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数学嫌いになる理由—「わからない」が「嫌い」に変わるまでの道すじ|武蔵野個別指導塾

数学を嫌がる言葉の奥にある、理解のつまずきと失敗への心配を整理します。止まった行を見つける練習、短い時間の区切り方、家庭と個別指導で確認する点から、嫌いと感じる地点から学び直す道すじをたどれます。

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数学嫌いになる理由—「わからない」が「嫌い」に変わるまでの道すじ

「嫌い」の手前で止まった一行

よくあるのは、通学電車の座席で、数学のプリントだけを二つ折りにしてかばんへ押し込むという場面です。「今日のところ、どうだった」と聞くと、「数学は嫌いだから」と短く返ってきます。保護者には投げやりな言葉に聞こえるかもしれません。けれども、その言葉だけでは、授業の何が難しかったのかも、どこまでは理解していたのかも見えてきません。

プリントを開いてみると、最初の計算には途中の式があり、文章題のところから空白が続いていることがあります。計算そのものが嫌なのか、問題文を式へ直せないのか、人に聞くのが気まずいのか。それぞれで、次に用意したい支えは違います。「嫌い」という一言を、そのまま数学全体への評価として受け取らず、具体的な困りごとへほどいてみましょう。

本人も、理由をすぐ説明できるとは限りません。何度も止まるうちに、細かな違いを言い表す前に「全部嫌い」とまとめている場合もあります。目指すのは、今日中に数学を好きにさせることではありません。嫌だと感じる地点を見つけ、そこから先へ進むために何が要るかを一緒に考えることです。

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理解の空白に、次の失敗への心配が重なる

数学では、前に使った意味や操作を次の問題でも使います。分数の計算ができても、文章に出てくる分数が「何をひとまとまりとした割合なのか」をつかめなければ、式を選ぶところで止まります。文字式の計算を覚えていても、その文字が表す量を説明できなければ、文章題では手を動かしにくくなります。「授業を聞いていたのにわからない」という状態には、こうした知識のつなぎ目が隠れていることがあります。

この段階で必要な説明が届かず、答えだけを書き直して次へ進むと、同じ場所でまた止まりやすくなります。本人には「直したのに、またできなかった」という経験が残ります。やがて、問題を読む前から「どうせ最後までできない」と見通すようになることもあります。ここでは、内容の難しさに、取り組んだ後の嫌な気持ちを予想する負担が重なっています。

数の情報を扱うときに生じる不安や恐れは、学習研究では「数学不安」と呼ばれます。その始まりや関係する要因、改善の手がかりを整理した総説があります(Maloneyほか・2012)。この言葉は、お子さまに病名を付けるためのものではありません。「数学が嫌い」という好みの表現と、「当てられるのが怖い」「間違えると頭がいっぱいになる」という感じ方を分けて聞くための手がかりになります。

数学への嫌悪感には、わからなさだけでなく、学ぶ場の経験も関わりえます。答えを出す速さを気にして途中の説明を飛ばす、間違えた跡を見られたくなくて消す、質問すると周囲を待たせる気がして黙る。こうした状況なら、理解を確かめる機会そのものが減ってしまいます。練習を避けた結果、次の授業も難しく感じられるという道すじは、学習を振り返るときの見方の一つです。

小中高の数学不安を扱った132本の研究を整理したレビューでも、個人に関わる要因と、親・教員・仲間・文化など環境に関わる要因が取り上げられています(Zhouほか・2026)。前述の総説は単一の国・年齢・人数を対象とする調査ではなく、このレビューも2019〜2025年の小中高の研究を対象として高校生の研究が少ないため、これらから一人のお子さまの「嫌いになった原因」を決めることはできません。それでも、本人の努力だけに理由を求めず、問題の出し方や周囲の応じ方にも目を向ける材料になります。

一方で、数学が嫌いと言いながら、図を描く問題なら取り組めるお子さまもいます。家では解けるのに、人前で説明するときだけ黙る場合もあります。この違いは矛盾ではありません。何を求められるか、どのような場で解くかによって、取り組みやすさは変わります。「本当はできるのだから」と片付けるより、取り組めた条件を確かめるほうが、次の練習を具体的にできます。

また、前には困らなかったのに今は嫌がる場合、いきなり「集中力が落ちた」と考える必要はありません。計算の手順を追えば解けた問題から、自分で式を選ぶ問題へ変わったのかもしれません。書く量が増え、途中の考えを整理する負担が増した可能性もあります。以前との違いを問題の中に探すと、「やる気を戻す」という曖昧な課題が、「何を求める問題かを言う」という練習へ変わります。

さらに、「嫌い」と言った直後の行動にも目を向けてみましょう。問題を見ようとしないのか、読み始めるが途中で閉じるのか、解けても提出をためらうのかでは、困っている場面が違います。問いかけるなら、「昨日と今日のどちらが取り組みやすかった」「説明を読んだ後はどうだった」と、比べられる経験を取り上げます。ただし、表情だけから理由を決めず、本人の言葉と実際の取り組みを合わせて見てください。やる気があるかないかという評価から離れると、支えを置く場所が探しやすくなります。

止まる場所を見つけ、短い練習を組み直す

ここからは、生徒本人が一人でも試せる手順です。手元には、最近扱った問題、途中の説明が載った教科書やノート、書くための紙を用意してください。新しい問題集を探す前に、すでに見た問題から「少しは手を付けられそうな一問」を選びます。最初から何も思いつかない問題だけを並べると、止まった場所の違いが見つけにくくなります。

時間は、準備に2分、考える作業に5分、振り返りに3分という区切りから試してみましょう。時計は終了の目安に使い、解ける速さを競う道具にはしません。各区切りが窮屈なら延ばし、疲れが強ければ短くします。「正解するまで終わらない」ではなく、「ここまで試したらいったん閉じる」と先に決めることで、始める作業と終える作業の両方を見通せます。

最初の2分では、問題を読み、「何を答えるのか」に線を引きます。次に、すでにわかっている数や条件を囲みます。最後に、「ここまではできそう」と思う行を一つ書きます。式が浮かばなければ、求めるものを短い言葉で書くだけでも構いません。たとえば「残った長さ」「一つ分の値段」と書ければ、答えの対象が見えていることは確かめられます。

続く5分では、解けるところまで進めてください。止まったら、鉛筆を置いて我慢するのではなく、止まった行の横に印を付けます。印の意味は、「言葉の意味」「式の選び方」「計算の進め方」から選ぶと整理しやすくなります。どれか決めにくければ、「この行と次の行がつながらない」と書いても十分です。困りごとを正確に分類すること自体を、新しい課題にしないでください。

たとえば、3x+2=11という式で手が止まったとします。「xが何かはわかるが、次に何をするかわからない」のか、「両辺から2を引くのはわかるが、その理由を言えない」のか、「3x=9まで進んだが、そこで止まった」のかを区別します。同じ空欄でも、必要な説明は同じではありません。最後の答えを見て終える前に、止まった位置を残しておきます。

教材の使い方は、まず問題文を確かめ、次に似た例題の途中の説明を読み、最後に自分のノートへ戻る順にしてみましょう。問題文では条件の読み落としを探します。例題では、自分が止まった行に対応する操作を探します。ノートでは、その操作の意味を書いた部分があるか探します。どのページにも手がかりが見つからなければ、探し続けず、質問したい文を残してください。

解答例を読むときは、一度に全部を書き写す必要はありません。必要な一行を見つけたら、「何が変わったか」を自分の言葉で添えます。先ほどの式なら、「左右から同じ2を引いたので、等しい関係を保ったまま3x=9になった」と説明できます。言葉が長く感じられれば、「左右から2を引く」と短く書き、なぜ左右に同じ操作をするのかを後で確かめても構いません。

その後は説明を隠し、同じ行をもう一度書きます。ここで書けなければ、すぐに覚えが悪いと判断せず、説明を見直してください。数の計算で止まったのか、操作を選べなかったのかがわかれば、次に確かめる箇所を絞れます。解説を見ながら進めたことと、隠して進めたことは、別の記録にしておくと振り返りに役立ちます。

残りの3分では、正誤に加えて三つを確認します。一つ目は「何を求める問題か言えるか」、二つ目は「止まった行で何をしたか言えるか」、三つ目は「説明を隠して、その一行を書けるか」です。全部を満たさなくても、今日どこまで進んだかがわかります。答えが合っていても説明に迷ったなら、そこを次回の確認事項として残しましょう。

記録は、「問題の目印/止まったところ/使った手がかり/次に試すこと」の短いメモで足ります。「式を立てるところ/例題の図/次は図だけ自分で描く」のように書きます。「数学が苦手だった」という感想よりも、次の行動につながります。気持ちも残したければ、「始める前は嫌だったが、図を描くところは進めた」など、場面を付けて記してみてください。

翌日は、同じ問題の印を付けた部分だけを、説明を見ずに試します。書けたら、数や条件を少し変えた似た問題へ進みます。書けなければ、前日に使った手がかりへ戻ります。「また戻った」と失敗扱いする必要はありません。昨日の説明がどこまで自分で使える形になったかを調べているのであり、その結果によって練習を選び直せばよいのです。

一人で進めるときには、切り上げる合図も用意してください。同じ説明を読んでもつながらない、問題文の言葉がわからない、途中の式を確かめる方法が見つからない。そんなときは、印を付けた問題と質問を残して終了します。「この言葉は何を指すのですか」「ここで割るのはなぜですか」と書いておけば、次に人へ聞く作業が具体的になります。

質問のメモには、試したことも添えると説明を受け取りやすくなります。「全部わかりません」を無理に詳しくするのではなく、「図は描いたが、どの長さを使うか迷った」「例題と同じように計算したが、符号が違った」と書きます。どこまで試したかが見えると、相手もそこから説明を始められます。答えを教わった後は、質問した行へ戻り、「今なら自分で何を書けるか」を確かめてください。説明を聞き終えた時点を終わりにせず、一行だけ手を動かすところまでを一組にします。

なお、難しい問題を避け続けることと、今の課題に合う入口を選ぶことは違います。入口を小さくした後には、「図を描けたら式を考える」「例題で説明できたら似た問題を試す」という次の動きを用意します。取り組めた部分を足場にして、少し先を確かめる。その往復なら、数学全体を好きになれなくても、今日の練習を続ける理由が見つかります。

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個別指導では、説明と課題の調整を確かめる

個別指導を検討するときには、「わかりやすく教えてもらえるか」に加え、何がわからないのかをどう確かめるかに注目してください。答えが間違っているという結果だけでは、問題文の理解、知識の使い方、計算の手順のどこに支援が必要かは決まりません。体験授業や面談で確かめてほしいのは、お子さまの途中の式や説明をもとに、次の課題が選ばれるかどうかです。

指導側に求めたい役割は、まず理解の位置を見立てることです。答えを先に説明するのではなく、「何を求める問題だと思うか」「ここまではどう考えたか」を聞き、止まった位置を一緒に見る。その上で、一つ前の内容に戻るのか、言葉を言い換えるのか、図を添えるのかを選ぶ必要があります。保護者が家で原因を特定してから相談する必要はありません。

次に求めたいのは、手助けの量の調整です。説明を受けながら最後まで解けても、次に一人になったときの入口が見つからなければ、本人には「先生がいるときだけできる」という感覚が残ります。問題文を読むところは一人で行い、式を選ぶところだけヒントを受け、計算はまた一人で進めるなど、どこを自力で行うかが見える支援を確かめてください。

その際、励ましの言葉と学習上の手がかりは分けて考えます。「落ち着いて」「自信を持って」と言われても、どの数を使うかがわからなければ鉛筆は動きません。「求めるものに線を引こう」「図のこの長さを見よう」という行動の手がかりが必要です。気持ちを受け止めることと、わからない箇所を説明することが、どちらも支援に含まれているかを見てください。

練習中の間違いをどう扱うかも確認したい点です。間違えた式を消して正しい式だけ残すと、どの考えから修正したのかが見えにくくなります。元の式を残したまま、変えた理由を横に書けば、後で同じところに戻れます。体験授業では、正解へ導く速さだけでなく、お子さまが「どこを直したか」を言える時間があるかに目を向けてください。

家庭が持つ役割は、説明をすべて引き受けることより、取り組める条件を整え、様子を伝えることです。開始する時刻を本人と相談する、広げる教材を絞る、終了の目安を決める。こうした準備なら、保護者が数学を得意としていなくてもできます。解き方の説明で意見がぶつかりそうなら、「どこで止まったかを残して、次に聞こう」と区切って構いません。

本人に任せる部分も明確にしましょう。選んだ問題を開く、途中の式を消さずに残す、使ったヒントに印を付ける。このような行動は、答えが出たかどうかとは別に確かめられます。保護者が毎回隣で監督し続ける形にすると、本人の工夫が見えにくくなることもあります。まず本人が試し、終わった後に必要なところだけ聞く形を検討してください。

進み具合は、正答数だけでなく、同じ程度の問題で支援がどう変わったかを見ると具体的になります。「最初は図を描いてもらった」「次は図の枠だけを見て描いた」「今日は自分で描けた」という違いです。逆に、毎回最後まで説明を受けて正解しているなら、自分で始める部分を設けられるかを相談できます。問題の難しさが変わったときには、その違いも添えて比較しましょう。

相談の材料は、長い感想文でなくて大丈夫です。「文章題は開けたが、求めるものに線を引けなかった」「計算は進んだが、式を説明しようとすると止まった」といった観察を伝えます。指導側には、それをもとに「次にどこを見るか」「家庭ではどこで切り上げるか」を尋ねてください。連絡の方法や記録の扱いは、体験授業や面談で確かめてください。

また、負担を下げる工夫が本人に合っているかも、相談の中で点検できます。問題数を減らして始めやすくなったのか、紙の余白を広くして途中の式を書きやすくなったのか、口頭で答える代わりに書くと説明できたのかを見ます。一度にすべてを変えると何が助けになったか見えにくいため、まず困っている場面に合う変更を選びます。その結果、取り組みやすくなった部分と、まだ説明が必要な部分を分けて伝えてください。楽に始められることと、内容を理解することの両方を確かめながら、次の課題を相談できます。

とくに、本人の「できた」と保護者の「まだできていない」が食い違うときは、何を指しているかをそろえる必要があります。本人は説明を聞いて納得したことを「できた」と言い、保護者は一人で解き切ることを期待しているのかもしれません。「今日は説明を使って式を立てられた。次は説明なしで試す」と言葉にすると、今の到達点と次の課題を同時に共有できます。

武蔵野個別指導塾への相談でも、お子さまが止まった問題を材料に、理解を確かめる方法や練習の区切り方を体験授業や面談で確かめてください。「数学嫌いを直してほしい」という大きな相談を、「この問題のここから進めない」という具体的な相談にできれば、どんな支えが必要なのかを話し合いやすくなります。

「嫌い」と言われたときの三つの疑問

嫌いな理由を、本人にきちんと説明させるべきですか

理由を聞くことは役立ちますが、納得のいく説明が出るまで問い詰める必要はありません。「何が嫌なの」と広く聞くと、「全部」としか答えられない場合があります。「読むところ、式を作るところ、計算するところなら、どこで止まりやすい」と、手元の問題に沿って聞いてみてください。言葉にしにくければ、止まった行を指すだけでも構いません。その日は答えたくない様子なら、少し時間を置いて実際の問題を一緒に見る方法もあります。嫌だという気持ちの説明と、学習を再開する準備を、同時に終えようとしなくて大丈夫です。

簡単な問題に戻ると、甘やかすことになりませんか

戻る目的と、先へ進む目印があれば、必要な準備として扱えます。たとえば文章題で式を選べないなら、計算だけを大量にやり直す前に、問題文の数が何を表しているかを確かめます。すでにできる内容を繰り返し続けるのではなく、止まった箇所につながる内容を選びましょう。「この意味を説明できたら元の問題へ戻る」と決めておくと、本人も戻る理由を理解しやすくなります。学び直しの範囲が広すぎると感じるときは、どの課題に必要な復習なのかを指導者に聞いてみてください。

解ける問題が増えれば、数学嫌いも自然になくなりますか

解けた経験があっても、人前で間違える心配や、急かされるつらさが残っている場合は、まだ嫌だと感じることがあります。「できたのだから、もう平気」と気持ちまで決めず、「解けたけれど、始めるときはまだ嫌だったのだね」と別々に受け止めてください。その上で、次に試す問題や時間の区切りを相談します。好きになったかを毎回尋ねるより、前より始めやすかった場面や、自分で進めた箇所を確かめるほうが話しやすいこともあります。

次の一問へ戻れる道を残す

「わからない」が重なると、数学そのものを遠ざける言葉が出てくることがあります。その言葉を急いで言い換えさせるより、どこまでは進めて、どこから手が止まったのかを見てみましょう。本人が一行を示せれば、説明を足す場所も、復習する内容も、次に尋ねることも絞れます。

今日の目標は、好きになる約束をすることではなく、一問の中に戻れる場所を作ることです。問題を読む、止まった行を残す、必要な手がかりを使う、次に一人で試す。この小さな往復を、本人の状態に合わせて組み直してください。うまく進まない日も、何を試してどこで止まったかが残れば、相談の出発点になります。「嫌い」と閉じたプリントも、止まった理由を記すと次の質問に変わります。

参考文献

本気になった日が、入塾の日。

お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。

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