英会話で聞き返す練習は必要か——相互作用は言語発達を支える|武蔵野個別指導塾が薦める学習の仕方

英会話では、通じない所を聞き返し、言い直す練習を課題にします。相互作用は第二言語の発達を支える一方、聞き返しの回数だけでは会話の学びを測れません。家ではわかったふりをせず、何が不明だったかを伝えて会話を修復する所まで練習します。

子どもが笑顔でうなずいています。けれど、後で「何を聞かれたの?」と尋ねると、答えが出てきません。保護者は、話した長さに加えて、会話の内容にも目を向けます。通じなかったときに、その場で会話を立て直せる姿も大切な確認になります。

今回扱うのは、用意した回答を覚える練習ではなく、意味が通じない場面でやり取りを調整する「意味交渉」です。聞き返し、理解を確認し、自分の発話を変えます。研究はその役割を示すと同時に、会話の学びを聞き返しだけに狭めないよう求めています。

1. 論文を役割で並べる

S. Loewenほか(2018)は、教室や実験室で行われた第二言語習得の相互作用研究を概観し、相互作用は第二言語の発達を促進すると報告しています。同時に、会話相手の特徴、言語能力、課題の複雑さ、情報の配り方、集団の形など、多くの要因が有効性に関わると整理しています。やり取りを学習の一部に置く広い根拠です [1]。

Pauline Fosterほか(2005)は、教室内の課題で、意思疎通の問題が明確に示された場合だけを意味交渉として数えると、その頻度はとても低かったと報告しています。一方、意味交渉のない長い会話にも、相手への援助や共同での発話が見られました。促しや自己修復もありました。聞き返しの少なさを、そのまま学習の乏しさと見ないための論文です [2]。

T. Pica(1994)は、意味交渉の研究を概観し、相互の調整が入力の理解や構造の切り分け、語の形と意味へのアクセス、修正された発話の産出に寄与すると報告しています。聞いて終わるのでなく、理解に合わせてやり取りを変える役割が読み取れます。入力の理解、語の形と意味、発話の修正という観点から読みます [3]。

2. 聞き返すだけで英語が身に付くか?

意味交渉は、会話を止めるためではなく、意味を扱える形に整える過程です。レビューには、理解、語の形と意味、修正された発話との関係が示されています。そこで家庭では、聞き返しの言い方を唱えるだけでなく、相手の返答を受けて内容を確かめる所までを練習に置きます [3]。

聞き返しを練習するときは、相手の説明を受けて理解を確かめる過程まで扱います。相互作用を整理したレビューは、相手や課題、学習者の能力などの条件が関わると述べています。何を確かめる必要がある場面なのかまで含めて、課題を作る必要があります [1]。

たとえば家庭で、相手の説明に含まれた場所や意味がわからないという場面を設けます。子どもは不明な点を伝え、言い直された説明を受けて、理解した内容を話します。理解と発話の調整という研究上の論点を、家庭ではこのような会話の課題に置きます。

本記事で扱う研究は3本です。教室と実験室の相互作用を概観するレビュー、教室課題の録音を分析する研究、意味交渉を整理するレビューを組み合わせています。レビューは広い論点を、教室の記録は実際の会話の過程を示します。対象も設計も異なるため、同じ練習を別々に追試した研究群として読むより、理解と発話を支える過程を照らし合わせて読みます [1][2][3]。

3. 聞き返しが少ない会話は失敗なのか?

この問いには、教室内の記録を調べた研究が反証になります。意思疎通の問題を厳しく定義して数えると、意味交渉は少なかったと報告されています。けれど、その外側では学習者が協力し、促し合い、自分の言い方を直していました。会話の働きは、わからないと言った回数だけには収まりません [2]。

「なるほど」という反応も、理解の問題を直す合図なのか、関心や励ましの合図なのかで意味が違います。研究は、これらを分けるための厳密な定義の必要性を指摘しています。親子の練習でも、相づちをすべて理解の証拠として扱わず、最後に内容を話してもらいます [2]。

聞き返しを増やすこと自体を目標にすると、わかっている所まで聞き返す課題になります。今回の研究が示す論点は、意思疎通の問題を識別することです。わかった所は進み、不明な所を言葉にし、相手の説明で修復できたかを見ます。回数より、そのやり取りが何を解決したかを確かめます [2][3]。

教室の記録では、意思疎通の問題が起きていない場面にも、共同で発話を作ることや、相手への促し、自分の発話の修正が見られました。会話の記録を振り返るときは、聞き返した場面だけを抜き出すより、相手と課題を進めた過程にも目を向けます。支え合って話すことも、意味を表す会話の働きです [2]。

4. 家庭と授業でどんな会話を用意するか?

相互作用のレビューでは、情報の配り方や課題の目標も検討されています。家庭では、片方しか知らない内容を伝える場面を作ります。情報を知るために質問するという役割を与えます。相手の返答を受け、説明を調整する家庭の練習にします [1]。

子どもが言い直す場面も残します。相手が理解できなかったときに、同じ言葉を大きな声で繰り返しただけなのか、意味を伝えるために表現を変えたのかを見ます。意味交渉のレビューは、修正された発話の産出を挙げています [3]。

保護者が英語の会話役を務めるのが難しければ、授業で試す課題として相談します。「会話を増やしてほしい」より、「不明な語の意味を質問し、説明を受けて言い直せるかを見たい」と具体的に伝えます。会話相手や課題の特徴が有効性に関わるというレビューの整理に沿う相談です [1]。

授業の相手が同級生かどうかや、相手の第二言語の習熟度も、相互作用のレビューに含まれる条件です。学習者が言語形式に気付いたかをどう測るかも、方法上の論点として整理されています。会話を終えられたことと、使われた表現に目が向いたことは、違う確認です。講師には、内容を理解した場面と、表現を直した場面を分けて伝えます [1]。

【反証】この回が言えないこと

意味交渉のレビューは、第二言語学習を助ける領域と、助けない領域の両方を指摘しています。理解や発話の調整への寄与を、言語学習のすべてへの効果として読むことはできません [3]。

今回の研究から、聞き返しを何回すればよいか、どの表現が最も効果的か、英検の得点にどれだけつながるかは決まりません。また、教室や実験室の相互作用研究を、日本の家庭での会話練習と同じ結果として扱えません。年齢別の最適な設計も、この研究群だけでは示せません [1]。

教室の会話を調べた研究は、意思疎通の問題が明確な場合に絞って意味交渉を数えています。関心や励ましの反応まで同じ数え方に入れると、会話の評価の意味が変わります。家庭の記録でも、理解の問題を直した場面と、相手を支えた場面を区別します [2]。

実務——家でできる 3 つの確認

まず、子どもに「どこがわからなかった?」と聞きます。音が聞き取れなかったのか、語の意味なのか、話の内容なのかを言ってもらいます。聞き返す対象を具体的にしてから、その部分について相手へ質問します。

次に、会話が終わったら内容と自分が直した表現を思い出してもらいます。武蔵野個別指導塾のアクティブリコールを、台詞の暗唱だけでなく、やり取りで何を理解したかの確認に置きます。思い出せなければ、どの返答で止まったのかを一緒に見直します。

後日、場所や意味が伝わらない会話を再び扱い、質問から言い直しまでを振り返ります。塾の間隔反復は、会話を修復した過程を取り出す場面にも使います。完全一対一の授業では、どの質問にどんな説明が返り、何を理解したかを講師と確かめます。

会話を聞き返して立て直す練習については、武蔵境の英検対策で課題の組み方を相談してください。

関連記事:英語の語順は情報の並べ方で不自然になる

よくある質問

Q. 聞き返すと会話が下手に見えませんか?

研究は、聞き返すことが会話の見栄えを悪くするかを調べていません。見栄えを基準にせず、不明な点を伝えて理解を確かめる課題に置きます [3]。

Q. 聞き返しの回数を記録すべきですか?

回数だけでは会話の学びは測れません。意味交渉が少ない場面にも援助や自己修復がありました。何が解決したかを合わせて見ます [2]。

Q. 家で英語を話すのが難しい場合は?

授業で、不明な点を尋ねて説明を受ける場面を設けられるか相談します。課題や相手の特徴も学習の有効性に関わると整理されています [1]。

出典

  1. Interaction and instructed second language acquisition(S. Loewenほか、2018、Language Teaching)
  2. Negotiation for Meaning and Peer Assistance in Second Language Classrooms(Pauline Fosterほか、2005、Applied Linguistics)
  3. Research on Negotiation: What Does It Reveal about Second-Language Learning Conditions, Processes, and Outcomes?.(T. Pica、1994、Language Learning)

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