解く前に予想すべきか——事前予測は予想外の結果の記憶を高める|武蔵野個別指導塾が薦める学習の仕方

答えを見る前の予測は、予想外の結果を学ぶきっかけになります。研究で確認されたのは、地理の知識や出来事、数値の事実を扱う課題での効果であり、難問すべてを速く解く方法ではありません。家では予想を書いてから答えを見て、違っていた点を言葉にします。

解説を読んだ瞬間、「知っていた」と子どもが言います。でも、ページを閉じると説明が出てきません。保護者が横で見ていると、読んだことと学んだことの間に、薄い扉があるように感じます。そこで答えを見る前に、「どうなると思う?」と聞きます。答え合わせの前に、自分の考えを置く時間をつくります。

この方法の焦点は、予想を当てることだけではありません。予想が外れたとき、正しい結果をどう受け取るかです。今回の研究は、正解を見た後の評価と、見る前の明示的な予測を比べています。難問の正答率を上げたかという問いと、予想外の情報を覚えたかという問いを分けて読みます。

1. 論文を役割で並べる

予測の効果を具体的な課題で示す研究です。Brodほか(2018)は、事前に予測することが、結果を見た後に評価することとの比較で、地理の知識の獲得を支えたと報告しています [1]。期待と違う結果に対する驚きの反応は、事前に予測したときに現れ、その強さが学習量と関連しました。別の課題では、サッカーの試合結果を予測することが、期待と違う出来事の記憶を高めました。

なぜ効くのかを整理する論考です。Brod(2021)は、予測の効果を、知識を思い出す活動だけでは説明しきれず、その後のフィードバックの処理の変化も関わると論じています [2]。予想外の答えへの驚きが、正しい答えへの注意と記憶への取り込みを支えるという初期の証拠を整理しています。新たな実験の結果と、仕組みについての議論を区別して読みます。

予想外の数値への記憶を確かめた研究です。Brodほか(2022)は、数値の事実を見る前に明示的に予測することが、結果を見た後に扱うこととの比較で、とくに予想から大きく外れた結果の記憶を高めたと報告しています [3]。期待と記憶の関係も、事前予測の有無で違いました。予測によって結果を自分の問題として受け取ることが、期待と違う情報の学びに関わるという解釈が示されています。

前提知識を万能視しないための研究です。Simonsmeierほか(2021)は、既有知識と学習の増加との関係は弱く、結果の幅が大きいと報告しています [4]。メタ分析では、学習前と学習後の知識の相関は高い一方、調整された知識の増加との関係は弱いという違いがありました。知識があるほど必ずよく学べるという一般化も、既有知識は無関係という一般化も退けています。予測そのものの効果を検証した論文ではなく、条件を考えるために置く論文です。

既有知識のメタ分析が扱った効果量は8776個で、学習前後の知識の相関は .534 でした [4]。ここで高かったのは、学習前に多く知っていた人が学習後にも多く知っているという順位の安定性です。新しく増えた知識との関係は別に分析され、低い予測力が報告されています。予測課題の効果と、この知識の相関を同じ数字として読むことは避けます。

2. 予想は、正しく当てないと意味がないのですか?

当てることだけを評価すると、予測研究の焦点を取り逃がします。[1]と[3]が示したのは、期待に反した結果を記憶する場面の利点です。「外れたから失敗」と切るのではなく、外れた後に何を学んだかを見ます。家で使うなら、予想を採点する前に、答えとのずれを説明してもらう方法を使います。

「もっと大きいと思った」「逆の結果になると思った」と、自分の見込みを先に言います。その後、正しい結果を見て、どの点が違ったのかを述べます。これは数値の事実や観察する結果を扱う課題に置きやすい方法です。一方、複雑な証明問題の答えを当てる活動を、研究で確かめた方法と同じに扱うことはできません。

驚きが大きければ何でも学べる、と言うのも広げすぎです。[1]では、期待に反する結果への驚きの反応と学習量の関連が示されました。[3]でも予想外の結果の学習との関連があります。派手な演出や意外な雑学を増やすことが成績を上げる、と検証した研究ではありません。答えの内容に向き直ることを、家庭での確認の中心に置きます。

3. 答えを見る前と後では、何が違うのですか?

答えを見た後の「予想どおり」は、見る前の予測と同じ手続きではありません。今回の実験は、事前に予測を生成する条件と、結果を見た後に評価する条件を比較しています [1][3]。予測があったからこそ、結果が期待と違うことを経験できました。その違いを、単に考える時間が増えたという説明だけに縮めないでください。

[2]は、予測を練習テストや事前テスト、当て推量と区別して考えています。どれも知識を取り出す活動と重なる面がありますが、予測では、続いて示される正解の処理が論点になります。したがって家庭での確認も、「予想したら終わり」ではありません。答えを見た後に、その答えを説明し直すところまでつなげます。

保護者が先に正解をほのめかすと、本人が何を予想していたのかを確かめにくくなります。家庭の試し方として、先に短い予想を紙に書き、正解を見た後に違いを書き添えます。形式を細かく決めるより、前の見込みと後の答えを分けて残します。

4. 知識が足りない子にも予測をさせるべきですか?

「知識が少ないから予測は無駄」と決めつける根拠は、今回の研究にはありません。既有知識と学習の増加との関係は、ばらつきが大きく、どの条件で既有知識が学習に正・負・無視できる影響を与えるかを研究する必要があると述べたのが[4]です。知っている量と、これから増える量は同じ指標ではありません。

家では、本人が何を手掛かりに予想したのかを聞きます。手掛かりが言えないなら、予想を長く続けさせるより、必要な語句や条件を一緒に読みます。家庭では、予想の手掛かりと正しい内容の確認を分けます。

また、今回使った予測研究の結果だけでは、学年ごとの効果の違いや、日本の定期テストに合う実施回数は決まりません。中高生には、解説に進む前の短い見込みと、進んだ後の説明を分ける形で試します。難問に向かう意欲や解答速度の改善まで、この記事の結論には含めません。

【反証】この回が言えないこと

既有知識の研究を、予測法の成功を保証する証拠として使わないことが大切です。

予測後の驚きによる説明には初期の証拠が含まれ、仕組みの確定には今後の研究が必要です [2]。

同時に、「知識がなくても何でも予測すれば学べる」とも結論づけられません。

難しい問題ほど、先に予想すればよい、と断定する研究ではありません。地理の知識、試合の結果、数値の事実を学ぶ課題と、数学の難問を解く課題には違いがあります [1][3]。また、[2]は学習戦略の特徴を論じる論考で、実験の数を増やす証拠ではありません。同じ著者の関連研究を、互いに完全に独立した大量の検証と見なさないで読みます。

予測が外れたことそのものに、記憶の成功を保証する力があるとも結論づけられません。正しい結果を見た後に学ぶ場面があってこその研究です。予想だけを書かせて、正解との照合をしない家庭学習は、この結果の受け取り方から外れます。最適な予測時間、受験の得点差、長期間の成績変化は、今回の研究から示せません。

実務——家でできる 3 つの確認

第一に、答えを見る前の予想が残っているかを確かめます。第二に、正しい結果との違いを説明したかを確かめます。第三に、教材を閉じた後に正しい内容を思い出せるかを確かめます。家での確認方法として、この順で問いを置きます。予想が当たったかだけを記録するのでなく、答えを学び直したかを確かめてください。

武蔵野個別指導塾はアクティブリコールと間隔反復を採用し、完全1対1で指導します。予測の後は、正しい内容を思い出す確認へつなぎ、日をあけた復習でも再び問い直します。学習の相談は武蔵境の定期テスト対策へご相談ください。誤答の読み方は、誤答を手続きとして読む分析方法もご覧ください。

よくある質問

Q. 予想が外れたら、悪い覚え方になりませんか?

今回の実験では、予想と大きく違う結果の記憶が高まりました [3]。ただし、誤った予想を残して終える方法ではありません。正しい結果を確認し、違いを説明する家庭での使い方を行います。

Q. 解く前に、必ず答えを予想させますか?

すべての課題で必須とする根拠はありません。研究が扱った課題と、その日に学ぶ内容を見比べます。観察結果や数値の見込みを考える場面から試すのが、この記事の確認方法です。

Q. 予測とアクティブリコールは同じですか?

知識を取り出す点で重なりますが、[2]は予測後のフィードバックの受け取り方にも注目します。家庭では、答えの前の予想と、答えを学んだ後の想起を別の確認として扱います。

出典

  1. When generating a prediction boosts learning: The element of surprise(Garvin Brodほか、2018、Learning and Instruction)
  2. Predicting as a learning strategy(Garvin Brod、2021、Psychonomic Bulletin & Review)
  3. Explicitly predicting outcomes enhances learning of expectancy-violating information(Garvin Brodほか、2022、Psychonomic Bulletin & Review)
  4. Domain-specific prior knowledge and learning: A meta-analysis(Bianca A. Simonsmeierほか、2021、Educational Psychologist)

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