電話 0422-27-7828チャットで質問無料相談を予約

武蔵野個別指導塾の特徴

ご褒美で勉強させると何が起きるか—過剰正当化効果と好奇心|武蔵野個別指導塾

X LINE Facebook

ご褒美を約束した後、お子さまは何を気にしているでしょうか。読む前後の疑問を書き留め、終えた量と関心の変化を分けて見ることから、家庭での支え方を考えませんか。

武蔵野個別指導塾

ご褒美で勉強させると何が起きるか—過剰正当化効果と好奇心

読みたい気持ちが、交換の条件に変わるとき

よくあるのは、休日の居間のソファで、昔の道具の写真を眺めていた中学生が、本を読み終えたらご褒美をもらえると聞き、急に残りのページを数え始めるという場面です。それまでは道具の使い方を尋ねていたのに、今度は写真のページも読んだことになるのかが気になります。大人は読書を応援したつもりでも、本人が見ている目標は少し変わっています。

勉強を始めるきっかけとして、ご褒美を考えたことのある保護者の方は多いでしょう。中高生にとっても、好きなことを後に用意しておくと机に向かいやすい日はあります。気になるのは、その仕組みを続けたとき、自分から知りたいという気持ちがどうなるかです。

ここでは、ご褒美を一律に良いもの、悪いものと決めず、学びの入口と、その先にある好奇心を分けて考えます。リベラルアーツに親しむには、広い分野を知るだけでなく、読んだことから疑問を持ち、調べ、自分の言葉で説明する経験が必要です。その小さな循環の中で、ご褒美をどこに置くかを見直してみましょう。

武蔵野個別指導塾の自習室 武蔵野個別指導塾

ご褒美の有無より、学ぶ理由の変化を見る

心理学では、知ることや取り組むこと自体に面白さを感じて行う場合を、内発的動機づけと呼びます。対して、品物をもらう、評価を得るといった活動の外にある目的に向かう場合は、外発的動機づけと呼びます。これは人を意欲の高い人と低い人に分ける分類ではありません。同じ人の中でも、同じ勉強について、いくつもの理由が重なることがあります。

たとえば、理科の文章を読む理由に、試験への備えと、雲ができる仕組みへの関心が同時にあっても不自然ではありません。将来のために苦手な課題を終えることにも意味があります。いつでも楽しんで勉強することを目標にすると、面白さを感じない日の自分を責めやすくなります。まず、自分が何を目的に取り組んでいるかを言葉にするところから始めます。

過剰正当化効果とは、もともと関心があってしていた活動に外から目立つ理由が加わることで、活動そのものへの意欲が弱まる現象です。写真の道具を知りたいから読んでいたのに、ご褒美を得るために読むのだと捉えるようになる、と考えると理解しやすいでしょう。目に見える読書量が増えていても、本人が読書に見いだす意味まで同じ方向に動くとは限りません。

報酬に関するメタ分析では、あらかじめ期待された物的報酬が内発的動機づけを下げる傾向を示し、肯定的な言葉によるフィードバックは高める傾向を示しました(Deci・Koestner・Ryan、1999)。子どもでは物的報酬による低下が大きいという結果も報告されています。対象は子どもを含む128研究にまたがるため、この全体の傾向を、特定の中高生へのご褒美の影響や教養そのものの効果へ、そのまま置き換えることはできません。読むことや自分から学ぶことを支える条件として受け止めましょう。

注意したいのは、物を受け取ったという出来事だけで判断しないことです。学び始める前から、その物を得ることが活動の中心的な条件になっていたのかを見ます。先にご褒美の約束を強調すれば、本人が達成条件を詳しく尋ねるのは自然なことです。それを損得ばかり考える性格だと決めつける前に、大人が何を目標として示したかを振り返る必要があります。

また、報酬を動機づけの入口として捉える研究の概説は、取りかかりを助ける可能性と、活動自体が楽しくなった後も報酬を続けることで長期の取り組みを損なう可能性を整理しています(Bardachほか、2024)。この整理を家庭で使うなら、始められたかだけでなく、始めた後に何へ興味が移ったかまで見ることになります。入口が役立っていても、いつまでも入口だけを強調する必要はありません。

そこで、ご褒美が効いたという言葉を少し丁寧に使います。机に向かった、課題を終えた、理由を説明できた、後から自分で調べ直した、という出来事はそれぞれ違います。終えた量だけでは、好奇心が育っているかを判断しにくいのです。読みながら疑問を書き留めたか、次に確かめたいことが生まれたかにも目を向けると、支え方を考える手がかりが増えます。

ここで、外からの目的がある学習をすべて過剰正当化と呼ばないことも必要です。もともと関心が薄かった課題を、提出のために始める場合と、好きで読んでいた本が報酬のための作業に変わる場合では、出発点が違います。前者では始める負担をどう下げるか、後者ではすでにある関心をどう扱うかが課題になります。どちらも、ご褒美を渡す前の本人の様子を振り返ると整理しやすくなります。

また、課題を早く終えたという事実から、学ぶことが好きになったとは言い切れません。反対に、読む速さが変わらなくても、途中で立ち止まって理由を考えるようになったなら、確かめたい変化があります。保護者の方も中高生自身も、外から見えやすい成果と、活動への関わり方を分けて眺めてみてください。前より遅いという印象の中に、丁寧に読み直す時間が含まれていることもあります。

ご褒美の先に、自分の問いを置く練習

まず、今日の学習を短い単位に区切ります。ここでは、準備に3分、読む時間に8分、説明を書く時間に5分、振り返りに2分という進め方を提案します。長く続ける競争ではなく、始める前と終えた後の気持ちを比べるための区切りです。疲れている日は読む範囲を減らし、時間が来たら途中でも区切ってかまいません。残りを次に読めるよう、止めた場所に印を付けます。

最初の3分では、取りかかる理由を短く書きます。提出に間に合わせたい、少し気になる、終えたら休みたい、など、今の気持ちで十分です。好奇心があるように見せる必要はありません。その横に、今日確かめたいことを疑問の形で置きます。水の使い方を扱う文章なら、なぜ場所によって節水の方法が違うのか、といった問いです。理由と問いを分けると、気が進まなくても調べる方向を決められます。

教材の使い方は、手元にあるものから選べます。教科書なら、すでに習った節の写真や図を入口にし、説明文へ戻ります。資料集なら、同じ主題の図を見比べ、違いを示す言葉を探します。読み物なら、目次から疑問に関係する短い章を選び、その章だけを読みます。最初から本を最後まで読むことを条件にせず、疑問を確かめられる範囲を選ぶのが、この練習の使い方です。

選ぶ幅が広すぎて決められないときは、内容の異なる候補を並べてみます。身近な自然についての説明、暮らしの歴史についての文章、社会の仕組みを扱う短い読み物などです。その中から、知っていることが少しあって、まだ説明できないこともあるものを選びます。選ぶ理由は立派でなくてかまいません。写真が気になる、題名の意味がわからない、といった引っかかりも使えます。

次の8分は、問いの答えになりそうな箇所に印を付けて読みます。すべての文を同じように覚えようとせず、答えの手がかり、わからない言葉、予想と違ったことを分けて余白に残します。わからない言葉が多い場合は、疑問に直結する語から調べます。調べた意味をそのまま写すだけでなく、その文の中では何を指すのかを考え、本文へ戻してください。

たとえば、昔の道具を扱う文章なら、便利だったという感想の後に、誰にとって、どんな作業が便利だったのかを探します。現在の道具と比べたくなったら、速さ、扱いやすさ、直しやすさなど、比べる観点を決めます。詳しい名前をたくさん覚えなくても、比べる観点が定まれば読み直す場所が見えてきます。問いが途中で変わった場合は、消さずに横へ書き足しておきましょう。

その後の5分では、いったん本文を閉じ、問いへの答えを自分の言葉で書きます。主張を書き、その根拠を続け、まだ答えられない部分を添えます。文章がつながらないときは、口に出してから書いてもかまいません。根拠に当たる箇所だけ本文を開いて確かめ、本文に書かれていることと自分の推測を分けます。よく知っているつもりの言葉ほど、説明すると意味の曖昧さに気づくことがあります。

自分で確かめる方法も用意しておきます。まず、本文を閉じた説明に、問いへの答えが入っているかを見ます。次に、根拠として選んだ箇所を開き、説明と食い違っていないかを照合します。さらに、条件を変えた場合にも同じことが言えるかを考えます。昔の道具が便利だったという答えなら、使う場所や作業が変わっても便利なのかを問います。答えの長さではなく、問いと根拠のつながりを点検するのです。答えが本文に見つからなければ、無理に結論を埋めず、今の資料で言える範囲を書きます。疑問が残った場所がはっきりすれば、次に必要な資料を選ぶ目印になります。

最後の2分では、終えた量とは別に、学ぶ理由がどう変わったかを書きます。始めは義務だったけれど図が気になった、説明できてすっきりした、最後まで関心は持てなかった、という記録で十分です。関心が持てなかった場合は、内容が難しい、知っていることばかりだった、疲れていた、など、思い当たる事情を添えます。次回は題材を替えるのか、読む範囲を短くするのかを選べます。

ご褒美を使っている人は、この記録に、ご褒美のことをいつ考えたかも短く残してみます。最初だけだったのか、読んでいる間ずっと残りを数えていたのかで、次の工夫が変わります。残りばかり気になるなら、読む量を増やす前に、問いを小さくします。報酬を受け取れるかどうかの確認と、読んでいて生まれた関心の記録は、別々の欄に置くと整理しやすくなります。

すでに家族と約束しているご褒美は、自分だけで条件を変えず、約束した区切りで相談します。読書への関心が出てきたら、次は読む本や調べる題材を自分で選ぶ時間を設けたい、と具体的に伝えてみましょう。休憩や睡眠を、成果が出たときだけ得られるものにする必要はありません。体を休める予定を先に確保し、その中で学習をどこまで進めるかを決めます。

翌日に短く確かめるなら、前日の問いだけを見て答えてみます。覚えている内容を言えたかに加え、新しく知りたくなったことがあるかも見ます。何も浮かばなくても、前日の取り組みが無駄になるわけではありません。説明が曖昧なら同じ文章へ戻り、十分に答えられたら別の観点へ進みます。ご褒美の額や種類を変える前に、学習の中身を調整する選択肢を持っておきましょう。

記録が負担になったら、文章を整える作業を減らします。問いの横に、答えの手がかりを見つけたページと、気になった語を残すだけでも、次に戻る場所は示せます。記録をきれいに仕上げることが新しい達成条件になると、読んで考える時間が押されてしまいます。あとで自分が使えるかを基準に、残す情報を選びましょう。書けなかった日は、次に開く場所に付箋を置いて終える方法もあります。

読み返した記録から、次の題材を選ぶこともできます。同じ疑問が残っているなら別の説明を探し、答えが出たなら、その答えが成り立たない場面を考えます。道具の歴史を読んだ後に、材料の性質を扱う文章へ進むように、問いをつなげば分野をまたいで読むきっかけになります。冊数を増やすためだけに次を選ぶのではなく、今の説明に何を足したいかを考えて選んでみてください。

武蔵野個別指導塾の教室 武蔵野個別指導塾

個別指導では、報酬の条件より学習の中身を整える

報酬の話が相談に出たら、授業ではまず、課題に取りかかるまでの様子を確かめます。ご褒美がないと動かないという相談でも、その言葉だけで意欲の問題と決めません。読む語句がわからないのか、何を答えればよいか迷っているのか、解き直しの手順が見えないのかを、実際の教材とノートで確かめます。始めにくさの中身によって、必要な支援は変わります。

文章を前に止まる場合は、講師が先にすべての意味を説明するのではなく、本人が読める範囲を探します。図の見出しなら読めるのか、短い段落なら要点を言えるのかを見て、次の課題を決めます。根拠が選べない場合は、答えの候補を示して比較する練習から始めます。課題が大きすぎるまま報酬だけを加えると、本人が何に困っているかを見落としやすくなります。

塾が示すフィードバックも、人格への評価ではなく、学習の具体に結び付けます。頭が良い、意欲があると大きくまとめるより、前は感想だけだった説明に本文の理由が加わった、と伝えます。肯定的な言葉の働きを踏まえつつ、何が進んだかを本人にも見える形にするためです。毎回ほめる言葉を増やすのではなく、本人が次にも使える行動を取り出します。

たとえば、問いを変えたために読み直す場所がわかったなら、その変化を一緒に確かめます。講師が気づいたことを伝えた後、本人にも、どの工夫が役に立ったかを尋ねます。講師の評価を待つだけでなく、自分の取り組みを説明する機会を設けるのです。うまく説明できない日も、書き込みや言い直しを手がかりに、何を試したかを整理できます。

選択肢を渡すことと、学習をすべて本人に任せることも区別します。今週扱う範囲や必要な課題は示したうえで、読む順番、取り上げる例、説明を口頭から始めるかどうかは相談できます。すべて自由にして困らせることも、細部まで決めて従わせることも避け、課題の目的と選べる部分を明確にします。自分で決めた部分があれば、終わった後にその選び方を振り返れます。

家庭にお願いしたいのは、お子さまの学習をもう一度採点することではなく、取り組める時間や場所を整え、本人の言葉を受け取ることです。帰宅後に疲れているなら、その事情を塾に知らせていただければ課題量を調整できます。保護者の方が内容を詳しく教えられなくても、何が気になったかを聞くことはできます。答えを急がず聞ける短い時間を、生活の中に置いてみてください。

進み具合の記録には、量、取り組み方、本人の関心を分けて残します。読んだ範囲は量の欄へ、根拠を探して読み直したことは取り組み方の欄へ、新しく生まれた問いは関心の欄へ書きます。どれかが空欄でも、他の欄まで低く評価する必要はありません。課題を終えられたが問いは浮かばなかった、という日にも、次に支える点が残ります。

ご褒美への反応だけで意欲を判断しないために、授業で生まれた疑問を家庭にも伝えます。道具の説明を読んで、使う人によって便利さが変わると気づいたなら、その問いを報告の中心に置けます。次の授業で別の道具と比べる予定も添えます。家庭では課題を終えたかの確認と、何が気になったかの会話を分けられ、報酬の交渉だけで学習の話を終えずに済みます。

報酬の約束については、塾が家庭の方針を一方的に変えません。何を条件にしているか、どこまで約束しているか、本人はどう受け止めているかを共有します。そのうえで、次の区切りに向けて、量だけを条件にする形を見直す相談ができます。好奇心を示せたらご褒美を増やす、という形に置き換えると、今度は関心があるように振る舞うことが条件になってしまいます。

振り返りで見たいのは、報酬を減らしたこと自体の成功ではなく、学びの中に本人の理由が残っているかです。課題の目的に納得して進めた日も、疑問が生まれて読み足した日も、その理由を聞きます。進みが止まったら、約束への不満なのか、課題が難しいのか、生活上の疲れなのかを分けて考えます。塾と家庭が同じ記録を手がかりにすれば、お子さまを急に意欲がなくなったと評価する前に、調整する場所を探せます。

相談の際には、お子さまが自分の希望を話す順番も設けます。ご褒美は続けたいが読書の冊数で決めたくない、必要な演習の後に調べ物をしたい、といった希望が出れば、その理由を聞きます。大人は学習上必要な範囲を説明し、本人は負担や関心を伝えます。折り合いがすぐ付かなくても、次に話し合う区切りと、それまでに試す課題を決めれば、日々の交渉だけで終わらずに済みます。

ご褒美と好奇心についての3つの疑問

ご褒美を使ってきた家庭は、すぐにやめるべきですか

これまでの関わりを失敗だったと考えて、急に約束を取り消す必要はありません。本人にとっては、勉強の目的とは別に、約束が守られるかという問題も生じます。まず今の約束と本人の受け止め方を確かめ、次の区切りからどうするかを相談します。その際は、品物の話だけをするのではなく、最近少し面白かった内容や、自分で進められた作業も取り上げます。ご褒美をなくすことだけが目標になると、学習の中身を見る視点が抜けてしまいます。

言葉でほめることも、外から与える報酬ではありませんか

ほめ言葉にも、相手からの評価という面はあります。だからこそ、何をどう伝えるかを考えます。大人を喜ばせるために頑張ったという方向だけを強めず、根拠を付けて説明できた、読みにくい箇所へ戻れた、と本人の行動に結び付けます。その後に、本人はどこが進んだと思うかを聞けば、評価を受け取るだけで終わりません。上手にできたと繰り返すより、何がどう変わったかを一緒に確かめる言葉を選びましょう。

好きなことだけしていたら、必要な勉強が残りませんか

好奇心を支えることは、必要な課題をすべて好き嫌いで決めることではありません。提出する課題や苦手な範囲は、目的を確かめ、終わりを見通せる単位に分けて進めます。その中に、例を自分で選ぶ、疑問を残す、説明の方法を決めるといった余地を置きます。面白くないけれど必要だから取り組む理由も尊重できます。必要な学習を進めながら、そこから少し離れて知りたいことを探す時間も確保する、という両方の視点を持ちましょう。

次に知りたいことが、机へ戻る理由になる

ご褒美を使うかどうかだけでは、勉強の姿は決まりません。どんな問いを持って読み、何を自分の言葉で説明し、終えた後にどんな理由が残ったかを見ることが、次の支援につながります。読む量や課題の完了に加えて、知りたいことの変化を見ていきましょう。

今日試すなら、短い文章を選び、読む前の疑問と、読んだ後の疑問を書いてみてください。同じ問いが少し詳しくなっても、まったく別の問いへ移ってもかまいません。教養への入口は、知っていることの数だけでなく、そこから何を尋ねられるかにもあります。次に本を開くときは、余白に残した疑問を先に読み返してください。知りたかったことを思い出してから、続きを確かめるページを選びます。

参考文献

本気になった日が、入塾の日。

お子様の教育、迷ったら「丸投げ」してください。必ず、期待以上の結果で返します。武蔵野で育む、武蔵境で学ぶ。

電話は年中無休。365日、24時間、お電話可能。

お電話 チャットで質問チャット