞くことだけでも支えになりますか?
学校の課題や成績の話題は重要でしたが、決定的な要素としては示されていません。学校の話題は関わる活動の重要な要素として登場するため、その中身を本人の言葉で確かめます。[2]
Q. 別居する母親にも同じことが言えますか?
この回の研究の中心は別居する父親です。母親との連絡を考える際も、本人が話せる相手と話題を具体化し、対象の違いは【反証】節の範囲と合わせて読みます。[1][3]
出典
- An updated and expanded meta-analysis of nonresident fathering and child well-being.(Kari Adamsonsほか、2013、Journal of family psychology : JFP : journal of the Division of Family Psychology of the American Psychological Association)
- Nonresident Fathering and School Failure(Chadwick L. Menning、2006、Journal of Family Issues)
- Nonresident Fathers' Contributions to Adolescent Well-Being.(V. Kingほか、2006、Journal of marriage and the family)



