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【地理総合】地形と気候を図解で総まとめ—大地形・小地形・気候区分と人びとの生活|武蔵野個別指導塾

プレートの沈み込みや扇状地と三角州の図、月別気温と降水量を読む例題を通して、地形・気候と暮らしの関係を根拠から説明する力を育てましょう。
よくあるのは、体育館の隅のタイム表を見ながら雨で変わった競技の予定を確かめ、地理の授業で聞いた「気候」という言葉も今日の雨のことだと思ってしまう場面です。今日の雨は天気の話ですが、ある地域で夏に雨が多いという長年の傾向は気候の話です。この区別がつかないと、雨温図を見ても、ある月の棒が高いという印象だけで答えを選びやすくなります。
地形にも似た難しさがあります。「平らな土地」という見た目が同じでも、山の出口の扇状地と河口の三角州では、でき方も水のしみこみやすさも違います。名前を覚える前に、水や岩石がどう動いたのかをたどることが必要です。地形と気候の学習では、見える特徴を、そこに至るしくみへ結びつけます。その順序が身につくと、資料にない地名を当てようとせず、地図やグラフから読み取れる根拠で、土地利用や暮らしとの関係を説明できるようになります。
この単元で身につけること
- 大地形をつくる力を説明します。プレートの運動と山脈・海溝などの分布を結びつけ、地球規模の地形を捉えます。
- 小地形のでき方を区別します。侵食・運搬・堆積の働きから、河川や海岸に見られる地形を読み取ります。
- 気候要素と気候因子を分けます。気温や降水量という観測するものと、緯度や標高という違いを生む条件を混同しないようにします。
- 雨温図を順序立てて読みます。最高・最低の月平均気温、気温の年較差、降水量の季節変化を別々に確かめます。
- 気候区分を暮らしと結びつけます。植生との関係を手がかりに大きな気候帯を捉え、住居や農業を自然条件だけで決めつけずに説明します。
中学校で学んだ世界の気候や日本の地形に、地形図で確かめる傾斜や河川の位置を重ねる学習です。用語を増やすだけでなく、「その根拠は資料のどこにあるか」を示すことが高校での説明の土台になります。
基本の考え方
地球内部の力が大地形をつくる
地形とは地表の起伏や形のことです。大陸や海洋、長く連なる山脈などの大きなまとまりを大地形といいます。地球の表面は、地殻とその下のマントル最上部からなる硬い岩板であるプレートに分かれています。プレートはゆっくり動き、その境界で離れたり、近づいたり、横にずれたりします。プレートは大陸だけを載せた板ではなく、海洋を含むものもあります。
プレートが離れる境界では地下から物質が上がり、海洋では海嶺で新しい海洋底がつくられます。近づく境界では、一方が他方の下へ沈み込む場合があり、海溝や火山の連なりが見られます。大陸どうしが衝突する場合には、地層が押し縮められ、高い山脈の形成につながります。横にずれる境界でも地震が起こりますが、すべての境界に同じように火山が並ぶわけではありません。
図1のように、海洋プレートの沈み込みと、陸側の火山の位置には関係があります。ただし、図は位置関係を示した模式図で、沈み込みの角度や火山までの距離を実測したものではありません。沈み込むプレートから供給される水などの影響で、上側のマントルの一部が融けやすくなり、マグマの発生につながります。「沈み込んだ板がそのまますべて融ける」と覚えるのは不正確です。

世界の大地形を捉える際は、安定陸塊、古期造山帯、新期造山帯という区分も使います。安定陸塊には、古い岩石が広く露出する楯状地や、その上を比較的水平な地層が覆う卓状地があります。古期造山帯には長い侵食を受けた山地が多く、新期造山帯には険しい山脈が多く見られます。ただし、古い山地でもその後の隆起の影響を受けます。「古い地形は必ず低い」「安定陸塊では地震が絶対にない」という断定は避けます。
地表の水や波が小地形をつくる
大地形を土台にして、河川や波などが比較的小さな範囲の地形をつくります。岩石がその場で崩れたり性質を変えたりする働きが風化です。流水などが地表を削る働きが侵食、削られた物質を移す働きが運搬、それを積もらせる働きが堆積です。この3つは川の上流・中流・下流に完全に分かれるのではなく、同じ場所でも流量や傾斜によって強さが変わります。
山地では川が谷底を削り、断面がV字形の谷をつくることがあります。山地から平地へ出るところでは傾斜が緩み、運ばれてきた砂やれきが堆積して扇状地ができます。河口付近では細かい砂や泥が堆積し、三角州が発達することがあります。川が海へ出れば必ず三角州になるのではなく、土砂の供給量と波・潮流が土砂を運び去る働きの関係が重要です。
平野で蛇行する川は、一般に曲がりの外側で侵食が進み、内側で堆積が進みます。蛇行の一部が切り離されて残ると三日月湖になります。また、洪水時に川沿いへ比較的粗い土砂が積もると自然堤防ができ、その背後には水はけの悪い後背湿地が広がります。自然堤防は周囲より少し高い自然の地形で、人工の堤防とは別です。河岸段丘は、かつての河床や氾濫原などが、川の下方への侵食によって段状に残った地形です。
海岸では、波の侵食による海食崖や、砂の堆積による砂浜が見られます。沿岸の流れなどが運んだ砂が細長く突き出して積もると砂嘴、湾口をふさぐように堆積すると砂州ができます。沈水によって谷に海水が入り込んだリアス海岸は入り江が複雑です。氷河が削った谷が沈水したフィヨルドとは、海が入る前の谷のでき方が異なります。輪郭が似ているだけで同じ地形と判断しないことが大切です。
気候は要素と因子を分けて考える
天気はある時点や短期間の大気の状態で、気候はある地域における長期間の大気の状態を総合したものです。気温、降水量、風、湿度などは気候要素です。一方、気候要素の地域差を生む条件を気候因子といい、緯度、標高、海陸分布、地形、海流などがあります。「緯度が高い」は因子の説明、「平均気温が低い」は要素の説明です。
低緯度ほど太陽から受けるエネルギーが多い傾向がありますが、低緯度でも標高の高い地域は涼しくなります。また、海は陸より温まりにくく冷めにくいため、海の影響が強い地域では、同じ緯度の内陸より気温の年較差が小さくなる傾向があります。気温の年較差は、最暖月の月平均気温から最寒月の月平均気温を引いた値です。ある日の最高気温と最低気温の差である日較差とは別です。
降水には大気の動きが関係します。湿った空気が上昇して冷えると、水蒸気が凝結して雲を生じ、雨や雪につながります。赤道付近の熱帯収束帯では上昇気流が生じやすく、亜熱帯高圧帯では下降気流が生じやすいため乾燥しやすくなります。中緯度では偏西風の影響が大きく、季節によって卓越する風向が変わる季節風も、地域の雨季や乾季に関係します。こうした帯や風の影響範囲は季節とともに移り、緯度だけで年間の雨量が決まるわけではありません。
山地も空気の上昇を引き起こします。湿った風が斜面を上る風上側では雨が降りやすく、風下側は乾燥しやすくなります。日本海側と太平洋側で冬の降雪の様子が違うことも、季節風、海からの水蒸気の供給、山地を組み合わせて考えられます。1つの因子だけで説明するより、空気がどこから来てどこを通るかを追う方が筋道が明確になります。
ケッペンの気候区分は、植生の分布に着目し、気温と降水量の条件で地域を区分する方法です。入口では、熱帯A、乾燥帯B、温帯C、冷帯・亜寒帯D、寒帯Eの5つを捉えます。乾燥帯は降水が蒸発などに対して不足する条件で区分されるため、単純に暑い順に並ぶ気候帯の1つではありません。乾燥の基準には気温と降水の季節配分も関わります。
乾燥帯に当たらない地域では、最寒月の月平均気温が18℃以上なら熱帯です。寒帯は最暖月の月平均気温が10℃未満で、樹木の生育に厳しい寒さが特徴です。温帯と冷帯の境は、ここでは最寒月の月平均気温−3℃を使う教科書の区分に沿って考えます。最暖月が10℃以上で、最寒月が−3℃以上18℃未満なら温帯、最寒月が−3℃未満なら冷帯です。資料によっては境界の扱いが異なるので、問題に基準が示されている場合はそれに従います。
さらに熱帯雨林気候Af、サバナ気候Aw、砂漠気候BW、ステップ気候BS、地中海性気候Cs、西岸海洋性気候Cfb、温暖湿潤気候Cfaなどに分かれます。例えば地中海性気候は夏の乾燥が特徴で、年間の雨量だけでは判別できません。高山の気候は標高の影響を強く受けますが、基本の5気候帯とは別に扱われることがあります。まず大きな気候帯を確かめ、それから雨の季節性などを読むと、記号の丸暗記から抜け出せます。
例題で解き方を確かめる
例題1 プレートと地形の関係を説明する
問題は「海洋プレートが陸側のプレートの下へ沈み込む場所では、海溝と火山はどのような位置関係になりやすいですか。図1を使って説明しなさい」です。地名を答える問題ではなく、図の配置と地下のしくみを結びつける問題です。
- まずプレートの進む方向を確認します。上下の線だけを見ていると、どちらの板が沈み込むのかを逆に読んでしまうためです。
- 次に海溝の位置を押さえます。海溝は沈み込みが始まる付近の海底に見られる深いくぼみで、陸上の山の谷とは区別する必要があるためです。
- 最後に火山が海溝の真上ではなく陸側に位置することを確かめ、マグマの発生と結びつけます。表面の配置だけでなく、沈み込んだプレートが地下へ達することが関係するためです。
答え:海溝は沈み込みが始まる付近にでき、火山は一般に海溝より陸側に連なります。
この説明を「プレート境界ではどこでも火山ができる」に広げてはいけません。大陸どうしの衝突や横ずれの境界では、同じ説明をそのまま当てはめられないからです。問われている境界の種類を最初に絞ることが、短い記述を正確にします。
例題2 雨温図から年較差と降水の特徴を読む
次の表は、北半球のある地点の気候を読み取るための学習用の月別値です。この地点は乾燥帯には該当しないものとします。「気温の年較差と年降水量を求め、温帯か冷帯かを答えなさい。あわせて降水の多い季節を説明しなさい」という問題です。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 月平均気温(℃) | 5 | 6 | 9 | 14 | 18 | 22 | 26 | 27 | 23 | 17 | 12 | 7 |
| 月降水量(mm) | 50 | 60 | 100 | 120 | 130 | 180 | 160 | 150 | 200 | 150 | 80 | 50 |
図2では赤い折れ線を左の気温の目盛り、紺の棒を右の降水量の目盛りで読みます。折れ線と棒の上端が同じ高さでも、値が同じという意味にはなりません。左右で単位と目盛りの幅が異なります。

- 赤い折れ線の最大値と最小値を表でも確認します。気温の年較差は月平均気温どうしの差なので、最高が8月の27℃、最低が1月の5℃と特定してから、27−5=22℃と計算します。
- 12か月の降水量を合計します。年降水量は月ごとの平均ではなく合計なので、50+60+100+120+130+180+160+150+200+150+80+50=1,430mmです。
- 最寒月と最暖月の気温を区分の基準に当てはめます。乾燥帯でないという条件があり、最寒月が5℃、最暖月が27℃なので、ここで用いる基準では温帯です。
- 棒の年間の並びを見て季節性を述べます。最多月だけで季節全体を決めないため、6〜10月は各月150mm以上、冬は比較的少ないことを確認します。
答え:年較差は22℃、年降水量は1,430mmで温帯に属し、冬より夏から秋に降水が多い地点です。
この資料では9月が最多ですが、「夏から秋に多い」という説明と矛盾しません。最多月を答える問いと、季節配分を答える問いは、求める細かさが違います。また、温帯だと判定した後に、夏の乾燥の有無などを検討して細かな気候区分へ進みます。「最も暑い月が27℃だから熱帯」という判断はできません。
例題3 平らな土地のでき方から土地利用を考える
問題は「山地から川が平地へ出たところに扇形の土地があり、表面にはれきが多く見られます。この地形の名称を答え、果樹園が見られる理由を水の動きと結びつけて説明しなさい」です。山の出口という位置、扇形という形、れきという堆積物の3つを使います。
- まず位置と形から候補を絞ります。河口という情報がないのに、平らだから三角州と決めないためです。山地の出口の扇形の土地は扇状地と考えられます。
- 次にれきの多い堆積物と水のしみこみ方をつなげます。扇状地では一般に水が地下へしみこみやすく、地表に水を保つ必要のある水田には用水の工夫が必要になるためです。
- 最後に果樹園との関係を限定して述べます。水はけのよさは果樹栽培に利用されますが、気温や日照、用水、出荷先なども栽培を左右するため、「必ず果樹園になる」とは書きません。
答え:扇状地であり、水はけのよい土地の性質を生かして果樹園に利用されることがあります。
扇状地の末端である扇端では地下水が地表へ現れ、湧水が見られることがあります。このため、同じ扇状地の中でも水の得やすさは一様ではありません。地域の具体的な土地利用を説明するときには、地形の名称に加えて、扇状地のどの部分かも確認します。
例題4 気候と暮らしの関係を短く記述する
問題は「夏に乾燥し、冬に降水が多い温帯の地域で、乾燥に耐える作物の栽培と、灌漑を利用した栽培が見られます。自然条件と人びとの工夫を区別して説明しなさい」です。気候名を挙げるだけでは、設問の後半に答えたことになりません。
- 季節と降水の組み合わせを読みます。温帯で夏に乾燥するという特徴は、地中海性気候を考える手がかりになるためです。
- 自然条件が栽培に与える制約を言葉にします。生育する時期の水不足が問題になることを示すと、作物選択や用水の工夫とのつながりが説明できるためです。
- 適応の方法を2つに分けます。乾燥に耐えるオリーブなどの作物を選ぶ方法と、灌漑で水を補う方法は、条件への対応の仕方が異なるためです。
答え:夏の乾燥に対し、乾燥に耐える作物を選んだり、灌漑で必要な水を補ったりして栽培を行います。
気候は選択の条件になりますが、農業を1つに固定する命令ではありません。技術や市場との結びつきが変われば、同じ地域でも栽培する作物や方法は変わります。住居についても、寒さへの断熱や雨に対応する屋根などを自然条件と結びつけられますが、材料の入手しやすさや文化、家計などの条件を無視しないことが必要です。
つまずきやすいところと直し方
平野の名前を形だけで決めてしまう
誤った書き方は「川がつくった平らな土地はすべて三角州」です。どこが違うかというと、堆積する場所や土砂の粒の大きさを区別していない点です。正しい書き方は「山地の出口にできる扇状地と、河口付近にできる三角州は、位置と主な堆積物が異なる」です。
図3のように、扇状地は川が山地から出るところ、三角州は川が海や湖へ流れ込むところに着目します。図の輪郭は位置関係を示す模式図なので、現地の土地が完全な扇形や三角形である必要はありません。地形図では河川の流れ、周囲の山地、海岸線、傾斜を一緒に確かめます。

扇状地には比較的粗い砂やれきが多く、三角州には細かい砂や泥が多いという傾向があります。ただし、図3の説明を「扇状地はどこも乾く、三角州はどこも水田」と置き換えてはいけません。地下水や堤防、排水設備、造成などによって、現在の水はけや土地利用は変わります。地形のでき方と今の利用状況を分けて確かめることが直し方です。
気候要素と気候因子を逆にする
誤った書き方は「気温は気候因子で、標高は気候要素です」です。どこが違うかというと、観測される大気の状態と、その地域差を生む条件が逆になっています。正しい書き方は「気温は気候要素であり、標高は気候因子です」です。
見分けるときは「何を測ってその地域の気候を表すか」と「なぜ別の地域と違うか」を別々に問います。気温が低いという結果に対し、標高が高いことが説明の1つになります。ただし、標高だけから実際の気温を断定するのではなく、緯度や季節、風なども確かめます。表の項目を覚えるだけよりも、「因子によって要素に違いが生じる」という文を自分でつくると整理できます。
気候帯から生活を1つに決めつける
誤った書き方は「熱帯では全員が同じ高床式の家に住みます」です。どこが違うかというと、気候帯は気温や降水量のまとまりを示すもので、人びとの住宅を一律に決める区分ではない点です。正しい書き方は「高温多湿や浸水への対応として高床式の住居が見られる地域がありますが、住居の形は文化や都市化などにも左右されます」です。
熱帯の中にも、年中雨の多い地域と雨季・乾季がはっきりした地域があります。都市の集合住宅と農村の住宅でも事情は違います。自然条件に対する工夫を説明しつつ、「どの地域の、どの暮らしか」という範囲を明確にすると、生活の多様性を消さずに地理的な説明ができます。
練習問題
練習1
「月降水量、緯度、海流、月平均気温」の4つを、気候要素と気候因子に分けなさい。さらに、気候因子を1つ使って気温の地域差を説明する文をつくりなさい。分類だけで終わらず、結果と条件の関係を確かめましょう。
練習2
乾燥帯には該当しない地点で、最暖月の月平均気温は21℃、最寒月は−8℃です。気温の年較差と、大きな気候帯を答えなさい。温帯と冷帯の境は最寒月−3℃という基準を使います。負の数の引き算と、分類の根拠を分けて書きましょう。
練習3
川沿いに周囲より少し高い帯状の土地があり、その背後に水はけの悪い低地が広がっています。それぞれの地形名を答え、どちらが一般に集落の立地に利用されてきたか説明しなさい。ただし、「洪水が起こらない」という言い方は使わず、周囲との高低差に着目しましょう。
練習4
2地点P・Qの年降水量は同じ1,200mmです。Pは各月100mm、Qは4〜9月が各月180mm、10〜3月が各月20mmです。この情報だけで両地点の気候が同じと言えますか。合計を確かめたうえで、雨の季節配分と、さらに必要な資料を答えなさい。
答えと解説
練習1の答えは、気候要素が月降水量と月平均気温、気候因子が緯度と海流です。説明の例は「一般に高緯度ほど太陽から受けるエネルギーが少なく、気温が低くなる傾向があります」です。海流を使う場合も、沿岸の気温への影響を説明します。観測値そのものを、差を生む条件と取り違えないようにします。
練習2の答えは、年較差29℃、冷帯・亜寒帯Dです。21−(−8)=29℃であり、最暖月は10℃以上、最寒月は−3℃未満です。冬が氷点下だから寒帯とするのは誤りです。寒帯の判断では、最も暖かい月でも10℃未満かどうかを確かめます。
練習3の答えは、川沿いの微高地が自然堤防、背後の低地が後背湿地で、一般に自然堤防が集落の立地に利用されてきました。周囲より少し高く、水はけも比較的よいことが理由です。ただし、自然堤防にも浸水の可能性はあり、集落があることと災害が起こらないことは同じではありません。
練習4の答えは、同じ気候とは言えず、Pは年間を通じて均等、Qは4〜9月に降水が集中し、さらに月別気温の資料などが必要です。Pは100×12=1,200mm、Qは180×6+20×6=1,200mmですが、Qの4〜9月の降水量は年合計の90%です。合計が等しくても、農業で水を必要とする時期に得られる量は異なります。気候区分の判断には、降水量だけでなく気温も欠かせません。
次の単元へのつながりと家庭での確かめ方
地形と気候は、農業の立地、都市の広がり、自然災害と防災を考える基礎になります。例えば、低く平らな土地は交通や建設に利用しやすい一方、水が集まりやすいという面も持ちます。同じ自然条件が生活の利点にも課題にも関わることを、次の学習で具体的に確かめます。
家庭で5分でできる確かめ方の1つ目は、雨温図を1つ選び、気温の最高・最低、降水量の最多月をそれぞれ指で示すことです。その後で年較差を計算し、気候の特徴を1文にします。まず気候名を隠して読むと、記号を見た印象に引きずられずに済みます。
2つ目は、身近な地域の地図で、川、山地、河口や低地の位置をたどることです。土地利用の印象だけで地形を断定せず、「この位置ならどの地形が考えられるか」と、追加で確かめたい情報を1つ書きます。お子さまと一緒に取り組む場合も、地名を当てるより、地図のどこを根拠にしたかを言葉にする時間にできます。
個別指導では、分類が難しければ気温と降水量の軸の読み方まで、地形の説明が止まれば上流・下流と土砂の動きまで戻って確かめます。間違った気候名だけを直すのではなく、資料を読む順序のどこで判断が変わったかをたどります。
まとめ
初めて見る土地でも、川がどこから流れ、何を運び、いつ雨が多いかを追えば、説明の手がかりが得られます。わからない地名があることより、資料の特徴を根拠に変えられるかどうかが、地理の理解を左右します。
自然条件から暮らしを考えるときは、その条件を利用したり補ったりする人びとの選択も読み取ります。平野や雨の多さに、便利か不便かという1つの評価を貼る必要はありません。地形と気候は暮らしの条件をつくり、人びとはその条件の中で暮らし方を選びます。
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